この規格ページの目次
3
Z 4511 : 2018
3.6
リップル(ripple)
電圧の変動を表す指標で,電圧の最大値から最小値を差し引いた値の最大値に対する百分率(%)。
3.7
X線装置(X-ray unit)
高電圧発生器,保護ケースなどを備えたX線管及び高電圧ケーブルを含むX線を発生する装置。
3.8
X線管(X-ray tube)
電位差によって加速された電子ビームを陽極に衝突させることでX線を生成することを目的とした真空
管。
3.9
モニタ(monitor)
照射中の空気カーマ率の安定性のモニタリング又は照射後の空気カーマの比較のために用いる測定器。
3.10
一次線(primary radiation)
蛍光X線標準場においてX線管から放出される放射線。
3.11
蛍光X線(fluorescence radiation)
一次線をラジエータに照射したときに発生する特性X線。
3.12
X線管遮蔽体(X-ray tube shielding)
一次線又は蛍光X線に対して散乱X線の寄与を抑制することを目的とした,固定又は移動式の遮蔽体。
3.13
基準条件(reference conditions)
校正定数を決定する場合に基準となる測定条件。基準条件では影響量の補正を行うことなく校正定数を
適用できる。
3.14
標準試験条件(standard test conditions)
校正又は試験における影響量の許容範囲。
3.15
電離箱部(ionization chamber assembly)
測定部を除く電離箱及び電離箱と一体となった部品。
注記 ステム,コネクタ,電離箱と一体となったケーブル,前置増幅器なども含まれる。また,薄窓
電離箱においては,電離箱と一体となった支持具なども含まれる。
3.16
測定部(measuring assembly)
電離箱からの電流又は電荷を測定し,それを表示,制御又はデータ保管のために適した形式に変換する
ための装置。
3.17
電離箱の基準点(reference point of the ionization chamber)
――――― [JIS Z 4511 pdf 6] ―――――
4
Z 4511 : 2018
決められた方向において,放射線源から電離箱までの距離を決定するための点。
3.18
試験点(point of test)
校正又は試験する電離箱の基準点を合わせる位置であり,線量(率)の取決め真値が既知である位置。
3.19
校正定数(calibration factor)
次のいずれかで求められる値。
− 測定量の取決め真値を,基準条件に補正された測定器の指示値で除して得られる比。
− 基準条件に補正された電離電流又は電荷を,電離箱の基準点における線量(率)の取決め真値に変換
するための係数。
3.20
取決め真値(conventional true value)
校正に用いる線量(率)の最良推定値。
3.21
レスポンス,R(response)
測定部の指示値の,基準点における線量(率)の取決め真値に対する比。
注記 レスポンスは,通常入射放射線のエネルギー及び入射角によって変化する。
3.22
一次標準(primary standard)
国内において最高の測定品質で確立された標準。
3.23
二次標準(secondary standard)
同じ種類の量の一次標準を用いて,直接又は間接的に校正することによって確立された標準。
3.24
参照標準(reference standard)
ある組織又はある場所で,ある種類の量の他の標準を校正するために指定される標準。
3.25
実用標準(working standard)
測定器又は測定システムの校正又は検証をするために,日常的に用いる標準。
3.26
周辺線量当量,H*(10)(ambient dose equivalent)
拡張・整列場によって作り出される放射線場に置かれたICRU球内の整列場の方向に対向する半径上の
深さ10 mmの点における線量当量。
注記1 単位は,シーベルト(Sv)である。
注記2 周辺線量当量率は,H*(10) で表し,単位は,シーベルト毎時(Sv・h−1)である。
注記3 “場所に関わる1 cm線量当量”は,H*(10) である。
3.27
方向性線量当量,H'(d, Ω)(directional dose equivalent)
拡張場によって作り出される放射線場に置かれたICRU球内の特定の方向に対して,角度Ωをなす半径
上の深さd mmの点における線量当量。
――――― [JIS Z 4511 pdf 7] ―――――
5
Z 4511 : 2018
注記1 単位は,シーベルト(Sv)である。
注記2 方向性線量当量率は,H'(d, Ω) で表し,単位は,シーベルト毎時(Sv・h−1)である。
注記3 入射角度Ω=0°のとき,H'(d) と表すこともある。
注記4 “場所に関わる70 m線量当量”は,h'(0.07) である。
3.28
個人線量当量,Hp(d)(personal dose equivalent)
人体の軟組織中の深さd mmにおける線量当量。
注記1 単位は,シーベルト(Sv)である。
注記2 個人線量当量率は,Hp(d) で表し,単位は,シーベルト毎時(Sv・h−1)である。
注記3 “個人に関わる1 cm線量当量”は,Hp(10),“個人に関わる70 μm線量当量”はHp(0.07) で
ある。
3.29
影響量(influence quantity)
測定を目的とする量以外で,測定結果に影響を与える量。
3.30
校正条件(calibration conditions)
実際に校正又は試験を行ったときの条件。
3.31
基準方向(reference direction)
測定器の方向であって,単一方向の放射線場における入射角に関係する方向。
注記 0°入射の場合,測定器の基準方向は,放射線の入射方向と一致するが,向きは反対である。
3.32
基準の向き(reference orientation)
入射放射線の方向が測定器の基準方向と一致する測定器の向き。
3.33
空気カーマ線量当量換算係数,hK(air kerma-to-dose equivalent conversion coefficient)
放射線場中のある点における周辺線量当量,方向性線量当量又は個人線量当量と空気カーマとの比。
