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5.2 試験条件
他に特に規定のない限り,試験温度及び時間は,表11による。
表 11 エラストマー適合性指標(ECI)の測定条件
作動油 記号 適用ゴム 温度 試験時間(19)
℃ h
±1 ±2
鉱物油 HH, HL, HM, NBR1,2 100 168 1 000
HR,HV HNBR1 130
FKM2 150
水グリコール系 HFC NBR1,2 60 168 1 000
HNBR1
EPDM1
O/Wエマルジョン系 HFAE,HFAS NBR1,2 60 168 1 000
HNBR1
FKM2
W/Oエマルジョン系 HFB NBR1,2 60 168 1 000
HNBR1
FKM2
脂肪族りん酸エステル系 HFDR EPDM1 100 168 1 000
芳香族りん酸エステル系 HFDR FKM2 150
EPDM1 130
ポリオールエステル HFDU NBR1,2 60 168 1 000
HNBR1 100
FKM2
生分解性合成エステル油 HEES NBR1,2 60 168 1 000
HNBR1 100
FKM2
植物油 HETG NBR1,2 60 168 1 000
HNBR1
FKM2
ポリグリコール HEPG HNBR1/FKM2 100 168 1 000
合成炭化水素 HEPR NBR1,2 100 168 1 000
HNBR1 130
FKM2 150
注(19) 1 000時間の試験は,長期間のエラストマーの変化に対する作動油及びエラストマーの適合性評価に対して実施
する。
備考 ISO 6743-4参照
5.3 体積変化率の測定
5.3.1 試験装置
5.3.1.1 化学天びん 0.1 mgの精度をもち,図1に示すように橋渡し構造にして,ナイロン糸及び蒸留水
を入れたビーカによって構成する。
――――― [JIS B 8671 pdf 11] ―――――
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1 ビーカ
2 蒸留水
3 ナイロン糸
4 温度計
5 試験片
6 台
図 1 空気中及び水中質量測定用化学天びん
5.3.1.2 栓付ガラス製試験管 試験片を試験用作動油に完全に浸せきし,かつ,制限及び変形を与えない
で膨張できるような寸法のガラス製試験管。その口の直径は,試験片の入口及び出口として自由に通れる
寸法がよい。
5.3.1.3 送風装置付空気循環式恒温槽 ±2 ℃の温度を維持する能力をもつ。
5.3.2 試験片 それぞれ(50±1) m×(25±1) mの長方形又はφ36±1 mmの円形であって,2 mmの均
一な厚さの試験片をシートから切り取る。
備考 両形状ともおおよそ同じ結果が得られる。
5.3.3 手順
5.3.3.1 識別のための印をつけた三枚の試験片を使用する。試験室の標準温度で試験片の空気中の質量を
1 mgの精度まで測定する(質量m1)。次に,蒸留水中の質量を測定する(質量m2)。
5.3.3.2 すべての気泡を確実に取り除く。
備考 気泡の付着は,例えばエタノールのような液体に数秒間漬けることによって取り除くことがで
きる。メタノールは推奨できない。
5.3.3.3 試験片に糸くずを付けないで,ろ紙又は織布でふき取る。
5.3.3.4 試験片を少なくとも試験片の体積の15倍で,かつ,試験片を完全に浸せきできる試験用作動油
が入ったガラス製試験管(5.3.1.2)に試験片がお互いに接触しないように浸せきする。
5.3.3.5 栓を取り付けて,試験管及びその中身を恒温槽の中に置く。
備考 作動油とゴムの種類に基づく試験時間及び温度は,表11による。
5.3.3.6 試験終了後,試験管及びその中身を試験室の標準温度に戻す。
5.3.3.7 試験片の表面から余分の作動油を取り除く。
備考 非水溶性作動油を取り除くときは,石油エーテルのような適切な揮発性の液体に試験片を数秒
――――― [JIS B 8671 pdf 12] ―――――
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間漬ける,直ちにろ紙又は柔らかい織布でふき取る。
5.3.3.8 直ちに,風袋を測定した栓付ひょう(秤)量瓶に試験片を置き,試験片の空気中の質量を1 mg
の精度まで測定する(質量 m3)。
