この規格ページの目次
- 5.5 音の発生
- 5.6 部材法のための壁面表面平均音圧レベルの測定
- 5.7 室内平均音圧レベルの測定
- 5.8 残響時間の測定及び等価吸音面積の算出
- 5.9 全体法のための外周壁前面の平均音圧レベルの測定
- 5.10 外周壁部材の準音響透過損失の算出
- 5.11 内外音圧レベル差の算出
- 5.12 標準化音圧レベル差の算出
- 5.13 規準化音圧レベル差の算出
- 5.14 測定結果の計算
- 6 測定精度
- 6.1 一般事項
- 6.2 部材法
- 6.3 全体法
- 7 結果の表示
- JIS A 1430:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS A 1430:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS A 1430:2009の関連規格と引用規格一覧
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A 1430 : 2009
5.5 音の発生
スピーカから発生する音は,定常的で測定対象周波数範囲の全体にわたって連続的なスペクトルをもつ
ものとする。1個のオクターブバンドに属する各1/3オクターブバンドの音響パワーレベルの差は,125 Hz
のオクターブバンドで6 dB以内,250 Hzのオクターブバンドで5 dB以内及び500 Hz以上のオクターブバ
ンドで4 dB以内とする。音源の音響パワーは,すべての測定周波数帯域で受音室内の音圧レベルが暗騒音
のレベルよりも10 dB以上大きくなるように設定する。
5.6 部材法のための壁面表面平均音圧レベルの測定
5.6.1 試験要求事項
測定結果が,できるだけ実験室による測定結果と比較できるような結果を得るために,次の方法で行う。
a) 試験対象となる外周壁部材が仕様書どおりの構造となっており,部材製造事業者の説明書に従って取
り付けられていることを確認する。
b) 外周壁部材以外の外周壁からの透過音が,受音室の音圧レベルに大きな影響を与えないことを確認す
るために,外周壁の音響透過損失予想値を算出する。
さらに,開口部の面積が実験室のそれと同等であり,ニッシェの開口及びその中の窓の位置が,JIS A
1416に規定する要求条件に合致しているかどうかを確認する。
附属書Cは,これらの点を確認するときの幾つかの例を示している。外周壁部材以外の外周壁を透過す
る音が大きすぎて疑問を生じるときは,附属書Bに示す方法で行う。
注記 ニッシェとは,外周壁開口に建築部材を設置したとき,建築部材の両側にできるくぼみをいう。
5.6.2 外周壁部材表面における音圧レベルの測定
対象とする外周壁部材表面の平均音圧レベルL1,sを測定する。マイクロホンは接着性の強い接着テープ
で外周壁部材表面に固定する。このとき,マイクロホンの振動膜が外周壁部材面と平行になるようにマイ
クロホンを設置するときは,外周壁部材表面からマイクロホンの振動膜までの距離が10 mm以下になるよ
うにし,また,マイクロホンの振動膜が外周壁部材面と直角になるようにマイクロホンを設置するときは,
外周壁部材表面からマイクロホンの振動膜までの距離が3 mm以下になるようにする。また,マイクロホ
ンには,半球状の風防スクリーンを取り付ける(図2参照)。マイクロホンの直径は,上記条件を満足させ
るために13 mm以下のものを使用する。
図2−外周壁部材表面へのマイクロホンの設置例
外部及び室内で同時測定を行うとき,マイクロホンが外周壁部材表面に固定されても外周壁部材の遮音
性能に影響しないことが確認されているマイクロホン(ケーブルを含む。)を使用する。
外周壁部材表面の場所による音圧レベルの差に従って,310か所の測定点を選ぶ。測定点を測定面全
体に均等に,かつ,非対称に分布させる。測定点数をn点設定し,1周波数帯域における二つの測定点間
――――― [JIS A 1430 pdf 11] ―――――
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の音圧レベルの差の最大値がn dB以上のときは,測定点数を10か所まで増やす方法で測定点を設定する。
このとき,まず3か所 (n=3) の測定点数から始めるのがよい。
対象とする外周壁部材が外周壁のニッシェの部分に取り付けられているときには,常に10か所の測定点
を選ぶ。
なお,測定点間の音圧レベルの差が10 dB以上のときには,その旨を,試験報告書に記載する。
外周壁部材までの距離を一定に保つことができ,S/N比が10 dB以上確保されていれば,数箇所の固定
