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Z 4511 : 2018
表3−Lシリーズの特徴
平均エネルギー 分解能 管電圧a) 付加フィルタb) 第一半価層d)
E RE mm mm
keV % kV Pb Sn Cu Al
8.5 10 0.3 c) 0.058 Al
17 21 20 2.0 c) 0.42 Al
26 21 30 0.18 4.0 c) 1.46 Al
30 21 35 0.25 2.20 Al
48 22 55 1.2 0.25 Cu
60 22 70 2.5 0.49 Cu
87 22 100 2.0 0.5 1.24 Cu
109 21 125 4.0 1.0 2.04 Cu
149 18 170 1.5 3.0 1.0 3.47 Cu
185 18 210 3.5 2.0 0.5 4.54 Cu
211 18 240 5.5 2.0 0.5 5.26 Cu
注a) 印加される管電圧
b) 管電圧10 kV,20 kV及び30 kVについては,Be 1 mm厚を固有フィルタとする。それ以外の管電圧は,固有
フィルタとしてAl 4 mm厚相当となるよう調整する(4.3.3参照)。
c) 固有フィルタ厚は,Be 1 mm厚であるが,平均エネルギーが±5 %,分解能が±15 %の範囲内であれば,異な
る固有フィルタを用いてもよい。
d) 線焦点から1 mの位置での測定値。第二半価層は,第一半価層とほとんど変化がない。
表4−Nシリーズの特徴
平均エネルギー 分解能 管電圧a) 付加フィルタb) 第一半価層d) 第二半価層d)
E RE mm
keV % kV Pb Sn Cu Al mm mm
8 28 10 0.1 c) 0.047 Al 0.052 Al
12 33 15 0.5 c) 0.14 Al 0.16 Al
16 34 20 1.0 c) 0.32 Al 0.37 Al
20 33 25 2.0 c) 0.66 Al 0.73 Al
24 32 30 4.0 c) 1.15 Al 1.30 Al
33 30 40 0.21 0.084 Cu 0.091 Cu
48 36 60 0.6 0.24 Cu 0.26 Cu
65 32 80 2.0 0.58 Cu 0.62 Cu
83 28 100 5.0 1.11 Cu 1.17 Cu
100 27 120 1.0 5.0 1.71 Cu 1.77 Cu
118 37 150 2.5 2.36 Cu 2.47 Cu
164 30 200 1.0 3.0 2.0 3.99 Cu 4.05 Cu
208 28 250 3.0 2.0 5.19 Cu 5.23 Cu
250 27 300 5.0 3.0 6.12 Cu 6.15 Cu
注a) 印加される管電圧
b) 管電圧10 kV,15 kV,20 kV,25 kV及び30 kVについては,Be 1 mm厚を固有フィルタとする。それ以外の
管電圧は,固有フィルタとしてAl 4 mm厚相当となるよう調整する(4.3.3参照)。
c) 固有フィルタ厚は,Be 1 mm厚であるが,平均エネルギーが±5 %,分解能が±15 %以内であれば,異なる固
有フィルタを用いてもよい。
d) 線焦点から1 mの位置での測定
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表5−Wシリーズの特徴
平均エネルギー 分解能 管電圧a) 付加フィルタb) 第一半価層 第二半価層
E RE mm Cu c) Cu c)
keV % kV Sn Cu mm mm
45 48 60 0.3 0.18 0.21
57 55 80 0.5 0.35 0.44
79 51 110 2.0 0.96 1.11
104 56 150 1.0 1.86 2.10
137 57 200 2.0 3.08 3.31
173 56 250 4.0 4.22 4.40
208 57 300 6.5 5.20 5.34
注a) 印加される管電圧
b) 固有フィルタとしてAl 4 mm厚相当とする(4.3.3参照)。
c) 線焦点から1 mの位置での測定
表6−Hシリーズの特徴
管電圧 付加フィルタa) 半価層b) 平均エネルギー
kV mm mm E
第一半価層 第二半価層
Al Cu Air Al Cu Al Cu keV
10 750 0.036 0.010 0.041 0.011 7.5
20 0.15 750 0.12 0.007 0.16 0.009 12.9
30 0.52 750 0.38 0.013 0.60 0.018 19.7
60 3.2 750 2.42 0.079 3.25 0.11 37.3
100 3.9 0.15 750 6.56 0.30 8.05 0.47 57.4
200 1.15 2 250 14.7 1.70 15.5 2.40 102
250 1.6 2 250 16.6 2.47 1.3 3.29 122
280 3.0 2 250 18.6 3.37 19.0 3.99 146
300 2.5 2 250 18.7 3.40 19.2 4.15 147
注記 参考文献[1]のSeelentag et at.[5] らによる計算値である。実際のスペクトルは,各施設のX線管の角度及び状態
によって異なる。
注a) 100 kVより高い管電圧では,固有フィルタとしてAl 4 mm厚相当,100 kV以下ではBe 4 mm厚相当となる
(4.3.3参照)。
b) 線焦点から1 mの位置での測定
4.2.2 低エネルギーX線のHp(10) 及びH*(10) の取決め真値の決定(30 kV以下)
4.2.2.1 一般
低エネルギーX線標準場の線量率の取決め真値の決定方法には,手法I及び手法IIがある。手法Iは,
スペクトロメータによるスペクトル測定によって換算係数を評価し,線量率を決定する方法である。手法
IIは,Hp(10) 及びH*(10) に対してエネルギー特性がよい電離箱などを用いて線量率を決定する方法であ
る。
4.2.2.2 管電圧
Hp(10) 及びH*(10) は,空気カーマと比べて管電圧の影響が大きくなる。表7に,換算係数が2 %変化
する管電圧の変化量を示す。管電圧は,表7の変化量を超えてはならない。
4.2.2.3 フルエンススペクトル及び換算係数
空気カーマから線量当量への換算には,スペクトル情報が必要である。フルエンス−空気カーマ換算係
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数を用いてフルエンススペクトルを空気カーマスペクトルに変換し,さらに,Hp(10) 及びH*(10) へ換算
する。ここで用いる換算係数は,スペクトル測定時における空気密度だけに限定して用いることができる。
これは,手法Iに適用し,附属書Eに測定例を示す。
4.3 装置の性能及び操作方法
4.3.1 X線装置
X線は,管電圧が10 %以下のリップルのX線装置によって発生されなければならない。管電圧を表示
する機器は,±1 %の変動が計測できなければならない。
X線管のターゲットは,タングステン製の反射型のものであって,電子の進行方向との角度は,20°以
上とする。照射中の管電圧は,平均値から±1 %で安定でなければならない。
注記 X線管の固有フィルタは,エージング効果に伴って増加する。
表7−管電圧30 kV以下における換算係数が2 %変化する管電圧の変化量
線質 管電圧U 平均エネルギーa) 換算係数が2 %変化する ΔU/U
管電圧の変化量ΔU
kV keV V %
hp,K(10, 0°) p,K(10, 60°) hp,K(10, 0°) p,K(10, 60°)
h*K(10) h*K(10)
L-10 10 9.2 12 5.4 0.12 0.054
L-20 20 17.4 150 79 0.74 0.4
L-30 30 26.7 450 320 1.5 1.1
N-10 10 8.9 10 5.6 0.1 0.056
N-15 15 12.7 41 22 0.28 0.15
N-20 20 16.5 130 67 0.63 0.33
N-25 25 20.4 250 150 0.99 0.61
N-30 30 24.7 450 300 1.5 0.99
H-10 10 8.7 9 4.6 0.09 0.046
H-20 20 14 83 41 0.41 0.21
H-30 30 20.1 300 180 1 0.59
注a) 参考文献[2]から引用。距離2.5 mでの水ファントムに対する校正の場合。
4.3.2 管電圧
管電圧を表示する機器は,実際に用いる測定環境に応じて校正されていなければならない。その校正は,
校正された分圧抵抗を用いる方法又は高分解能のスペクトロメトリを用いた最大光子エネルギーの測定に
よる。スペクトロメトリによる方法を用いる場合は,高エネルギー領域については,エネルギースペクト
ルをエネルギー軸へ外挿して最大光子エネルギーを求めてよい。管電圧の取決め真値は,±2 %の範囲で
既知でなければならない。ただし,表3,表4及び表5の線質を4.3.4によって設定する場合,又は管電圧
30 kV以下について,4.2.2によって設定する場合には,分圧抵抗を用いる方法又はスペクトロメトリによ
る方法によって管電圧を評価しなくてもよい。
4.3.3 フィルタ
4.3.3.1 一般
フィルタは,固定フィルタ及び付加フィルタから構成される。固定フィルタは,それぞれのX線管,透
過形電離箱の膜などの固有フィルタ及び調整用アルミニウムフィルタで構成される。Lシリーズの8.5 keV,
17 keV及び26 keV,並びにNシリーズの8 keV,12 keV,16 keV,20 keV及び24 keVでは,固定フィル
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タとして1 mm厚のBeによる固有フィルタを用いるのが望ましい。
4.3.3.2 固定フィルタの構成
固定フィルタの構成は,次による。
a) 固定フィルタは,X線管の固有フィルタ,モニタに透過形電離箱を使っている場合のその膜厚,及び
アルミニウムフィルタを含み,管電圧60 kVに対してアルミニウム4 mm厚相当とする。
アルミニウムフィルタは,付加フィルタからの特性X線を減弱させるために,付加フィルタの後に
配置する。
b) 線管の固有フィルタは,様々な組成(ガラス,オイル,窓など)から構成されることから,4.3.3.3
に規定するように,第一半価層を測定することによって,その厚さを推定することができる。固有フ
ィルタは,アルミニウム等価厚で3.5 mm以下であることが望ましい。
c) 固有フィルタは,その厚さが変化していないかどうか定期的に確認し,固定フィルタの厚さで調整す
