この規格ページの目次
- 音響システム用スピーカ
- 序文
- 1 適用範囲
- 2 引用規格
- 3 測定条件
- 3.1 一般的条件
- 3.1A 大気条件
- 3.2 測定条件
- 4 試験信号
- 4.1 一般
- 4.2 正弦波信号
- 4.3 広帯域ノイズ信号
- 4.4 狭帯域ノイズ信号
- 4.5 インパルス信号
- 5 音響環境
- 5.1 一般
- 5.2 自由音場条件
- 5.3 半自由音場条件
- 5.4 拡散音場条件
- 5.5 模擬自由音場条件
- 5.6 模擬半自由音場条件
- 6 音響的及び電気的妨害雑音
- 7 スピーカと測定用マイクロホンとの位置関係
- 7.1 自由音場及び半自由音場条件における測定距離
- 7.2 拡散音場条件におけるスピーカの位置関係
- JIS C 5532:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS C 5532:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS C 5532:2014の関連規格と引用規格一覧
日本工業規格(日本産業規格) JIS
C 5532 : 2014
音響システム用スピーカ
Loudspeakers for sound system equipment
序文
この規格は,2003年に第3版として発行されたIEC 60268-5,及びAmendment 1(2007)を基とし,我
が国の実情に即して,技術的内容を変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。ただし,追補(amendment)
については,編集し,一体とした。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,附属書JAは対応国際規格にはない事項であ
る。
1 適用範囲
この規格は,完全な受動素子として扱われる音響用スピーカについて規定する。増幅器内蔵スピーカに
は適用しない。
注記1 この規格で用いる“スピーカ”とは,スピーカユニット及びスピーカシステムを指す。スピ
ーカシステムとは,バフル,エンクロージャ又はホーン,並びに内蔵クロスオーバネットワ
ーク,トランス及びその他の受動素子を含む1個又は複数個のスピーカユニットで,構成し
たものである。
この規格の目的は,正弦波信号,特定のノイズ信号又はインパルス信号を用いて得られる特性,及び適
切な測定法を示すことである。
注記2 この規格に規定する測定法は,その特性にふさわしいものを選んでいる。
注記3 その他の測定法を用いて等価な結果を得た場合は,その測定法の詳細を結果とともに示すこ
とが望ましい。
注記4 次の事項は,検討中である。
− 増幅器内蔵スピーカ
− 自由音場,半自由音場及び拡散音場と異なる条件下での測定
− 正弦波,ノイズ及びインパルス信号と異なる信号による測定
注記5 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60268-5:2003,Sound system equipment−Part 5: Loudspeakers及びAmendment 1:2007
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
――――― [JIS C 5532 pdf 6] ―――――
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2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部 : 仕様
注記1 対応国際規格 : IEC 61672-1,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications(IDT)
注記2 対応国際規格で引用しているIEC 60651は廃止されているため,変更した。
JIS C 1513 音響・振動用オクターブ及び1/3オクターブバンド分析器
JIS C 1514 オクターブ及び1/Nオクターブバンドフィルタ
注記 対応国際規格 : IEC 61260,Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters(IDT)
JIS C 60068-1 環境試験方法−電気・電子−通則
JIS C 60068-2-6 環境試験方法−電気・電子−第2-6部 : 正弦波振動試験方法(試験記号 : Fc)
JIS C 60068-2-31 環境試験方法−電気・電子−第2-31部 : 落下試験及び転倒試験方法(試験記号 :
Ec)
JIS Z 0202 包装貨物−落下試験方法
JIS Z 8734 音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−残響室における精密測定方
法
注記 対応国際規格 : ISO 3741,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using
sound pressure−Precision methods for reverberation rooms(IDT)
IEC 60050 (151),International Electrotechnical Vocabulary (IEV)−Part 151:Electrical and magnetic devices
IEC 60263,Scales and sizes for plotting frequency characteristics and polar diagrams
IEC 60268-1,Sound system equipment−Part 1: General
IEC 60268-2,Sound system equipment−Part 2: Explanation of general terms and calculation methods
IEC 60268-3,Sound system equipment−Part 3: Amplifiers
IEC 60268-11,Sound system equipment−Part 11: Application of connectors for the interconnection of sound
