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C 4908 : 2007
図2−保安装置内蔵コンデンサ保安性試験回路
10.13.2 保安機構付コンデンサの保安性試験
この試験は,保安機構付コンデンサについて行う。
a) 供試コンデンサ 新品(受渡検査合格品)を用いる。
b) 前処理 すべてのコンデンサを,恒温槽(10.10参照)内に入れ,コンデンサを最高許容温度±3 ℃
の温度にする。
c) 保安性試験 前処理温度を維持し,図3の回路によって,次の順序で試験を行う。
1) 切替開閉器Sを開放の位置に置き,コンデンサCXに50 Hz又は60 Hzの正弦波の定格電圧の1.3倍
の電圧を印加する。ただし,交流電源のインピーダンスは,このコンデンサが実際に用いられる回
路のインピーダンスに可能な限り合致させる。
なお,実際に用いられる回路のインピーダンスが切り換えられる場合については,最小インピー
ダンスに可能な限り合致させる。
2) 次に,切替開閉器Sを端子bに投入し,放電用コンデンサCOにCXの定格電圧の7倍を最大とする
直流電圧を印加する。このとき,COの静電容量は,CXの静電容量の2倍を最大とする。
3) Oが直流電圧の設定値に到達した後,切替開閉器Sを端子aに投入し,COの充電電荷を定格電圧
の1.3倍の交流電圧が印加しているCXに放電する。
4) Xに相当する電流が,ほぼゼロになるか又は安定短絡になるまで2) 及び3) を15秒に1回の割合
で繰り返す。
5) 電流が安定短絡となった場合,コンデンサを交流電源に接続したまま安定短絡電流を10分通電し
て,コンデンサの異常の有無を確認する。
――――― [JIS C 4908 pdf 21] ―――――
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注a) チョークコイルは,直流電圧印加時のサージ電圧の交流電源への侵入を阻止するとともに,
交流電源のインピーダンスを回路のインピーダンスに整合させるために用いるものである。
図3−保安機構付コンデンサの保安性試験回路
10.14 放電灯用コンデンサの保安性試験
放電灯用コンデンサの保安性試験は,次の10.14.1又は10.14.2による。
10.14.1 保安装置内蔵コンデンサの保安性試験
この試験は,保安装置を内蔵したコンデンサについて行う。
a) 供試コンデンサ 新品(受渡検査合格品)及び連続耐用性試験合格品を用いる。
b) 前処理 すべてのコンデンサを,恒温槽(10.10参照)内に入れ,コンデンサが最高許容温度±3 ℃
の温度になってから,供試品に定格電圧を2時間印加する。このときコンデンサは,断線状態又は短
絡状態になってはならない。
c) 保安性試験 耐用性試験合格品は,前処理温度を維持し,新品は室温で図2の回路によって,次の順
序で試験を行う。
1) 試験電源の調節 切換開閉器SとKとをそれぞれ端子1とaとに接続し,交流電源を50 Hz又は
60 Hzの正弦波の定格電圧の1.25倍に調整する。ただし,交流電源のインピーダンスは可能な限り
小さくし,短絡時に交流電源はコンデンサの定格電流の100倍以上の電流に耐えなければならない。
次に,直流電源は,開路電圧が定格電圧の10倍の電圧で,切替開閉器Sを端子2に接続して短
絡電流が50 mA未満になるように可変抵抗器Rで調節する。
2) C処理 直流電源で,切替開閉器Sは端子3に,Kはbに投入して,電圧をゼロから上昇させ,
コンデンサが短絡状態になるまで,又は定格電圧の10倍の値まで上げていく。電圧計の指示がゼ
ロ又は定格電圧の10倍の値となったとき,切替開閉器Sを端子1に投入して,コンデンサを直流
電源から開放する。
3) C破壊試験 次に,交流電源で切替開閉器Kを端子aに投入して,定格電圧の1.25倍の電圧を4
時間印加する。
――――― [JIS C 4908 pdf 22] ―――――
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4) 3) において交流電圧を印加したとき,電流がゼロになるまで2) 及び3) を繰り返す。
10.14.2 保安機構付コンデンサの保安性試験
この試験は,保安機構付コンデンサについて行う。
a) 供試コンデンサ 新品(受渡検査合格品)を用いる。
b) 前処理 すべてのコンデンサを,恒温槽(10.10参照)内に入れ,コンデンサを最高許容温度±3 ℃
の温度にする。
c) 保安性試験 前処理温度を維持し,図3の回路によって,次の順序で試験を行う。
1) 切替開閉器Sを開放の位置に置き,コンデンサCXに50 Hz又は60 Hzの正弦波の定格電圧の1.3倍