5.3.3.9 試験片をひょう(秤)量瓶から取り出し,直ちに,試験室の標準温度で蒸留水中の試験片の質量
を測定する(質量m4)。
5.3.4 計算 体積変化率ΔV100は,次の式によって算出する。
(m3 m4 ) (m1 m2 )
V100 100
(m1 m2 )
ここに, m1 : 浸せき前の試験片の空気中の質量
m2 : 浸せき前の試験片の水中の質量
m3 : 浸せき後の試験片の空気中の質量
m4 : 浸せき後の試験片の水中の質量
三つの試験片から得られた測定値の中央値を取る。
備考 結果の精度に関しては,再現性の検証が必要である。
5.4 硬さ変化の測定
5.4.1 試験装置
5.4.1.1 硬さ測定機 JIS K 6253(M法)による。
5.4.1.2 栓付ガラス製試験管 5.3.1.2による。
5.4.1.3 試験恒温槽 5.3.1.3による。
5.4.2 試験片 体積変化率の測定に使用した三つの試験片と同じものを使用する(5.3.2参照)。
5.4.3 手順
5.4.3.1 試験室の標準温度(JIS K 6253)で三つの試験片の硬さを測定する。
5.4.3.2 作動油に試験片を浸せきする(5.3.3.4,5.3.3.5参照)。
5.4.3.3 浸せき終了後,試験管及びその内容物を試験室の標準温度に戻す。
5.4.3.4 試験片の表面から余分の作動油をふき取る(5.3.3.7参照)。
5.4.3.5 JIS K 6253によって,再度硬さを測定する。
5.4.4 計算 浸せき前後に試験片の測定点を変えて,三つの試験片の硬さを読み取り,中央値を記録する。
JIS K 6253に規定したIRHD硬さを記録する。マイクロテスト用の装置が利用できない場合は,試験片
3枚を重ねたものについてデュロメータ硬さタイプAで硬さを測定してもよいが,これによって得られた
結果は,1枚の試験片によるM法の結果とは必ずしも一致しない。このような場合,試験報告書にはデュ
ロメータ硬さタイプAの硬さの変化であると表示しなければならない。
備考 結果の精度に関しては,再現性の検証が必要である。
5.5 引張強さ変化率及び破断時伸び変化率の測定
5.5.1 試験装置
5.5.1.1 引張試験装置 JIS K 6251による。
5.5.1.2 栓付ガラス製試験管 5.3.1.2による。
5.5.1.3 試験恒温槽 5.3.1.3による。
5.5.2 試験片
5.5.2.1 JIS K 6251によるダンベル状6号片を用いる。
――――― [JIS B 8671 pdf 13] ―――――
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5.5.2.2 比較のために,五つの浸せきした試験片及び五つの未浸せきの試験片で試験を行う。
5.5.3 手順
5.5.3.1 JIS K 6251によって,各々の試験片に印を付けて断面寸法を測定する。
5.5.3.2 五つの試験片を作動油に浸せきする(5.3.3.4及び5.3.3.5参照)。
5.5.3.3 浸せき終了後,試験管及びその内容物を試験室標準温度に戻す。
5.5.3.4 試験片の表面から余分の液体をふき取る(5.3.3.7参照)。
5.5.3.5 JIS K 6251によって,浸せきした試験片及び未浸せきの試験片のMPa表記の引張強さ並びに破断
時伸び率を測定する。
5.5.4 計算
5.5.4.1 浸せき前に試験片の初期断面の単位面積当たりの引張強さを計算する。
5.5.4.2 未浸せき試料に対する百分率で表記した変化を記録する。
引張強さ変化率ΔT100は,次の式によって算出する。
(T2 T1 )
T100 100
T1
ここに, T1 : 未浸せき試料の引張強さ五つの測定値の中央値(MPa)
T2 : 浸せき試料の引張強さの五つの測定値の中央値(MPa)
破断時伸び変化率ΔL100は,次の式によって算出する。
(L2 L1 )
L100 100
L1
ここに, L1 : 未浸せき試料の破断時伸びの五つの測定値の中央値(mm)
L2 : 浸せき試料の破断時伸びの五つの測定値の中央値(mm)
備考 結果の精度に関しては,再現性の検証が必要である。
5.6 記録
作動油に関するエラストマー適合性指標(ECI)は,ECIに加えて,次の事項を記録しなければ
ならない。
a) 作動油の種類(例えば,HM,HFC)
b) 試験温度及び試験時間
c) 浸せき液の変色及び沈殿物の形成
