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Z 8462-4 : 2006 (ISO 11843-4 : 2003)
この場合,5.3,5.4及び6.の g b及び ygyb は,それぞれ,b g 及び ybyg に変更している。
5.3 正味状態変数の与えられた値を検出する確率
正味状態変数の検出可能な最小値(すなわち,5.2に
おける検定の検出力が確率1−βとなる正味状態変数の値)を推定する代わりに,この規格では,正味状態
変数の与えられた値xgに対して,検出力が確率1−β以上となる判定基準を示す。この判定基準を満たせ
ば,検出可能な最小値はxg以下であると結論できる。
参考 この規格では,“検出能力”及び“検出力”という二つの用語を用いている。“検出能力”は,
測定方法全体の性能を表しており,“検出力”は,統計的な処理を行った場合の判断の正しい確
率(統計的検定において,帰無仮説が正しくないとき,帰無仮説を棄却する確率)を表してい
る。
正味状態変数の与えられた値xgに対する応答の標準偏差がσgのとき,検出力が確率1−β以上となる判
定基準は,次の式で求める。
1 1 1 2b 1 2g
g b≧ z1 b z1 (3)
J K J K
ここに, ηb及びηg : 実際の測定条件における基底状態の応答及び,正味
状態変数がxgのときのサンプルの応答の期待値。
備考 式(3)の判定基準は,JIS Z 8462-1の正味状態変数の定義及び図1に基づくものである。
β=α,K=Jで,σg≧σbと仮定すると(正味状態変数が大きくなるに従って,標準偏差が小さくなること
はあまりない。),判定基準は,次のように簡易化できる。
g b 2z1
(pdf 一覧ページ番号 )
2b 2g J
5.4 検出能力が十分か否かの判定基準の確認
通常,式(3)の判定基準における応答の標準偏差及び期待
値は未知であり,判定基準を満たすことは実験データで確認しなければならない。したがって,簡易化し
た式(4)の判定基準の右辺は既知の定数であるが,左辺は未知の定数である。
基底状態の応答及びxgに等しい正味状態変数をもつサンプルの応答のN回の観測による妥当性確認実験
から,式(4)の判定基準の左辺の式は,次の式で推定できる。
yg yb
(pdf 一覧ページ番号 )
s2b s2g
記号の意味を,附属書Aに示す。
2b 2g
(g b) の下側の100(1−γ) %信頼限界値の近似は,次の式で求められる。
yg yb t1 (v)
CL(信頼限界値)= (6)
2b
s s2g N
ただし,t1−γ(v)は,仮説σb=σgが棄却されない場合は自由度がv=2(N−1)の,棄却された場合はウェル
(N 1)(s2bs2g ) 2
チ=サタースウェイトの公式による自由度 v の,t分布の(1−γ)分位点の値である。
s4b s4g
――――― [JIS Z 8462-4 pdf 6] ―――――
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Z 8462-4 : 2006 (ISO 11843-4 : 2003)
2b 2g
(g b) の信頼下限値が式(4)の判定基準を満たす場合は,検出可能な最小値がxg以下である
ことが確認される。
備考 Nの値が比較的大きい(20以上)場合は,式(3)又は式(4)の不等式に, by, gy,sb及びsgの推
定値を代入したとき,これらの不等式のいずれかが成立すれば,検出能力の確認は十分である
としてもよい。
参考 検出能力から十分か否かの判定の計算例を,附属書Bに示す。
6. 検出能力の評価結果の報告
通常,方法の妥当性確認の一環としての検出能力の評価から,次の事項
を報告する。
a) 参照状態値xgを含む,標準物質に関するすべての情報
b) それぞれの参照状態の繰返し回数N
c) 基底状態の応答及びxgに等しい正味状態変数をもつサンプルの応答の,それぞれの平均値 by及び gy
並びに標準偏差sb及びsg
d) 選択したα,β,J及びKの値
e) 推定値を代入した式(3)の判定基準の左辺及び右辺,すなわち, yg yb 及び
1 1 1 1
z1 sb z1 s2b s2g ,又は,適用できる(β=α,K=J,かつ,σg≧σb)場合は,統計量
J K J K
s2b
( yg−yb ) s2g とその信頼区間,及び式(4)の判定基準による許容下限値 2z1 J
f) 検出能力に関する結論
7. 結果の報告
観測値(応答又は正味状態変数の補間値)を報告する。真の値に関する仮説を検定する
ために観測値を用いたという事実は,真の値の推定(すなわち,観測値)を破棄して,これを検定の限界
値に等しい上限値又は検出可能な最小値に置き換える理由にはならない。これは,情報の無駄であること
に加えて,これらの限界値には信頼上限値として解釈できるものは一つもなく,誤解を招きやすい。適用
した限界値を,また,可能ならば,検出可能な最小値も報告する。
――――― [JIS Z 8462-4 pdf 7] ―――――
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Z 8462-4 : 2006 (ISO 11843-4 : 2003)
附属書A(規定)この規格で用いる記号
J この測定方法を用いるときの,正味状態変数のゼロ値を表す標準物質(ブランクサンプル)の測
定の繰返し回数
K この測定方法を用いるときの,実際の状態(試験サンプル)の測定の繰返し回数