の電圧を印加する。ただし,交流電源のインピーダンスはできるだけ小さくし,短絡時に交流電源
は,コンデンサの定格電流の100倍以上の電流に耐えなければならない。
2) 次に,切替開閉器Sを端子bに投入し,放電用コンデンサCOにCXの定格電圧の7倍を最大とする
直流電圧を印加する。このとき,COの静電容量は,CXの静電容量の2倍を最大とする。
3) Oが直流電圧の設定値に到達した後,切替開閉器Sを端子aに投入し,COの充電電荷を定格電圧
の1.3倍の交流電圧が印加しているCXに放電する。
4) Xに相当する電流が,ほぼゼロになるまで2) 及び3) を15秒に1回の割合で繰り返す。
10.15 機械的試験
機械的試験は,次による。
a) 端子強度試験 端子強度試験は,次による。
1) 引張強さ試験 引張強さ試験は,すべての形の端子に適用し,JIS C 60068-2-21の3.(試験Ua1 :
引張強さ)による。端子に加える引張力は,20 Nとする。ただし,リード線端子でリード線の断
面積が0.5 mm2未満の場合は10 Nとする。試験後,目視による外観検査を行う。
2) 曲げ強さ試験 曲げ強さ試験は,リード線端子に適用し,JIS C 60068-2-21の5.(試験Ub : 曲げ強
さ)の方法1によって,コンデンサの半分の端子について行う。1回の曲げに引き続いて反対方向
に曲げる。試験後,目視による外観検査を行う。
3) ねじり強さ試験 ねじり強さ試験は,軸方向のリード線端子に適用し,JIS C 60068-2-21の6.(試
験Uc : ねじり強さ)の方法A−厳しさ2によって,2) と同一コンデンサの残り半分の端子につい
て行う。試験後,目視による外観検査を行う。
4) トルク強さ試験 トルク強さ試験は,ねじ及びボルト取付け端子に適用し,JIS C 60068-2-21の7.
(試験Ud : トルク強さ)による。ねじ又はナットに,表17に規定したトルクを衝撃を与えないよ
うにして加えた後,緩める。試験後,目視による外観検査を行う。
表17−トルク強度
ねじの径 トルク強度
mm N・m
3 0.5
4 1.2
5 1.8
6 2.5
8 5.0
b) はんだ付け試験 はんだ付け試験は,はんだ付けで接続する端子について適用し,次による。
――――― [JIS C 4908 pdf 23] ―――――
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1) はんだ付け性 はんだ付け性試験は,JIS C 60068-2-20の4.6(方法1 : 235 ℃でのはんだ槽法)に
よる。
なお,試験条件は,次による。
浸せき時間 : 2±0.5 s,浸せき深さ : 端子根本から1.52 mmとし,熱遮へい板を用いてもよい。
試験後,目視による外観検査を行う。
2) はんだ耐熱性 はんだ耐熱性試験は,JIS C 60068-2-20の5.5(方法1B : 350 ℃でのはんだ槽法)
による。試験前後に,10.4によって静電容量を測定する。また,試験後,目視による外観検査を行
う。
c) 耐振性試験 耐振性試験は,JIS C 60068-2-6による掃引耐久試験を,次の試験条件で行う。
コンデンサの取付方法は,実際に用いられる状態と同様な取付方法,又は製造業者が指定した取付
方法とする。
1) 振動数範囲 : 1055 Hz
2) 振動振幅 : 片振幅 0.35 mm
3) 耐久試験時間(掃引サイクル) : 10サイクル(直交する3軸)
4) 掃引速度 : 1オクターブ/分
試験前後に10.4によって静電容量を測定する。試験後に10.3によって端子一括とケースとの間の
耐電圧試験を行い,その後,目視による外観検査を行う。
11 検査
11.1 形式検査
形式検査は,箇条10で次の項目の検査を行い,箇条8,箇条9及び箇条13の規定を満足しなければな
らない。
a) 構造
b) 絶縁距離
c) 耐電圧
d) 静電容量
e) 絶縁抵抗
f) 損失率
g) 高温損失率
h) 密閉性[密閉構造 (1) のコンデンサに適用する。]
i) 耐湿性
j) 耐用性
k) 放電性(放電抵抗器内蔵のコンデンサに適用する。)
l) 自己回復性(蒸着電極コンデンサに適用する。ただし,保安機構付コンデンサは除く。)
m) 保安性(保安装置内蔵コンデンサ又は保安機構付コンデンサに適用する。)
n) 機械的性能
11.2 受渡検査
受渡検査は,箇条10で次の項目の検査を行い,箇条8,箇条9及び箇条13の規定を満足しなければな
らない。ただし,受渡当事者間の協定で検査の一部又は全部を省略してもよい。また,金属ケースをもた
ないものは,端子一括とケースとの間の耐電圧試験及び絶縁抵抗試験を省略できる。
