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Z 9125 : 2007
作業面の維持照度の照度範囲を,表1に示す。
表 1 作業面の維持照度及び照度範囲
単位 lx
作業面維持照度 照度範囲
20 1530
30 2050
50 3075
75 50100
100 75150
150 100200
200 150300
300 200500
500 300750
750 5001 000
1000 7501 500
1500 1 0002 000
2000 1 5003 000
3000 2 0005 000
5000 3 0007 500
4.3.2 照度段階 照度の違いを感覚的に認識できる最小の照度の差異を,ほぼ1.5倍間隔とする。また,
通常の照明状態において,人の顔をやっと識別するには,約20 lxの水平面照度を必要とし,20 lxの水平
面照度を照度段階の最低値とする。照度段階は,次による。
20,30,50,75,100,150,200,300,500,750,1 000,1 500,2 000,3 000,5 000,7 500及び10 000lx
4.3.3 作業近傍の照度 作業近傍の照度は,作業領域の照度値によって規定しなければならず,視野内で
調和のとれた輝度分布になるようにすることが望ましい。作業領域の周辺に急激な照度の変化があると,
視覚的ストレスや不快感を生じることがあり,作業近傍の維持照度は,作業領域の照度値より低くなる場
合があるが,この場合,表2に示す照度を維持しなければならない。
表 2 作業近傍の維持照度
単位 lx
作業領域の照度 作業近傍の照度
750以上 500
500 300
300 200
200以下 作業照度と同一の照度
照明は,作業領域の照度値に加え,4.2に準じて必要な順応輝度になるようにしなければならない。
4.3.4 均斉度 照度の均斉度は,最小値の平均値に対する比で表す。照度の変化は,緩やかでなければな
らない。作業領域はできるだけ一様になるように照明しなければならない。作業領域の照度値の均斉度は,
0.7未満になってはならない。作業近傍の照度の均斉度は,0.5以上とする。
4.4 グレア
視野内の高輝度部によって生じる視覚をグレアとする。グレアは,不快グレア,減能グレ
ア,また,光沢面での反射によって生じる光幕反射及び反射グレアを含むものとする。
――――― [JIS Z 9125 pdf 6] ―――――
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作業ミス,疲れ及び事故を軽減するよう,グレアを抑制することが望ましい。
屋内における不快グレアは,一般には輝度が高い照明器具又は窓から直接的に生じるので,抑制しなけ
ればならない。減能グレアは,屋外照明によくあり,比較的暗い屋内のスポットライト及び窓のような面
積が大きく輝度が高い光源からも生じるが,屋内においては,不快グレアを抑制すれば,大きな問題とし
なくてもよい。
4.4.1 グレア源の遮光 グレアは,視野内の著しい高輝度部及び高い輝度対比によって生じ,対象物の見
え方を損なうので,光源を遮光したり,ブラインドを用いることなどによって回避する。ランプ輝度に対
するランプ最小遮光角は,表3に示した値を下回ってはならない。
表 3 ランプ輝度に対するランプ最小遮光角
ランプ輝度 (×1 000 cd/m2) 最小遮光角
1以上 20未満 10°
20以上 50未満 15°
50以上 500未満 20°
500以上 30°
上記の最小遮光角は,照明器具が通常作業中に視野にない場
合又は照明器具が減能グレアを与えない場合には適用しない。
4.4.2 不快グレア 照明施設に対する不快グレアの評価は,屋内統一グレア評価値(UGR)に基づく,次
の式によって行わなければならない。
.025 L2 (1)
UGR 8 log
Lb p2
ここに, Lb : 背景輝度(cd/m2)
L : 観測者の目の方向に対するそれぞれの照明器具の発光部の輝
度(cd/m2)
観測者の目の方向に対するそれぞれの照明器具の発光部の立
体角(sr)
p : それぞれの照明器具の視線からの隔たりに関するGuth(グー
ス)の位置指数
UGRの計算方法の詳細は,CIE 117 : 1995に規定されている。
この規格では,5. のUGR制限値は,標準観測位置においてランプ初期光束を用いて,計算しなければ
ならない。照明施設が異なる配光,光源などで構成されるとき,UGRは,すべての光源を組み合わせて計
算しなければならない。UGR最大値が,照明施設全体の代表値として得られ,これがUGR制限値に従わ
なければならない。UGRを算出する前提条件は,設計仕様書に明記されなければならない。
照明施設のUGRは,5. に示す値を超えないことが望ましい。
備考 室内におけるUGRの分布は,異なった観測者の位置の違いについて,UGR表に基づく方法,
又は式 (1) を使って算出する。
5. のUGR制限値は,UGR段階を用いる。各段階は,グレアの程度の変化を表現し,UGR段階の13は,