N 検出能力を評価するときの,各標準物質(本体の4.2参照)の測定の繰返し回数
yc 応答変数の限界値
xg 検出可能な最小値よりも大きいかを検定するために与えられた値
ηb 基底状態の応答の実際の測定条件における期待値
ηg xgに等しい正味状態変数をもつサンプルの応答の実際の測定条件における期待値
σb 基底状態の応答の実際の測定条件における標準偏差
σg xgに等しい正味状態変数をもつサンプルの応答の実際の測定条件における標準偏差
by 基底状態で測定した応答変数の平均値
gy xgに等しい正味状態変数をもつサンプルで測定した応答変数の平均値
sb 基底状態における応答変数の標準偏差の推定値
sg xgに等しい正味状態変数をもつサンプルで測定した応答変数の標準偏差の推定値
z1-α 標準正規分布の(1−α)分位点
z1-β 標準正規分布の(1−β)分位点
t1-γ(v) 自由度vのt分布の(1−γ)分位点
――――― [JIS Z 8462-4 pdf 8] ―――――
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Z 8462-4 : 2006 (ISO 11843-4 : 2003)
附属書B(参考)検出能力が十分か否かの判定の計算例
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
連続流系を黒鉛炉原子吸光光度計に接続して,天然水内の低濃度の“反応性の高いアルミニウム”を測
定し,μg/Lの濃度で表した([2]参照)。ブランク濃度xb=0及び正味濃度xg=0.5 μg/Lの二つのサンプルを,
5回測定したときの吸光度の値を,附属書B表1に示す。したがって,方法の評価においては,N=5であ
る。検出能力は,J=K=1及びα=β=0.05として計算した。
附属書B表 1 ブランク濃度xb=0及び正味濃度xg=0.5 μg/Lの吸光度の値
アルミニウムの正味濃度 吸光度
x y
0 0.074 0.081 0.075 0.076 0.074
0.5 0.126 0.126 0.125 0.108 0.130
統計的解析から,次が得られた。
by=0.076 0
gy=0.123 0
sb=0.002 9
sg=0.008 6
これらの値から,次の値が得られた。
yg yb
=5.17
2b
s s2g
有意水準5 %のF検定では,仮説σb=σgは棄却されない。
γ=0.05及び自由度v=8の場合t1−γ(8)=1.86となり,また,α=0.05の場合z1−α=1.645となる。
本体の式(6)に従って計算した 2b 2g
g b の95 %信頼下限値は4.34で,これは本体の式(4)に
おける2 z1 J =3.29よりも大きい。したがって,この評価では,検出可能な最小値は,xg=0.5 μg/L
よりも小さいことになる。
――――― [JIS Z 8462-4 pdf 9] ―――――
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Z 8462-4 : 2006 (ISO 11843-4 : 2003)
参考文献
[1] JIS Z 8462-2 測定方法の検出能力−第2部 : 検量線が直線である場合の方法
備考 ISO 11843-2:2000,Capability of detection−Part 2: Methodology in the linear calibration caseが,こ
の規格と一致している。
[2] DANIELSSON,L.−G. and SPARN,A.A mechanized system for the determination of low levels of
quickly reacting aluminium in natural waters. Analytica Chimica Acta,306,1995,pp. 173-181
JIS Z 8462-4:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11843-4:2003(IDT)
JIS Z 8462-4:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.020 : 度量衡及び測定一般
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.30 : 統計的方法の応用
JIS Z 8462-4:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISQ0030:2019
- 標準物質―選択された用語及び定義
- JISZ8101-1:2015
- 統計―用語及び記号―第1部:一般統計用語及び確率で用いられる用語
- JISZ8101-2:2015
- 統計―用語及び記号―第2部:統計の応用
- JISZ8101-3:1999
- 統計―用語と記号―第3部:実験計画法
- JISZ8402-2:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第2部:標準測定方法の併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法
- JISZ8461:2001
- 標準物質を用いた校正(検量線が直線の場合)
- JISZ8462-1:2001
- 測定方法の検出能力―第1部:用語及び定義
- JISZ8462-2:2003
- 測定方法の検出能力―第2部:検量線が直線である場合の方法