この規格ページの目次
4
Z 8722 : 2009
c) 波長及び測光目盛 分光測光器の波長及び測光目盛の正確さは,標準試料の分光反射率係数又は分光
透過率係数の測定値によって確かめるものとし,その測定値の±1.0 %とする。ただし,測定値が40 %
以下のときは絶対値で±0.4 %とする。
この場合の標準試料には,用いる分光測光器と同等な照射及び受光の幾何条件で,ほぼ同等な波長
幅による分光反射率係数又は分光透過率係数の値が既知で,多様な分光特性をもつ5種類以上の試料
を用いることが望ましい。
d) 繰返し性及び反復性 測定値の繰返し性及び反復性は,5.2.1 e)に規定する条件と同等のものとする。
5.3 反射物体の測定方法
5.3.1 照射及び受光の幾何条件
照射及び受光の幾何条件は,一般には次の幾何条件a,幾何条件b,幾何条件c又は幾何条件dのいずれ
かによる。ただし,幾何条件a,幾何条件b,幾何条件c又は幾何条件d以外の幾何条件で測定した場合に
は,その幾何条件を付記しなければならない。
なお,幾何条件を,更に詳細に表示するときには,その等級及び許容差は,附属書Aを参照。
a) 幾何条件a[記号 : 照射光の方向が一方向であるときは(45°x:0°),複数方向であるときは(45°c:0°),
全方向であるときは(45°a:0°)とする。] 試料面の法線に対し45±2°の角度をなす一つ以上の光線
束で試料を照射し,試料の法線となす角度が10°以下の方向の反射光を受光する。この場合,照射及
び受光光線束には,それぞれの中心線に対し8°以上の傾きをもつ光線が含まれてはならない。また,
受光の方向は,試料の法線と一致しないことが望ましい。
b) 幾何条件b[記号 : 受光する方向が1方向であるときは(0°:45°x),複数方向であるときは(0°:45°c),
全方向であるときは(0°:45°a) とする。] 試料面の法線に対して光軸がなす角度が10°を超えない
一つの光線束で試料を照射し,試料面の法線とのなす角度が45 ± 2°の方向の反射光を受光する。こ
の場合,照射及び受光光線束には,それぞれの中心線に対し8°以上の傾きをもつ光線が含まれては
ならない。
c) 幾何条件c[記号 : 照射光に,試料からの鏡面反射となる成分を含むときは(di:8°),試料からの鏡面
反射となる成分を除くときは(de:8°)とする。] 試料をあらゆる方向から均等に照射し,試料面の法線
とのなす角度が10°以下の方向の反射光を受光する。この場合,受光光線束には,その中心線に対し
5°以上の傾きをもつ光線が含まれてはならない。また,受光の方向は,試料の法線と一致しないこと
が望ましい。
試料面の法線とのなす角度が8°以外で,10°以下の方向で反射光を受光した場合における測定値
の付記記号にも(di:8°)又は(de:8°)を用いる。
鏡面反射となる成分を除く場合に用いる光トラップは,平滑な鏡面からの正反射光を少なくとも
95 %は除くことが望ましい。それを試験するには,JIS Z 8741の6.1(一次標準面)に規定する黒色
ガラスによる鏡面光沢度標準面について,光トラップあり及び光トラップなしの場合の分光反射率係
数Rdi:8(λ)及びRde:8(λ)を測定し,次の条件を満足することを確かめる方法がある。
Rde8:
≦ .005
R8:di
d) 幾何条件d[記号 : 受光する反射光に鏡面反射成分を含むときは(8°:di),鏡面反射成分を除くときは
(8°:de)とする。] 試料面の法線に対して光軸がなす角度が10°を超えない一つの光線束で試料を照
射し,あらゆる方向へ反射する光を集積して受光する。この場合,照射光線束には,その中心線に対
し,5°以上の傾きをもつ光線が含まれてはならない。
――――― [JIS Z 8722 pdf 6] ―――――
5
Z 8722 : 2009
試料面の法線とのなす角度が8°以外で,10°以下の方向で試料を照射した場合における測定値の
付記記号にも(8°:de)を用いる。
鏡面反射となる成分を除く場合に用いる光トラップは,平滑な鏡面からの正反射光を少なくとも
