この規格ページの目次
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B 7615 : 2013
3.22
クランプ注入(clamp injection)
次に示す電流注入デバイスをケーブルに取り付けることによって行う注入。
− 電流クランプ : 電流を注入するケーブルを二次巻き線とするトランス
− 電磁クランプ(EMクランプ) : 容量結合及び誘導結合を組み合わせた注入デバイス
3.23
コモンモードインピーダンス(common-mode impedance)
ある端子におけるコモンモード電流でコモンモード電圧を除した数値。
3.24
最小動作電圧(minimum operating voltage)
計量器が動作中に自動的に電源断となる直前の動作可能な最小の電源電圧。
3.25
積算計量器(integrating measuring instrument)
一定期間中の測定量を,時間の経過とともに積算して計量結果を得る計量器。
例 ガスメーター,水道メーター,燃料油メーター,タクシーメーター,電力量計など。
注記 積算計量器に対して,測定量を積算することなしに計量結果を得る計量器を非積算計量器とい
う場合もある(体重計など)。
4 規格の原則
4.1 一般
個別の計量器の試験方法が法令,日本工業規格(日本産業規格),その他の技術文書などによって確立されている場合は,
その方法による(箇条1参照)。
4.2 周辺装置
この規格は,通常の使用状態での計量結果への影響を配慮するため,計量器だけではなく計量器と周辺
装置とを接続して試験を行う場合の試験方法を規定する。また,配線の方法,及び計量器と周辺装置との
設置の条件についても最も妨害の影響を受けやすい場合を想定して規定する。
周辺装置は電磁環境試験の対象となるが,周辺装置の誤動作は5.3の判定から除外し,周辺装置の誤動
作が計量器に影響を与えるかを計量器が示す計量結果によって判定する。
注記1 特定計量器の電磁環境試験における周辺装置の取扱いについて,附属書Aに参考として補足
を示す(A.2及びA.3参照)。
注記2 周辺装置と同様にシミュレータも5.3の除外対象になるため,静電気の放電及び電磁波の照
射など妨害信号による影響がないように,シミュレータと計量器との信号線にシールド材を
巻き付けるなど疎結合となる手法をとることが望ましい。
4.3 電源
計量器の電源は,次に示すものとし,計量器の電源の種類に対応した試験1) を行う。電源の種類が複数
ある場合,それぞれの電源に対応した試験を行う。
− 交流電源
− 直流電源
− 車両用蓄電池(バッテリ)
− 内蔵電源(電池又は充電式電池)
――――― [JIS B 7615 pdf 6] ―――――
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注記 特定計量器の電磁環境試験における電源については,附属書Aに参考として補足を示す(A.4
参照)。
注1) 交流電源を直流電源に変換するACアダプタの場合は,商用電源から交流電源を入力するため,
電源の種類を交流電源として,ACアダプタと計量器とを接続して試験する。
5 試験・判定
5.1 試験
計量器の電磁環境試験の種類のうち,6.16.6の試験方法について規定する。
試験は,対象の計量器における箇条6の各試験の設定(セットアップ)を行った後,計量器に対して妨
害を与えることによって行う。
注記 特定計量器の電磁環境試験の種類は,附属書Aに参考として補足を示す(表A.1参照)。
5.2 確認
計量器に妨害を与えた後,目視及び次のいずれかによる。
a) 妨害を与える前と妨害を与えた後との計量結果を比較することによって確認する。妨害を与える前後
の計量においては,温度,湿度などの環境条件による計量結果への影響を取り除くため,環境条件の
変化を考慮する必要がある。
計量状態での妨害の影響を試験する場合には,妨害を与えずに計量する測定量と妨害を与えながら
計量する測定量のそれぞれの測定量を同じとして,計量結果を比較する。例えば,積算計量器にあっ
ては,計量する時間を合わせることで,測定量を相互に比較可能なものとする。
b) 妨害を与えて得られた計量結果によって確認する。
注記 特定計量器の電磁環境試験における確認方法については,附属書Aに参考として補足を示す
(A.5参照)。
5.3 判定
