JIS Z 4514:2010 β線組織吸収線量測定器及び線量当量測定器の校正方法 | ページ 7

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Z 4514 : 2010
附属書JB
(参考)
校正に用いる器具の性能
JB.1 一般
この附属書は,β線組織吸収線量(率)及び70 μm線量当量(率)を対象とした校正に用いる器具の性
能を記載するものであり,規定の一部ではない。
JB.2 標準器として用いる器具の構造及び性能(参考文献[10]参照)
JB.2.1 外挿電離箱 (本体の5.3参照)
外挿電離箱は,次による。
a) 外挿電離箱の構造は,次による。
1) 集電極と高圧電極との間隔を,0.5 mm2.5 mmより広い範囲で変化でき,かつ,その間隔を測定で
きる。
2) 外挿電離箱には,基準点を表示する。機器そのものにない場合でも,マニュアルなどで示されてい
ればよい。
3) 組織等価物質で構成され,通気孔をもつ。
4) 入射窓厚が7±0.7 mg・cm−2で,電離箱の深さが1 cm以下とする。入射窓厚が7 mg・cm−2に満た
ない場合は,専用の付加フィルタを用いて7±0.7 mg・cm−2とする。
b) 指示部は,デジタル表示で3.5けた(桁)以上表示する。
c) アンプ出力を直接読み取ることができる構造である。
d) 外挿電離箱の性能は,次による。
90Sr+90Y及び85Krについて<1.0,147Pmについて<2.0
レスポンスの再現性(%) :
チルト特性 : 入射角が0°のとき及び±5°のときの出力値の変動が1.0 %以下
線量の直線性(%) : <1.0
90Sr+90Yに対する校正定数と85Kr及び147Pmに対する校正定数との
線質による校正定数の差 :
差が,いずれも5 %以内
JB.2.2 電離箱式吸収線量計(本体の5.4参照)
電離箱式吸収線量計は,次による。
a) 吸収線量又は吸収線量率だけ測定するものでもよい。
b) 電離箱の構造は,次による。
1) 基準点を表示する。
2) 組織等価物質で構成され,通気孔をもつ。
3) 入射窓厚が7±0.7 mg・cm−2で,電離箱の深さが1 cm以下とする。入射窓厚が7 mg・cm−2に満た
ない場合は,専用の付加フィルタを用いて7±0.7 mg・cm−2とする。
c) 指示部は,デジタル表示で3.5けた(桁)以上表示する。
d) アンプ出力を直接読み取ることができる構造である。
e) 電離箱式吸収線量計の性能は,次による。

――――― [JIS Z 4514 pdf 31] ―――――

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Z 4514 : 2010
90Sr+90Y,85Krについて<1.0,147Pmについて<2.0
レスポンスの再現性(%) :
チルト特性 : 入射角が0°のとき及び±5°のときの出力値の変動が1.0 %以下
線量の直線性(%) : <1.0
90Sr+90Yに対する校正定数と85Kr及び147Pmに対する校正定数との
線質による校正定数の差 :
差が,いずれも25 %以内
JB.3 校正に必要な器具の性能
校正に用いる温度計,湿度計,気圧計,計時装置及び長さ計の性能の例を,表JB.1に示す。
表JB.1−校正に必要な器具の性能の例
装置 項目 許容値
温度計 器差 ℃ ±1
湿度計 器差 % a) ±5
気圧計 器差 kPa ±0.4
計時装置 器差 % ±0.1
長さ計 器差 % ±0.1
注a) 相対湿度の単位としての%を意味する。

――――― [JIS Z 4514 pdf 32] ―――――

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Z 4514 : 2010
附属書JC
(参考)
実用器の簡略化した校正方法
JC.1 一般
この附属書は,この規格に基づいて校正した標準器を実用標準として, 8.3.1に基づき,この規格に規
定されていないβ線源を用いて簡略化した校正手順によって,実用器である方向性線量当量(率)測定器,
個人線量当量(率)測定器及び吸収線量(率)測定器を校正する方法について記載するものであって,規
定の一部ではない。
実用標準とする標準器(以下,標準器という。)を用いた実用器の校正方法は,JC.2JC.5に示す。校
正は,校正定数を与えるために行うものであり,許容範囲で合否判定をするものではない。しかし,実際
の実用器の校正では,多くの場合,相対基準誤差試験と同様の試験が行われており,その結果が規格を満
足することは,校正定数が一定の範囲内であることを暗に示している。
この附属書では,このような実用器の校正における校正方法及び留意点について記載する。
JC.2 標準器
標準器は,次による。
a) この規格に基づき校正した方向性線量当量(率)測定器,個人線量当量(率)測定器又は吸収線量(率)
測定器とする。
b) 実用器と同一形式とする。
注記 被校正実用器と標準器とが同一形式であると判断するためには,8.3.1に基づき,形式検査の
結果が同等であったり,測定器の重要部分の設計が同じであったりするなど,製品を確認し
た結果を用いる。
c) この規格に基づき校正した結果のレスポンスの再現性は,±5 %が望ましい。
注記 レスポンスの再現性の確認周期は,ISO 10012:2003[11]を参考に決定することが望ましい。
JC.3 β線源
校正に用いるβ線源は,次による。
a) β線放出核種とし,実用に供している線源とする。
b) 実用器の測定で安定した指示値が得られる線量率が設定できる線源とする。
c) 本体に規定する線源の要求仕様に適合しなくてもよい。
JC.4 校正
JC.4.1 校正の環境条件
校正の環境条件は,附属書Cによる。ただし,環境条件からの影響量が補正できる場合,又は環境条件
の補正を要しない場合の測定器はこの限りではない。
JC.4.2 校正方法
実用器の校正は,標準器と実用器との比較によるものとし,その方法は,次による。