不快グレアを知覚できる最小の値を意味する。
UGR段階を,次に示す。
13,16,19,22,25,28
それぞれのUGR段階とグレアの程度との関係は,表4による。
――――― [JIS Z 9125 pdf 7] ―――――
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表 4 UGR段階とグレアの程度との関係
UGR段階 グレアの程度
28 ひどすぎると感じ始める
25 不快である
22 不快であると感じ始める
19 気になる
16 気になると感じ始める
13 感じられる
4.4.3 光幕反射及び反射グレア 視作業時の鏡面反射は,光幕反射又は反射グレアと呼ばれ,通常,視認
性を損なう可能性があるので,光幕反射及び反射グレアは,次の手段によって,防いだり又は軽減する。
a) 照明器具と作業場との配置(問題となる場所には照明器具を設置しない。)
b) 表面仕上げ(光沢の少ない表面をもつ材料を使用する。)
c) 照明器具の輝度(抑制する。)
d) 照明器具の発光部面積の増大(発光面積を大きくする。)
e) 天井面及び壁面(明るくし,高輝度部分を避ける。)
4.5 光の指向性
指向性のある照明は,物体を際立たせたり,質感を表現したり,空間内の人の見え方
を向上させるために用いる。これは“モデリング”という言葉で表現し,指向性のある照明は,視作業に
おける視認性を向上させる可能性がある。
4.5.1 モデリング モデリングは,光の拡散性と指向性とのバランスに関係し,それは,ほとんどすべて
の室内において有効な照明の質の基準とする。構造的な特徴,人及び物体を照明することによって,室内
の見え方全般は強調され,形や質感がはっきりと好ましく見えるので,光が一方向だけから入射するとき
に生じるはっきりした影は,良いモデリングにとって重要である。
照明は,不快な影を生じるような強い指向性にしないほうがよい。また,モデリング効果をほとんど失
わせ,非常に単調な照明環境の要因になるような強い拡散性にしないほうがよい。
4.5.2 視作業に対する指向性照明 特定の方向からの照明は,視作業における細部を見せることができ,
視認性を向上させ,作業をより簡単にするので,微細なテクスチュアを見分ける作業,けがき作業などで
は特に重要である。
4.6 光色及び演色
白色に近いランプの色の特性は,次の二つの特性によって特徴付けられ,これらは,
別々に考えなければならない。
a) ランプ自体の光色
b) ランプによって照明された物の色の見え方(演色)
4.6.1 光色 ランプの光色は,ランプが放射する光の見掛けの色(ランプの色度)に関係し,相関色温度
によって表現する。ランプは,相関色温度(Tcp)に応じて,通常,表5のように3グループに分類する。
表 5 ランプの相関色温度Tcp
光色 相関色温度 Tcp
暖色 3 300 K 未満
中間色 3 300 K 5 300 K
涼色 5 300 K を超える
――――― [JIS Z 9125 pdf 8] ―――――
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光色の選択は,心理状態,美的感覚にかかわる問題で,自然に見えるように考慮する。
その選択は,照度,部屋又は家具の色,周囲の気候,その使い方などに依存し,暖かい気候では,一般
に涼しい色温度の光色が好まれ,寒い気候では,暖かい色温度の光色が好まれる。
4.6.2 演色 光源の演色性を客観的に示すために,JIS Z 8726による平均演色評価数(Ra)を用いる。平
均演色評価数の推奨最小値は,室別,作業別及び活動別に5. による。また,JIS Z 9101による安全色彩は,
常に認識でき,明確に識別できなければならない。
平均演色評価数が80未満のランプは,仕事をしたり,又は,長い間滞在する室内では使用しないことが
望ましい。高天井照明又は屋外照明は,例外となる場合があるが(6 m以上の高さに設置して使用する産
業用ダウンライト),絶えず使用されている作業場及び安全色彩が識別できなければいけない場所では,よ
り演色性の高いランプを使用し,適切な数値を確保しなければならない。
4.7 昼光
昼光によって視作業に必要な光のすべて,又はその一部を供給してもよい。
窓は,外界との視覚的接触も可能にし,それは多くの人に好まれるが,作業域における直射日光による
過度な対比と熱的不快感を避けなければならない。
ブラインド又は日よけを用いて日射の適切な制御を行えば,直射日光が作業者及びその視野内に存在す
る表面に当たることはない。
作業面の必要照度を確保し,室内の輝度分布を調和させるために,補助照明を用いることが望ましい。
自動又は手動のスイッチ,及び自動又は手動の調光装置は,人工照明と昼光との適切な統合を保証するよ
うに用いてもよい。窓面からのグレアを減らすために,ブラインド,日よけなどの遮へい物を用いなけれ
ばならない。
4.8 保守
それぞれの作業に推奨される照明のレベルを,維持照度で規定する。維持照度は,ランプの
保守特性,照明器具及び環境と保守計画とに依存する。照明計画は,選ばれた照明器具,空間と特定の保
