JIS C 4908:2007 電気機器用コンデンサ | ページ 3

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表4−静電容量の許容差
静電容量の許容差 記号
%
±15 L
±10 K
+10 U
− 5
±5 J

8.3 絶縁抵抗

  絶縁抵抗は,10.5に規定する試験方法によって測定したとき,一括して接続した端子とケースとの間の
絶縁抵抗が,端子1個に換算した場合,2 000 M 坎 上でなければならない。
なお,端子1個の換算とは,実測抵抗値に一括した端子数を乗じることである。

8.4 損失率及び高温損失率

  損失率及び高温損失率は,10.6及び10.8に規定する試験方法によって測定したとき,受渡当事者間の
協定値以下でなければならない。

8.5 密閉性

   密閉性は,密閉構造 (1) のコンデンサに適用し,10.7によって試験を行ったとき,漏れ(液体含浸剤の
場合)又は連続した気泡の発生(固体含浸剤及び含浸剤を用いない場合)があってはならない。
なお,密閉構造 (2) のコンデンサには適用しない。
注記 密閉試験での加熱温度において流動性があるものを液体含浸剤といい,密閉試験での加熱温度
において流動性がないものを固体含浸剤という。

8.6 耐湿性

  耐湿性は,10.9によって試験を行ったとき,表5に適合しなければならない。
表5−耐湿性試験後の性能
試験項目 試験後の性能
耐電圧 8.1による。
静電容量 初期値に対する変化率が±1 %
絶縁抵抗 8.3の規定値の1/2以上
高温損失率 初期値の1.1倍以下。ただし,誘電体にプラスチックフ
ィルムだけを用いたコンデンサは,増加値が0.5×10−3
以下

8.7 耐用性

  耐用性は,10.10のa) 又はb) のいずれかによって試験を行ったとき,表6に適合しなければならない。
表6−耐用性試験後の性能
試験項目 試験後の性能
静電容量 初期値に対する変化率は−5+5 %とする。ただし,保安機構付のも
のは,初期値に対する変化率は−7+7 %とする。
高温損失率 初期値の1.2倍以下。ただし,誘電体にプラスチックフィルムだけを
用いたコンデンサは,増加値が0.5×10−3以下

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8.8 放電性

  放電性は,放電抵抗器を内蔵するコンデンサに適用し,10.11によって試験を行ったとき,残留電圧が
50 V以下でなければならない。

8.9 自己回復性

  自己回復性は,蒸着電極コンデンサのうち,保安機構付コンデンサを除いたものに適用し,電動機用の
ものは10.12のa),放電灯用のものは10.12のb) によって試験を行ったとき,表7に適合しなければなら
ない。
表7−自己回復性試験後の性能
用途 保安構造 試験項目 試験後の性能
電動機用 保安装置内蔵 静電容量変化率 0.5 %未満
なし
放電灯用 保安装置内蔵 0.5 %以下
なし

8.10 保安性

  保安性は,保安装置内蔵コンデンサ又は保安機構付コンデンサに適用し,次による。
a) 電動機用コンデンサの保安性 電動機用コンデンサの保安性は10.13によって試験を行ったとき,表
8に適合しなければならない。
表8−電動機用コンデンサの保安性試験後の性能
試験項目 試験後の性能
保安装置内蔵 保安機構付
外観 目視による外観の判定は,次による。
a) 含浸剤による表面のぬれはよいが,滴下する程度の漏れがない。
b) 関節付きテストフィンガ(JIS C 0920の付図1参照)が内部充電部に触れない。
c) 試験中に炎又は燃焼物が開口部から放出しない[コンデンサを覆ったチーズクロス
(粗目薄地の綿布)に燃えた跡及び/又はこげた跡がない。]。
端子相互間耐電圧 − 8.1による。a)
電流 コンデンサに流れる電流がほぼゼロ
コンデンサに流れる電流がゼロになるか又は安
定短絡する。 になるか又は安定短絡する。
端子一括とケース 8.1による。
8.1による。ただし,試験電圧は,規定値の0.8
との間の耐電圧 倍の電圧とする。
注a) 安定短絡の場合には,適用しない。
b) 放電灯用コンデンサの保安性 放電灯用コンデンサの保安性は,10.14によって試験を行ったとき,
表9に適合しなければならない。

