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よりはるかに長くなることもあると考えられる。このことが,変数として状態調節期間の長さに影響を与
える場合がある。
A.5.4 不均質な材料
実際には,“均質な”発泡プラスチック材料の多くは,密度が比較的均一な独立気泡構造の芯材と,それ
を囲む密度が高い表面層とで構成される。連続気泡率が10 %を超える場合又は,連続芯材気泡の不均質部
分があることもある。また,発泡プラスチック製品は,経年変化の影響を減少させることが目的で,様々
な種類のスキン層及び面材で被覆される。
こうしたスキン層及び面材が拡散係数に対して与える影響は,芯材が拡散係数に対して与える影響とは
異なる。したがって,この試験方法は,芯材だけに適用される。また,芯材と表面層との拡散速度が類似
(10 %未満)しており,平均値を用いることが可能な材料には適用できる。材料の不均質部分に補正を加
えることを検討してもよい。
――――― [JIS A 1486 pdf 16] ―――――
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A 1486 : 2014
附属書JA
(参考)
被覆層がある場合の解析モデル−
断熱材内分圧の簡易計算法に基づく熱伝導率変化量
この附属書では,被覆層がある場合の解析モデルを示す。
なお,この附属書における記号は,本体とは異なり,JA.7に示す。
JA.1 概要
発泡プラスチック系断熱材内部の発泡ガスの放散及び断熱材外部の空気の侵入によって変化する,断熱
材内分圧に基づいて,製造からt時間経過した発泡プラスチック系断熱材の熱伝導率を算出する方法を示
す。
計算によって熱伝導率を求める際の解析モデルを図JA.1に示す。解析モデルでは,熱伝導率変化の主な
原因である発泡ガスと周囲空気が移動(放散又は侵入)する方向は,厚さに対する方向(一次元方向)で
ある。
a) 被覆層がある場合 b) 被覆層がない場合
図JA.1−発泡プラスチック系断熱材の解析モデル(断面)
JA.2 断熱材の熱伝導率
製造からt時間経過した発泡プラスチック系断熱材の熱伝導率[λfoam(t)]は,式(JA.1)によって表現でき
る。また,製造直後の熱伝導率(λfoam, ini)は,JA.3に従って測定又は計算する。
なお,時間経過に伴う熱伝導率の変化量[λaging(t)]は,JA.4に従って計算する。
(t)
foam foam,ini (t) (JA.1)
aging
ここに, λfoam(t) : 製造からt時間経過した熱伝導率[W/(m・K)]
λfoam, ini : 製造直後(t=0)の熱伝導率[W/(m・K)]
λaging(t) : 時間経過に伴う熱伝導率の変化量[W/(m・K)]
JA.3 製造直後の熱伝導率
JA.3.1 製造直後の熱伝導率の測定
製造直後の発泡プラスチック系断熱材の熱伝導率(λfoam, ini)は,JIS A 1412-2に従って測定した値を用い
――――― [JIS A 1486 pdf 17] ―――――
16
A 1486 : 2014
る。
JA.3.2 製造直後の熱伝導率の計算
JIS A 1412-2に従って測定された熱伝導率がない場合,製造直後の発泡プラスチック系断熱材の熱伝導
率(λfoam, ini)は,式(JA.2)によって計算する。
foam,ini solid
radiation )0(
gas (JA.2)
ここに, λfoam, ini : 製造直後(t=0)の発泡プラスチック系断熱材の
熱伝導率[W/(m・K)]
λradiation : 気泡セル膜間の放射熱伝達による伝熱成分
[W/(m・K)]
λsolid : 樹脂部分(気泡セル膜及びポリマー支柱)の熱伝
導による伝熱成分[W/(m・K)]
λgas(0) : 製造直後(t=0)の気泡セル内気体の熱伝導によ
る伝熱成分[W/(m・K)]
式(JA.2)における気泡セル膜間の放射熱伝達による伝熱成分(λradiation),樹脂部分(気泡セル膜及びポリ
マー支柱)の熱伝導による伝熱成分(λsolid)は,それぞれ式(JA.3),式(JA.4)によって計算する。また,製
造直後の気泡セル内気体の熱伝導による伝熱成分[λgas(0)]は,式(JA.5)によって計算する。
16 T3
radiation (JA.3)
Vstrutfoam
polymer
3 1.4
ここに, σ : ステファン・ボルツマン定数(=5.67×10−8)
[W/(m2・K4)]
T : 温度(K)
Vstrut : 支柱ポリマー体積率
ρfoam : 断熱材密度(kg/m3)
ρpolymer : 気泡セル膜を構成するポリマー密度(kg/m3)
φ : 気泡セルの直径(μm)
1 foam
solid 2 Vstrut (JA.4)
polymer
3 polymer
ここに, λpolymer : 気泡セル膜を構成するポリマー熱伝導率[W/(m・K)]
n
)0(
gas i)0( i (JA.5)
i1
ここに, ωi(0) : 断熱材内の空気及び発泡ガスの熱伝導率に対す
る重み係数
λi : 空気及び発泡ガスの熱伝導率[W/(m・K)]
i : 断熱材内気体の種類(1 : 空気,2 : 発泡ガス)
式(JA.5)における断熱材内の空気及び発泡ガスの熱伝導率に対する重み係数[ωi(0)]は,式(JA.6)によっ
て計算する。
なお,式(JA.6)におけるxi(0)及びAijは,それぞれ式(JA.7)又は式(JA.8)によって計算する。
xi)0(
)0(
i n (JA.6)
xj)0( Aij
j 1
ここに, xi(0) : 製造直後(t=0)の断熱材内空気及び発泡ガスのモ
――――― [JIS A 1486 pdf 18] ―――――
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ル分率
Aij : 断熱材内空気及び発泡ガスに対する結合係数
