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を続けるか,又は何らかの有意な誤りの存在を検出し,かつ,表示するかのいずれかでなければなら
ない。
12.5.3 供試体となる計量システム(EUT)
電子装置の試験は,計量システム,計量システムの通常の動作を代行するその計量システム以外の構成
によるサブシステム(例参照),又は構成要素で実施しなければならない。ただし,サブシステム及び補
助装置は,擬似信号による分離試験を可能とする。
特に,表示機構付きの計量用計算器は,計量用計算器の最終のきょう体内又は最終のきょう体に相当す
るきょう体内に収まっていなければならない。
サブシステムは,次の例のような構成となる。
例 サブシステムの構成
− 計量変換器
− 計量用計算器
− 質量表示機構。ただし,二次表示のものは除く。
− 電源装置
− 該当すれば,補正装置
13 電子計量システムの性能試験方法
13.1 一般
この箇条は,電子計量システムが規定した環境条件で意図した機能・性能を実行できるかどうかを確か
めるための性能試験プログラムを規定する。各試験では,必要に応じ,標準条件下での器差決定における
環境条件を示す。
これらの試験は,箇条12に規定する試験を補足する。
ある影響量の影響を評価しているとき,他の全ての影響量は,標準条件に近い値でほぼ一定に保つもの
とする。
13.2 厳しさレベル
各性能試験において,計量システムが通常さらされる気候的及び機械的環境条件に相当する代表的な試
験条件を規定する。
計量システムは,気候的及び機械的環境条件に従って,次の二つのクラスに分ける。
− クラスB 主に屋内に設置されるメーター,補助装置及び付加装置
− クラスC 屋外に設置されるメーター,補助装置及び付加装置
13.3 標準条件
標準条件は,次による。ただし,製造事業者は,計量システムの使用条件に応じてこれ以外の標準条件
を定めてもよい。この場合,銘板及び取扱説明書に使用条件を記載する。
− 周囲温度 : 15 ℃35 ℃
− 相対湿度 : 25 %75 %
− 大気圧 : 86 kPa106 kPa
− 電源電圧 : 公称電圧
− 電源周波数 : 公称周波数
各試験の間,温度及び相対湿度は,標準条件内でそれぞれ5 ℃及び10 %より多く変化してはならない。
なお,標準条件の範囲を超えて試験を行う場合は,器差への影響を考慮しなければならない。
――――― [JIS B 8576 pdf 26] ―――――
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13.4 試験質量
複数の影響量は,計量質量に応じて比例的に影響を与えずに,計量値に一定の影響を与える。有意な誤
りの値は,計量質量に関連している。したがって,試験結果を比較可能とするため,使用最大流量(Qmax)
で1分間排出するのに相当する質量,又は最小測定量以上の質量のうち,いずれか大きい質量(以下,試
験質量という。)で試験する必要がある。ただし,妨害による影響試験の場合には,試験質量を超える質量
で試験することができる。
13.5 水素温度の影響
温度試験(13.6.213.6.4)は周囲温度に関するものであり,使用する水素燃料の温度に関するものでは
ない。したがって,水素燃料の温度が試験結果に影響を与えないよう,擬似入力による試験方法を用いる
ことが望ましい。
13.6 性能試験
13.6.1 試験項目
試験項目は,表2による。試験は,任意の順序で実施してもよい。
表2−試験項目
項目 試験 影響量の性質
13.6.2 高温(耐熱性)試験 影響因子
13.6.3 低温(耐寒性)試験 影響因子
13.6.4 温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験 影響因子
13.6.5 電圧変化試験 影響因子
13.6.6 瞬時停電試験 妨害
13.6.7 バースト試験 妨害
13.6.8 静電気放電試験 妨害
13.6.9 放射電磁界イミュニティ試験 妨害
13.6.2 高温(耐熱性)試験
高温(耐熱性)試験は,次による。
a) 試験方法 乾燥加熱(非結露)
b) 試験の目的 高温度条件下で,6.10.4の規定への適合性を検証する。
c) 参照規格 JIS C 60068-2-2:2010,JIS C 60068-3-1:1995