点測定の代わりに,移動マイクロホンを使用してもよい。
5.6.3 壁面表面平均音圧レベルの算出
5.6.2によって測定されたnか所の音圧レベル測定値によって,式 (7) から壁面表面平均音圧レベルを算
出する。
L1,s 10L2 / 10
10 log10 (10L1 / 10 10Ln / 10 )
10 log10 (n)
(pdf 一覧ページ番号 )
ここに, L1,L2,···,Lnは,測定点1,2,···,nにおける音圧レベルである。
注記 音圧レベルの差は,地上からの高さ,くぼみ,バルコニー,対象とする外周壁部材の位置など
によっても影響される。
5.7 室内平均音圧レベルの測定
次のいずれかの方法によって,受音室内の平均音圧レベルを測定する。
a) 固定マイクロホン法 受音室内で,室境界,家具などから0.5 m以上離れ,かつ,測定対象外周壁部
材から1.0 m以上離れた空間内に,互いに0.7 m以上離れた5点以上の測定点を空間的に均等に分布
させる。
b) 移動マイクロホン法 受音室内で,0.7 m以上の回転半径をもつマイクロホン移動装置を用いて測定
を行う。そのとき,室境界,家具などから0.5 m以上離れ,更に測定対象外周壁部材から1.0 m以上
離れた空間内でマイクロホンを連続的に回転させる。その回転面は床面に対して傾斜させ,また,各
壁面に対しても10°以上の角度となるようにする。回転周期は15秒以上とする。
c) 平均化時間
1) 固定マイクロホン法によるとき 各マイクロホン設置位置における音圧レベルの平均化時間は,5.3
に示す測定周波数帯域において,オクターブバンド測定のときには,中心周波数が250 Hz以下の周
波数帯域では3秒以上,500 Hz以上の周波数帯域では2秒以上,1/3オクターブバンド測定のとき
には中心周波数が400 Hz以下の周波数帯域では6秒以上,500 Hz以上の周波数帯域では4秒以上
とし,その間の等価音圧レベルを測定する。
注記 等価音圧レベルの測定は,騒音計の積分平均機能を利用することによって自動的に測定す
ることができる。積分平均機能を備えていない騒音計を用いるときには,帯域別に指示値
の平均を読み取る。
2) 移動マイクロホン法によるとき 平均化時間は,マイクロホン移動装置の周期以上,かつ,30秒以
上とし,回転周期の整数倍とする。
注記 この方法によるとき,必ず積分平均機能を備えた騒音計を用いて平均化時間における等価
音圧レベルを測定する。
d) 暗騒音の影響の補正 受音室における測定結果に対して,屋外からの騒音,受音システムにおける電
気的ノイズ,音源室と受音室間の電気的なクロストークなどが影響していないことを確認するために,
必ず暗騒音のレベルを測定する。
――――― [JIS A 1430 pdf 12] ―――――
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暗騒音のレベルは,測定信号に暗騒音が加わったレベルに対して,少なくとも6 dB以上(10 dB以上が
望ましい。)低くなるようにする。この差が6 dB以上のときには,暗騒音の影響を除去した音圧レベルを
式 (8) によって求める。その差が6 dBよりも小さいときには,この補正計算を行わず,音圧レベルの測
定結果は参考値として記録する。
L,2 sb / 10
Lb / 10
L2 10 log 10 (10 10 ) (8)
ここに, L2 : 補正された音圧レベル (dB)
L2,sb : 暗騒音の影響を含む音圧レベルの測定値 (dB)
Lb : 暗騒音の音圧レベル (dB)
注記 暗騒音の影響の補正は,式 (9) によって行ってもよい。
L2=L,2sb−LC (9)
ここに, LCは暗騒音補正値(正の値)で,表2によって与えられる。
表2−暗騒音補正値 LC
単位 dB
L2,sb−Lb 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
6.0 1.3 1.2 1.2 1.2 1.1 1.1 1.1 1.0 1.0 1.0
7.0 1.0 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.8 0.8 0.8 0.8
8.0 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6 0.6
9.0 0.6 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5
10.0 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4
