JIS C 4908:2007 電気機器用コンデンサ | ページ 4

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10.2 構造試験

  構造試験は,箇条9及び箇条13に規定する事項について調べる。

10.3 耐電圧試験

  耐電圧試験は,端子相互間, 端子一括とケースとの間又は異素子の端子間に,50 Hz又は60 Hzの正弦波
で,表13に規定する試験電圧を表13に規定する時間印加し,絶縁破壊及びフラッシオーバが発生しない
かを試験する。
電圧印加時には,過電圧発生のおそれがないようにして,最初から規定した試験電圧を印加するか又は
試験電圧の1/2以下の電圧を加え,電圧を徐々に上昇し,10秒以内に規定した試験電圧に到達させ,規定
した時間印加する。
なお,ケースを絶縁材料で構成する場合は,その表面に金属はくを巻き付けるか,又はケースを導電性
液体に浸し,これと端子を一括したものとの間で試験する。
表13−耐電圧試験条件
項目 定格電圧 試験電圧(実効値) 印加時間
V s
V 蒸着電極コンデンサ はく電極コンデンサ 受渡検査 形式検査
端子相互間 1 000以下 定格電圧×1.75 定格電圧×2.3 1 60
端子一括とケースと 150 a) 以下 1 000
の間 150 a) を超え 1 500
300 a) 以下
300 a) を超え 定格電圧a) ×2+1 000
1 000 a) 以下
共通端子をもたない 1 000以下 (定格電圧の合計)×1.75(定格電圧の合計)×2.3
異素子の端子間
注a) 多素子である場合には,最高の定格電圧とする。

10.4 静電容量試験

  静電容量試験は,製造業者が指定した電圧,周波数でコンデンサの静電容量を測定する。静電容量試験
は,10.3の耐電圧試験の後で行う。
なお,この試験は120 Hz又は1 000 Hzの周波数で行ってもよい。

10.5 絶縁抵抗試験

  絶縁抵抗試験は,端子を一括したものとケースとの間について行い,直流500 Vの電圧を印加し,1分
経過時の値を,高絶縁抵抗計によって測定する。
なお,ケースを絶縁材料で構成する場合は,その表面に金属はくを巻き付けるか,又はケースを導電性
液体に浸し,これと端子を一括したものとの間で測定する。

10.6 損失率試験

  損失率試験は,シェーリングブリッジ法,その他適切な方法で,50 Hz又は60 Hzの正弦波の定格電圧
を印加するか又は製造業者が定めた周波数・電圧を印加し,コンデンサの損失率を測定する。
なお,この試験は,10.3の耐電圧試験の後に実施する。

10.7 密閉性試験

  密閉性試験は,表14に規定する試験条件によってコンデンサを加熱し,液体含浸剤を用いたものにつ
いては含浸剤の漏れの有無を,固体含浸剤を用いたもの及び含浸剤を用いないものについては連続した気

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泡の発生の有無を調べる。
表14−密閉性試験条件
含浸剤 液体の場合 固体及び用いない場合
最高許容温度 ℃ 55 60 65 70 75 80 85 55 60 65 70 75 80 85
加熱温度 ℃ 75±3 80±3 85±3 90±3 75±3 80±3 85±3 90±3
60
+ 10
+
a)
容積b)が 60 0 15 0
加 350 cm3以下
熱 +120 10
+
時 容積b) が 120 0 20 0
間 350 cm3を超え
4 000 cm3以下
+180 10
+
min 容積b) が 180 0 20 0
4 000 cm3を
超えるもの
恒温装置 恒温槽 恒温油槽又は湯槽
注a) 液体含浸剤を用いたもので,加熱時間を延長しても支障がないと判断する場合は,この上限によらなくてもよ
い。
b) コンデンサの端子部を含まない本体部分の容積とする。

10.8 高温損失率試験

  高温損失率試験は,温度が最高許容温度に5 ℃を加えた値の±2 ℃の恒温装置(恒温槽又は恒温油槽)
内においてコンデンサの内部温度が一定になるまで加熱し,10.6によって高温の損失率を測定する。ただ
し,最高許容温度が70 ℃以下のものでは,75±2 ℃の恒温装置内で加熱する。

10.9 耐湿性試験

  耐湿性試験は,次による。
a) コンデンサを温度40±2 ℃,湿度90 %95 %の恒温恒湿槽内に8時間放置する。
b) その後,常温常湿状態で16時間放置する。
c) この操作を5回繰り返した後,10.3によって耐電圧試験を行い,10.4によって静電容量を,及び10.5
によって絶縁抵抗をそれぞれ測定する。
d) その後,10.8によって高温損失率を測定する。

