JIS Z 3940:2010 溶接ヒュームのデータシート | ページ 4

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Z 3940 : 2010
附属書F
(参考)
溶接ヒュームのデータシートの例(任意選択項目)
キー成分の キー成分 溶接ヒュームによる 適用国
溶接ヒューム限界値 溶接材料の分類 (及び限界値の出典)
mg/m3
1.25 Cr(VI) 1a SF a),UK b)
相加溶接ヒューム限界値 溶接ヒュームによる溶接材料の分類 適用国
mg/m3 (及び限界値の出典)
0.5 1a DK c)
0.5 1a S d)
溶接材料の表示 溶接材料の分類 1a-DK,S,SF,UK
注a) Fはフィンランド共和国を意味する。
なお,出典はHTP-arvot 2002 Sosiaali-ja terveysministeri Tysuojelusdksi 3, Tampere (2002).
b) Kはイギリスを意味する。
なお,出典はHealth and Safety Executive Occupational exposure limits EH 40/2002 HSE Books
2002 ISBN 0 7176 2083 2 (2002).
c) Kはデンマーク王国を意味する。
なお,出典はArbejdstilsynet Grnsevrdier for stoffer og materialer At-anvisning No. 3.1.0.2
Arbejdstilsynet, Copenhagen (1996).
d) はスウェーデンを意味する。
なお,出典はAFS 2000:3 Hygieniska grnsvrden och tgrder mot luftfroreningar (2000).

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附属書G
(参考)
溶接ヒュームのキー成分
表G.1−溶接ヒュームの代表的なキー成分
溶接方法 溶接材料の種類 代表的なキー成分
軟鋼及び低合金鋼 Mn
高合金鋼 Cr(VI)又はNi
鋳鉄 Ni又はCu
被覆アーク溶接 硬化肉盛 Co,Cr,Cr(VI),Ni又はMn
加工硬化 Mn
ニッケル合金 Cr,Cr(VI)又はNi
銅合金 Cu又はNi
軟鋼及び低合金鋼 Mn
ソリッドワイヤに 高合金鋼 Cr又はNi
よるガスシールド アルミニウム合金 Al,Mn又はZn
アーク溶接 ニッケル合金 Cr又はNi
銅合金 Cu又はNi
フラックス入りワイヤに軟鋼及び低合金鋼 Mn
よるガスシールド 高合金鋼 Cr(VI)又はNi
アーク溶接 硬化肉盛 Co,Cr,Cr(VI),Ni又はMn
軟鋼及び低合金鋼 Mn
セルフシールドアーク
高合金鋼 Cr(VI)又はNi
溶接
硬化肉盛 Co,Cr,Cr(VI),Ni又はMn

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附属書H
(参考)
溶接ヒュームのデータの利用について
H.1 溶接ヒュームへの人体ばく露の質量測定値の評価
H.1.1 質量測定値及びその結果とキー成分の溶接ヒューム限界値との比較
H.1.1.1 溶接ヒュームへのばく露の一般的な評価手段
溶接ヒュームへのばく露の一般的な評価手段は,溶接技能者が吸引する空気中に存在する職業衛生上有
意性のある全化学物質の濃度を測定し,その結果を関連物質の該当する限界値と比較する方法である。し
かし化学分析は比較的高価であり,かなりの数の分析試料を測定する必要がある場合には分析コストが高
くなる。国家の要求事項が相加限界値(E.1.1参照)を使用するよう規定している場合を除き,溶接ヒュー
ムへの人体ばく露を質量的に測定し,溶接ヒュームのキー成分(E.1.3参照)に対する防御上の限界値と比
較することによってばく露量を測定するための必要な作業を減らすことができる。
H.1.1.2 溶接ヒュームへの個人ばく露
溶接ヒュームへの個人ばく露評価を溶接ヒュームの限界成分から保護する限界値と比較することによっ
て実施する場合は,式(1)を使い,溶接ヒュームの主要成分(3.1参照)に対する単一成分溶接ヒューム限
界値(E.1.5参照)を計算する。
LVi
LVWF (SCi) 100 (1)
ここに, LVWF (SCi) : mg/m3単位の溶接ヒュームのi番目の主要成分に対して
計算された単一成分溶接ヒューム限界値。すなわち,溶
接ヒュームのi番目の主要成分に対する限界値が超えて
しまう溶接ヒューム濃度。
LVi : 溶接ヒュームのi番目の主要成分に対する限界値。
i : 溶接ヒュームデータシート上で報告されるような%単位
の溶接ヒュームのi番目の主要成分の割合。
次に個人ばく露の質量測定の結果とこれらの単一成分溶接ヒューム限界値の最も低いもの,すなわち,
キー成分の溶接ヒューム限界値とを比較し,溶接技能者が限界値を超える濃度でのいずれかの成分にさら
されるかどうかを推定する。キー成分の溶接ヒューム限界値は0.1 mg/m3単位に切り上げることが望まし
い。
注記 溶接ヒュームの主要成分に関して国家が定める限界値に相違がある場合には,キー成分の溶接
ヒューム限界値は国によって異なり,国家の関連限界値が改正される場合には時間と共に進化
する可能性がある。したがって,キー成分の溶接ヒューム限界値を報告する場合には,計算に
使用した限界値の出典を常に提供することが必要である。
H.1.2 質量測定値及びその結果と相加溶接ヒューム限界値との比較
H.1.2.1 各国の相加限界値
国によっては,溶接ヒューム等の化学物質の混合である複合物質に対する相加限界値(E.1.1参照)の利
用を規定しているところがある。化学物質の混合物の健康への組み合わされた影響に関する具体的な知識
がない中で,これらの国はそれらさまざまな成分の影響は,少なくとも累積的であるということに基づき,
リスクアセスメントを実施することを決定している。
注記 溶接ヒュームのリスクアセスメントが累積的原則に基づくことが法的必要条件となっている国

