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B 8356-8 : 2002 (ISO 16889 : 1999)
B.2.2.2.5 ポンプ駆動源は,回転速度を一定に保てるように,負荷の変化に影響されにくいものがよい。
備考 このような特性を発揮するものとして,可変周波数AC駆動とDC駆動とがある。
B.2.2.3 クリーンアップ・フィルタ
B.2.2.3.1 クリーンアップ・フィルタは,試験方法の表2に示す初期汚染濃度が実現できるものでなけれ
ばならない。
B.2.2.3.2 フィルタは,迅速にクリーンアップするため,試験対象フィルタより高いβ値で,最大装置流
量に対応した大きさのものがよい。
B.2.2.3.3 経済性を高めるため,フィルタはコンタミナント捕集容量の大きいものがよい。
B.2.2.3.4 単位面積当たりの流速を小さくするため,複数又は大きめのフィルタを使用するのがよい。
B.2.2.4 熱交換器/ヒータ 試験条件によっては,試験油の冷却又は加熱が必要になる場合がある。
― 熱交換器 : 通常のシェルアンドチューブ形熱交換器を利用してもよい。
オイルが下からチューブ側に入る,たて形構造を用いる。これは熱交換器に粒子が沈殿,又は捕そ
くされることを防ぐためのものである。
― 1パス又は複数パスの熱交換器が,上記のような形で問題なく利用されている。
― 油をチューブ側に流して運転した場合,熱移動において最大65 %の損失が生じるというデータがあ
る。
― そのため,熱交換器の大きさを決める際は,注意する必要がある。
― 二重管式の他,油タンクや配管の外面にコイルを巻くといったほかの冷却方法も,有効である。
― 油の加熱 : 油の加熱が必要な場合には,バンドヒータを外面に用いたり,もう1台の熱交換器を用い
て,シェル側に高温流体を流すことによって対応できる。
B.2.2.5 調整弁
B.2.2.5.1 バイパス弁 試験フィルタの入口側に,油タンクに直接戻るバイパス弁を取り付けたバイパス
回路を設けると便利である。これによって,低流量試験でもポンプが高速で駆動できるようになり,大き
な流量脈動や運転上のオーバーヒートを防ぐことができる。
フィルタのバイパス回路には,ダイヤフラム操作弁やゲート弁,ピンチ弁が適している。
備考 バイパス回路を利用する場合には,装置の一部として試験装置の妥当性確認をしておくのがよ
い。
B.2.2.5.2 粒子計数器用圧力調整弁 オプションとして,試験フィルタの出口側バルブを設けることによ
って,オンライン自動粒子計数器で通常必要とされる圧力で試験フィルタを試験することができる。
これには,ボール弁,ダイヤフラム操作弁やゲート弁,ピンチ弁が適している。
B.2.2.6 流量計 流量計は,試験区間における真の流量を読み取り,コンタミナントによる摩耗から流量
計を保護するためにも,試験フィルタと出口側サンプル・ポートの間に設置するのがよい。
それ以外の位置に流量計を取り付けると,測定できないサンプル流量分の補正をする必要が出てくる可
能性がある。これには密封ベアリングを使ったタービン流量計が適している。
B.2.3 コンタミナント投入装置 コンタミナント投入装置は,次のような機器で構成される。
B.2.3.1 油タンク 構造及び設計上の注意事項は,フィルタ試験装置の油タンクの場合と同じである。
備考 容量も大きく汚染濃度も高くなる可能性があるため,コンタミナント投入装置のタンクには補
助かくはん機があるとよい。これには,かくはん機や補助循環ループなどがある。
B.2.3.2 ポンプ
B.2.3.2.1 この回路では汚染濃度が高くなるため,ポンプはスラリによる摩耗の影響を全く受けないもの
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に限定される。これには遠心ポンプなどの非容積式ポンプが適している。
B.2.3.2.2 遠心ポンプを使用する場合は,入口が下向きになっているたて形か,底部で排出するようにな
っている水平形が適している。
B.2.3.3 クリーンアップフィルタ コンタミナントの保持能力が特に重要になる点以外は,フィルタ試験
装置に対するものと同様の配慮が必要である。
B.2.3.4 熱交換器 B.2.2.4に示すフィルタ試験装置の内容を参照する。
B.2.3.5 流量計 コンタミナント投入装置に使用する流量計は,高濃度の摩耗粒子に適応するものがよい。
1. 油タンク 7. 流量計
2. ポンプ 8. 熱交換器
3. 試験フィルタ 9. 温度計
4. 粒子計数装置 10. サンプリング弁
5. 調整弁 11. 差圧指示器
12. 圧力計
6. クリーンアップフィルタ
