JIS C 5532:2014 音響システム用スピーカ | ページ 3

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7.3 模擬自由音場条件におけるスピーカとマイクロホンとの位置関係

  測定距離は,7.1の規定に従って選定する。
測定室内におけるスピーカとマイクロホンとの位置は,最初の不要反射音がマイクロホンに到達するま
での,測定に用いることができる時間が最大となるようにする。
測定空間に無響室を用いる場合,くさびの先端,試験者用の床,並びにスピーカ及びマイクロホンの支
持物などからの反射に注意する。このような物体の影響による誤差は,測定周波数範囲にわたって0.5 dB
を超えないようにする。
マイクロホンの距離及びその環境内で得られる最大信号捕捉時間を明らかにする。
最初の反射音の到達時間以後のマイクロホン出力は,全て無視することが必要である。したがって,こ
の時間以降のレスポンスが,スピーカにとって無視できない場合は,伝達関数測定に打ち切り誤差が生じ
る。打ち切り誤差がある場合,その誤差は,測定周波数範囲にわたって1 dBを超えてはならない。

8 測定装置

  自由音場及び半自由空間音場における測定には,校正した圧力形マイクロホンを用いる。拡散音場にお
ける測定は,指向指数2 dB未満の圧力形マイクロホンを用いる。両方の条件とも,対象とする周波数帯域
の全ての周波数において満足しなければならない。
スピーカに信号を供給する信号発生器,増幅器及びマイクロホン増幅器で構成する測定装置は,既知の
振幅特性をもち,関連する周波数帯域内において±0.5 dB以内で平たんであり,試験条件において振幅非
直線性は無視できなければならない。全ての測定装置は,実効値形であり,測定誤差が確実に1 dB以下に
なるように十分に長い時定数をもっていなければならない。
注記 周波数特性は,連続曲線を描く自動測定装置によって測定することが望ましい。レベル記録器
の記録速度(レベルと周波数軸との両方)による誤差は,0.5 dB以下とすることが望ましい。
また,両軸の記録速度は,結果に記入することが望ましい。

9 音響測定の精度及びデータの表示

9A 音響測定の精度

  総合誤差が±2 dBを超えない周波数範囲を明示する。
注記 測定環境と機器との両方の推定誤差原因は,確認及び定量化し,その影響の度合いを明らかに
することが望ましい。また,この情報は,測定記録に含めることが望ましい。

9B データのグラフ表示

  データのグラフ表示は,IEC 60268-1によることを推奨する。JA.3も参照。

10 スピーカの取付け及び音響負荷

10.1 スピーカユニットの取付け及び音響負荷

  スピーカユニットの性能は,ユニット自身の性能と音響負荷とによって決まる。音響負荷は,スピーカ
ユニットの取付条件に依存するため,測定結果に明記する。
次の3種の取付けのうち,いずれか一つを用いる。
a) 標準バフル,標準密閉箱(A形又はB形)又はそのスピーカユニットに指定されたエンクロージャ
b) バフル又はエンクロージャなしの自由空間
c) 反射平面と同一面になるように取り付けた半自由音場空間

――――― [JIS C 5532 pdf 11] ―――――

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注記 取付条件a) は,選択する測定距離に依存するある低域の限界の周波数までは半空間音場条
件に近似する。この限界の周波数よりも低い周波数で測定したデータは,比較目的のためだ
けに用いてもよい。

10.2 スピーカシステムの取付け及び音響負荷

  スピーカシステムは,一般的には追加バフルなしで測定する。製造業者がスピーカシステムに特別の取
付方法を指定している場合は,それを測定に用いる。用いた取付方法は,結果に明記する。

11 標準バフル及び標準密閉箱

11.1 標準バフル

  標準バフルの表面は音響的に反射性のある平面とする。標準バフルの寸法を,図2に示す。
注記 標準バフルは,振動が確実に無視できるように十分な厚みをもった材料であることが望ましい。
スピーカの放射面の縁端部は,基本的にバフルの前面と同一面にする。これは,図3に示すよ
うにえぐるか,又は図4に示すように薄くて硬い補助バフルを用いればよい。補助バフルは,
角のえぐりをしても,又はしなくてもよい。