d) 試験手順の概要 試験は,試験サイクルの条件の順に温度を設定し,各条件下において,EUTをさら
すことからなる。試験サイクルの各温度への加熱及び冷却中の温度変化率は,1 ℃/minを超えてはな
らない。また,試験中の絶対湿度は,20 g/m3を超えてはならない。ただし,周囲温度が35 ℃未満で
試験を実施する場合の相対湿度は,50 %を超えてはならない。
EUTは,使用最小流量(Qmin)から使用最大流量(Qmax)の間の少なくとも1流量(又は擬似流量)
で試験を行い,試験中は作動していなければならない。
e) 試験の厳しさ 試験の厳しさは,次による。
温度 クラスB : 40 ℃±2 ℃
クラスC : 55 ℃±2 ℃
ただし,使用温度範囲が指定されている場合は,使用温度範囲の最高温度とする。
f) 試験サイクル 試験サイクルは,次による。
1) 20 ℃(標準温度)に設定し,EUTを1時間放置する。
――――― [JIS B 8576 pdf 27] ―――――
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2) 試験の厳しさによる温度に安定後,EUTを2時間放置する。
3) 再び標準温度に設定し,EUTを1時間放置する。
g) 最大許容変化 全ての機能は,設計どおり動作しなければならない。さらに,温度サイクルの各温度
での器差は,最大許容誤差以内でなければならない。
13.6.3 低温(耐寒性)試験
低温(耐寒性)試験は,次による。
a) 試験方法 冷却
b) 試験の目的 低温度条件下で,6.10.4の規定への適合性を検証する。
c) 参照規格 JIS C 60068-2-1:2010,JIS C 60068-3-1:1995
d) 試験手順の概要 試験は,試験サイクルの条件の順に温度を設定し,各条件下において,EUTをさら
すことからなる。試験サイクルの各温度への加熱及び冷却中の温度変化率は,1 ℃/minを超えてはな
らない。
EUTは,使用最小流量(Qmin)から使用最大流量(Qmax)の間の少なくとも1流量(又は擬似流量)
で試験を行い,試験中は作動していなければならない。
e) 試験の厳しさ 試験の厳しさは,次による。
温度 クラスB : −10 ℃±3 ℃
クラスC : −25 ℃±3 ℃
ただし,使用温度範囲が指定されている場合は,使用温度範囲の最低温度とする。
f) 試験サイクル 試験サイクルは,次による。
1) 20 ℃(標準温度)に設定し,EUTを1時間放置する。
2) 試験の厳しさによる温度に安定後,EUTを2時間放置する。
3) 再び標準温度に設定し,EUTを1時間放置する。
g) 最大許容変化 全ての機能は,設計どおり動作しなければならない。さらに,温度サイクルの各温度
での器差は,最大許容誤差以内でなければならない。
13.6.4 温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験
温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験は,次による。
a) 試験方法 高温高湿サイクル(結露)
b) 試験の目的 周期的な温度変化と組み合わされた高湿条件の下で,6.10.4の規定への適合性を検証す
る。
c) 試験手順の概要 試験は,25 ℃から試験の厳しさによる各上限温度に上昇させ,その後25 ℃に降下
させる周期的な試験環境にEUTをさらすことからなる。この周期的な試験環境の変化を24時間1サ
イクルとする。この周期的な試験環境にさらすことによって温度の上昇中に,EUT上に結露させるこ
とが望ましい。
EUTは,使用最小流量(Qmin)から使用最大流量(Qmax)の間の少なくとも1流量(又は擬似流量)
で試験を行い,高温高湿にさらされているとき,電源は通電状態にしない。
d) 試験の厳しさ 試験の厳しさは,次による。
1) 上限温度 クラスB : 40 ℃±2 ℃
クラスC : 55 ℃±2 ℃
ただし,使用温度範囲が指定されている場合は,使用温度範囲の最高温度とする。
2) 湿度 : 95 %以上。ただし,上限温度にあっては,93 %±3 %とする。
――――― [JIS B 8576 pdf 28] ―――――
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3) 持続時間 : 24時間