10.10 耐用性試験

  耐用性試験は,次のa) 又はb) のいずれかを行う。いずれを行うかは受渡当事者間の協定による。
なお,この試験に用いる恒温槽は,強制循環空気槽として,槽内温度差がいかなる点においても2 ℃以
下のものでなければならない。
a) 連続耐用性試験 連続耐用性試験は,次による。
1) コンデンサを恒温装置(恒温槽又は恒温油槽)内に入れ,表15に規定する条件で,規定温度を保
ちながら,50 Hz又は60 Hzの正弦波の試験電圧を連続印加する。
2) 試験開始24時間後に,コンデンサの静電容量及び高温損失率を,それぞれ10.4及び10.8によって
測定し,これを初期値とする。
3) この試験終了後,静電容量及び高温損失率を測定する。
4) 次に,2) 及び3) の測定値から,初期値に対する静電容量の変化率及び高温損失率の初期値に対す
る倍率又は増加値を算出する。

――――― [JIS C 4908 pdf 17] ―――――

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表15−連続耐用性試験条件
項目 電動機用 放電灯用
試験温度 ℃ 最高許容温度±3
試験電圧 V 定格電圧×1.25
通電時間区分 h 40 000 25 000 10 000 2 000 40 000
試験時間 h 800 500 200 40 800
b) 断続耐用性試験 断続耐用性試験は,次による。
1) コンデンサを恒温装置(恒温槽又は恒温油槽)内に入れ,表16に規定する条件で,規定温度を保
ちながら,50 Hz又は60 Hzの正弦波の試験電圧を断続印加する。
なお,この試験における電圧休止中の2秒間にコンデンサの残留電圧を5 V以下に放電できる放
電装置をコンデンサに並列に接続して行う。また,この試験に用いる回路の電圧変動率は少なく,
かつ,直列共振がないように考慮しなければならない。
表16−断続耐用性試験条件
項目 電動機用 放電灯用
試験温度 ℃ 最高許容温度±3
試験電圧 V 定格電圧×1.4(蒸着電極コンデンサ)
定格電圧×1.5(はく電極コンデンサ)
電圧印加方法 2秒印加 2秒休止(15回/min)
通電時間区分 h 40 000 25 000 10 000 2 000 40 000
試験サイクル 回 10×104 2×104 10×104
2) 試験開始5 000回後にコンデンサの静電容量及び高温損失率を,それぞれ10.4及び10.8によって
測定し,これを初期値とする。
3) この試験終了後,静電容量及び高温損失率を測定する。
4) 次に,2) 及び3) の測定値から,初期値に対する静電容量の変化率及び高温損失率の初期値に対す
る倍率又は増加値を算出する。

10.11 放電性試験

  放電性試験は,放電抵抗器内蔵のコンデンサに適用し,10.3の耐電圧試験の後に,次のa) 又はb) のい
ずれかの方法で行う。
a) 放電抵抗器の抵抗値測定による試験 放電抵抗器の抵抗値測定による試験は,適切な抵抗計を用いて
放電抵抗器の抵抗値を測定し,その残留電圧を式 (3) によって算出する。
t

CN R
UR= 2(
1.1UN )
e (3)
ここに, UR : 残留電圧 (V)
UN : 定格電圧 (V)
e : 自然対数の底
t : 放電抵抗器を通して放電する時間(60秒)
CN : 定格静電容量 (
R : 放電抵抗器の抵抗値 (M 圀
b) 残留電圧測定による試験 残留電圧測定による試験は,図1の試験回路でコンデンサの端子間に定格
電圧の2×1.1倍の直流電圧を印加した後,切換開閉器を操作して1分放電させ,その直後の残留

――――― [JIS C 4908 pdf 18] ―――――

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電圧を直流電圧計で測定する。
CX
: 直流電源
S : 切換開閉器
: 直流電圧計
V (内部抵抗は10 M 坎 上のもの)
R : 放電抵抗器
CX : コンデンサ
図1−残留電圧測定回路