付図B.1 装置の概略図
付図B.2 円すい形 付図B.3 円すい―円柱形
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附属書C(参考) 報告書中の計算及びグラフ例
備考 ここに示す妥当性確認手順では,フィルタ性能試験回路が試験油中にテストダストを常に分散
し,粒径分布の変化を防止できることを示す。
この附属書では,マルチパス試験による試験結果,その計算方法及びグラフ表示例を示す。
C.1 初期条件 本体9.に従って試験を実施する前に要求される情報を,次に示す。
組立完全性試験圧力 : 1 500 Pa
試験流量 q : 100 l/min
最終試験差圧 △p : 400 kPa
予測ろ過値 : β5(c)=4,β15(c)=75
予測集じん量Me : 40 g
次に示す試験条件で試験を実施した。
入口側質量汚染濃度 Gb' : 10 mg/l
投入流量 qi' : 0.25 l/min
測定粒径 : (5,10,15,20,30) μ m (c)
1000 40 g
10.2.1の式(1)から, 't= =40 min
100 l/min
10 mg / l
10.2.2の式(2)から, Vmin=(1.2×40 min×0.25 l/min)+8 l=20 l
10 mg/l 100 l/min
10.2.3の式(3)から, Gi'= =4 000 mg/l
0.25 l/min
4000 mg/l 20l
10.2.5の式(4)から, M= =80 g
1000
C.2 マルチパス試験の結果 上記の条件でマルチパス試験を実施した。他の試験条件及び試験結果は,付
図C.1に示されている。付図C.1に示す試験結果は,次に示すように決められた。
20l 11.l 4
12.11の式(11)から, qi= =0.252 l/min
34. 2 min
3980 mg/l 0.252 l/min
12.12の式(12)から, Gb= =10 mg/l
100 l/min
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試験期間 : テスト機関 試験日 : 1999年12月4日 測定者 : ABC
試験フィルタ
試験エレメント形式 : 試験フィルタ 試験ハウジング形式 : 試験ハウジング
スピンオン形 : はい/○いいえ 最小ファーストバブルポイント圧力 : 1 500
試験条件
試験流体
銘柄 : ○×石油XYZ 参照 : MIL-H-5606 ロット番号 : 1234
試験動粘度(mm2/s) : 14.9 試験油温(℃) : 37.2
静電防止剤 : ○はい/いいえ 銘柄 : Stadis コンダクティビティ : 1 250
テストダスト
形式 : ISO 12103-A3テストダスト ロット番号 : 4390C
試験装置
試験流量q(l/min) : 100 初期油量(l) : 25.0
フィルタ入口側の平均汚染濃度Gb(mg/l) : 10.0 最終油量(l) : 24.5
コンタミナント投入装置
投入条件 初期 最終 平均
装置油量(l) 20.0 11.4 平均投入油流量(l/min)0.252
汚染濃度(mg/l) 3 979.7 3 981.1 平均汚染濃度(mg/l) 3 980
計数装置 粒子計数器形式 流量(ml/min) 希釈率
入口側 ABCモデル123,S/N 21 100 1 : 1
出口側 ABCモデル123,S/N 22 100 なし
粒子計数器校正 : 方法 : ISO 11171 : 1999 校正日 : 1999年12月4日
試験結果
エレメントの組立完全性試験
ファーストバブルポイント圧力 ISO 2942(Pa) : 2 190 試験液 : MIL-H-5606
差圧
ハウジング(kPa) : 31.0 初期アッセンブリ(kPa) : 39.4
初期エレメント(kPa) : 8.4 最終エレメント(kPa) : 400
差圧対投入テストダスト
試験時間 試験時間 エレメント差 テストダスト 試験時間 時間時間 エレメント差 テストダスト
間隔 (min) 圧(kPa) 投入質量(g) 間隔 (min) 圧(kPa) 投入質量(g)
10 % 3.4 10.1 3.4 60 % 20.5 17.9 20.6
20 % 6.8 11.9 6.9 70 % 24.0 31.7 24.0
30 % 10.3 13.7 10.3 80 % 27.4 59.0 27.4
40 % 13.7 15.4 13.7 90 % 30.8 123.0 30.8
50 % 17.1 16.8 17.1 100 % 34.2 400.0 34.3
真の集じん量