95 %は除くことが望ましい。それを試験するには,JIS Z 8741の6.1に規定する黒色ガラスによる鏡
面光沢度標準面について,光トラップあり及び光トラップなしの場合の分光反射率係数R8:di(λ)及び
R8:de(λ)を測定し,次の条件を満足することを確かめる方法がある。
R:8de
≦ 0.05
Rdi:8
注記 幾何条件a,幾何条件b,幾何条件c及び幾何条件dで鏡面反射成分を除いた場合,分光反射
率係数R(λ)が測定される。幾何条件dで鏡面反射成分を含む場合,分光反射率ρ(λ)が測定さ
れる。
5.3.2 分光反射率係数の求め方
試料の分光反射率係数は,同形の装置を用いて目盛定めをした常用標準白色面と試料とを比較して求め
る。
5.3.3 分光反射率係数の測定
分光反射率係数の測定は,次の方法a又は方法bのいずれかの方法による。
a) 方法a(二光路の分光測光器を用いて置換方法による場合)
1) 試料面開口に常用標準白色面を,参考面開口に参考白色面を置いて,常用標準白色面の参考白色面
に対する相対分光反射率係数rw(λ)を求める。
2) 試料面開口に試料を,参考面開口に参考白色面を置いて,試料の参考白色面に対する相対分光反射
率係数r(λ)を求める。
3) 試料の分光反射率係数R(λ)を式(2)によって求める。
r
R RW (2)
rW
ここに, R(λ) : 試料の分光反射率係数
r(λ) : 試料の参考白色面に対する相対分光反射率係数
rw(λ) : 常用標準白色面の参考白色面に対する相対分光反射率係数
Rw(λ) : 測定に用いる分光測光器と同形の装置によって目盛定めを
した常用標準白色面の分光反射率係数
b) 方法b(一光路の分光測光器を用いる場合)
1) 常用標準白色面を測定し,出力目盛の読みR'w(λ)を読み取る。
2) 試料と常用標準白色面とを置き換えて測定し,出力目盛の読みR'(λ)を読み取る。
3) 試料の分光反射率係数R(λ)を式(3)によって求める。
R
R RW (3)
RW
ここに, R(λ) : 試料の分光反射率係数
R'(λ) : 試料の各々の波長における出力目盛の読み
R'w(λ) : 常用標準白色面の各々の波長における出力目盛の読み
Rw(λ) : 測定に用いる分光測光器と同形の装置によって目盛定めを
した常用標準白色面の分光反射率係数
注記 5.3.1の幾何条件c又は幾何条件dで,方法bによる場合,試料の分光反射率係数と常用標
準白色面の分光反射率係数との差が大きい場合には,積分誤差を生じる。
――――― [JIS Z 8722 pdf 7] ―――――
6
Z 8722 : 2009
なお,測定の場合,方法a及び方法bとも,零調整は,試料開口に光トラップを置いて
行い,光路を閉じて行わないのがよい。
5.3.4 常用標準白色面
常用標準白色面は,次の事項を満足していなければならない。
a) 衝撃,摩擦,光照射,温度,湿度などの影響を受けにくく,表面が汚れた場合も払しょく,洗浄,再
研磨などの方法で容易にこれを除去し,元の値を再現できるものでなければならない。
b) 均等拡散反射面に近い拡散反射特性があり,その特性が全面にわたって一様でなければならない。
c) 分光反射率係数がほぼ0.9以上であって,波長380780 nmにわたってほぼ一様でなければならない。
d) 分光反射率係数の目盛定めは,分光反射率係数既知の標準白色面を用い,測定に使用する分光測光器
と同形の装置によって行う。
5.3.5 参考白色面
参考白色面は,次の事項を満足していなければならない。
a) 均等拡散反射面に近い拡散反射特性がなければならない。
なお,鏡面反射がないことが望ましい。
b) 分光反射率係数が波長380780 nmにわたって常用標準白色面の分光反射率係数以上で,ほぼ一様で
なければならない。
5.3.6 標準白色面
標準白色面は,分光反射率係数が目盛定めされているものとする。この目盛定めは,国家標準にトレー
サブルとなるか,それに準じた方法で行うことが望ましい。
5.3.7 三刺激値の計算方法
XYZ表色系の三刺激値X,Y,Zの計算は,式(4)による。
780
X K S x R
380
780
Y K S y R (4)
380
780
Z K S z R