5.1の試験及び5.2の確認を行い,計量器が設計されたとおりに作動し,機能することを次によって判定
する。
a) 妨害を与える前後の計量結果の差又は妨害を与えて得られた計量結果において,有意な誤りを生じな
い。
b) 妨害を与える前後の計量結果の差又は妨害を与えて得られた計量結果において,計量器が有意な誤り
を検出し,対処されている。
有意な誤りの検出には,計量器が使用不能になること,視覚上又は聴覚上の表示が与えられること
があり,使用者が何らかの処置を取るか又は誤りが消えるまで,その状態が続いていなければならな
い。また,有意な誤りを検出後,電源を再投入して通常の計量が可能になるなど機能が回復すれば,
その計量器は有意な誤りに対処したことになる。
注記 特定計量器の電磁環境試験における有意な誤りについては,附属書Aに参考として補足を示す
(A.6参照)。
6 試験方法
6.1 静電気放電試験
6.1.1 試験の適用
計量器に対する静電気放電の印加は,次の放電法を適用する。
――――― [JIS B 7615 pdf 7] ―――――
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a) 直接印加放電
1) 接触放電
2) 気中放電
b) 間接印加放電
6.1.2 気象条件
気象条件は,次による。
− 周囲温度 : 15 ℃35 ℃
− 相対湿度 : 30 %60 %
− 気圧 : 86 kPa106 kPa
注記 気象条件は,JIS C 61000-4-2:1999では気中放電試験だけで規定しているが,計量器については
湿度の影響を考慮して,全ての静電気放電に適用することが望ましい。
6.1.3 試験条件の設定
試験条件の設定は,次による。
− 静電容量 : 150 pF±10 %
− 放電抵抗 : 330 Ω±10 %
− 極性 : 正及び負
− 放電回数 : 10回(各極性)
6.1.4 試験レベル
6.1.4.1 試験レベルの区別
静電気放電試験における試験レベルは,表1による。
表1−試験レベル
単位 kV
レベル 接触放電 気中放電
試験電圧 試験電圧
1 2 2
2 4 4
3 6 8
4 8 15
6.1.4.2 試験レベルの適用
計量器における試験レベルは,いずれの印加放電においてもレベル3が望ましい。
試験は,表1で決定した値よりも低い全てのレベルを満足しなければならず,例えば,試験レベル3を
適用する場合,下位の試験レベルであるレベル1から順にレベル2,レベル3と放電することになる。
注記 特定計量器の静電気放電試験における試験レベルの適用については,附属書Aに参考として補
足を示す(A.7.1参照)。
6.1.5 計量器の配置
6.1.5.1 卓上形装置
計量器及び周辺装置は,水平結合板が設置された高さ0.8 mのテーブル上に設置した絶縁板上に配置す
る。
――――― [JIS B 7615 pdf 8] ―――――
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6.1.5.2 床置形装置
計量器及び周辺装置は,高さ0.1 mの絶縁支持台上に配置する。
注記 専ら床置きで使用する計量器を除き,自立,壁面及び天井設置可能な計量器は卓上形装置とし
て試験することが望ましい。
6.1.6 放電方法
6.1.6.1 直接印加放電
計量器に対して,導電性の表面には接触放電,非導電性の表面には気中放電をそれぞれ適用する。各放
電方法の詳細は,次による。
a) 接触放電 計量器の導電性の表面に対して,放電ガンの円すい形チップの先端部を放電箇所に接触さ
せておいて,6.1.9.1 a) に示す放電箇所に放電する。
計量器が塗装されている場合,塗装を貫通して導電層に接触放電を行う。ただし,塗装が絶縁塗装
であることが判明している場合は気中放電を行う。
b) 気中放電 計量器の非導電性の表面に対して,直前に帯電させた放電ガンの丸形チップを計量器と接
触するまで速やかに近づけて6.1.9.1 b) に示す放電箇所に放電する。
6.1.6.2 間接印加放電
各結合板から次の距離だけ離れた位置に計量器を配置して,各結合板の6.1.9.2に示す放電箇所に接触放
電を行う(図1参照)。また,計量器の各面に間接印加放電を行う場合は,次による。
− 垂直結合板にあっては,0.1 mの距離
− 水平結合板にあっては,木製テーブル上に設置した水平結合板の端面(エッジ)から0.1 mの距離