11.2 標準密閉箱

11.2.1 一般
標準密閉箱は,11.2.3(A形)及び11.2.4(B形)に規定するうちのいずれかを用いる。試験に用いる“形”
は,スピーカの製造業者が指定する。
11.2.2 条件
密閉箱の表面は,音響的に反射性をもつ平面又は曲面とする。
注記1 密閉箱の材料は,適切な厚さをもちその振動の効果が測定に影響を及ぼさないようにする。
必要がある場合,板振動を避けるために向かい合った表面板の中心又は中心の周囲に補強用
の支柱を設けることが望ましい。
注記2 密閉箱は,気密であることが望ましい。
注記3 スピーカのエッジは,バフルの前面部と同一平面に配置することが望ましい。
注記4 箱の中に生じる定在波を除去するために,適正な音響吸収材を用いる。箱のハンドル又は結
合具は,その反射及び望ましくない振動の効果が無視できる場合は取り付けてもよい。
注記5 スピーカを箱に取り付けた状態で,箱の内部からの空気漏れを避けるよう注意を払うことが
望ましい。
11.2.3 標準密閉箱A形
標準密閉箱A形を,図5に示す。
注記1 標準密閉箱A形の基準軸上1 mの点における自由音場から半空間自由音場への回折効果の補
正曲線の特性を,附属書Aに示す。
注記2 この形の密閉箱の全ての表面は平面であり,各平面の接続部は直角である。また,寸法を規
定しているため,回折係数は一定である。したがって,A形はスピーカの特性の詳細な比較,
研究及び解析に有用である。
11.2.4 標準密閉箱B形
標準密閉箱B形を,図6に示す。
注記1 標準密閉箱B形の基準軸上1 mの点における自由音場から半空間自由音場への回折効果の補
正曲線の特性を,附属書Bに示す。

――――― [JIS C 5532 pdf 12] ―――――

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注記2 より大きい密閉箱又は小さい密閉箱の必要がある場合は,図B.2及び表B.1に適合した寸法
比の要求に合わせることが望ましい。この場合,箱の正味の容積及び外形寸法を記録するこ
とが望ましい。
注記3 音響的な測定には,図6に示す標準密閉箱を用いることを推奨する。適切な寸法の箱は,主
観的テストに有用である。

12 予備動作

  スピーカは,測定の前に,IEC 60268-1による定格ノイズ電圧のプログラム模擬信号を用いて1時間以
上の予備動作を行うことが望ましい。
スピーカは,予備動作の終了後,測定に入る前に接続を切って,1時間以上の回復時間をおく。

13 形式の提示

13.1 一般

  形式の提示は,13.2及び13.3の規定によって製造業者が行う。
注記 表1及び附属書C参照。

13.2 スピーカユニット

13.2.1 変換器の原理
変換器の原理は,例えば,動電形,静電形,圧電形などのいずれであるかを提示する。
13.2.2 形式
スピーカユニットの形式は,例えば,直接放射形又はホーン形,単一ユニット形又は複合形のいずれで
あるかを提示する。

13.3 スピーカシステム

  スピーカユニットの個数及び形式並びに音響負荷の種類,例えば,箱,ホーン,バスレフ,柱状又は線
状を提示する。

14 端子及び調整部の表示

14.1 一般

  端子及び調整部は,次の原則によってIEC 60268-1及びIEC 60268-2に従って表示する。

14.2 極性(正側端子)

14.2.1 規定する特性
スピーカ前面の音圧が上昇する場合,スピーカユニットの端子は,印加した正電圧側の端子を正(又は
プラス)端子,他方を負(又はマイナス)端子とする。
14.2.2 表示
正電圧側の端子には,+印,赤印又は製造業者の指定する方法で表示する。
14.2.3 試験法
電池などによってスピーカの正端子に正電圧を短時間加え,スピーカ前面近傍の音圧の上昇を確認する。
また,表示の正しさは,音圧の上昇によって確認する。
注記 IEC 60268-1では,“端子及び調整部には,それらの機能,特性及び極性を明確に表す適切な表
示をする。表示は,使用者に対する取扱説明書に示しているとおりに,調整部を十分な正確さ
で操作でき,かつ,その調整位置を確認できなければならない。”と規定している。

――――― [JIS C 5532 pdf 13] ―――――

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15 基準面,基準点及び基準軸

    注記1 これらは,3.2.1に従う定格条件である。
注記2 厳密に言えば,これらの用語は,製造業者が定義し,かつ,測定できないことから,“定格”
(例えば,定格基準面)という用語を含むのが妥当である。ただし,“定格”を用いずに,短
い用語を用いても問題はない。

