JIS B 8576:2016 水素燃料計量システム―自動車充填用 | ページ 10

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その記憶装置は,そのデータが通常の保存状態の下で破損しないことを確実にするため十分な永続性を
備えていなければならない。どのような特別な適用に対しても,十分な記憶装置容量がなければならない。
計量性能目的に使用する最終値を計算から得た場合,その計算に必要な全てのデータはその最終値とと
もに自動的に保存されなければならない。
D.2.7 保存したデータの削除
1回の取引に関わり,その他の目的のために保持することが適切でない保存したデータは,取引が決済
されたことを条件に削除してもよい。
この条件が満たされ,後続データの記憶には不十分な記憶容量しか利用できない場合に限り,次の両条
件が満たされているとき,その保存データを削除することが許される。
− データの削除順が記録順(先入れ先出し)と同じで,その特定応用に対して設定した規則が守られて
いる。
− 必要とされる削除は,自動的又は特定手動操作の後に開始する。
D.3 ソフトウェア文書類
全てのプログラム機能は,関連するデータ構造並びに計量システム及び計量システムの中で実現される
ソフトウェアの計量性能関連部分のソフトウェアインタフェースを含め,計量システムの文書類の中で説
明されなければならない。全てのコマンド及びその作用は,ソフトウェア文書類の中で逐次的に記載しな
ければならない。

――――― [JIS B 8576 pdf 46] ―――――

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附属書E
(参考)
計量システム用モジュール
E.1 モジュール
E.1.1 概要
モジュールとは,特定の機能(単数又は複数)を実行し,この規格の本体に要求される計量性能要件に
従って,個々に評価できる識別可能な完成された計量システムの構成要素又はその集まりである。計量シ
ステムのモジュールは,指定された部分的な誤差限度値の対象である。
計量システムの製造事業者は,個別に検査するモジュールを定める。これは特に,次の場合に関連して
いる。ここで,計量システムの製造事業者とは,計量システム全体の計量性能の適合性を判断し,計量シ
ステムの購入者に対して,その適合性を宣言する者であり,部品供給者及び検査だけを実施する者は含ま
れない。
− 計量システムを全体として検査することが難しいか,又は不可能である場合。
− モジュールが完成計量システムに組み込まれる個別ユニットとして,製造及び/又は市販されている
場合。
− 製造事業者が型式に各種モジュールを含ませたい場合。
モジュールが型式検査の過程で個別試験を行う場合,この要件を適用する。ここで,型式検査の型式は,
製造事業者が決定する。
E.1.2 誤差配分
検査するモジュール(Mi)に適用する誤差の限界値は,6.4に規定した計量システムの最大許容誤差又
は許容誤差の誤差配分に等しい。モジュールを組み込んだ完成計量システムにおけるいずれかのモジュー
ルについても,少なくとも同一精度等級及び同一の目量の数(n)に対して,その誤差配分(pi)を決定し
なければならない。
誤差配分は,次の式を満足しなければならない。
p12+p22+p32+···≦1
誤差配分は,そのモジュールの製造事業者が選び,次の条件を考慮して,適切な検査で検証しなければ
ならない。
− 純粋なデジタル装置に対しては,誤差配分は零に等しい(pi=0.0)とすることができる。
− 複数のモジュールが疑わしい影響の一因である場合,その他のモジュールの誤差配分は0.8を超えて
はならず,0.3未満であってはならない。
− 信頼できる技術的手法に従って明らかに設計及び製造された配管要素及び機械的又は電気的接続要素
などの機械的構造物については,全体の誤差配分pi=0.7を検査なしに適用することができる。
代表的なモジュールを組み込んだ計量システムについては,誤差配分は表E.1に規定した値である。表
E.1は,モジュールが異なる性能の基準によって,異なった形で影響を受けることを考慮している。