垂直結合板 絶縁板
計量器 周辺
装置
0.1 m 水平結合板
0.1 m
図1−各結合板の配置
6.1.7 放電間隔
放電間隔は,少なくとも1秒2) とする。
注記 特定計量器の静電気放電試験における放電間隔については,附属書Aに参考として補足を示す
(A.7.1.2参照)。
注2) 接地された計量器の場合には,放電間隔は1秒以上とする。また,非接地の計量器の除電方法
は6.1.8によるが,自然に放電されると考えられるので10秒以上とする。
6.1.8 除電方法(非接地計量器)
非接地の計量器の場合,帯電防止のため次のいずれかによる除電を行う必要がある。
− 自然放電
− 炭素繊維ブラシ(両端に470 kΩの抵抗が付いたケーブルにより接地したもの)
――――― [JIS B 7615 pdf 9] ―――――
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6.1.9 放電箇所
6.1.9.1 直接印加放電
直接印加放電は,次による。
a) 接触放電 計量器への接触放電の箇所は,次に示す箇所とする。
− 計量器の通常の使用で触れる可能性のある導電性の表面
− 計量器の表面積が大きい場合は,手のひら程度の面積を目安に1か所
b) 気中放電 計量器への気中放電の箇所は,次に示す箇所とする。
− 計量器の通常の使用で触れる可能性のある非導電性の表面
− 計量器の非導電性の操作部
− 計量器の非導電性の表示機構部
− きょう(筐)体のスリット部分(例 通風孔)
注記1 計量器の通常使用の際に触れる可能性が低い箇所には,計量器の底部,壁面に設置する計量
器の背面,空き端子などがある。
注記2 放電チップを接触させることによって表示値が安定しないなど,計量器への影響が静電気放
電による要因だけに限定できない場合には,有意な誤りではないと判断することになる。し
たがって,そのような箇所(例えば,体重計などのはかりの載せ台部など)への放電は実施
しないことがある。
6.1.9.2 間接印加放電
間接印加放電の放電箇所は,次による。ただし,計量器が専ら床置形装置の場合は,水平結合板への間
接印加放電は必要ない。
− 垂直結合板にあっては,垂直結合板の高さ方向の端面(エッジ)中央部分
− 水平結合板にあっては,設置した計量器の正面位置中央の水平結合板の端面(エッジ)
間接印加放電は,計量器の各面に対して行う。
計量器の各面に間接印加放電を行うには,垂直結合板の位置を変えずに計量器を回転させる方法又は計
量器の位置を変えずに垂直結合板を計量器の該当する面の前に移動させる方法がある。また,計量器が垂
直結合板より大きい場合は,垂直結合板又は計量器を移動させることで,計量器の面全体に対して間接印
加放電を行う(図2及び図3参照)。
注記 計量器の各面とは,前後左右の面に上下の面を含めた6面である。
ここで,垂直結合板による間接印加放電にあっては,JIS C 61000-4-2にも記載があるように
計量器の前後左右からの間接印加放電に対応することとなり,一方,水平結合板による間接印
加放電にあっては計量器の下(底)側からの間接印加放電に対応している。計量器の上面にお
ける間接印加放電は,計量器を横にした状態での垂直結合板又は裏返した状態での水平結合板
によって試験の実施は可能であるが,通常使用の設置状態と異なる場合には省略してもよい。
――――― [JIS B 7615 pdf 10] ―――――
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JIS B 7615:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.100 : 力,重さ及び圧力の測定
JIS B 7615:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60050-161:1997
- EMCに関するIEV用語
- JISC61000-4-4:2015
- 電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
- JISC61000-4-6:2017
- 電磁両立性―第4-6部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ
- JISZ8103:2019
- 計測用語