JIS B 7557:2019 排水流量計―取引又は証明用 | ページ 8

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[ベルマウス方式]
ベルマウス方式は,下流側にせき板を用い,流量計内部が常に満水になるように,水路・ゲート板・せ
き板の設計をして使用する。
図E.2−ベルマウス方式の潜水式電磁流量計
[エルボ・フランジ方式]
エルボ・フランジ方式は,せき板を用いずに,流量計内部が満水状態を保つ構造である。必ず,噴水口
は大気開放状態になるように使用する。
図E.3−エルボ・フランジ方式の潜水式電磁流量計
E.3 潜水式電磁流量計の流量計測精度の確保について
水路設計の推奨条件は,次のとおりである。これらの水路長が確保できない場合,整流板を用意し,偏
流などが生じないように配慮することが望ましい。
− 上流側直線水路の距離

――――― [JIS B 7557 pdf 36] ―――――

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検出器単独で使用する場合 : 呼び径Dの2倍
ダミーを併用する場合 : 水路幅Wの2倍
− 下流側せき板までの距離 : 水路幅W
潜水式電磁流量計及びダミーの下流側にせき板を立てることによって,それぞれを通過する流量がほぼ
同一になることが確認されている。潜水式電磁流量計自体もJIS B 7554に従って製造されており,前述の
設置条件を確保することによって流量計測精度が担保される。

――――― [JIS B 7557 pdf 37] ―――――

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附属書F
(参考)
非満水電磁流量計
F.1 一般
この附属書は,人工の開水路を流れる水の流量測定に用いる非満水電磁流量計について,記載する。
代表的な設置方法例をF.3に示す。
F.2 測定原理
非満水電磁流量計は,電磁流量計と同様にファラデーの電磁誘導の法則を応用した流量計である。導電
性流体の流れと垂直な方向に磁界をかけると,電磁誘導作用によって,流れ及び磁界の両方に垂直な方向
に,流速に比例した起電力が発生する。
流量は,流水断面積と流速との積であるので,流水断面積が一定である電磁流量計では,起電力と流量
とが比例関係となる。
一方,非満水状態では,流水断面積が水理条件によって変化するため,起電力と流量とが比例関係には
ならない。しかし,起電力と流量とが一定の関係をもつようにすれば,起電力から流量を算出することが
可能となる。
非満水電磁流量計の例を,図F.1に示す。この流量計は,測定管内にスロート部を設けて安定した流れ
を作り,流速と水深とが水理的に一定の関係となるようにしており,あらかじめ求めた起電力と流量との
関係を校正曲線として記憶し,この校正曲線を参照して流量を算出する。
図F.1−非満水電磁流量計の例

――――― [JIS B 7557 pdf 38] ―――――

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F.3 設置方法
F.3.1 管路途中取付け
ピット内の管路の途中に取り付ける(図F.2参照)。
図F.2−管路途中取付け
F.3.2 吐出端取付け
マンホール,水槽などの吐出端に取り付ける(図F.3参照)。
図F.3−吐出端取付け
F.4 非満水電磁流量計による流量計測精度の確保について
F.4.1 設置条件
上流側には呼び径Dの10倍(条件によって10D80D)以上のできるだけ長い直管を設け,自然流下の
滑らかな流れとし,かつ,下流から背水の影響を受けない管路に設置する。また,上流直管と下流直管と
は同一軸とし,流量計は,ねじれのないよう(±0.5度以内)に配管する。
F.4.2 保守
電極部周辺が油脂,付着物(非導電性物質)などで覆われたり,又は浮遊物,堆積物などがとど(留)
まると,計測に支障を来す場合があるため,定期的な点検及び清掃を実施する必要がある。点検及び清掃
は,製造業者が指定した方法で実施する。

――――― [JIS B 7557 pdf 39] ―――――

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附属書G
(参考)
排水流量計設置後の計測精度確認方法について
G.1 概要
排水流量計の出荷検査では規定内精度であったとしても,現場の水路条件は,試験設備と大きく異なる
ことが普通であり,設置後も汚泥の付着又は堆積,滞留又は逆流の影響など,計測誤差要因の発生がある
ため,現場水路に応じた補正を行うことが大切である。排水流量計の種類は多々あるが,せき式流量計及
びフリューム式流量計については水路形状がJISに規定されているものもあり,設置条件が満足されてい
れば,水深の計測を精度良く行うことによって流量計測精度も保証されるといえる。しかしながら,面速
式流量計などでは,水路勾配又は水路表面粗さ,水路の曲がり又は段差,堆積物などによってパラメータ
が大きく変わることがあり,何らかの確認補正手段が必要となる。ここでは,ポータブル式流速計を用い
た確認手段などについて記載するが,どのような手段を採用するかについては,受渡当事者間の協議が不
可欠である。
G.2 面速式流量計の現場補正
面速式流量計は,計測水深から演算される流水断面積に計測した平均流速を乗じて,流量を求めるもの
である。流水断面積の精度は,水深計測精度を確保すれば維持できる。計測する平均流速については出荷
検査における試験水路とは状況が全く異なるので,現場計測点の実際の流れで補正することが必要である。
G.2.1 面速式流量計計測点で補正する場合
面速式流量計設置位置で補正作業ができる場合は,最初に流量計の水深計測精度が確保されていれば,
ポータブル式流速計で実測した流れの平均流速と,流量計が計測する平均流速値とをそのまま比較し,補
正することができる。
平均流速実測値と流量計平均流速計測値との比較で係数を設定するが,実測中にも絶えず流れは変動し
ており,少なくとも3回以上計測し,係数を決定する。また,流量の大小によっても係数が変わるので,
時間帯を変えて作業を行うなどして,適正な係数を設定する。
G.2.2 面速式流量計計測点から離れた位置で補正する場合
面速式流量計設置位置に水路内から近づくと流れに影響を及ぼし,通常の流れとは異なる流れになるよ
うな場合,又は流量計測検出端位置で流速補正を行うことが物理的に困難であるような場合,流量計から
少し離れた下流側で補正作業を行うことがある。このような場合は,最初に流量計の水深測定精度を確保
し,それから流速の補正を行う。
流速の補正手順を次に示す。
a) ポータブル式流速計計測位置の水深hS1を測定
b) ポータブル式流速計による平均流速VSAVの実測(G.2.3参照)
c) )の平均流速実測期間中,変動する流量計計測流量から,その平均値QMAVを決定
d) ポータブル式流速計計測位置の水深hS2を測定
e) 実測点の平均水深をhSAVとすると
h1S hS2
hSAV
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――――― [JIS B 7557 pdf 40] ―――――

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