――――― [JIS C 4908 pdf 24] ―――――
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a) 構造
b) 耐電圧
c) 静電容量
d) 絶縁抵抗
e) 損失率
f) 密閉性[密閉構造 (1) のコンデンサに適用する。]
12 製品の呼び方
製品の呼び方は,名称,種類記号,定格電圧,定格静電容量,通電時間区分記号,最低周囲温度及び最
高許容温度による。
なお,必要に応じて放電抵抗器内蔵及び保安性ありを追加する。
例1 電気機器用コンデンサ MCSH (1) 450 V 12 25D−2580 ℃ P1
例2 電気機器用コンデンサ MCSH (1) 100 V 21 2D−1070 ℃
例3 電気機器用コンデンサ LCSH (1) 1 000 V 1 40D−1070 ℃ R
例4 電気機器用コンデンサ LCSH (2) 200 V 4 40D−2580 ℃
13 表示
コンデンサには,容易に消えない方法で,次の事項を見やすい場所に表示しなければならない。
なお,次の記入事項中,a),e) の許容差及びm) については受渡当事者間の協定によって省略すること
ができる。また,50 Hz及び60 Hz共用のものは,c) を省略できるが,その場合は,d) の単位Vの後に記
号ACを付記する。
a) 名称(電気機器用コンデンサと表示する。)
b) 種類[記号で表示できる。ただし,用途による種類記号MC及びLC,素子の構成による種類記号
NH並びに密閉構造による種類記号(1)及び(2)は省略することができる。]
c) 定格周波数 (Hz)
d) 定格電圧 (V)
同一ケース内に別回路のコンデンサがある場合には,それぞれの定格を併記し,その区分を明記す
る。
e) 定格静電容量 ( びそれに対する許容差(%又は記号)
同一ケース内に別回路のコンデンサがある場合には,それぞれの定格を併記し,その区分を明記す
る。
f) 通電時間区分(記号で表示できる。ただし,40Dの場合は省略することができる。)
g) 最低周囲温度(記号で表示できる。ただし,Bの場合は省略することができる。)
h) 最高許容温度(記号で表示できる。ただし,Lの場合は省略することができる。)
i) 放電抵抗器内蔵(内蔵の場合だけ表示し,記号Rで表示する。)
j) 保安性(保安性ありの場合だけ記入し,記号で表示する。保安装置内蔵のものはP1,保安機構付の
ものはP2とする。)
k) 製造業者名又はその略号
l) 製造年又はその略号
注記 製造年の略号の例
――――― [JIS C 4908 pdf 25] ―――――
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JIS C 4908:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60252-1:2001(MOD)
- IEC 61048:1999(MOD)
- IEC 61049:1991(MOD)
JIS C 4908:2007の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 4908:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC2318:2007
- 電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム
- JISC2318:2020
- 電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム
- JISC2320:1999
- 電気絶縁油
- JISC2330:1953
- ブラックテープ
- JISC2330:2014
- コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム
- JISC60068-2-20:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-20部:試験―試験T―端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法
- JISC60068-2-21:2009
- 環境試験方法―電気・電子―第2-21部:試験―試験U:端子強度試験方法
- JISC60068-2-6:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
- JISG3303:2017
- ぶりき及びぶりき原板
- JISH4160:1994
- アルミニウム及びアルミニウム合金はく