JIS A 8921:2001 土工機械―ミニショベル横転時保護構造(TOPS)―試験方法及び性能要求項目 | ページ 2

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その長さはTOPSの頂部において,TOPS支柱の端面から片持ちはり式載荷部分の他端までの距離
とする(図2参照)。
備考 負荷分散装置及びソケットは,負荷装置の端部を保護し,局部的な貫入を防止する。
備考 負荷分散装置及びソケットは,負荷装置の端部を保護し,局部的な貫入
を防止する。
図2 2柱式TOPSの側方負荷箇所
b) その他のTOPSについては,長さLはTOPSの頂部において前後の支柱の外端面間の前後方向の最大
距離とする(図3参照)。
備考 負荷分散装置及びソケットは,負荷装置の端部を保護し,局部的な貫入を防
止する。
図3 4柱式TOPSの側方負荷箇所
4.5 W 次のように定義されるTOPSの幅で,mmで表示する。
a) PG及び/又は片持ちはり式の,1柱式又は2柱式TOPSにあっては,幅Wは運転員に対するDLV

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の横方向の垂直投影を覆っている載荷部材の部分をいう。その長さは,TOPSの頂部において,TOPS
支柱の端面から片持ちはり式載荷部材の他端までの距離とする(図2参照)。
b) その他のTOPSについては,幅WはTOPSの頂部において左右のTOPS支柱の外端面部の最大幅とす
る(図3参照)。
4.6 TOPSのたわみ量で,mmで表示する。
5. 試験方法及び装置
5.1 一般事項 TOPSに対する要求事項は,側方のエネルギー吸収である。また,側方の負荷のもとでの
たわみ量には制限が設けられている。側方載荷時のエネルギー要求とたわみ制限は,TOPSが横転時の衝
撃に耐える有効な能力を保ちつつ,さして変形しないよう保証することを意図している。
この試験方法は,必ずしも実際の横転などによる構造物の変形を再現したものではない。しかし,少な
くとも次の条件でシートベルトを付けた運転員が押しつぶされるのを防ぐことを期待できるものである。
− 水平な固い土の面の上で
− 機械が,地面との接触を失うことなく旋回フレームの前後方向軸の周りに90°回転する。
5.2 計測装置 質量,力及びたわみ量の計測システムは,JIS A 8322の要求に合致する能力をもつもの
とする。
5.3 試験装置 TOPSと旋回フレームを結合したものをベッドプレートに固定し,表1に示す数式によっ
て決められる側方荷重を負荷するために適した装置とする。
5.4 TOPSと旋回フレームとの結合及びベッドプレートヘの取付け
5.4.1 TOPSは,実機と同様に旋回フレームに取り付けなければならない。このテストには旋回フレーム
の完成品は必要としない(図4参照)。しかし,旋回フレームとこれに取り付けられたTOPSの供試品は,
実機の構造様式を代表するものでなければならない。窓,パネル,ドアその他の通常取り外しできる非構
造部品は,TOPSの評価に影響を与えないよう取り除いておくこととする。
5.4.2 TOPSと旋回フレームを結合したものは,これとベッドプレートをつなぐ部材の試験中における変
形が経験的に最小に止まるように,ベッドプレートに取り付けなければならない。また,TOPSと旋回フ
レームの結合物は,最初の取付けによるもののほか,ベッドプレートからいかなる支持もしてはならない。
5.4.3 すべての懸架装置は,供試品の荷重−たわみ特性に影響しないよう,外部から確実に固定して試験
を行わなくてはならない。ただし,TOPSを旋回フレームに取り付け,かつ,荷重の伝達路として働く緩
衝部品はそのままとし,試験開始時には機能しているようにする。

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図4 旋回フレームの取付け
6. 試験方法
6.1 一般事項
6.1.1 載荷試験に先立って,すべての着力点を確認し,構造物上にマークする。
6.1.2 載荷試験の途中,部材の曲がりを直したり,修理することは許されない。
6.1.3 局部的陥没(又は変形)を防ぐため負荷分散装置を使用してもよいが,TOPSの垂直軸回りの回転
を拘束するものであってはならない。
6.1.4 TOPSの構造は,表1に規定する,側方負荷エネルギーのほか,前後方向負荷エネルギーを吸収す
る能力がなくてはならない。
通常のTOPS設計技術によって,前後方向の負荷に対する適切な耐力が得られるかもしれないので,前
後方向載荷試験は強制しない。
しかしながら,前後方向載荷試験が必要なときは,附属書Bに従って実施するのが望ましい。
表1 エネルギー要求値の算定式
側方負荷エネルギー 前後方向負荷エネルギー
J J
.125 .125
m m
13000 4300
10000 10000
6.2 側方載荷試験
6.2.1 負荷分散装置の長さは,長さLの80%を超えてはならない。
6.2.2 1柱式又は2柱式TOPSの場合は,最初の着力点は,長さLとDLVの前後の面の垂直投影線によ
って指定する。すなわち,着力点は1柱式又は2柱式TOPSの支柱からL/3以内にあってはならない。
もし,L/3の点がDLVの垂直投影線と1柱式又は2柱式TOPS支柱との間にあるときは,それがDLVの
垂直投影内にくるまで,着力点をTOPS支柱から離れる方向に動かさなければならない(図2参照)。
6.2.3 3柱式以上のTOPSの場合は,着力点はDLVの前後の境界面から80mm外側の面の垂直投影線の
間に置かなければならない(図3参照)。