守計画とについて計算された総合保守率を用いて行う。保守率の計算値は,0.7以上が望ましい。
4.9 エネルギーへの配慮
照明設備は,エネルギーの浪費のないように特定の室,作業領域又は行為の
照明要件を達成することが望ましい。しかし,照明施設の視覚的側面を,エネルギー消費を減らすことで
妥協しないようにするため,適切なランプ,点灯装置,照明器具,制御及び昼光利用を考慮する。
照明に用いることのできるエネルギーには,法令などで定められた規制がある。これは,照明システム
の慎重な選択並びに自動又は手動の点滅スイッチ,及び自動又は手動の調光装置によって実現できる。
4.10 VDT作業のための照明
視覚表示装置(Visual Display Terminal,VDT)のための照明は,作業領域
で行われるすべての作業(例えば,VDT画面上と紙面上との文字を読む,紙面に書く又はキーボード操作
など。)において適切でなければならない。
これらの領域の照明基準及びシステムは,5.の照明要件一覧表から室別,作業別及び活動別に選ばなけ
ればならない。
VDT画面及びある環境下では,キーボードも,反射による減能グレア及び不快グレアが生じることにな
る。したがって,妨害となる高い輝度の反射を避けるように照明器具を選択し,照明器具を配置し,照明
器具の輝度を制御する。
設計者は,差し障りのある照明器具の設置位置を明らかにし,適切な輝度を選び,妨害反射(映込み)
を起こさない設置位置を計画しなければならない。
VDT画面への映込みを起こす照明器具の平均輝度の限界値は,表6による。垂直又は15度傾いた表示
画面を通常の視線方向(水平)で使用する場所では,照明器具の下半球光束による輝度の限界値は,照明
器具の鉛直角65度以上の平均輝度に適用する。
――――― [JIS Z 9125 pdf 9] ―――――
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表 6 照明器具の下方光の輝度限界値
画面のクラス (JIS Z 8517参照) I II III
画面の質 一般オフィスに適 すべてではないが,特別に制御された
する。 ほとんどのオフィ 光環境を必要とす
ス環境に適する。 る。
照明器具の平均輝度の限界値 2 000 cd/m2以下 200 cd/m2以下
備考 (1) 画面のクラスの説明は,JIS Z 8517の序文に記載されている。
(2) 影響を受けやすい画面及び特別な傾斜の画面を用いる場所では,上記の輝度規制は,より
小さい角度(例えば,鉛直角55度)を適用することが望ましい。
4.11 フリッカ及びストロボ効果
フリッカは,注意を散漫にして頭痛のような生理的影響を引き起こす
場合がある。また,ストロボ効果は,機械の回転及び往復運動を変化させて見せ,危険な状態を引き起こ
すことがあるので,照明システムは,フリッカ及びストロボ効果を避けるように計画されることが望まし
い。
備考 フリッカ及びストロボ効果は直流電源及びランプの高周波(約50 kHz)での使用,照明を三相
電源に接続することによって回避するのがよい。
4.12 非常照明
非常照明は,設置しなければならない。非常照明の詳細は,別の規格で規定する。
5. 照明要件一覧表
種々の室及び活動についての照明設計基準は,表7による。表7では,次の方法で
各要件を示す。
列1. 室(領域)の作業又は活動の一覧表
列1では,特定の要件がある室,作業,又は活動を列挙している。特に室,作業,又は活動
が挙がっていない場合,類似の状況に対する値を採用する。
列2. 維持照度( E,lx)
m
列2では,列1の室,作業,又は活動について,基準面における推奨される維持照度の値を
示す(4.3を参照)。
列3. UGR制限値(UGRL)
列1の状況にあてはまるUGR制限値を示している(4.4を参照)。
列4. 平均演色評価数の最小値(Ra)
列4では,列1の状況に対する平均演色評価数の最小値を示す(4.6.2を参照)。
列5. 備考欄
列1の状況の例外及び特別な適用について,助言と注記を示す。
――――― [JIS Z 9125 pdf 10] ―――――
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JIS Z 9125:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8995:2002 CIE S 008/E:2001(MOD)
JIS Z 9125:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
JIS Z 9125:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC7612:1985
- 照度測定方法
- JISZ8113:1998
- 照明用語
- JISZ8726:1990
- 光源の演色性評価方法
- JISZ9101:2018
- 図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則