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Z 4511 : 2018
個人線量当量(率)Hp(10) 測定器の校正方法は,個人線量当量(率)Hp(10) 測定器のうち,体幹部用線
量計の校正に適用する。照射は,測定器をスラブファントムに装着して行う。自由空気中の空気カーマか
ら実用量Hp(10) に変換する換算係数は,表B.15表B.21による。
9.7.1.2 測定量
個人線量当量(率)測定器の測定量は,個人線量当量Hp(10) でなければならない。
9.7.2 個人線量当量(率)Hp(0.07) 測定器
9.7.2.1 一般
個人線量当量(率)Hp(0.07) 測定器の校正方法は,個人線量当量(率)Hp(0.07) 測定器のうち,体幹部
用線量計又は末端部用線量計の校正に適用する。照射は,測定器をファントムに装着して行う。自由空気
中の空気カーマから実用量Hp(0.07) に変換する換算係数を表B.22表B.39に記載する。散乱線がなく,
幅広い平行ビームでの単色光子に対する換算係数の様々なファントムに対する初期のデータは,ロッドフ
ァントム,ピラーファントム及びスラブファントムに対して,それぞれ表B.22,表B.28及び表B.34に記
載する。
9.7.2.2 測定量
個人線量当量(率)Hp(0.07) 測定器の測定量は,個人線量当量Hp(0.07) でなければならない。Hp(0.07) に
ついて,換算係数は,スラブファントム用とは別に,ロッドファントム用及びピラーファントム用がある。
9.8 その他の測定量の実用測定器の校正方法
9.8.1 一般
この校正方法は,9.6及び9.7以外の実用測定器である空気吸収線量(率)測定器,空気カーマ(率)測
定器及び照射線量(率)測定器の校正に適用する。これらの測定器は,自由空気中(ファントムなし)で
校正する。
9.8.2 測定量
測定量は,実用測定器の種類に応じて次による。
a) この規格における空気吸収線量(率)測定器の測定量は,8.2の式(1)の制動放射によるエネルギー損
失補正を行わない物理量である。また,空気吸収線量は,8.2の式(2)から,照射線量Xに空気のW/e
値(33.97 J・C−1)を乗じて求めることができる。
b) 空気カーマ(率)測定器の測定量は,8.2の式(1)で求める物理量である。
c) 照射線量(率)測定器の測定量は,光子が空気中のある質量において発生させた二次電子が停止する
までに生成されるいずれか一方の極性の電荷の総量の物理量である。空気カーマ(率)との関係は,
8.2の式(1)による。
10 校正結果の記録
校正結果の記録には,次の事項を含むことが望ましい。
a) 校正日付及び場所
b) 被校正品の説明(形式及び製造番号)
c) 被校正品の所有者又は顧客名
d) γ線源及び用いた標準測定器の詳細
e) 基準条件,校正条件及び/又は標準試験条件
f) 校正又は試験結果
g) 校正実施者名
――――― [JIS Z 4511 pdf 41] ―――――
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h) その他の特記事項
11 校正定数の不確かさ
11.1 一般
不確かさの評価は,ISO/IEC Guide 98-3による。特に定めのない限り,拡張不確かさは,95 %の信頼の
水準で求める。
11.2 校正定数の不確かさの求め方
11.2.1 校正定数の不確かさの成分
校正定数の不確かさは,11.2.2,11.2.3及び11.2.4に規定する標準不確かさ成分の合成による。
11.2.2 標準場の設定における不確かさ
標準場の設定における不確かさは,次の要因を考慮しなければならない。
a) 上位の標準による取決め真値の不確かさを含む,標準測定器の校正定数の不確かさ
b) 標準測定器を用いて測定したときの,統計的な不確かさ
c) ゼロシフト
d) 漏れ電流及び環境放射線
e) 測定部のレンジの非直線性
f) 標準測定器が校正された上位の標準場と,標準測定器によって設定する場との線質の違い
g) 温度,気圧及び湿度の変化
h) 照射距離
i) 検出器角度
j) 照射野の非均一性
k) ステム散乱
l) シャッタ移動時間(シャッタを使用する場合)
m) 標準測定器の長期安定性
n) 指示値の分解能
o) その他の特記事項
11.2.3 校正における不確かさ
次の成分の不確かさを考慮しなければならない。次に示す不確かさの数値は,標準不確かさである。
a) 標準場の取決め真値の設定における不確かさ
b) 標準測定器及び被試験測定器の設置位置における不確かさ
c) 内挿法による,異なる照射距離に起因する不確かさ(例 照射距離2 m以上で1 %)
d) 換算係数の不確かさ
(通常2 %。表B.2表B.39の幾つかの表の中で,“a)”がマークされた参照放射線については,個
別に不確かさを評価しなければならない。)
e) 照射野の非均一性
f) 複数の線量計を同時に照射した場合の不確かさ
g) ファントムを用いない校正における不確かさ
h) ビルドアップ板を用いた場合の不確かさ(この場合は,1 %を適用できる。)
i) レスポンスの長期安定性(この場合は,上限2 %を適用できる。)