11.0 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3
12.0 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2
13.0 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
14.0 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1
15.0以上 補正なし
5.8 残響時間の測定及び等価吸音面積の算出
5.8.1 残響時間の測定
残響時間の測定方法を,次に示す。
a) 受音室内の1点に音源スピーカを設置し,室内に均等な分布となるように3点以上の測定点を設ける。
すべての測定点は,音源スピーカ,壁などの室の境界面から1 m以上離す。
b) SO 3382に規定するノイズ断続法 (interrupted noise method) 又はインパルス応答積分法 (integrated
impulse response method) によって,オクターブバンド又は1/3オクターブバンドごとに残響減衰曲線
を求める。測定周波数帯域ごとの測定回数は,ノイズ断続法によるときには各測定点において3回以
上とする。
c) 測定された残響減衰曲線の傾きから残響時間を読み取る。そのとき,残響減衰曲線の初期レベルに対
して−5 dBから少なくとも−25 dBまでの減衰に最小二乗法による直線回帰などの手法を適用して残
響時間を求める。
5.8.2 等価吸音面積の算出
受音室の等価吸音面積は,残響時間の測定結果の平均値を用いて,式 (10) によって算出する。
――――― [JIS A 1430 pdf 13] ―――――
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V
A .016 (10)
T
ここに, A : 等価吸音面積 (m2)
V : 受音室の容積 (m3)
T : 受音室の残響時間 (s)
5.9 全体法のための外周壁前面の平均音圧レベルの測定
5.9.1 外周壁前面の音圧レベルの測定
マイクロホンは,測定対象外周壁の中央位置から外側に垂直に2.0±0.2 m又は1.0±0.2 m離れた点に設
置する。
なお,外周壁前面に手すり又は同様な突起物があるときは,それらの部分から,更に1.0 m離れた位置
とする。
マイクロホンの高さは,対象受音室の床上1.5 mの高さと同じ高さとする。
マイクロホン設置点における平均音圧レベルを求め,Ll,2m又はLl,1mとする。
なお,平均音圧レベルの平均化時間は,5.7c) 1)に準じる。対象室に対して,外周壁が一つ以上存在する
とき又は対象室が非常に大きいときには,5.9.2を参照する。
注記 制御不可能な干渉効果によって,特に低周波数域において誤差が生じるときがある。
5.9.2 大きな室又は外周壁面が複数ある外周壁
受音室が非常に大きいか,又は外周壁面が複数存在するとき,一般的には一つの音源だけで測定するこ
とは難しい。このときは,数箇所に音源を設置し,それぞれが5.4に規定する条件に準じるようにする(4.2
参照)。
5.10 外周壁部材の準音響透過損失の算出
5.7で求められた室内の平均音圧レベルL2及び式 (7) によって算出した外周壁部材表面の平均音圧レベ
ルLl,s,式 (10) によって求めた等価吸音面積を用いて,式 (3) によって外周壁部材の45°入射準音響透過
損失R'45°を算出する。
注記 準音響透過損失は,附属書JCに示す基準音源を用いた等価吸音面積レベルの測定の結果から
算出することができる。
5.11 内外音圧レベル差の算出
5.7で求められた受音室における室内平均音圧レベルL2及び5.9によって測定された外周壁前面の平均
音圧レベルLl,2m又はLl,1mによって,式 (4) を用いて内外音圧レベル差Dls,2m又はDls,1mを算出する。
5.12 標準化音圧レベル差の算出
5.11で求められた内外音圧レベル差Dls,2m又はDls,1m及び5.8.1で測定された残響時間Tを用いて,式(5)
によって標準化音圧レベル差Dls,2m,nT又はDls,1m,nTを算出する。
注記 標準化音圧レベル差は,附属書JCに示す基準音源を用いた等価吸音面積レベルの測定の結果
から算出することができる。
5.13 規準化音圧レベル差の算出
5.11で求められた内外音圧レベル差Dls,2m又はDls,1m及び5.8.2で測定された等価吸音面積Aを用いて,
式 (6) によって規準化音圧レベル差Dls,2m,n又はDls,1m,nを算出する。
注記 規準化音圧レベル差は,附属書JCに示す基準音源を用いた等価吸音面積レベルの測定の結果