15.1 基準面

  スピーカユニット又はエンクロージャの機構的特性の基準になる面であって,製造業者が指定する。
基準面は,基準点の位置及び基準軸の方向の決定に用いる。
注記 対称的な構造の場合,基準面は,一般的にスピーカ及びスピーカシステムの前面を決めている
面又は放射面に対して平行である。非対称構造の場合は,図示するのがよい。

15.2 基準点

  基準面上の点は,製造業者が指定する。
注記 対称的な構造の場合,基準点は,幾何学的対称点である。非対称的構造の場合は,図示するの
がよい。

15.3 基準軸

  基準点で基準面を貫通する直線で,その方向は製造業者が指定する。基準軸は,指向性及び周波数特性
の測定の基準として用いる。
注記 対照的な構造の場合,基準軸は,通常,放射面又は基準面に垂直である。

16 インピーダンス及びその関連特性

16.1 定格インピーダンス

    注記 これは,3.2.1に従う定格条件である。
定格インピーダンスは信号源から得られる電力を決めるために,スピーカに置き換える純抵抗の値であ
って,製造業者が指定する。
定格周波数帯域内ではインピーダンスの値の最低値は,定格インピーダンスの80 %未満になってはなら
ない。これ以外の帯域の周波数(直流を含む。)において,この値よりも小さくなる場合は,仕様書に示す。

16.2 インピーダンス曲線

16.2.1 規定する特性
インピーダンス曲線は,周波数の関数として表したインピーダンスの絶対値で規定する。
16.2.2 測定方法
16.2.2.1 スピーカは,3.2.2 a),b)及びd)による標準測定条件下におく。
16.2.2.2 定電圧又は定電流(定電圧が一般的である。)の信号を加える。測定に用いる電圧又は電流は,
スピーカが線形動作をするように十分小さな値を用いる。
注記 インピーダンスの測定は,駆動レベルによる影響が大きい。レベルが小さすぎたり又は大きす
ぎたりした場合は,不正確な結果となる。データは,最もよい条件を設定するために数種の電
圧又は電流で測定して,確実性を調べることが望ましい。
16.2.2.3 インピーダンスの絶対値は,少なくとも20 Hzから20 kHzまでの周波数帯域にわたって測定する。
16.2.2.4 結果は,周波数の関数としてグラフで表示する。測定に用いた電圧又は電流の値は,結果ととも
に明記する。

――――― [JIS C 5532 pdf 14] ―――――

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16.3 全Q値(Qt)

16.3.1 規定する特性
19.2に従い,共振周波数における音響的又は機械的インピーダンスの抵抗成分に対する慣性成分(又は
弾性成分)の比を,全Q値として規定する。
注記1 この規格の目的から,Qtは,スピーカユニット及び密閉箱スピーカシステム(両方とも動電
形だけ)に対して定義する。
注記2 Qtは,16.4に従うスピーカユニットの等価空気体積Vas及び19.2に従う共振周波数frととも
にスピーカの低域性能を決定する。
16.3.2 全Q値(Qt)の測定方法
Qtは,16.2に従ってスピーカの電気的インピーダンス曲線から次の式によって算出できる。
1 fr r20 r12
Qt
r0 f2 f1 r121
ここに, fr : 19.2によるスピーカの共振周波数
r0 : frにおけるスピーカのインピーダンスの最大値|Z(f)|max
と直流抵抗Rdcとの比
f1及びf2 : frに関してほぼ対称に位置する周波数。f1 にあり,各周波数のインピーダンスの値Z1=|Z(f1)|及び
Z2=|Z(f2)|は等しく,r1×Rdcである。
r1 : 周波数f1,f2におけるインピーダンス値|Z(f1)|のRdcに
対する比
注記1 図1参照。
r1 r0 及びfrを f1f 2 で置き換える場合には,Qtの計算におけるインピーダンス曲線の非対称に原因
する誤差は,最小になる(注記2参照)。Qtの表現は,次の式によって簡略に算出できる。
f1 f2
Qt
r0f2 f1
注記2 上記の式で示すQtは,インピーダンス曲線の非対称の原因であるボイスコイルのインダクタ
ンスを無視するという簡単な理論から導かれる。
Z
|Z(f)|max=roRdc
r0Rdc
Rdc
f1 fr f2 f
図1−スピーカのインピーダンス曲線

――――― [JIS C 5532 pdf 15] ―――――

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JIS C 5532:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60268-5:2003(MOD)
  • IEC 60268-5:2003/AMENDMENT 1:2007(MOD)

JIS C 5532:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 5532:2014の関連規格と引用規格一覧