11.2.4 低エネルギーX線に対する不確かさの追加要因
――――― [JIS Z 4511 pdf 42] ―――――
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次の不確かさを考慮しなければならない。次に示す不確かさの数値は,68 %の信頼の水準(k=1)であ
る。
a) 管電圧の変化から起因する不確かさ 見込まれる不確かさの例として,2 %程度である。
b) 空気密度によって変化による不確かさ 見込まれる不確かさの例として,2 %程度である。
c) 換算係数の不確かさ(9.2.3 手法I) 見込まれる不確かさの例として,1.5 %程度である。
d) p(10) 又はH*(10) に対してエネルギー特性がよい電離箱を用いた場合の線量設定における不確かさ
見込まれる不確かさの例として,2.5 %程度である。
e) 入射角の調整に起因する不確かさ[Hp(10) の場合だけ] 見込まれる不確かさの例として,2 %程度で
ある。
――――― [JIS Z 4511 pdf 43] ―――――
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附属書A
(規定)
基準条件及び標準試験条件
A.1 基準条件及び標準試験条件の要求事項
A.1.1 一般
校正又は試験は,基準条件で行うのが理想的には望ましい。基準条件は,必ずしも実現できないため(例
えば,気圧),基準条件付近の範囲を標準試験条件として用いる。試験条件の影響量が基準条件と異なるこ
とに起因する校正定数の変化は,原則,補正することが望ましい。実際には,補正するか又は不確かさに
含めるのかを決定する。試験中,対象でない全ての影響量は,標準試験条件の範囲内であることが望まし
い。基準条件及び標準試験条件の範囲は,受渡当事者間の協定による。受渡当事者間の協定がない場合に
は,表A.1及び表A.2に示す基準条件及び標準試験条件とすることが望ましい。実用測定器の校正では,
表A.2の標準試験条件を環境温度は,20±10 ℃に,相対湿度は,85 %以下にそれぞれ拡大する。
A.1.2 放射線に関する量
受渡当事者間の協定がない場合の放射線に関する量の基準条件及び標準試験条件は,表A.1による。
表A.1−放射線に関する量の基準条件及び標準試験条件
影響量 基準条件 標準試験条件
(特記がない場合)
137Cs a) 137Cs a)
γ線エネルギー
入射角 基準の向き 基準の向き±5°
放射能汚染 無視できる 無視できる
放射線のバックグラウンド 周辺線量当量率 周辺線量当量率
H*(10)≦0.1 μSv・h−1 H*(10)≦0.25 μSv・h−1
注a) 測定器のエネルギー定格範囲に137Csが含まれない場合は,他のエネルギーの標準場でもよい。
A.1.3 放射線に関連する量以外の量
受渡当事者間の協定がない場合の放射線に関連する量以外の量の基準条件及び標準試験条件は,表A.2
による。
――――― [JIS Z 4511 pdf 44] ―――――
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表A.2−放射線に関連する量以外の量の基準条件及び標準試験条件
影響量 基準条件 標準試験条件
(他に指示がない場合)
環境温度 ℃ 20 18−22 b), c)
相対湿度 % 65 30−75 b), c)
気圧 kPa 101.3 86−106 b), c)
安定時間 分 15 15以上
電源電圧 正規電源電圧 正規電源電圧±3 %
電源周波数a) 正規電源周波数 正規電源周波数±1 %
電源波形a) 正弦波 正弦波からのひずみ
5 %以下
外部電磁波 無視できるレベル 影響が認められる
レベル以下
外部磁気誘導 無視できるレベル 地球磁界の2倍以下
装置 通常動作の設定 通常動作の設定
注a) コンセントからの電圧供給で動作する装置に適用する。
b) 試験時の実際の値を記録する。
c) 温暖気候での校正を想定した値である。他の気候においては,校正のときのこれらの量の実
際の値を記録する。高地において使用する測定器の下限気圧は,70 kPaとしてもよい。
――――― [JIS Z 4511 pdf 45] ―――――
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JIS Z 4511:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4037-1:1996(MOD)
- ISO 4037-2:1997(MOD)
- ISO 4037-3:1999(MOD)
- ISO 4037-4:2004(MOD)
JIS Z 4511:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.240 : 放射線測定
JIS Z 4511:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ4001:1999
- 原子力用語
- JISZ4331:2005
- 個人線量計校正用ファントム
- JISZ8103:2019
- 計測用語