380
ここに, S(λ) : 測色用イルミナントの分光分布の波長λにおける値5)
―(λ) :
x
―(λ) : XYZ表色系における等色関数の値
y
―(λ) :
z
R(λ) : 試料の分光反射率係数
Δλ : 三刺激値計算のための波長間隔
K : 基準化係数で,次による。
100
K
S
380
ただし,標準イルミナント,補助標準イルミナント及び代表的な蛍光ランプの下での三刺激値の計算の
y ―(λ)の値は,測色用イルミナント,観測者の視野及び波長
z
―(λ),S(λ) ―(λ),及びS(λ)
場合,重価係数S(λ)
間隔6)に応じて,表1に規定する値を用いる。
注5) IE No.15:2004に定める標準イルミナント及び補助標準イルミナントの分光分布の値又は代表
――――― [JIS Z 8722 pdf 8] ―――――
7
Z 8722 : 2009
的な蛍光ランプの相対分光分布の値とする。
6) 測定波長間隔が20 nmの場合の積算波長範囲は,400700 nmとする。
注記1 三刺激値のYは,輝度率(ルミナンスファクタ)又は視感反射率に相当する。
表1−測色用イルミナント,観測視野及び波長間隔による重価係数
測色用イルミナント 標準イルミナント 補助標準イルミナント 代表的な蛍光ランプ
XYZ表色系 波長間隔 5 nm 表3表4 表5表8 表9表15
10 nm 表16表17 表18表21 表22表28
20 nm 表29表30 表31表34 表35表41
X10Y10Z10表色系 波長間隔 5 nm 表42表43 表44表47 表48表54
10 nm 表55表56 表57表60 表61表67
20 nm 表68表69 表70表73 表74表80
注記 表1表80の重価係数の値には,KΔλも含む。その値は,次のa) c)のいずれかの値を用いて,推奨された
方法によって計算し,その値を各波長ごとに丸めたものである。
a) IE No.15:2004に定める標準イルミナント及び補助標準イルミナントの分光分布の値
b) 代表的な蛍光ランプ及び常用光源蛍光ランプD65の相対分光分布(5 nmおき)の値
c) 標準観測者又は補助標準観測者の等色関数(5 nm間隔)の値
したがって,各波長間隔ごとの,又は途中の段階で丸めを行っていない場合の重価係数の総和とは若干異
なる。また,CIE No.15:2004の相対分光分布の値とCIE No.15:1986の値と異なることもある。
―(λ)及びz
―(λ),y ―(λ)の代わり
なお,X10Y10Z10表色系の三刺激値X10,Y10及びZ10の計算は,式(4)における x
― ― ―
に,X10Y10Z10表色系における等色関数の値x10(λ),y10(λ)及びz10(λ)を用いて計算する。ただし,標準イルミ
―
ナント,補助標準イルミナント及び代表的な蛍光ランプの下での三刺激値の計算の場合,重価係数S(λ)
― ―
10(λ),S(λ) 10(λ)及びS(λ) 10(λ)の値は,測色用イルミナント,観測者の視野及び波長間隔に応じて,表1
に規定する値を用いる。
注記2 X10Y10Z10表色系の三刺激値のY10は,輝度率(ルミナンスファクタ)又は視感反射率とは異な
る。
5.3.8 色度座標の計算方法
XYZ表色系の色度座標(x,y,z)の計算は,式(5)による。
X
x
X Y Z
Y
y (5)
X Y Z
Z
z
X Y Z
ここに, x,y,z : XYZ表色系における色度座標
X,Y,Z : XYZ表色系における三刺激値
なお,X10Y10Z10表色系の色度座標(x10,y10,z10)は,式(5)におけるX,Y及びZの代わりにX10,Y10及
びZ10を用いて計算する。
5.4 透過物体の測定方法
5.4.1 照射及び受光の幾何条件
照射及び受光の幾何条件は,一般には次の幾何条件e,幾何条件f,幾何条件g又は幾何条件hのいずれ
かによる。ただし,拡散性が強い試料では,その透過率は,積分球の試料面開口の大きさに対する照射光
――――― [JIS Z 8722 pdf 9] ―――――
8
Z 8722 : 2009