system components
IEC 60268-12,Sound system equipment−Part 12: Application of connectors for broadcast and similar use
ISO 3744,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure−
Engineering method in an essentially free field over a reflecting plane
ISO 3745,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Precision methods for anechoic
and semi-anechoic rooms
3 測定条件
3.1 一般的条件
この規格は,IEC 60268-1,IEC 60268-2及びJIS Z 8734に規定の条件を用いる。
3.1A 大気条件
測定及び機械的検査は,次に示す温度,湿度及び気圧の範囲で実施する。
− 周囲温度 : 15 ℃35 ℃(推奨値20 ℃)
− 相対湿度 : 25 %85 %(推奨値65 %)
− 気圧 : 86 kPa106 kPa(推奨値101.3 kPa)
製造業者がこれらの条件と異なる大気条件を指定する必要がある場合には,JIS C 60068-1から選択する
――――― [JIS C 5532 pdf 7] ―――――
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ことが望ましい。
3.2 測定条件
3.2.1 一般
スピーカを測定するときの設定内容を規定するのに便利なように,標準測定条件をこの規格で定義する。
正しい測定条件を得るために,幾つかの値(定格の条件)は,製造業者の仕様書から採用する。これらの
値そのものは測定の対象ではなく,その他の特性を測定する場合の基本となる。
次に示すこの種の値及び条件は,製造業者が指定する。
− 定格インピーダンス
− 定格正弦波電圧又は定格正弦波電力
− 定格ノイズ電圧又は定格ノイズ電力
− 定格周波数範囲
− 基準面
− 基準点
− 基準軸
この規格において,“定格値”は,“製造業者が規定した値”を意味する。“定格”という用語は,“定格
条件”及び特性の名称に用いられた場合でも同じ意味をもつ。
注記 “定格”の定義は,IEC 60268-2による。IEC 60050 (151)の151-04-03も参照。
3.2.2 標準測定条件
次の全ての条件を満たしている場合,スピーカは,標準測定条件下で動作しているとみなす。
a) 被測定スピーカを,箇条10に従って取り付ける。
b) 音響的環境を,箇条5に規定する条件の中から選ぶ。
c) スピーカを,測定用マイクロホン及び壁面に関して箇条7に従って配置する。
d) スピーカには,定格周波数範囲(19.1参照)内にある指定電圧Uの規定試験信号(箇条4参照)を加
える。必要がある場合,入力電力Pは,P=U2/Rによって算出できる。ここに,Rは,16.1に従う定
格インピーダンスである。
e) 減衰器がある場合は,製造業者が指定する“標準”の位置にセットする。その他の位置,例えば,最
も平たんな周波数特性になる位置,又は最大減衰位置などを選ぶ場合は,その旨を明記する。
f) 要求特性を測定するのにふさわしい測定装置を,箇条8に従って接続する。
4 試験信号
4.1 一般
音響測定は,次に示す測定信号条件のいずれかの下で行い,その条件を測定結果とともに明示する。
4.2 正弦波信号
正弦波試験信号は,いかなる周波数においても定格正弦波電圧を超えてはならない(17.4参照)。被測定
スピーカの入力端子への印加電圧は,その他の規定がない場合,全周波数にわたって一定に維持する。
4.3 広帯域ノイズ信号
増幅器のクリッピングを避けるために,クレストファクタを3と4との間のノイズソースとすることが
望ましい。JIS C 1509-1に規定する騒音計の遅い時定数程度の実効値電圧計を,信号の振幅測定に用いる。
注記1 この信号は,IEC 60268-2において,次のように定義されている。
“規定の振幅周波数特性をもち,測定対象の周波数帯域幅よりも広い帯域幅をもつフィル
――――― [JIS C 5532 pdf 8] ―――――
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タによって帯域を制限したノイズ信号である。”
注記2 ノイズ信号の定義及びプログラム模擬信号は,JA.1を参照。
4.4 狭帯域ノイズ信号
この狭帯域ノイズを用いる測定では,JIS C 1514に従う定比帯域幅フィルタとして,通常,1/3オクター
ブのフィルタをピンクノイズ発生器とともに用いる。
注記 この信号は,IEC 60268-2において,次のように定義されている。
“規定の振幅周波数特性をもち,測定対象の周波数帯域幅よりも狭い帯域幅をもつフィルタ
によって帯域を制限したノイズ信号である。”
4.5 インパルス信号
測定対象の帯域幅以上の広さにわたり,帯域幅当たりのスペクトルパワーが一定の継続時間の短い信号。
そのような信号は,最大振幅に比較して低いエネルギしかもっていない。
注記 測定における音響的雑音及び電気的雑音の影響を最小にするため,パルスの最大振幅は,通常,
スピーカの直線動作内,かつ,駆動増幅器の能力内で,できるだけ高い値とすることが望まし
い。
5 音響環境
5.1 一般
音響測定は,5.25.6に規定する音場条件のいずれかの下で行い,その選定条件を測定結果とともに明
記する。
5.2 自由音場条件
自由音場条件とは,自由音場空間の条件に近い音響的条件で,測定中のスピーカシステム及びマイクロ
ホン周辺の音場において,音圧が±10 %の精度で,1/rの法則に従って,点音源からの距離(r)とともに
減少する環境(例えば,無響室)を用いる。測定用マイクロホンとスピーカとの基準点を結ぶ軸に沿って
上記の条件が成立していることが最低の条件である。
自由音場条件は,測定する全周波数範囲で成り立つようにする。
5.3 半自由音場条件
半自由音場条件とは,自由音場が半空間で存在する音響的条件で,この条件は,反射平面の表面に取り
