JIS B 8812:2004 チェーンブロック用リンクチェーン | ページ 3

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表 7 鋼の硫黄及びりんの含有量
最大含有量 %
化学成分 溶解分析 成品分析
等級M 等級T,V 等級M 等級T,V
S 0.030 0.020 0.035 0.025
P 0.030 0.020 0.035 0.025
S+P 0.055 0.035 0.065 0.045

9. 製造方法

 ロードチェーンの製造方法は,次による。
a) ロードチェーンは,図2のように,チェーンリンク平行部中央で溶接する。
b) 調質チェーンは,溶接後適切な焼入焼戻しの熱処理を施し,また,表面硬化チェーンは,適切な浸炭
焼入焼戻しを施さなければならない。非調質チェーンは,熱処理を省略してもよい。
c) ロードチェーンは,熱処理後表2及び表4に規定する製造者試験荷重以上の引張荷重を加えて,プリ
セット処理を行わなければならない(13)。
注(13) 熱処理を施さないロードチェーンは,溶接後プリセット処理を行う。

10. 試験方法

10.1 製造者試験荷重の試験

 ロードチェーンは,表8に規定する試料を図3のように引張試験機の取付
具に固定し,表2及び表4の製造者試験荷重に規定する5 %の初荷重を加え,標点距離(14)を測定し,こ
れを初標点距離とする。
次に,表2及び表4に規定する製造者試験荷重を加え,更に初荷重に戻したときの標点距離を測定し,
次の式によって永久伸びを算出する。
l 0
0
100
0
ここに, 攀 永久伸び(%)
l0 : 初標点距離(mm)
l : 製造者試験荷重を加え,更に初荷重に戻したときの標点距離(mm)
表 8 引張試験における1連のリンク数
線径 mm 1連のリンク数(15)
6以下 9
6を超え 14以下 7

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図 3 ロードチェーンの製造者試験荷重試験及び静的強さ試験方法
注(14) 標点距離は,表8のリンク数より1リンク少ないリンク数のピッチの和を基準とする。
(15) 実際に負荷されるリンク数をいう。

10.2 静的強さ試験

 ロードチェーンは,製造者試験荷重の試験後の試料について,図3のように引張試
験機で静的引張荷重を加え,チェーンを破断させて,破断荷重及び破断全伸びを算出する。
破断全伸びは,次の式によって算出する。
0 100
0
ここに, δ0 : 破断全伸び(%)
L0 : 製造者試験荷重試験前の表8に規定するリンク数の
チェーンのピッチの和の実測値(mm)
ΔL : 破断時におけるチェーンの伸び量(mm)

10.3 疲れ強さ試験

 疲れ強さ試験は,部分片振り引張試験によって,最小引張荷重が0.25×(最大使用
荷重に相当する力),最大引張荷重が1.25×(最大使用荷重に相当する力)で,繰り返し負荷する。

10.4 表面硬さ試験

 チェーンリンクの表面硬さ試験は,図4に示すチェーンリンクの表面の2か所に対
して,JIS Z 2244の規定によってビッカース硬さ試験を行う。
硬さ試験の試験荷重は,98.07 N(調質チェーン)及び2.942 N(表面硬化チェーン)(16)とする。
注(16) 試験荷重は,2.942 N以外でもよいが,硬さ試験に対する全浸炭硬化層深さの影響を考慮する必
要がある。
× : 表面硬さ測定箇所
図 4 ロードチェーンの表面硬さ試験

10.5 全浸炭硬化層深さ測定

 表面硬化チェーンは,図2のチェーンリンクの垂直断面について,JIS G
0557の規定によって全浸炭硬化層深さを,硬さ試験による方法で測定する。

10.6 オーステナイト結晶粒度測定

 ロードチェーンの材料のオーステナイト結晶粒度は,JIS G 0551に
規定する方法で測定する。

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10.7 衝撃試験

 チェーンリンクの衝撃試験は,JIS B 8841の規定によって行うものとし,試料は1本の
チェーンから,3個のチェーンリンクをサンプリングする。試験温度は,表9による。
表 9 衝撃試験の試験温度
単位 ℃
分類 調質チェーン 表面硬化チェーン
等級 T V T
タイプ TH VH DAT DT
試験温度 −40 −20 −10

10.8 曲げ試験

 ロードチェーンの曲げ試験は,図5のように90 °Vブロックにチェーンリンクを水平に
置き,リンク平行部の中心に圧子で衝撃力を伴わずに曲げ荷重を加える。
f : 変形量
図 5 ロードチェーンの曲げ試験方法