から算出することができる。
5.14 測定結果の計算
――――― [JIS A 1430 pdf 14] ―――――
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数箇所の音源位置を用いたときには,各音源位置について計算した内外音圧レベル差Dls,2m,iから代表値
Dls,2mを,式 (11) によって算出する。
式 (11) に代入する内外音圧レベル差の値は,5.11で計算によって丸める前の値を用いる。
1 Dls,2 m,i / 10
Dls, 2 m10 log 10 10 (11)
n
ここに, n : 音源位置の数
Dls,2m,i : 各音源及び受音点の組合せに対する内外音圧レベル差 (dB)
注記 外周壁の表面から1 mの位置での屋外音圧レベルLl,1mを用いたときには,Dls,1mと表す。
6 測定精度
6.1 一般事項
測定方法は,ISO 140-2の規定に適合するように十分な反復性をもたなければならない。測定の手順又
は測定精度を変更したときには,ISO 140-2に従って測定精度を確認する必要がある。
注記 窓及び小さい外周壁部材の遮音性能は,面積に依存する。実験室測定で使用した外周壁部材と
面積が異なるときは,遮音性能がかなり異なることがある。窓の面積の比が2倍以下であれば,
JIS A 1419-1に規定する単一数値評価量で3 dBを超える差は生じない。実験室測定の外周壁部
材よりも大きい面積で建築物に使用したときには,一般に遮音性能は低めとなる。
6.2 部材法
個々の屋外マイクロホン位置での音圧レベルの差が10 dB以下で,かつ,ニッシェ寸法,外周壁部材の
タイプ,寸法などを含む取付け状況が同一であると仮定すれば,この方法によって得られた重みつき準音
響透過損失R'45°,wの値は,実験室で測定された重みつき音響透過損失Rwの値よりも02 dB大きくなる。
特に,250 Hz帯域以下の周波数帯域では,両者の差は大きくなる。さらに,測定値の再現性を考慮しなけ
ればならない。実験室測定値のISO 5725-1で定義される再現性は,Rwの値で示すと約2 dBとなる。
注記 重みつき音響透過損失Rw,重みつき準音響透過損失R'45°,wの求め方は,JIS A 1419-1に規定さ
れている。
6.3 全体法
全体法の再現性は,約2 dBである。
7 結果の表示
測定結果は,図及び表で示す。図では,横軸にオクターブ幅が15 mm(1/3オクターブ幅が5 mm)にな
るように中心周波数を取り,縦軸は10 dBが20 mmになるように取る。各周波数ごとの測定結果は点で示
し,順次,直線で結ぶ。
注記 1/3オクターブバンド測定による結果からオクターブバンドごとの値を計算するときには,式
(12) による。
3 X1 / 3,n / 10
10
X1 / 110 log 10 (12)
n 1 3
ここに, X : 内外音圧レベル差,標準化音圧レベル差,規準化音圧レベル差
及び準音響透過損失で,添字の1/1,1/3は,それぞれオクター
ブバンド,1/3オクターブバンドを表す。
――――― [JIS A 1430 pdf 15] ―――――
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JIS A 1430:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 140-5:1998(MOD)
JIS A 1430:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.120 : 建築物内外の保護 > 91.120.20 : 建築物における音響.音響絶縁
JIS A 1430:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1416:2000
- 実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法
- JISA1419-1:2000
- 建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法―第1部:空気音遮断性能
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC1514:2002
- オクターブ及び1/Nオクターブバンドフィルタ
- JISC1515:2020
- 電気音響―音響校正器
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方