ISO 12103-A3テストダストの投入質量Mi(g) : 34 ISO 12103-A3テストダスト真の捕そく量 : 34
Δp 80 %時における試験タンクの汚染濃度G80(mg/l) : 22.3
ろ過比βx(C)
平均ろ過比 2 10 75 100 200 1 000
μ
粒径,m (c) ― 7.80 13.7 14.6 15.9 18.7
付図C.1 エレメントのマルチパス試験報告書
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試験結果(続き)
粒子計数結果(個/min)及びろ過比
試験 d>5 β d> β d> β d> β d> β d> β
時間間隔 μm (c) μm (c) μm (c) μm (c) μm (c) μm (c)
初期 0.50 0.20 0.10 0.00 0.00
10 % 入 13 900 1 750 480 174 29
口 2 240 6.2 33.7 51.9 1.1 432.0 0.0 5 490 0.0 ∞
出口
20 % 入 14 200 1 760 481 179 31
口 2 490 5.7 39.1 45.0 1.7 285.0 0.0 4 710 0.0 ∞
出口
30 % 入 14 400 1 770 482 176 30
口 2 800 5.1 45.4 39.0 1.7 289.0 0.0 5 770 0.0 7 210
出口
40 % 入 15 600 1 890 520 192 34
口 3 100 5.0 53.5 35.3 2.1 252.0 0.0 5 320 0.0 ∞
出口
50 % 入 15 500 1 870 504 184 31
口 3 230 4.8 56.3 33.2 2.2 225.0 0.0 5 010 0.0 ∞
出口
60 % 入 15 600 1 860 504 186 33
口 3 350 4.7 60.9 30.5 2.9 177.0 0.1 2 690 0.0 ∞
出口
70% 入口 16 000 1 890 518 190 33
出口 3 750 4.3 74.7 25.3 3.3 158.0 0.1 2 590 0.0 ∞
80% 入口 16 800 1 910 508 187 32
出口 5 050 3.3 117.0 16.3 6.3 80.9 0.1 1 260 0.0 7 680
90 % 入 19 400 2 030 527 190 32.4
口 7 520 2.6 186.0 10.9 10.0 52.9 0.1 1 280 0.0 ∞
出口
100 % 入 21 200 2 090 532 192 33
口 8 760 2.4 224.0 9.3 12.3 43.3 0.3 753.0 0.0 ∞
出口
平均 入口 16 300 1 880 506 185 32
平均 出口 4 230 3.9 89.0 21.1 4.4 116.0 0.1 2 130 0.0 37 900
付図C.1 エレメントのマルチパス試験報告書(続き)
――――― [JIS B 8356-8 pdf 30] ―――――
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JIS B 8356-8:2002の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16889:1999(IDT)
JIS B 8356-8:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.100 : 流体動力システム > 23.100.60 : ろ過器,シール及び流体の汚れ
JIS B 8356-8:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0125-1:2020
- 油圧・空気圧システム及び機器―図記号及び回路図―第1部:図記号
- JISB0142:2011
- 油圧・空気圧システム及び機器―用語
- JISB8356-2:2000
- 油圧用フィルタ性能評価方法―第2部:フィルタエレメントの組立完全性試験及びファーストバブルポイントの測定
- JISB8356-7:2006
- 油圧用フィルタ性能評価方法―第7部:差圧―流量特性試験
- JISB9931:2000
- 質量法による作動油汚染の測定方法
- JISB9935:2001
- 油圧―液体用オンライン式自動粒子計数システム―校正方法及び妥当性確認方法
- JISB9936:2001
- 油圧―微粒子分析―運転中のシステム管路からの作動油試料採取方法
- JISB9937:2001
- 油圧―作動油試料容器―清浄度の品質及び管理方法