る。
4.3.3.3 固有フィルタの決定
固有フィルタの測定は,純度99.9 %以上のアルミニウムフィルタを用いて,管電圧60 kV,付加フィル
タなしの状態で,次による。
a) 半価層の測定方法は,ICRU Report 10bによることが望ましい。
b) モニタに透過形電離箱を用いる場合は,アルミニウムフィルタからの後方散乱を低減させるために,
二つのコリメータの間に設置することが望ましい(図6参照)。また,アルミニウムフィルタは,コリ
メータの後ろに設置することが望ましい。
c) 第一半価層の測定は,エネルギー特性が既知の電離箱を用いなければならない。スペクトルの変化に
よる電離箱のレスポンスの変化は,必要に応じて,補正しなければならない。
d) 固有フィルタの測定では,アルミニウムフィルタからの散乱が無視できるように測定する。100 kVを
超える管電圧の放射線では,無限に小さな照射野に外挿した値を用いることが望ましい。
e) アルミニウムフィルタは,X線焦点と電離箱との中間点に設置することが望ましい。電離箱の設置位
置における照射野は,電離箱全体に放射線を均一に照射できる十分な大きさでなければならない。ア
ルミニウムフィルタから検出器までの距離は,検出器位置での照射野直径の5倍以上が望ましい。
f) 固有フィルタの厚さは,アルミニウムの減衰曲線を作成して第一半価層を決定し,表8を用いて推定
する。結果は,0.1 mm単位で丸める。
連続X線標準場では,付加フィルタに比べて固有フィルタが薄いため,60 kVで求めた固有フィル
タの値を他の電圧で用いてもよい。
注記 固有フィルタは,その組成に対してエネルギーの関数として変化する。
4.3.3.4 付加フィルタの構成
付加フィルタの構成は,次による。
a) シリーズ,Nシリーズ及びWシリーズでは,表3,表4及び表5に規定する鉛,すず,銅及びアル
ミニウムのフィルタを用いる。
b) シリーズでは,表6に規定するアルミニウム又は銅のフィルタを用いる。
c) Iシリーズでは,鉛,すず,銅及びアルミニウムのフィルタを用いる。
フィルタは,厚さの精度が±5 %で,孔,ボイド,ひびなどがない均質なものとし,表9に規定する純
度であることが望ましい。フィルタは,X線管側から原子番号が大きい順に設置しなければならない。
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表8−固有フィルタ
60 kVにおける第一半価層 固有フィルタ
mm Al mm Al
0.33 0.25
0.38 0.3
0.54 0.4
0.67 0.5
0.82 0.6
1.02 0.8
1.15 1
1.54 1.5
1.83 2
2.11 2.5
2.35 3
2.56 3.5
2.75 4
2.94 4.5
3.08 5
3.35 6
3.56 7
注記 参考文献[3]から引用。
表9−フィルタの仕様
種類 純度 密度
gcm−3
アルミニウム 99.9% 2.70
銅 99.9% 8.94
すず 99.9% 7.28
鉛 99.9% 11.3
4.3.4 他の方法を用いた線質評価
X線の管電圧を表示する機器が校正されていない場合は,次の方法を用いて標準場に近い場を生成しな
ければならない。Hシリーズについては,この方法を用いることができないため,4.3.5に評価法を規定す
る。
a) 基準 測定した第一半価層及び第二半価層が表3,表4及び表5に規定する値と±5 %で一致している
場合は,線質が同一とみなす。管電圧が100 kVを超える線質では,半価層は照射野直径を無限小(0
mm)に外挿して求めなければならない。
b) 装置 半価層測定用の空気カーマ(率)測定器は,繰返し性が0.3 %以下の検出器及び測定器によっ
て構成する。測定対象のエネルギー領域において,空気カーマに対するエネルギー特性がよく,かつ,
既知の検出器を用いなければならない。照射中の空気カーマ率の変動を補正する必要がある場合には,
モニタを用いる。
c) 測定方法 表3,表4及び表5に対応した線質について,次の方法によって評価しなければならない。
空気カーマ率Id及びフィルタ厚dに対して,loge(Id)=f (d) として減衰曲線を作成する。この減衰曲線
によって第一,第二半価層を評価する。これらの半価層が表3,表4及び表5と±5 %で一致していれ
ば,Lシリーズ,Nシリーズ又はWシリーズとみなす。
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JIS Z 4511:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4037-1:1996(MOD)
- ISO 4037-2:1997(MOD)
- ISO 4037-3:1999(MOD)
- ISO 4037-4:2004(MOD)
JIS Z 4511:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.240 : 放射線測定
JIS Z 4511:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ4001:1999
- 原子力用語
- JISZ4331:2005
- 個人線量計校正用ファントム
- JISZ8103:2019
- 計測用語