付けた点音源からの音圧が,5.2に規定する法則で減少するよう十分に大きな反射平面をもたせる。
5.4 拡散音場条件
拡散音場条件は,1/3オクターブ幅に制限したノイズ信号を用いて測定するために使う。JIS Z 8734に規
定及び定義している。低域制限周波数は,JIS Z 8734の附属書A(離散周波数成分を含む音の測定のため
の残響室の適正試験方法)の規定に従って決定する。
注記1 この条件は,通常帯域ノイズ測定だけに用いる。
注記2 JIS Z 8734には,測定装置の詳細を規定しているが,スピーカのパワーの確定には,空間に
おける平均化及び時間における平均化が必要である。
注記3 測定精度は,測定室の容積,測定室の残響時間,拡散の程度など多くの要因に依存する。
注記4 125 Hz未満の測定には,200 m3を超える測定室容積が望ましい。
5.5 模擬自由音場条件
模擬自由音場条件とは,測定に必要な時間内において,自由音場の音響条件と同等である音響条件であ
る。
――――― [JIS C 5532 pdf 9] ―――――
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この条件は,インパルス信号に応答してスピーカから放射した直接音の測定終了以前に,周囲のいかな
る表面及び障害物からの反射音も測定用マイクロホンに到達しない環境(例えば,大きくて障害物のない
部屋)とする。
マイクロホンに到達するこのようないかなる反射音も,ゲート回路,その他の手段によって測定から排
除する。
注記1 これらの条件は,通常,インパルス信号による測定だけに用いている。
注記2 この条件の下で,連続して測定を行う場合は,空間内の残響音圧レベルが無視できる値に減
少するまで十分な時間間隔をとり,その後の測定を行うことが望ましい。
5.6 模擬半自由音場条件
模擬半自由音場条件とは,模擬自由音場が半空間に存在する音響的条件である。この条件は,模擬自由
音場環境に形成した一つの境界である反射平面が,その端からの反射音が測定時間内に測定マイクロホン
に到達しない十分な大きさをもつ場合に成立する。
注記1 これらの条件は,通常インパルス信号による測定だけに用いている。
注記2 この条件の下で,連続して測定を行う場合は,空間内の残響音圧レベルが無視できる値に減
少するまで十分な時間間隔をとり,その後の測定を行うことが望ましい。
6 音響的及び電気的妨害雑音
音響的及び電気的妨害雑音は,測定結果に影響を与えるので,できるだけ低レベルに抑える。
測定周波数範囲において,信号レベルと雑音レベルとの差が10 dB未満の場合,そのデータは用いない。
7 スピーカと測定用マイクロホンとの位置関係
7.1 自由音場及び半自由音場条件における測定距離
7.1.1 一般
自由音場及び半自由音場における測定で,安定した結果を得るためには,スピーカと測定用マイクロホ
ンとを十分に離した遠距離音場で行うことが望ましい。ただし,測定室の環境が完全ではなく,暗騒音の
影響によって,実際に使用できる最大距離の上限が存在する。実用的な測定距離として,0.5 m又は整数
メートルで測定し,標準距離である1 mに換算することが望ましい。
7.1.2 単一駆動ユニットのスピーカ
このタイプのスピーカでは,その他の規定がない場合,測定距離は,基準点から1 mとする。測定距離
は明記する。
7.1.3 複数のユニットのスピーカ
2個以上のスピーカが同じ周波数帯域を再生するシステムでは,ユニットから放射した音の相互作用に
よって,測定点で音響的な干渉を起こす。これは,スピーカ全部が試験する周波数全域にわたって再生す
る場合も,幾つかのスピーカが,帯域の一部で共に動作する場合(例えば,クロスオーバ周波数付近)で
も同様である。このような場合は,この現象による誤差が最小になるような距離を選ぶことが望ましい。
7.2 拡散音場条件におけるスピーカの位置関係
壁面に対するスピーカの位置及び向きは,見取図を測定結果に添付して,明確にしなければならない。
スピーカからの音響出力の評価のために,スピーカとマイクロホンとを同時に移動する場合は,22.1.2.2
に規定する方法による。マイクロホンシステム及びマイクロホンの最小位置は,JIS Z 8734の規定による。
注記 スピーカとマイクロホンとの最小距離を,JA.2に示す。
――――― [JIS C 5532 pdf 10] ―――――
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JIS C 5532:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60268-5:2003(MOD)
- IEC 60268-5:2003/AMENDMENT 1:2007(MOD)
JIS C 5532:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.160 : オーディオ,ビデオ及びAV技術 > 33.160.50 : オーディオ付属部品
JIS C 5532:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC1513:2002
- 音響・振動用オクターブ及び1/3オクターブバンド分析器
- JISC1514:2002
- オクターブ及び1/Nオクターブバンドフィルタ
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC60068-2-31:2013
- 環境試験方法―電気・電子―第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:Ec)
- JISC60068-2-6:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
- JISZ0202:2017
- 包装貨物―落下試験方法
- JISZ8734:2000
- 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法―残響室における精密測定方法
- JISZ8734:2021
- 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定―残響室における精密測定方法