――――― [JIS B 8576 pdf 47] ―――――

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表E.1−誤差配分の例
性能基準 流量センサ デジタル表示機構 配管要素b)
合成影響a) 0.7 0 0.7
電源変動 0.7 0.7 0
注a) 合成影響 : 非直線性,繰返し性など。製造事業者が決めた予熱時間がたってから,この合
成影響の誤差配分をモジュールに適用する。ここで,合成影響の配分は,E.1.2を満足すれ
ば,製造事業者は,これまで得られたデータ,設計などによって決定することができる。
b) 配管要素は,試験及び評価を行うことなく定数とする。
E.2 試験方法
E.2.1 一般
モジュールの試験は,可能な限り完成計量システムと同じ試験を実施するのが望ましい。
E.2.2 流量センサ
E.2.2.1 適用要件
適用要件は,次による。
a) 精度等級 流量センサの精度等級は,完成した計量システムと同じ精度等級の性能をもっていなけれ
ばならない。ただし,使用する予定の計量システムよりも上位の精度等級の質量表示機構は,要件を
満足すれば,より低い精度等級の計量システムに使用することができる。
b) 目量の数 流量センサの目量の数は,その流量センサを使用する予定の計量システムと同じか,又は
それよりも大きな目量の数を備えていなければならない。
c) 使用温度範囲 流量センサの使用温度範囲は,その流量センサを使用する予定の計量システムと同じ
か,又はそれよりも広い温度範囲を備えていなければならない。
E.2.2.2 原則
E.2.2.2.1 一般
数種類の流量センサをファミリとして扱う場合,試験の数を限定するために,できる限り最大の適用範
囲を包含する条件下で流量センサを試験することが望ましい。これは,ほとんどの試験を最悪の条件下で
行うことを意味する。
異なる機種の流量センサについては,13.6.613.6.9及び温度による影響が異なる可能性のあるものは,
特に注意を払わなければならない。
E.2.2.2.2 最悪条件
試験の数を限定するために,流量センサの最大の適用範囲を包含する条件下で試験しなければならない。
注記 このことは,ほとんどの試験を,最悪条件下で行うことを意味している。
E.2.2.2.3 周辺装置
申請者は,システム又はサブシステムが正常に機能し,計量結果に不正がないことを立証するための周
辺装置を提供しなければならない。
13.6.613.6.9の妨害における性能試験を行っている間,周辺装置はいろいろなインタフェースに接続し
なければならない。ただし,全てのオプションの周辺装置が入手できない場合,又は試験現場に設置でき
ない(特に,放射電磁界イミュニティ試験において,均一領域にそれらを設置しなければならない)場合,
少なくとも周辺装置のケーブルをインタフェースに接続しておく。周辺装置のケーブルの形式及びその長
さは,製造事業者によって規定したとおりでなければならない。

――――― [JIS B 8576 pdf 48] ―――――

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E.2.2.2.4 調整及び性能試験
調整は,製造事業者が定めたとおりに行わなければならない。
E.2.2.2.5 目量より小さい表示
流量センサがより小さい表示桁で質量値を表示する装置を備えている場合,この装置を使って器差を測
定することができる。また,サービスモードでも試験することができる。いずれかの装置を使用する場合,
評価報告書に記録するのが望ましい。
試験の前に,この表示モードが測定誤差を確立するのに適していることを検証しなければならない。
E.2.2.2.6 誤差配分
標準の誤差配分は,完成計量システムの検定公差の0.7倍(pi=0.7)である。しかし,これは誤差配分
が0.1と0.8との間で変動することを妨げない。
製造事業者は,誤差配分の範囲を割り当てている試験に対する基礎として,使用する誤差配分を固定し
なければならない。
E.2.2.3 試験
E.2.2.3.1 試験条件
一般に,増幅に及ぼす温度の影響は,次の手順によって試験する。
− 流量センサの仕様で定められた温度(例 −40 ℃)の流体を被試験流量センサに流して,規定の調整
を実行する。
− 仕様で複数の温度が定められている場合,試験温度を変更し,測定ポイントが誤差範囲内にあるかを
確認する。その場合,零点をシフトしてもよい。
E.2.2.3.2 その他の影響
その他の影響及び制限を完成計量システムに対して配慮することは望ましいが,モジュールに対しては
考慮する必要はない。
E.2.3 補助装置及び周辺装置
E.2.3.1 適用要件
補助装置及び周辺装置とは表E.1のデジタル表示機構のことで,具体的には図1のメーター,補助装置
及び周辺装置におけるデジタル表示機構のことである。適用要件は,次による。
a) 誤差配分の誤差区分 補助装置及び周辺装置は,純粋にデジタルモジュールである。これらのモジュ
ールに対して,この誤差配分は,完成した計量システムの検定公差の0倍(pi=0.0)である。
b) 精度等級 補助装置及び周辺装置は,純粋にデジタルモジュールである。したがって,それを全ての
精度等級の計量システムに使用することができる。完成した計量システムの精度等級の関連要件を考
慮する。
E.2.3.2 原則
E.2.3.2.1 一般
補助装置及び周辺装置は,純粋にデジタルモジュールであって,電気試験を行う。
しかし,全ての指示値及びインタフェース経由の伝送は,公開する全ての機能から,それらが正しく,
この規格に準拠していることを確認する。
E.2.3.2.2 シミュレータ
モジュールの試験には,実際に流量センサを接続するか,適切なシミュレータを全ての機能が動作して
試験できるモジュールの入力インタフェースに接続する。
例 デジタルデータ処理装置