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もある。
H.1.2.2 溶接ヒュームへの人体ばく露
溶接ヒュームへの人体ばく露を質量的に測定し,その結果を相加溶接ヒューム限界値と比較することに
よってばく露の評価を行う場合には,式(2)を使用して相加溶接ヒューム限界値を算出する。
100
LVWF ( A) n

(pdf 一覧ページ番号 )

                                  n
100 i
i 1
1 LVi LVWF
ここに, LVWF (A) : mg/m3単位の相加溶接ヒューム限界値。
n : 溶接ヒュームの主要成分の数(3.1参照)
i : 溶接ヒュームデータシート上で報告されるような%単位
の溶接ヒュームのi番目の主要成分の割合。
LVi : 溶接ヒュームのi番目の主要成分に対する限界値。
LVWF : 限界が設定されている場合は,低から中程度の毒性の化
学物質を含む溶接ヒュームに対するmg/m3単位の限界
値,限界値が設定されていない場合は,吸い込む可能性
のあるほこりに対するmg/m3単位の限界値。
次に,個人ばく露の質量測定の結果と使用中の溶接材料に対して計算された相加溶接ヒューム限界値と
を比較する。
注記1 相加溶接ヒューム限界値を計算する場合,溶接ヒュームの主要成分は,5 %以上計算された
相加溶接ヒューム限界値に寄与しているすべての成分である。
相加溶接ヒューム限界値は0.1 mg/m3単位に切り上げることが望ましい。
注記2 相加溶接ヒューム限界値は,その溶接ヒュームの主要成分に対する国家限界値において違い
がある場合は,国によって異なる場合がある。それらは,国家限界値が改訂されると時間と
ともに変わる場合がある。したがって,相加溶接ヒューム限界値が報告された場合,その計
算で使用された限界値の出典を常に参照する必要がある。
注記3 リスクアセスメントのために個人ばく露の質量測定を使用する同様の方法は,デンマークで
使用されている。ただし,デンマーク式のアプローチでは,結果は個々の溶接工程に対して
あらかじめ設定されている限界値と比較される。いわゆる工程依存性の限界値と呼ばれるこ
れらのものは,“国家労働検査指示番号3.1.0.2”(参考文献 [3] 及び [4] 参照)に述べられて
いる。工程依存性の限界値が開発された方法は,“FORCE Institute”の出版物(参考文献 [5] 参
照)にすべて説明されている。
H.2 溶接ヒュームのキー成分に対する化学分析の限界
H.2.1 溶接ヒュームのリスクアセスメントの一般的な評価手段
溶接におけるリスクアセスメントの一般的な評価手段は,H.1.1.1のように,溶接技能者が吸引する空気
中に存在する職業衛生上有意性のある全化学成分の濃度を測定し,その結果を関連物質の該当する限界値
と比較する方法である。しかし化学分析は比較的高価であり,かなりの数の分析試料を測定する必要があ
る場合には分析コストが高くなる。コストを下げる方法は,国家の要求事項が相加限界値(E.1.1参照)を
使用するよう規定している場合を除き,溶接ヒュームのキー成分(E.1.3参照)に対する人体ばく露量を求
めるための試料の化学分析を制限すればよい。

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H.2.2 溶接ヒュームのキー成分に関する人体ばく露
溶接ヒュームのキー成分に関する人体ばく露量を求めるための試料の化学分析,及びその結果と関連物
質の該当限界値との比較を行うことによってばく露の評価を行う場合には,式(1)を使ってキー成分の溶接
ヒューム限界値を計算する。そして溶接ヒュームのキー成分に対するばく露量を求め,その結果をキー成
分の溶接ヒューム限界値と比較して,溶接技能者が溶接ヒューム中の過剰レベルの化学物質へばく露され
ないような十分良好な管理が行われているかどうかを決定する。
H.2.3 溶接ヒューム発生量に基づく溶接材料の分類及び溶接ヒュームについて算出した限界値
溶接ヒュームについて算出したキー成分の溶接ヒューム限界値(H.1.1参照),又は相加溶接ヒューム限
界値(H.1.2参照)をその溶接ヒュームの有害性を表す指標として使用し,危険性を評価する目的で,溶
接ヒューム発生量及びその溶接ヒュームの有害性に基づいて溶接材料を分類してもよい。附属書Iに記載
した分類方法は溶接ヒューム発生量及びその溶接ヒュームの有害性に関する別の情報を提供し,その相対
的な重要性は作業内容及び作業場所の状況によって変化し得るものである。

――――― [JIS Z 3940 pdf 20] ―――――

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JIS Z 3940:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 15011-4:2006(MOD)
  • ISO 15011-4:2006/AMENDMENT 1:2008(MOD)

JIS Z 3940:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3940:2010の関連規格と引用規格一覧