11. 検査

11.1 形状,寸法及び外観

 ロードチェーンの形状,寸法及び外観試験は,ロット(17)ごとにランダムサン
プリングした試料について検査をして合否を判定する。線径,ピッチ,内面幅,外面幅及び外観について
の検査リンク数は,表8のリンク数の3個リンクとする。
L (18)については,ロットからランダムサンプリングした3か所について検査する。
不合格の場合には,サンプリングした試料を除いた残りのチェーンについて,更に2倍の試料をサンプ
リングして,すべての試料が合格しなければならない。
注(17) 製鋼チャージごとの材料,チェーンの溶接工程及び熱処理加工が同一のものをいう。
(18) は,ロードシーブの歯数の2倍以上に相当するリンク数nについて,6. c)の寸法許容差を基
準として検査する。

――――― [JIS B 8812 pdf 13] ―――――

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11.2 製造者試験荷重及び静的強さ

 ロードチェーンの製造者試験荷重及び静的強さの検査は,ロット(17)
ごとにランダムサンプリングした3本の試料について,10.1及び10.2の規定によって試験して検査を行い,
合否を判定する。不合格の場合には,サンプリングした試料を除いた残りのチェーンについて,更に2倍
の試料をサンプリングして,すべての試料が合格しなければならない。

11.3 疲れ強さ

 疲れ強さは,同一材料及び製造方法において,試料1本(1本の試料は3リンク以上)に
ついて検査して合否を判定する。

11.4 表面硬さ及び全浸炭硬化層深さ

 調質チェーン及び表面硬化チェーンの表面硬さ及び全浸炭硬化層
深さの検査は,ロット(17)ごとに11.2のサンプリングと同時にサンプリングした3個のリンクについて,
10.3及び10.4の規定によって試験・測定して検査を行い,合否を判定する。不合格の場合には,サンプリ
ングした試料を除いた残りのチェーンについて,更に2倍の試料をサンプリングして,すべての試料が合
格しなければならない。

12. 製品の呼び方

 ロードチェーンの呼び方は,規格名称又は規格番号,分類,タイプ,線径による。
例1. 調質チェーンで,等級V,タイプVH,及び線径6.3 mmの場合
チェーンブロック用リンクチェーン,調質チェーン,VH-6.3
JIS B 8812,調質チェーン,VH-6.3
例2. 表面硬化チェーンで,等級T,タイプDT,及び線径8 mmの場合
チェーンブロック用リンクチェーン,表面硬化チェーン,DT-8
JIS B 8812,表面硬化チェーン,DT-8

13. 表示

 ロードチェーンには,強さを減じるおそれがないように,容易に消えない方法で,約50 cmお
きに次の事項を表示する。
a) タイプ
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造ロット番号又はその略号
関連規格 JIS G 0565 鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び磁粉模様の分類
JIS Z 2343-1 非破壊試験−浸透探傷試験−第1部 : 一般通則 : 浸透探傷試験方法及び浸透指示
模様の分類

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附属書1(規定)手鎖

1. 適用範囲

 この附属書は,手鎖について規定する。
2. 種類 手鎖の種類は,素材線径及び等級によって,附属書1表1のとおりとする。ただし,素材線径
は,附属書1表1以外も受渡当事者間の協定によって使用できる。
附属書1表 1 手鎖の種類
素材線径 等級 J
Mm 200 N/mm2 (1)
4 J-4
5 J-5
6 J-6
注(1) 最小破断応力を示す。
3. 性能 手鎖の機械的性質は,附属書1表2による。その他の性能は,受渡当事者間の協定による。
附属書1表 2 手鎖の機械的性質
機械的性質 最大使用荷重(2) kg 破断荷重 kN
4 125以下 5以上
素材線径
5 200以下 8以上
Mm
6 280以下 11以上
注(2) 衝撃力が作用する場合,低温度,高温度,腐食雰囲気などの特殊使用状態では安全
性を考慮した使用荷重で使用しなければならない。
4. 形状及び寸法 手鎖の形状及び寸法は,附属書1図1,附属書1図2及び附属書1表3による。
附属書1図 1 手鎖の形状

――――― [JIS B 8812 pdf 15] ―――――

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JIS B 8812:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3077:2001(NEQ)

JIS B 8812:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8812:2004の関連規格と引用規格一覧