3.34
フルエンススペクトル,ΦE(spectral fluence)
光子エネルギーEをもつフルエンスΦの分布。フルエンススペクトルΦEは,次式による。
d
Ε
dE
3.35
パルス波高スペクトル,dN/dQ(pulse height spectrum)
検出器中に生成する電荷Qによるパルス波高の分布。
3.36
フルエンススペクトル応答関数,R(E, Q)(spectral fluence response function)
フルエンススペクトルΦE及びパルス波高スペクトルdN/dQとの関係を表す関数。ΦE,dN/dQ及びR(E, Q)
の関係は,次式による。
――――― [JIS Z 4511 pdf 8] ―――――
6
Z 4511 : 2018
dN Emax
R(E, Q) dE
Ε
dQ E0
3.37
アンフォールディング(unfolding)
パルス波高スペクトルdN/dQ及びフルエンススペクトル応答関数R(E, Q) から,フルエンススペクトル
ΦEを決定する方法。
4 連続X線標準場
4.1 線質
連続X線標準場は,4.3に規定する性能を満足しなければならない。線質は,次のパラメータを用いて
特徴付ける。
a) 平均エネルギー E(keV)
b) 分解能 RE(%)
c) 半価層 HVL
アルミニウム,銅などを用い,単位は,mmで表す。
d) 均等度 h
e) 実効エネルギー Eeff
f) 線質指標 QI
線質指標QIは,次式による。
QI=Eeff/Emax
ここに,Emax : X線スペクトルの最大エネルギー
X線の線質は,X線管の高電圧,全フィルタの厚さ・組成及びターゲットの材質・角度に依存する。
4.2 連続X線標準場の仕様
4.2.1 線質の分類
連続X線標準場の線質は,次の五つに分類する。
a) 低空気カーマ率シリーズ(以下,Lシリーズという。)
b) 狭スペクトルシリーズ(以下,Nシリーズという。)
c) 広スペクトルシリーズ(以下,Wシリーズという。)
d) 高空気カーマ率シリーズ(以下,Hシリーズという。)
e) 線質指標シリーズ(以下,QIシリーズという。)
表1及び表2にそれぞれの線質の仕様を規定する。a) d) の線質の詳細は,表3,表4,表5及び表6
による。
分解能が高いLシリーズ及びNシリーズは,検出器のエネルギー特性の評価に適している。Hシリーズ
は,検出器のオーバロード特性の評価に適している。
Lシリーズ,Nシリーズ及びWシリーズの平均エネルギーは,表3表5に規定するそれぞれの値の±
3 %,分解能は,±10 %であることをスペクトル測定によって確認することが望ましい。Lシリーズ,N
シリーズ及びWシリーズの線質で,30 kV以下の線質についてもスペクトル測定によって,平均エネルギ
ーが±5 %,分解能が±15 %であることを確認することが望ましい。ただし,30 kV以下の線質における
Hp(10) 及びH*(10) による校正を行う場合の確認方法は,4.2.2に規定する。
付加フィルタがアルミニウム1 mm未満の線質では,X線管のターゲット角度,試験点までの空気層な
――――― [JIS Z 4511 pdf 9] ―――――
7
Z 4511 : 2018
どによって,平均エネルギー,分解能,半価層などが大きな影響を受ける。
スペクトル測定によって線質の確認を行わない場合は,4.3.4に規定する方法によって線質の確認を行わ
なければならない。
Hシリーズでは,管電圧及び第一半価層によって線質が特徴付けられる。この線質の設定については,
4.3.5に規定する。
QIシリーズの線質を示す場合,管電圧,QIの値,実効エネルギー,半価層及び均等度を併記する。ま
た,通常0.40.9の間で0.1間隔で設定される。a) d) に示す線質との比較では,QIの値が0.9の場合L
シリーズ,0.8の場合Nシリーズ,0.7の場合Wシリーズ,0.5の場合Hシリーズに,それぞれ近い線質と
なっている。
表1−連続X線場の概要(L,N,W及びHシリーズ)
線質 分解能RE 均等度h 空気カーマ率a), b)
% (概算値) Gyh−1
Lシリーズ 1822 1.0 3×10−4 c)
Nシリーズ 2737 0.751.0 10−310−2 c)
Wシリーズ 4857 0.670.98 10−210−1 c)
Hシリーズ 規定せず 0.640.86 10−20.5
注a) 距離1 m,管電流1 mA
b) 荷電粒子平衡状態では空気カーマは,空気吸収線量と同等である。
c) 実効エネルギーが30 keV以下の場合は,これらの線量率と異なる場合がある。
表2−連続X線場の概要(QIシリーズ)
QIの区分 分解能RE 均等度 空気カーマ率a)
% h Gyh−1
QI 0.6 6074 0.700.82 6×10−22.4×10−1
QI 0.7 4758 0.810.92 2×10−21.2×10−1
QI 0.8 3038 0.890.95 4×10−33×10−2
QI 0.9 1519 0.960.99 7×10−54×10−4
注記 QIの区分に対する分解能,均等度及び空気カーマ率は,管電圧20 kV300 kVの13の線
質での範囲を示す。
注a) 線装置の管電流が1 mAで,各管電圧での線質のときの,X線焦点から距離1 mの試験
点における空気カーマ率を示す。
――――― [JIS Z 4511 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS Z 4511:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4037-1:1996(MOD)
- ISO 4037-2:1997(MOD)
- ISO 4037-3:1999(MOD)
- ISO 4037-4:2004(MOD)
JIS Z 4511:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.240 : 放射線測定
JIS Z 4511:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ4001:1999
- 原子力用語
- JISZ4331:2005
- 個人線量計校正用ファントム
- JISZ8103:2019
- 計測用語