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6.2.4 運転席が旋回フレームの前後方向の中心線上より外れている場合は,荷重は運転席に近い側の最外
端から加えなければならない。運転席が旋回フレームの前後方向の中心線上にある場合で,TOPS構造物
やその取付部が左又は右からの載荷に対して異なった荷重−変形特性を示すおそれのある場合には,TOPS
と旋回フレームの結合物に対して最も厳しい荷重条件となるように載荷しなければならない。
6.2.5 側方載荷の最初の方向は,水平で,かつ,旋回フレームの前後方向中心線を通る垂直面に対して垂
直でなければならない。載荷の継続とともにTOPS又は旋回フレームに変形が生じ,荷重の方向が変化す
ることがあるが,これは許容される。
6.2.6 変形の速度は,載荷が静的であると考えられる程度とする。
なお,着力点における変形速度が,5mm/s以下の場合には静的載荷とみなされる。15mm以下の(合力
の着力点における)変位量ごとに,荷重とたわみ量を記録しなければならない。この載荷がTOPSが必要
最小エネルギーを満足するまで続けなければならない。エネルギーUの計算方法については図5を参照。
ただし,エネルギーの計算に用いるたわみ量は力の作用方向に沿ったTOPSのたわみ量とする。
載荷装置を支えるいかなる部材の変形もたわみに含めてはならない。
図5 負荷試験時の荷重たわみ曲線
7. 材料−温度条件
7.1 荷重条件のほかに,TOPSがぜい(脆)性破壊に対して十分な抵抗をもつことを保証するために,材
料−温度条件を規定する。
この要求事項は,試験に使用された供試品と,引き続いて製造されるTOPSに使用される材料の仕様と
調達が,同様の強度特性をもつことを保証するならば,すべての構造部材を−18℃又はそれ以下の温度の
中で静的載荷試験を行うことによって達成される。

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代替法として,この要求事項は,すべてのTOPS構成部材が7.2から7.4に示す次の機械的条件を満たす
ならば,より高い温度下での載荷試験によっても達成される。
7.2 構造物に使用するボルト及びナットは,JIS B 1180に規定する強度区分8.8又は10.9のボルト,及び
JIS B 1181に規定する強度区分8又は10のナットでなければならない。
備考 フートポンド法を用いている国で製作されたものでは,ボルトとナットの強度区分は上記と同
等のものとする。
7.3 TOPS構成部材及びこれを旋回フレームに取り付けるのに使用する材料は−30℃において,表2に示
すシャルピーVノッチ (CVN) 衝撃試験値を満足するか,又はそれ以上の鋼材でなければならない(シャ
ルピーVノッチ衝撃試験値による評価は,元来,品質管理上のチェックのためのものであって,表示され
た温度は必ずしも直接に使用条件に関係するものではない。)。
試験片はロールの圧延方向にとり,TOPSとして成形又は溶接する前の板材,管材,形鋼などからとら
なければならない。管又は型鋼の試験片は最長寸法の中央部からとり,溶接部を含んではならない(JIS Z
2202及びJIS Z 2242参照)。
7.4 厚さが2.5mm以下で,最大炭素含有量が0.20%の鋼は,シャルピー試験についての要求事項を満足
するものとみなされる。
表2 最小シャルピーVノッチ強度
試験片寸法(高さ×幅) −30℃でのエネルギー(1)
mm J
10×10(2) 11
10×9 10
10×8 9.5
10×7.5(2) 9.5
10×7 9
10×6.7 8.5
10×6 8
10×5(2) 7.5
10×4 7
10×3.3 6
10×3 6
10×2.5(2) 5.5
注(1) −20℃におけるエネルギー要求代替値を用いてもよい。−20℃におけるエネ
ルギー要求値は−30℃における規定値の2.5倍とする。
なお,衝撃エネルギー強度には,その他の,例えば,ロール方向,降伏点,
粒塊形成,溶接といった要因も影響する。鋼材の選定に当たってはこれらの
ことも考慮しなくてはならない。
(2) 推奨寸法を示す。試験片の寸法は,材料の許す範囲で推奨寸法の最大寸法を
下回ってはならない。
8. 許容基準
8.1 一つの代表的な供試品について,側方エネルギーに対する要求を満足するか又はこれを超える必要
がある。基準値を決めるための算定式を,表1に示す。
8.2 TOPSのたわみに関する制限は絶対的である。側方載荷試験中,TOPSのいかなる部分もDLVに入
ってはならない。

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