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Z 4752-2-11 : 2005 (IEC 61223-2-11 : 1999)
に附属の表示器を用いて,患者支持器の長軸に平行になるように合せる。最初の不変性試験の
時に使用したのと同じ焦点受像器間距離を選択する。
ステップ3 : 装てんされた24 cm×30 cmの撮影用カセッテ(カセッテ “P” は付図5a,付図5b及び付図
5c参照)をカセッテチェンジャの中央に挟む。カセッテチェンジャの中心をX線管装置の中
心に合わせて固定する。
ステップ4 : 手動調整又は固定の照射野限定システムの場合は,ステップ5に進む。
装てんされた24 cm×30 cmの撮影用カセッテ(カセッテ “Q” 付図5b参照)を,患者支持器
又はX線受像器に平行な面に保持する。ただし患者支持器及びX線受像器よりも2030 cm
の間でX線管装置に近い距離にする。カセッテの通常の入射面をX線管装置に対し逆向きと
し,すべてのX線ビームを通過させる。光照射野表示器を用い,焦点から光照射野の中心で
のカセッテ “Q” までの距離を測定,記録し,カセッテのエッジと光照射野のエッジとが平行
になるよう合わせる。
備考 焦点から二つの撮影用カセッテまでの距離は異なり,カセッテ“P”の前面には,患者支持器,
散乱線除去グリッド及びカセッテ “Q” のような吸収物質がある。したがって,二つのカセッ
テへの空気カーマは,かなり異なる。両方のカセッテ内のフィルムに対し,適切な照射線量を
与えるための1つのX線条件を容易に選ぶ試みとして,カセッテ “Q” を通常使用されるのと
逆向きに置いてみる。1回の照射で満足する試験ができなければ,異なったX線条件での2回
の照射を行う必要がある。
ステップ5 : 手動調整又は固定の照射野限定システムの場合,アライメント試験器具を 患者支持器又はX
線受像器の入射面に置く。患者支持器が曲面の場合,薄くて,低い減弱の物質(例えば,木
材)の平らで固い物を患者支持器上に渡して,X線受像器に対し試験器具面が平行になるよ
うにする。自動調整の照射野限定システムの場合,アライメント試験器具を,X線管装置に
最も近いカセッテ “Q” の表面に置く。アライメント試験器具には,X線照射野の大きさの評
価で必要な放射線不透過性マーカが付いている。
ステップ6 : 光照射野表示器を用いて,アライメント試験器具を光照射野の中心に置き,試験器具のエッ
ジが,光照射野のエッジと平行になるように合わせる。
− 自動照射野限定システムでは,試験器具の外表面上の印をもとに,光照射野の大きさと位
置を記録する。
− 手動又は固定の照射野限定システムでは,光照射野の大きさをアライメント試験器具上の
小さい照射野サイズ(例えば15 cm×20 cm)に合わせる。照射野限定器の照射野サイズ表
示器の表示値を記録する。光照射野の一つ又はそれ以上のエッジが,アライメント試験器
具によって決められた照射野のエッジに一致させることができないときは,非対称の程度
を記録する。
ステップ7 : 垂直度試験器具をアライメント試験器具の上に置く。垂直度試験器具下側底面のリングの中
心を,アライメント試験器具の表面に示された光照射野の中心に一致させるようにする。試
験の配置を付図5a及び付図5bに示す。
ステップ8 : 撮影は,最初の不変性試験と同じ,現像された撮影用フィルム上で,光学的濃度が0.51.5
の範囲に入るようなX線条件で行う。
備考 照射が自動露出制御下でしか行えないときは,患者に代わるものとして,自動露出制御システ
ムに対してX線ビームの適切な減弱及び線質硬化のための減弱ファントム(5.1.2参照)を使用
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する必要がある。減弱ファントムの位置は,付図5a及び付図5bを参照する。
− 自動調整の照射野限定システムの場合,両方のカセッテ中のフィルムを現像する。
− 手動調整又は固定の照射野限定システムの場合,光照射野を最大のカセッテサイズに再調
整する。カセッテ中のフィルムを現像する。
ステップ9 : 垂直度試験器具を取り除き,上記手順(ステップ18)を繰り返す。ただし,カセッテ “P” と
カセッテ “Q” として35 cm×43 cmの撮影用カセッテを使用する。
備考 “Q” の位置では,より小さな撮影用カセッテでもよい。
さらに,固定/手動調整照射野限定システムの場合には,ステップ6で,アライメント試験
器具に表示された,より大きい照射野の設定を使用する(例えば,30 cm×40 cm)。
5.3.3.3 X線ビームが水平方向だけ可能なX線装置 上記5.3.3.1及び5.3.3.2の手順は,オーバテーブル
X線管形装置に適用される。X線ビームが水平方向に設定可能なX線装置にも,同じ手順が適用される。
ただし,次のような手順の変更が必要であろう。
− 患者支持器又はX線受像器が水平位置でなく垂直位置であることを,内蔵の角度表示器又は内蔵の角
度表示器がない場合は,水準器を用いて確認する。
− 患者皮膚面又はX線受像器の入力面の垂直面に対して,試験器具を保持する手段を設ける。
5.3.3.4 アンダーテーブルX線管形装置 アンダーテーブルX線管形装置では,光照射野表示ができな
いため,5.3.1に示したすべての幾何学的特性の確認は不可能である。複雑な方法を用いることなく確認で
きるただ一つの特性は,X線照射野とX線受像器との一致である。
ステップ1 : 内蔵の角度表示器又は内蔵の角度表示器がない場合は水準器を用いて,患者支持器の水平度
を確認する。患者支持器が水平でないか,水平位置にできない場合は,偏差を記録する。
ステップ2 : アンダーテーブルX線管形装置のX線源装置は,通常,X線受像器が作動時には,自動的に
受像面の中心に合わされる。最初の不変性試験で使用したのと同じ焦点受像器間距離を選択
する。簡便のために,これは,X線受像器が患者支持器上で設定しうる最大の高さでもよい。
患者と受像面間のすべての二次的な照射野限定器は,取り除く。
ステップ3 : 装てんされた24 cm×30 cmの撮影用カセッテ(カセッテ “P”)を,カセッテチェンジャの中
央に挟む。カセッテチェンジャを,X線受像器として正しい位置に挿入する。試験配置を付
図5cに示す。
ステップ4 : 5.3.3.2のステップ4,5,8,及び9にある自動調整の照射野限定システム用に規定する方法に
よって試験を行う。
5.3.4 データの評価
5.3.4.1 手動又は固定の照射野限定システム
ステップ1 : カセッテ “P” でのX線像上のやや暗い露光領域で決められるX線照射野のエッジと,放射
線不透過性マーカの画像で示される光照射野のエッジ間との距離を測定する。不整合の程度
を計算するのに,それぞれの対となる対向するエッジにおけるこれらの測定値を加算する。
付図6のA参照。
ステップ2 : カセッテ “P” でのX線像上のやや暗い露光領域で決められるX線照射野のエッジの長さを
測定し,記録する。測定された寸法から表示された照射野の寸法を減じる。
5.3.4.2 アンダーテーブルX線管形装置を除く自動照射野限定システム
ステップ1 : カセッテ “Q” でのX線像上のやや暗い露光領域で決められるX線照射野のエッジと,光照
射の位置と大きさを表す放射線不透過性マーカの画像で示される光照射野のエッジ間の距離
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を測定する。5.3.3.2のステップ4参照。不整合の程度を計算するのに,それぞれの対となる
対向するエッジにおけるこれらの測定値を加算する。
ステップ2 : カセッテ “P” とカセッテ “Q” 両方のX線像上の二つの放射線不透過性マーカ間の距離dP
とdQを測定する。拡大率 “m” は,dP/dQで計算される。カセッテ “Q” でのX線像上のや
や暗い露光領域で決められるX線照射野のエッジの長さを測定する。カセッテ “P” の位置
でのX線照射野のエッジ間の距離を決めるため,これらの測定値に “m” を乗じる。X線照
射野のエッジ間距離の見積もり値と,対応する受像面のエッジ間距離の差が決まる。不整合
の程度を計算するのに,それぞれの対となる対向するエッジにおけるこれらの測定値を加算
する。付図6のB参照。
5.3.4.3 アンダーテーブルX線管形装置 5.3.4.2のステップ2によって測定を行う。
備考 この試験は,X線照射野のどのエッジでもX線受像器の境界を外れる場合は行えない。
5.3.5 適用基準
5.3.5.1 表示された焦点受像器間距離 焦点受像器間距離は,表示値の±1 %以内であり,最初の不変性
試験時の測定値の±1 %以内でなければならない。
5.3.5.2 X線(放射線)ビーム軸とX線受像器との垂直度(5.3.1の備考参照) X線ビーム軸は,受像
面の垂直軸の1.5°以内でなければならない。これを確認するためには,交差軸の中心の画像は垂直度試験
器具内側の円の画像内になければならない。
5.3.5.3 X線照射野と光照射野の一致 付図6のAにて測定された不一致は,一方の軸上でa1とa2,他
の軸上でb1及びb2で表す。焦点からの距離をSとすれば,次の関係による。
| a1 | + | a2 |≦ 0.02 ×S
| b1 | + | b2 |≦ 0.02 ×S
5.3.5.4 X線照射野とX線受像器との一致 付図6のBにて,測定された不一致は,一方の軸上でc1と
c2,他の軸上でd1及びd2で表す。焦点からの距離をSとすれば,次の関係による。
| c1 | + | c2 |≦ 0.03 ×S
| d1 | + | d2 |≦ 0.03 ×S
≦ 0.04
| c1 | + | c2 | + | d1 | + | d2 | ×S
自動の照射野限定のほかに,二次的な照射野限定器が,患者とX線受像器との間にいつも配置される場
合は,不整合の基準は,二次的な照射野限定器が存在しないと仮定したときのX線照射野の投影に,適用
されなければならない。
5.3.5.5 X線照射野サイズの数値表示の正確さ 表示されたX線照射野の大きさと測定された寸法の差は,
焦点受像器間距離の±2 %以内でなければならない。
5.3.6 取るべき処置 被試験システムが基準を満たさない場合,附属書Cで参照された指針に従うこと
が望ましい。
5.3.7 不変性試験の頻度 試験は,製造業者が提供した取扱説明書に従って実施しなければならない。試
験頻度に関する情報がない場合は,不変性試験を少なくとも3か月ごとに実施しなければならない。
5.4 高コントラスト解像度
5.4.1 概要 使用期間中に焦点寸法の変化を除外できない場合は,次の試験を実施しなければならない。
この試験は,X線装置の解像度の不変性の確認を,高コントラスト試験器具の撮影像を作成することで
行う。
5.4.2 試験機器 次の試験機器が必要である。
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− 拡大鏡 通常2.5倍の倍率が適している。
− X線吸収体の周期的なパターンをもつ高コントラスト試験器具(高コントラスト試験器具の詳細は附
属書Dに記載)。
参考 空間周波数範囲の公比1.25の線対群であるJIS Z 4916(X線用解像力テストチャート)を用い
てもよい。
− 専用の撮影用カセッテ及びそのX線装置で通常の臨床に使用している形式の増感紙フィルムの組合せ。
5.4.3 試験手順 フィルムを入れた専用のカセッテをX線受像器面に設置する。焦点受像器間距離は臨
床で通常使用する距離とする。
高コントラスト試験器具の線パターンが,表面から200 mm離れるように患者支持器又はスポットフィ
ルム装置の入力面に置く(附属書D)。X線管装置をX線受像器の中心に合わせ,テストパターンをX線
管装置の中心に合わせる。
テストパターンの線対の主方向はX線管軸と約45°の角度に合わせる。どの試験器具においても,測定
配置は焦点からの距離及びX線照射野内での位置が,最初の不変性試験で使用した距離及び位置と±1 %
以内の再現性が可能であるように選択する。
管電圧は約70 kVに設定し,X線条件は現像したフィルムの減弱のなかった領域のベース込みかぶり濃
度が0.71.3の間で得られるように選択する。最初の不変性試験で使用したものと同じX線条件を常に使
用する。
備考 自動露出制御でだけ照射が可能な場合は,自動露出制御装置に作用するX線ビームの適度な減
弱と線質硬化のため,患者の代わりとして減弱ファントム(5.1.2参照)を用いる必要性がある。
これらの状況下で減弱ファントムは,X線源装置が許す限り焦点に近づけて配置することが望
ましい。
X線像は患者支持器面で測定して100 mm×100 mmのX線ビーム寸法になるよう撮影する。選択可能な
それぞれの焦点寸法で上記手順を繰り返す。
各試験ごとにX線条件を記録する。
照射されたフィルムは4.4で規定した手順に従って現像処理する。
5.4.4 データの評価 X線像は拡大鏡を用いて検査を行い,目視可能な最大空間周波数を記録する。これ
らは,この試験条件下での限界周波数である。
この試験を実施するときは,比較を行うために最初の不変性試験でのX線像と同じ手順で実施する。
5.4.5 適用基準 最初の不変性試験の限界周波数と比較して測定した限界周波数は,次を超えて低下して
はならない。
− 連続変化の解像度テストパターンの20 %,又は
− 1 LP群
5.4.6 取るべき処置 被試験システムが基準を満たさない場合,附属書Cで参照された指針に従うこと
が望ましい。
5.4.7 不変性試験の頻度 試験は,製造業者から提供された取扱説明書に従って実施しなければならない。
試験頻度に関する情報がない場合は,不変性試験は少なくとも,3か月ごとに実施しなければならない。
5.5 X線像全域の光学的濃度変化
5.5.1 概要 この試験は,X線像の規定の点で測定された光学的濃度の相対変化の不変性を確認する。こ
の試験は5.2の試験と同時に行ってよい。すなわち,1枚のX線像で両方の試験に必要な情報をもってい
る。