e) 試験サイクル 試験サイクル(24時間)は,次による(図4参照)。
1) 25 ℃(標準温度)から3時間で上限温度まで上げる。
2) 上限温度を9時間程度(試験サイクル開始から合計12時間)維持する。
3) 上限温度から36時間で25 ℃まで下げる。
4) 試験サイクル開始から24時間経過するまで25 ℃に維持する。
f) 最大許容変化 高温高湿にさらした後,高湿状態のまま標準温度に復帰したとき,全ての機能は,設
計どおり動作しなければならない。さらに,器差は,最大許容誤差以内でなければならない。
図4−温湿度サイクルの周期的な変化(例)
13.6.5 電圧変化試験
電圧変化試験は,次による。
a) 試験方法 交流主電源の変動(単相)
b) 試験の目的 交流主電源が変動している状態において,6.10.4の規定への適合性を検証する。
c) 試験手順の概要 試験は,EUTが通常の大気圧状態で動作中に,そのEUTを電源電圧変動にさらし
て行う。
――――― [JIS B 8576 pdf 29] ―――――
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EUTは,使用最小流量(Qmin)から使用最大流量(Qmax)の間の少なくとも1流量(又は擬似流量)
で試験を行い,試験中は作動していなければならない。
d) 試験の厳しさ 試験の厳しさは,クラスB及びクラスCにおいて共通であり,その電源電圧は,次に
よる。
− 上限 : Vnom+10 %
− 下限 : Vnom−15 %
注記 電源電圧の範囲(VminVmax)が表記などによって示される場合,上限はVmax+10 %,下限は
Vmin−15 %となる。
e) 試験サイクル数 1サイクル
f) 最大許容変化 全ての機能は,設計どおり動作しなければならない。さらに,全ての器差は,最大許
容誤差以内でなければならない。
13.6.6 瞬時停電試験
瞬時停電試験は,次による。
a) 試験方法 主電源電圧の短時間中断及び電圧低下
b) 試験の目的 主電源電圧が短時間中断及び電圧低下する状態において,6.12の規定への適合性を検証
する。
c) 試験手順の概要 試験は,電源周波数の1/2サイクルに等しい持続時間における公称電圧から無電圧
への電源中断,及び電源周波数の1サイクルに等しい持続時間における公称電圧から50 %の電圧低下
をEUTに与えることからなる。主電源電圧の中断及び低下は,少なくとも10秒の間隔で10回繰り返
さなければならない。
EUTは,使用最小流量(Qmin)から使用最大流量(Qmax)の間の少なくとも1流量(又は擬似流量)
で試験を行い,試験中は作動していなければならない。
d) 試験の厳しさ 試験の厳しさは,クラスB及びクラスCにおいて共通であり,その試験の厳しさは,
次による。
1) 1/2サイクルに等しい時間の100 %電圧低下
2) 1サイクルに等しい時間の50 %電圧低下
e) 試験サイクル数 各試験間隔が最小10秒で,最小10回の電圧断及び10回の電圧低下をさせる。電圧
断及び電圧低下は,全試験を実行するのに必要とする時間内で繰り返す。したがって,電圧断及び電
圧低下は10回以上となっても差し支えない。
f) 最大許容変化 標準条件下において試験質量に達したときの器差(E1)と妨害を受けながら試験質量
に達したときの器差(E2)との差(E2−E1)が,有意な誤りの値を超えないか,又は計量システムが
有意な誤りを検出し,かつ,それに従って対応するか,のいずれかでなければならない(図5参照)。
――――― [JIS B 8576 pdf 30] ―――――
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JIS B 8576:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.040 : 線及び角度の測定 > 17.040.30 : 測定機器
JIS B 8576:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7611-1:2005
- 非自動はかり―性能要件及び試験方法―第1部:一般計量器
- JISB7611-2:2015
- 非自動はかり―性能要件及び試験方法―第2部:取引又は証明用
- JISZ8103:2019
- 計測用語