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表9−放電灯用コンデンサの保安性試験後の性能
試験項目 試験後の性能
保安装置内蔵 保安機構付
外観 目視による外観の判定は,次による。
a) 含浸剤による表面のぬれはよいが,滴下する程度の漏れがない。
b) コンデンサが燃えない。また,コンデンサケースが溶けない。
c) 試験中に炎又は燃焼物が開口部から放出しない[コンデンサを覆ったチーズクロス
(粗目薄地の綿布)に燃えた跡及び/又はこげた跡がない。]。
端子相互間耐電圧 定格電圧の2倍の電圧に1分間耐える。 8.1による。
電流 コンデンサに流れる電流がゼロとなる。 コンデンサに流れる電流がほぼゼロ
となる。
端子一括とケース 8.1による。 8.1による。
との間の耐電圧

8.11 機械的性能

  機械的性能は,次による。
a) 端子強度 端子強度は,次による。
1) 引張強さ 引張強さは,すべての形の端子に適用し,10.15 a) 1) によって試験を行ったとき,外観
に異常があってはならない。
2) 曲げ強さ 曲げ強さは,リード線端子に適用し,10.15 a) 2) によって試験を行ったとき,外観に異
常があってはならない。
3) ねじり強さ ねじり強さは,軸方向のリード線端子に適用し,10.15 a) 3) によって試験を行ったと
き,外観に異常があってはならない。
4) トルク強さ トルク強さは,ねじ及びボルト取付け端子に適用し,10.15 a) 4) によって試験を行っ
たとき,外観に異常があってはならない。
b) はんだ付け はんだ付けは,はんだ付けで接続する端子に適用し,次による。
1) はんだ付け性 はんだ付け性は,10.15 b) 1) によって試験を行ったとき,外観に異常があってはな
らない。
2) はんだ耐熱性 はんだ耐熱性は,10.15 b) 2) によって試験を行ったとき,静電容量の変化は通常
1 %以下とするが,受渡当事者間の協議によってもよい。また,外観に異常があってはならない。
c) 耐振性 耐振性は,10.15 c) で試験を行ったとき,表10に適合しなければならない。
表10−耐振性試験後の性能
試験項目 試験後の性能
静電容量 静電容量の変化は1 %以下とする。a)
端子一括とケースとの間の耐電圧8.1による。
外観 外観に異常がない。
注a) 受渡当事者間の協議によってもよい。

9 構造

9.1 構造一般

  構造は,取扱いに便利であり,各部分は,実用上十分な強さをもつものでなければならない。
なお,コンデンサは,必要数の素子を1個のケースに収め,配線を接続する端子を設ける。ただし,取

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付具及び端子カバーは,受渡当事者間の協定によって,必要がある場合にだけ取り付ける。密閉構造の区
分は,表11による。
表11−密閉構造
項目 密閉構造区分
密閉構造 (1) 密閉構造 (2)
ケース 金属ケース 開口部をもつ金属ケース ケースなし
非金属ケース 開口部をもつ非金属ケース
密閉方式 はんだ 樹脂充てん 樹脂フィルム包囲及び
パッキン 樹脂充てんの併用
接着 樹脂による包囲又は
溶着 モールド
誘電体 コンデンサ紙及びプラスチックプラスチックフィルム
フィルムの複合体
プラスチックフィルム
コンデンサ紙
含浸剤 絶縁油,ワックス類
非含浸

9.2 素子

  蒸着電極コンデンサの素子は,コンデンサ用金属化紙,コンデンサ用メタライズドポリエチレンテレフ
タレートフィルム,コンデンサ用メタライズドポリプロピレンフィルム又はこれらと誘電体用コンデンサ
薄紙,JIS C 2318に規定する電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム,JIS C 2330に規定す
るコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムとの複合体若しくは性能がこれらと同等以上のものによ
って構成(蒸着電極の片側をはく電極で構成してもよい。)しなければならない。
はく電極コンデンサの素子は,JIS H 4160に規定するアルミニウムはく又は性能がこれと同等以上のは
くの電極間に,誘電体用コンデンサ薄紙,JIS C 2318に規定する電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム,JIS C 2330に規定するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム又はこれらと同等以
上の絶縁材料若しくはこれらの複合体を介在することによって構成しなければならない。

9.3 ケース

  ケースは,JIS G 3303に規定するぶりきその他適切な材料によって作り,素子を保護するために十分な
強さをもち,さびが発生するおそれがある場合には,塗装その他適切な方法によって,さび止め処理を施
さなければならない。非金属材料を用いる場合のケース厚さは,0.8 mm1) 以上でなければならない。ただ
し,密閉構造 (2) の密閉構造のものは,ケースを省略し,樹脂フィルムによる包囲又は樹脂でモールドす
ることによって素子の外被としてもよい。この場合の外被の厚さは,0.8 mm1) 以上でなければならない。
注1) コンデンサが,人体に触れるおそれのない場所で使われ,かつ,外傷を受けるおそれがない場
合で,受渡当事者間で合意した場合には,これによらなくてもよい。

9.4 含浸剤

  含浸剤は,JIS C 2320に規定された絶縁油又はこれと同等以上の絶縁性能をもつ絶縁物でなければなら
ない。

9.5 充てん剤

  充てん剤は,ポリエステル,エポキシ,ポリスチレンなど,最高許容温度で流動化しない樹脂又はこれ

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らと同等以上の性能でなければならない。

9.6 端子

  端子は配線を確実に接続し得る黄銅又はこれと同等以上の機械的強度及び導電率をもつもので,さびが
発生するおそれがある場合には,めっきその他の方法によってさび止め処理を施したものでなければなら
ない。
なお,密閉構造 (2) のコンデンサでは,引出しリード線をもって端子とすることができるが,この場合
も同じ考慮をしなければならない。また,絶縁被覆を施した引出しリード線を用いる場合,被覆の絶縁耐
力は,定格電圧及び最高許容温度に適合したものでなければならない。

9.7 ブッシング

  ブッシングは,磁器その他の材料によって作り,コンデンサに組み立てた場合,確実な密閉性,定格電
圧に適合した耐電圧性及び絶縁性をもたなければならない。

9.8 端子カバー

  端子カバーは,樹脂その他の材料によって作り,電気的に安全で,十分な機械的強度をもたなければな
らない。

9.9 取付具

  取付具は,JIS G 3303に規定するぶりき又は軟鋼板,樹脂その他の材料によって作り,耐候性が良好で
十分な機械的強度をもち,さびが生じやすい金属に対しては,さび止め処理を施す。樹脂ケースの取付具
は,ケース又は端子カバーと一体成形したものでもよい。

9.10 放電抵抗器

  放電抵抗器は放電の通電電流に対して十分な通電容量をもたなければならない。

9.11 絶縁距離

  極性の異なるコンデンサ外部端子(充電部)間,又はコンデンサ充電部と金属ケースとの間の絶縁距離
は,表12に規定する値以上とする。
表12−コンデンサ外部端子の絶縁距離
単位 mm
線間電圧又は対地電圧 極性が異なる充電部間 充電部と金属ケースとの間
(V) 固定している部分で, その他の箇所 固定している部分で, その他の箇所
じんあいが侵入しにく じんあいが侵入しにく
く,かつ,金属粉が付 く,かつ,金属粉が付
着しにくい箇所。 着しにくい箇所。
50以下 1 1.2 1 1
50を超え 150以下 1.5 2 1.5 1.5
150を超え 300以下 2 2.5 2 2
300を超え 600以下 3 4 3 4
600を超え 1 000以下 4 5 4 5

10 試験

10.1 試験状態

  試験は,特に指定がない限り温度20±2 ℃及び相対湿度(65±5)%の状態で行う。
なお,疑義が生じない場合は,温度20±15 ℃(常温),相対湿度(65±20)%(常湿)の状態で行って
もよい。

――――― [JIS C 4908 pdf 15] ―――――

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JIS C 4908:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60252-1:2001(MOD)
  • IEC 61048:1999(MOD)
  • IEC 61049:1991(MOD)

JIS C 4908:2007の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4908:2007の関連規格と引用規格一覧