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5.5.2 試験機器 測定は,専用の撮影用カセッテ及び被試験X線装置で通常使用している形式の増感紙
とフィルムの組合せを使用して行う。濃度計は,常に±0.02以内で読めるものとする。
患者の代わりに減弱ファントムを使用する。これはX線ビームの適度な減弱と線質硬化を得るためであ
る。加えて,X線像の光学的濃度を測定する規定の点を明確にするためにフィルムマーカ試験器具を使用
しなければならない(付図1参照)。減弱ファントム及びフィルムマーカ試験器具の詳細は,附属書Dよ
る。
5.5.3 試験手順 X線源装置は通常の臨床で使用するように,X線受像器と中心が一直線上に並ぶように
調整する。
フィルムの入った撮影用カセッテを受像面に配置して,フィルムマーカ試験器具を焦点とX線受像器間
のX線ビーム内に配置する。
照射が自動露出制御でだけ可能な場合は,X線ビームの適度な減弱と線質硬化のために患者の代わりと
して減弱ファントムを使用する。
被試験装置のどの項目においても,測定の配置は最初の不変性試験で使用したものと±1 %以内で一致
しなければならない。同じ照射野寸法を使用する。
最初の不変性試験で設定する少なくとも2点以上の管電圧は,そのX線装置を使用する撮影手法の代表
値を選択する。以降の不変性試験では最初の不変性試験と同一の設定を行う。
5.5.3.1 マニュアル制御試験 X線装置は,最初の不変性試験で使用したX線条件と同一設定に手動で設
定して使用する。
照射されたフィルムを4.4で規定の手順に従って現像処理する。
光学的濃度はX線像上にX線を吸収するマーカで識別した規定の点で測定する(付図1参照)。
必要なら濃度の測定値は,フィルムの固有差および処理条件の変化に対応するために4.4で規定の手順
に従って調整する。
5.5.3.2 自動露出制御試験 X線装置は,自動制御システムを使用して,かつ,最初の不変性試験で使用
したものと同一の管電圧の設定及びその他適切な設定,例えば濃度制御を行って作動させる。
照射されたフィルムを,4.4で規定の手順に従って現像処理する。
光学的濃度は,X線像上にX線を吸収するマーカで識別した規定の点で測定する(付図1参照)。
必要なら濃度の測定値は,フィルムの固有差及び処理条件の変化に対応するために4.4で規定の手順に
従って調整する。
5.5.4 データの評価 X線像を検査して,最初の不変性試験で作成したものと比較する。この検査でX
線像全域の光学的濃度分布の全体的な変化が分かる。
X線像上のX線マーカ像で識別してある規定の点と参照点で測定した光学的濃度の差を,最初の不変性
試験のものと比較して差を確定する。X線像の目視検査で顕著な光学的濃度変化が生じた場合は,その点
について追加測定を行い光学的濃度の差を確定する。
5.5.5 適用基準 光学的濃度差が基礎値の±0.1以内であることが望ましい。
5.5.6 取るべき処置 被試験システムが基準を満たさない場合,附属書Cで参照された指針に従うこと
が望ましい。
5.5.7 光学的濃度変化の不変性試験の頻度 試験は製造業者から提供された取扱説明書に従って実施し
なければならない。試験頻度に関する情報がない場合は,不変性試験を少なくとも3か月ごとに実施しな
ければならない。
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JIS Z 4752-2-11:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61223-2-11:1999(IDT)
JIS Z 4752-2-11:2005の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 4752-2-11:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ4005:2012
- 医用放射線機器―定義した用語
- JISZ4701:1951
- 医療用薄ゴムシート
- JISZ4701:1997
- 医用X線装置通則
- JISZ4752-1:2001
- 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第1部:総則
- JISZ4752-2-1:2005
- 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第2-1部:不変性試験―フィルム現像機
- JISZ4752-2-3:2005
- 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第2-3部:不変性試験―暗室安全光条件