線束の大きさの比,試料の厚さ,大きさなどの影響を受けるので,これらの条件を併記することが望まし
い。
a) 幾何条件e[記号 : (0°:0°)] 試料面の法線方向から照射し,その透過光の方向で受光する。この場
合,照射及び受光光線束には,その中心線に対し5°以上の傾きをもつ光線が含まれてはならない。
なお,照射光線束の中心線の傾きは,試料面の法線に対して2°以内とする。
b) 幾何条件f[記号 : 受光する透過光に正透過成分を含むときは(0°:di),正透過成分を除くときは(0°:de)]
試料面の法線方向から照射し,すべての方向に透過する光を集積して受光する。この場合,照射光線
束には,その中心線に対して5°以上の傾きをもつ光線が含まれてはならない。
なお,照射光線束の中心線の傾きは,試料面の法線に対して2°以内とする。また,積分球を用い
る場合は,すべての開口の面積の和は,積分球内面の全面積の10 %を超えてはならない。
c) 幾何条件g[記号 : 照射光に,試料からの正透過となる成分を含むときは(di:0°),試料からの正透過
となる分を除くときは(de:0°)] 試料をあらゆる方向から照射し,試料面の法線方向に透過する光を
受光する。
なお,受光光線束の中心線の傾きは,試料面の法線に対して2°以内とする。また,積分球を用い
る場合は,すべての開口の面積の和は,積分球内面の全面積の10 %を超えてはならない。
d) 幾何条件h[記号 : (d:d)] 試料をあらゆる方向から均等に照射し,あらゆる方向に透過する光を集積
して受光する。
なお,積分球を用いる場合は,すべての開口の面積の和は,積分球内面の全面積の10 %を超えて
はならない。
注記1 試料が透明体の場合,幾何条件eで空気層を基準として測定すれば,分光正透過率が求ま
る。試料と同形,同質で,無色透明の物体を基準として測定すれば,分光内部透過率が求
まる。
注記2 幾何条件f,幾何条件g及び幾何条件hで,空気層を基準とし一光路の分光測光器で測定
すると,試料の界面反射に起因する誤差を生じる。この場合,積分球の壁面に試料開口と
同形の補償開口を設け,空気層で目盛合わせするとき,試料を補償開口に置くことで誤差
を除くことができる。
5.4.2 分光透過率係数の測定
分光透過率係数の測定は,一般には光路中に試料を挿入しない場合の空気層を基準物体として行う。
5.4.3 三刺激値の計算方法
三刺激値(X,Y,Z)又は三刺激値(X10,Y10,Z10)の計算は,5.3.7の式(4)におけるR(λ)の代わりに,
透過物体の分光透過率係数T(λ)を用いて計算する。
5.4.4 色度座標の計算方法
色度座標(x,y,z)又は色度座標(x10,y10,z10)の計算は,5.3.8の式(5)による。
6 刺激値直読方法
6.1 一般
刺激値直読方法は,光電色彩計を用い,計器の指示から,XYZ表色系の三刺激値(X,Y,Z)及び色度
座標(x,y)又はX10Y10Z10表色系の三刺激値(X10,Y10,Z10)及び色度座標(x10,y10)を求める。
6.2 光電色彩計
測定に用いる光電色彩計は,XYZ表色系又はX10Y10Z10表色系の等色関数に関するルータの条件を十分に
――――― [JIS Z 8722 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS Z 8722:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.180 : 光学及び光学的測定 > 17.180.20 : 色及び光の測定
JIS Z 8722:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8103:2019
- 計測用語
- JISZ8105:2000
- 色に関する用語
- JISZ8120:2001
- 光学用語
- JISZ8701:1999
- 色の表示方法―XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系
- JISZ8717:1989
- 蛍光物体色の測定方法
- JISZ8741:1997
- 鏡面光沢度―測定方法