10.12 自己回復性試験

  自己回復性試験は,次による。ただし,試料は耐電圧試験を行っていないものを用いる。
a) 電動機用コンデンサの自己回復性試験 電動機用コンデンサの自己回復性試験は,10.4によって静電
容量を測定した後,50 Hz又は60 Hzの正弦波の電圧を用い,次によって行う。
1) 定格電圧の1.75倍の電圧を60秒印加し,自己回復が5回以上のときは,定格電圧の1.75倍の0.8
倍の電圧を10秒印加する。
なお,印加電圧は,試験電圧の1/2以下の電圧を加え,電圧を徐々に上昇させ10秒以内に規定
する試験電圧に到達させる。
2) 1)で自己回復が5回未満の場合,電圧を毎分200 V以下の速度で昇圧し,定格電圧の3.5倍になる
までに自己回復が5回起こる場合はそこでやめ,そのときの電圧の0.8倍の電圧を10秒印加する。
3) 定格電圧の3.5倍まで昇圧しても自己回復が5回未満の場合は,定格電圧の3.5倍の0.8倍の電圧
を10秒印加する。1) 3) の各試験で10秒印加中に,自己回復がもう1回あってもよい。
4) 1) 3) の各試験後,静電容量を測定する。
b) 放電灯用コンデンサの自己回復性試験 放電灯用コンデンサの自己回復性試験は,10.4によって静電
容量を測定した後,コンデンサに50 Hz又は60 Hzの正弦波の電圧の1.25倍の電圧を印加し,直後か
ら毎分200 V以下の速度で,定格電圧の3.5倍の電圧を限度として昇圧し,自己回復が5回起こると
きはそこでやめ,5回未満の場合は定格電圧の3.5倍まで昇圧する。
なお,印加電圧は,試験電圧の1/2以下の電圧を加え,電圧を徐々に上昇させ10秒以内に規定す
る試験電圧に到達させる。
その後,電圧を自己回復が5回起きたときの電圧の0.8倍又は定格電圧の2.15倍の0.8倍のいずれ
か低い方の電圧まで下げて10秒印加する。このとき自己回復がもう1回あってもよい。

――――― [JIS C 4908 pdf 19] ―――――

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その後,10.4によって静電容量を測定する。

10.13 電動機用コンデンサの保安性試験

  電動機用コンデンサの保安性試験は,次の10.13.1又は10.13.2による。
10.13.1 保安装置内蔵コンデンサの保安性試験
この試験は,保安装置を内蔵したコンデンサについて行う。
a) 供試コンデンサ 新品(受渡検査合格品)及び連続耐用性試験合格品を用いる。
b) 前処理 すべてのコンデンサを,恒温槽(10.10参照)内に入れ,コンデンサが最高許容温度±3 ℃
の温度になってから,供試品に定格電圧を2時間印加する。このときコンデンサは,断線状態又は短
絡状態になってはならない。
c) 保安性試験 耐用性試験合格品は,前処理温度を維持し,新品は室温で図2の回路によって,次の順
序で試験を行う。
1) 試験電源の調節 切換開閉器SとKとをそれぞれ端子1とaとに接続し,交流電源を50 Hz又は
60 Hzの正弦波の定格電圧の1.3倍に調整する。ただし,交流電源のインピーダンスは,このコン
デンサが用いられる回路のインピーダンスに可能な限り合致させる。
なお,回路のインピーダンスが運転上切り換えられる場合については,最小インピーダンスに可
能な限り合致させる。
次に,直流電源は,開路電圧が定格電圧の10倍の電圧で,切替開閉器Sを端子2に接続して短
絡電流が50 mAになるように可変抵抗器Rで調節する。
2) C処理 直流電源で,切替開閉器Sは端子3に,Kはbに投入して,電圧をゼロから上昇させ,
コンデンサが短絡状態になるまで,又は定格電圧の10倍の値まで上げていく。電圧計の指示がゼ
ロ又は定格電圧の10倍の値となったら切替開閉器Sを端子1に投入して,コンデンサを直流電源
から開放し5分間放置する。
3) C破壊試験 次に,交流電源で,切替開閉器Kを端子aに投入して,定格電圧の1.3倍の電圧を
5分印加する。
4) 3) において交流電圧を印加したとき,電流がゼロになるか又は安定短絡になるまで2) 及び3) を繰
り返す。安定短絡となった場合,コンデンサを交流電源に接続したまま安定短絡電流を8時間通電
してコンデンサの異常の有無を確認する。

――――― [JIS C 4908 pdf 20] ―――――

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JIS C 4908:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60252-1:2001(MOD)
  • IEC 61048:1999(MOD)
  • IEC 61049:1991(MOD)

JIS C 4908:2007の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4908:2007の関連規格と引用規格一覧