Pi)0(
xi)0( n (JA.7)
Pi)0(
i1
ここに, Pi(0) : 製造直後(t=0)の断熱材内空気及び発泡ガスの
分圧(MPa)
2
Aij .025 1 aij bij (JA.8)
4/3
ni Mj T Si
aij
nj Mi T Sj
T Sij
bij
T Sj
Si 5.1Tb,i
Sij Si Sj
ここに, ni : 断熱材内空気及び発泡ガスの粘性係数(μPa・s)
Mi : 断熱材内空気及び発泡ガスの分子量(g/mol)
T : 温度(K)
Tb, i : 断熱材内空気及び発泡ガスの沸点(K)
i : 断熱材内気体の種類(1 : 空気,2 : 発泡ガス)
j : 断熱材内気体の種類(1 : 空気,2 : 発泡ガス)
空気及び主な発泡ガスの物性値は,表JA.1に示すとおりである。
なお,この値を用いて,対象とする気体が空気(i=1)及び1種類の発泡ガス(i=2)である場合には,
表JA.2に示す値を用いることができる。
表JA.1−各種気体の物性値{熱伝導率[296 K(23 ℃)],分子量,粘性係数,沸点}
熱伝導率λi 分子量Mi 粘性係数ni 沸点Tb, i
気体名
W/(m・K) g/mol μPa・s K
空気 25.54 29.0 18.2 80.3
HFC134a 13.42 102.0 12.2 246.7
HFC152a 13.29 66.0 10.3 248.3
HFC245fa 12.07 134.0 9.4 288.5
HFC365mfc 10.73 148.0 8.4 313.2
ノルマルペンタン(nC5) 14.91 72.0 6.9 309.2
シクロペンタン(cC5) 11.84 70.0 7.4 322.2
イソブタン(iC4) 15.89 58.1 7.4 261.5
ノルマルブタン(nC4) 16.23 58.1 7.4 272.5
二酸化炭素(CO2) 16.45 44.0 14.7 194.6
――――― [JIS A 1486 pdf 19] ―――――
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表JA.2−各種気体の結合係数(Aij)(空気i=1,発泡ガスi=2)
発泡ガスの種類
A11 A12 A21 A22
(i=2)
HFC134a 1.00 1.98 0.51 1.00
HFC152a 1.00 1.80 0.55 1.00
HFC245fa 1.00 2.59 0.42 1.00
HFC365mfc 1.00 2.89 0.39 1.00
ノルマルペンタン(nC5) 1.00 2.33 0.44 1.00
シクロペンタン(cC5) 1.00 2.18 0.46 1.00
イソブタン(iC4) 1.00 2.06 0.50 1.00
ノルマルブタン(nC4) 1.00 2.05 0.49 1.00
二酸化炭素(CO2) 1.00 1.27 0.75 1.00
JA.4 熱伝導率変化量
JA.4.1 時間経過に伴う発泡プラスチック系断熱材の熱伝導率変化量
JA.2に記載した式(JA.1)における時間経過に伴う発泡プラスチック系断熱材の熱伝導率変化量[λaging(t)]
は,式(JA.9)によって計算する。
(t)
aging (t)
gas )0(
gas (JA.9)
ここに, λaging(t) : 時間経過に伴う熱伝導率の変化量[W/(m・K)]
λgas(t) : 時刻tにおける気泡セル内気体の熱伝導による伝
熱成分[W/(m・K)]
λgas(0) : 製造直後(t=0)における気泡セル内気体の熱伝
導による伝熱成分[W/(m・K)]
JA.4.2 時間経過後の気泡セル内気体の熱伝導による伝熱成分
時間経過後の気泡セル内気体の熱伝導による伝熱成分[λgas(t)]は,式(JA.10)によって計算する。
n
t
)(
gas t
)(
i i (JA.10)
i 1
ここに, ωi(t) : 断熱材内の空気及び発泡ガスの熱伝導率に対する
重み係数
λi : 空気及び発泡ガスの熱伝導率[W/(m・K)]
i : 断熱材内気体の種類(1 : 空気,2 : 発泡ガス)
式(JA.10)における断熱材内空気及び発泡ガスの熱伝導率に対する重み係数[ωi(t)]は,式(JA.11)によっ
て計算する。
xi(t)
(t)
i n (JA.11)
Aij
xj (t)
j1
ここに, xi(t) : 時刻tにおける断熱材内空気及び発泡ガスのモル
分率
Aij : 断熱材内空気及び発泡ガスに対する結合係数
式(JA.11)におけるxi(t)は,式(JA.12)によって計算する。また,式(JA.11)における結合係数(Aij)は,JA.3.2
に示す式(JA.8)によって計算する。
――――― [JIS A 1486 pdf 20] ―――――
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JIS A 1486:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11561:1999(MOD)
JIS A 1486:2014の国際規格 ICS 分類一覧
JIS A 1486:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA0202:2008
- 断熱用語
- JISA1412-1:2016
- 熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法―第1部:保護熱板法(GHP法)
- JISA1412-2:1999
- 熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法―第2部:熱流計法(HFM法)
- JISA9511:2017
- 発泡プラスチック保温材
- JISA9526:2015
- 建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム