JIS Z 9020-2:2016 管理図―第2部:シューハート管理図 | ページ 8

                                                                                             33
Z 9020-2 : 2016 (ISO 7870-2 : 2013)
を管理限界線の計算に含めるということは,結果として過大な工程平均を導き,真の偶然変動を反映しな
い管理限界を算出することになる。管理状態ではないことの原因は,再発防止のために是正処置がとられ
るように,追及することが望ましい。修正された平均不適合品率は,残りの24の群の値によって算出する。
195
p .0054
3 596
修正したp値を用いて,各群に対する改正したUCL値及びLCL値を計算すれば,全ての不適合品率が管
理限界内に入ることが認められた。今後,修正したp管理図を運用するための標準不適合品率として用い
る。すなわち,p0=0.054となる。
上述したように,各群の大きさのばらつきに対応した上側管理限界を引くことは手間のかかる作業であ
る。ただし,個々の群の大きさが,その平均である150から大きく変動していないので,修正後のp管理
図(p0=0.054を用いた)は,群の大きさの平均としてn=150による上側管理限界を用いてもよい。
以上のことから,修正後のp管理図の管理線は,次によって算出する。
中心線 CL 0 .0054
p0 1 p0 .0054 1 .0054
UCL p0 3 .0054 3 .0109
n 150
p0 1 p0 .0054 1 .0054
LCL p0 3 .0054 3
n 150
注記 負の値は実現しないので,下側管理限界値は示さない(図A.9参照)。
図A.9−不適合トランジスタラジオの改正p管理図
A.4.2 np管理図 : p0値を与えていない場合
表A.7のデータは,自動検査装置による小さなスイッチの全数検査によって検出した,機能不良に関す
る1時間当たり不適合品である。スイッチは,自動組立ラインで作られている。機能不良は重大な問題で
あるので,組立ラインが管理状態でなくなった時期を明らかにするために不適合品数を用いる。検査数が
一定であるために,予備データとして25群のデータを収集することによって,np管理図を準備した。

――――― [JIS Z 9020-2 pdf 36] ―――――

34
Z 9020-2 : 2016 (ISO 7870-2 : 2013)
表A.7−スイッチの予備データ
群番号 検査数(E) 不適合スイッチ数 不適合パーセント
(F)
1 4 000 8 0.200
2 4 000 14 0.350
3 4 000 10 0.250
4 4 000 4 0.100
5 4 000 13 0.325
6 4 000 9 0.225
7 4 000 7 0.175
8 4 000 11 0.275
9 4 000 15 0.375
10 4 000 13 0.325
11 4 000 5 0.125
12 4 000 14 0.350
13 4 000 12 0.300
14 4 000 8 0.200
15 4 000 15 0.375
16 4 000 11 0.275
17 4 000 9 0.225
18 4 000 18 0.450
19 4 000 6 0.150
20 4 000 12 0.300
21 4 000 6 0.150
22 4 000 12 0.300
23 4 000 8 0.200
24 4 000 15 0.375
25 4 000 14 0.350
合計 100 000 269
中心線及び管理限界は,次によって計算し,打点する。
np管理図計算 :
8 14 14
中心線 CL np 10.76
25
UCL np 3 np 1 p 10.76 3 10.76 1 .0002 7 20.59
LCL np 3 np 1 p 10.76 3 10.76 1.0002 7 .093

――――― [JIS Z 9020-2 pdf 37] ―――――

                                                                                             35
Z 9020-2 : 2016 (ISO 7870-2 : 2013)
図A.10−スイッチのnp管理図
図A.10は,スイッチの品質が統計的管理状態にあることを示している。これらの管理限界は,工程を改
善するまでか,又は工程を統計的管理から外すまで,以後の群に対して使用することができる。工程は統
計的管理状態にあるので,工程を変えることなしに改善ができることはほとんどないことに注意する。将
来の管理については,4 000の代わりに500の群の大きさで十分な場合もある。
工程の改善をした場合,変更した工程のパフォーマンスを反映するために,今後の群に対して異なった
管理限界を計算する必要がある。工程を改善した場合(npの値が小さくなった場合)には,新しい限界を
用い,工程が悪化した場合(npの値が大きくなった場合)には,更に突き止められる原因を探求しなけれ
ばならない。
A.4.3 c管理図 : c0値を与えていない場合
ビデオテープの製造会社は,ビデオテープのきず不適合を管理しようとしている。次のデータは,ビデ
オテープの端から350 mの長さの20巻のビデオテープの表面を連続して検査することによって検出され
たきず不適合数を示している(表A.8参照)。
表A.8−ビデオテープの予備データ
群番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 合計
きず 7 1 2 5 0 6 2 0 4 4 6 3 3 3 1 6 3 1 5 6 68
不適合数
(F)
中心線及び管理限界は,次によって計算し,打点する。
7 1 6
中心線 CL c 4.3
20
UCL c 3 c 4.3 3 4.3 9.8
LCL c 3 c 4.3 3 4.3
管理下限(LCL)が負の場合,管理下限はない(図A.11参照)。

――――― [JIS Z 9020-2 pdf 38] ―――――

36
Z 9020-2 : 2016 (ISO 7870-2 : 2013)
図A.11−ビデオテープの生産からのデータのc管理図
予備データは,工程が統計的管理状態にあることを示している。
A.4.4 u管理図(u0を与えない場合)
タイヤ製造工場では,30分ごとに50個のタイヤを検査し,総不適合数及びユニット当たりの不適合数
を記録している。工程の管理状態を調べるために,ユニット当たりの不適合数のu管理図の導入を決めた。
データを,表A.9に示す。
表A.9−ユニット当たりの不適合数(群当たりのユニット数,n=50)
群番号(E) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
c : 不適合数(F) 4 5 3 6 2 1 5 6 2 4
u : 単位当たりの 0.08 0.10 0.06 0.12 0.04 0.02 0.10 0.12 0.04 0.08
不適合数(F/E)
群番号(E) 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 合計
c : 不適合数(F) 7 5 2 3 5 1 2 6 3 5 77
u : 単位当たりの 0.14 0.10 0.04 0.06 0.10 0.02 0.04 0.12 0.06 0.10 0.077
不適合数(F/E)
総不適合数(c値の列からの)を,検査した総ユニット数で除す。
nc
77
u .0077
20.50
u .0077
UCL u 3 .0077 3 .0194 72 .0195
n 50
u .0077
LCL u 3 .0077 3
n 50
注記1 負の値は実現しないので,下側管理限界は示さない。
データ及び管理線は,図A.12のようになる。

――――― [JIS Z 9020-2 pdf 39] ―――――

                                                                                             37
Z 9020-2 : 2016 (ISO 7870-2 : 2013)
図A.12−タイヤの生産からのデータのu管理図
図A.12は,工程が統計的管理状態にあることを示している。
注記2 この例の場合は,群の大きさが一定なので,代わりにc管理図も利用できることに注意する。

――――― [JIS Z 9020-2 pdf 40] ―――――

次のページ PDF 41

JIS Z 9020-1:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 9020-2:2016の関連規格と引用規格一覧