――――― [JIS B 8576 pdf 49] ―――――

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E.2.3.2.3 表示機構
換算装置を試験するには,適切な補助装置及び周辺装置を接続して,それぞれの計量結果を表示し,そ
のデジタルデータ処理装置の全ての機能を動作させる。
E.2.3.2.4 インタフェース
全てのインタフェースには,7.6に規定する要件を適用する。
E.2.3.2.5 周辺装置
周辺装置は,モジュールが正しく機能することを立証するために申請者が供給する。その計量結果は,
周辺装置によって容認できないような影響を受けてはならない。
妨害試験を実施する場合には,周辺装置は全ての異なったインタフェースに接続する。
E.2.3.3 試験
補助装置及び周辺装置は,箇条13の規定によって次の試験を実施する。
電圧変化試験では,計量性能計量に関連する機能,主表示の読取りだけを観測する。
ただし,純粋なデジタルモジュールは,関連するJIS C 61000-4-2:2012,JIS C 61000-4-3:2012及びJIS C
61000-4-4:2007への準拠がこの規格で要求しているのと少なくとも同一レベルであって,他の方法で確立
している場合には,妨害における性能試験(13.6.613.6.9)を省略することができる。
E.3 適合性
製造事業者は,次の事項についてモジュールの適合性を立証して宣言しなければならない。
− E.2.2によって個別に試験した流量センサ。
− E.2.3によって個別に試験した補助装置及び周辺装置。
流量センサ,その他のデジタルモジュール又はデジタル表示機構の各装置には,特別な適合性チェック
は必要ない。完成計量システムの正しい機能を試験するだけで十分である。モジュール間で正しいデータ
伝送が行われない場合は,計量システムが機能していないか,零点設定装置などが正常に機能していない。
E.2.2.1における計量システムの目量(edispenser)と流量センサの目量(emeter)との関係の適合性について
は,表E.2のように示すのが望ましい。
表E.2−流量センサの適合性チェック
[計量システムの目量(edispenser)と流量センサの目量(emeter)との関係]
edispenser ≧ emeter 適合 不適合
≧ emeter □ □
E.4 周辺装置(外部接続機器)
製造事業者は,周辺装置が,適切な保護インタフェースをもつ計量システムに接続するのに適している
ことを宣言することができる。
E.5 供試体(EUT)の試験及び選択
同一型式の計量システム又はモジュールは,E.2.2.2を適用してEUTの選択を行う。
最も感度の高いEUTを試験することによって,それよりも低い感度特性をもつ同一型式内の他の計量シ
ステムを包含することができる。最高の計量的特性をもつEUTを試験のために選択しなければならない。

――――― [JIS B 8576 pdf 50] ―――――

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JIS B 8576:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8576:2016の関連規格と引用規格一覧