――――― [JIS Z 4514 pdf 33] ―――――

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a) 標準器にβ線を照射し,そのときの指示値(Ia)を基準値とする。
b) 被校正実用器をa) の測定と同じ条件下でβ線を照射し,指示値(Ib)を求める。
c) 被校正実用器の校正定数(Kb)は,次による。
Ia
Kb Ka
Ib
ここに, Ka : 本体に規定された校正方法によって得られた標準器の
校正定数
JC.5 校正結果の記録
実用器の校正結果は,記録用紙に記入するものとし,その内容は次による。記録は,少なくとも次の項
目を含むものとする。
なお,数値の丸め方は,JIS Z 8401による。
a) 校正年月日,校正場所
b) 線量計の形式及び製造番号
c) 校正に用いた線源及び実用標準器の詳細
d) 基準条件,校正条件及び/又は標準試験条件
e) 測定値を求める式及びすべての補正係数の数値
f) 校正結果
g) 校正を行った作業員の氏名
h) その他の所見
参考文献 [1] ICRU39, Determination of Dose Equivalents Resulting from External Radiation Sources (1985)
[2] ICRU44, Tissue Substitutes in Radiation Dosimetry and Measurement (1989)
[3] ICRU51, Quantities and Units in Radiation Protection Dosimetry (1993)
[4] ICRU47, Measurement of Dose Equivalents from External Photon and Electron Radiations (1992)
[5] ICRU56, Dosimetry of External Beta Rays for Radiation Protection (1997)
[6] Chartier, J.L., Cutarella, D., and Itie, C. Radiat. Prot. Dosim., 39 No. 1/3,115 (1991)
[7] Helmstdter, K. et al., Radiat. Prot. Dosim., 63, 293-298 (1996)
[8] JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
[9] Ambrosi, P. et al., J. Inst. 2, P11002 (2007), Ambrosi, P. et al.,PTB News 97.1 (1997)
[10] JCT21711 技術的要求事項適用指針(放射線・放射能・中性子(β線測定器(特定二次標
準器等)))
[11] ISO 10012:2003,Measurement management systems−Requirements for measurement processes
and measuring equipment

――――― [JIS Z 4514 pdf 34] ―――――

                                                                 附属書JD
Z4
7
5
(参考)
14 : 2
JISと対応国際規格との対比表
0 10
JIS Z 4514:2010 β線組織吸収線量測定器及び線量当量測定器の校正方法 ISO 6980-1:2006 Nuclear energy−Reference beta-particle radiation−Part 1:
Methods of production
ISO 6980-2:2004 Nuclear energy−Reference beta-particle radiation−Part 2:

Calibration fundamentals related to basic quantities characterizing the radiation fieldISO 6980-3:2006 Nuclear energy−Reference beta-particle radiation−Part 3:Calibration of area and personal dosemeters and the determination of their response as afunction of beta radiation energy and angle of incidence

     (I)   JISの規定                 (II)       (III)国際規格の規定          (IV)   JISと国際規格との技術的差異の箇条(V)   JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 番号 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範 ISO 6980-1 1 適用範囲 変更 説明に当たる部分を省略して 技術的差異はない。
囲 ISO 6980-2 いる。
2 引用規 ISO 6980-3

3 用語及 箇条4以降で使用す 3 国際規格内で使用してい 変更 箇条4以降で使用していない用実質的な差異はない。
び定義 る用語 る用語 語及びJIS Z 4001に記載され
ている用語を削除。
4 β線標準 ISO 6980-1
4.1 β線標準場の要求 4 β線標準場の要求事項 追加 標準場の仕様の説明を追加し 技術的差異はない。
場の生成 事項 た。
4.1.1 標準場の仕様
4.1.2 標準場のエネ 4.1 標準場のエネルギー 一致
ルギー
4.1.3 β線スペクトル 4.2 β線スペクトルの形状
の形状
4.1.4 線量率の均一 4.3 線量率の均一性 変更 JISでは標準場のシリーズ名を技術的差異はない。
性 シリーズA及びBとした。
4.1.5 光子の影響 4.4 光子の影響 一致

――――― [JIS Z 4514 pdf 35] ―――――

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JIS Z 4514:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6980-1:2006(MOD)
  • ISO 6980-2:2004(MOD)
  • ISO 6980-3:2006(MOD)

JIS Z 4514:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4514:2010の関連規格と引用規格一覧