d) 試験片の外観(例えば,き裂,粘りつき)
6. 規格適合表示
この規格に従っている場合には,試験報告書,カタログ及び販売資料に,次の表現を
使用する。
“作動油及びゴム材料の適合性は,JIS B 8671 (油圧−作動油及び標準エラストマーに対する適合性)
を満足している。”
――――― [JIS B 8671 pdf 14] ―――――
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附属書A(参考)参考資料
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
A.1 作動油の種類 作動油は,鉱物油,難燃性作動油,生分解性作動油及び合成油による。
難燃性作動油は二つのグループに分かれる。
a) 水成系作動油
− O/Wエマルジョン系
− W/Oエマルジョン系
− 水グリコール系
b) 非水成系作動油
− りん酸エステル系
− ポリオールエステル
A.2 エラストマーの種類
A.2.1 一般 色々なエラストマーが油圧装置に使用される。エラストマーの種類を,次に示す。
− アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)
− ふっ素ゴム(FKM)
− エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)
− 水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)
− ブチルゴム(IIR)
− アクリルゴム(ACM)
− シリコーンゴム(VMQ)
− クロロプレンゴム(CR)
− ウレタンゴム(AU及びEU)
エラストマーの名称及び略号は,JIS K 6397による。エラストマー材料の名称は,一般的なものである。
配合はエラストマーの名称で呼ばれる。エラストマーによって固有の性質があるが,配合によっては物性
が異なる。
備考 ウレタンゴムの加工方法は,他のエラストマー材料と異なっている。
A.2.2 アクリロニトリルブタジエンゴム アクリロニトリルブタジエンゴムは,油圧装置の中で最も重要
なエラストマーである。アクリロニトリルブタジエンゴムは,石油系作動油,難燃性作動油(O/Wエマル
ジョン,W/Oエマルジョン)及び生分解性作動油に対して耐性がある。しかし,りん酸エステル系作動油
には,使用できない。
化学的には,アクリロニトリルブタジエンゴムはブタジエン及びアクリロニトリルとの共重合体である。
アクリロニトリルの含有量は約18 48 %である。一般的には低,中,及び高ニトリルに分類される。石
油系作動油に対する耐性は,ニトリルの含有量の増加によって向上する。しかし,ニトリル含有量の増加
に伴って,低温での弾性が悪くなる。アクリロニトリルブタジエンゴムで低温性をよくするには,高温で
――――― [JIS B 8671 pdf 15] ―――――
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JIS B 8671:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6072:2002(MOD)
JIS B 8671:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.140 : ゴム及びプラスチック製品 > 83.140.01 : ゴム及びプラスチック製品一般
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.100 : 流体動力システム > 23.100.01 : 流体動力システム一般
JIS B 8671:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0142:2011
- 油圧・空気圧システム及び機器―用語
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- ゴム―試験用試料の作製方法
- JISK6300-1:2013
- 未加硫ゴム―物理特性―第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方
- JISK6397:2005
- 原料ゴム及びラテックスの略号