7
C 6710 : 2007 (IEC 60679-1 : 1997, Amd.1 : 2002, Amd.2 : 2003)
±2 ℃。
2.2.16 基準点温度(reference point temperature) 水晶発振器に対する特定の基準点で測定される温度。
2.2.17 サーマルトランジェントにおける周波数安定度(thermal transient frequency stability) 周囲の温度
が特定の速度である温度から他の温度へ変わったときの発振周波数の時間応答。
2.2.18 安定化時間(stabilization time) 電源投入開始から水晶発振器の動作状態が規定範囲内に入って安
定するまでに要する時間[IEV 561-04-13]。
2.2.19 周波数対電源電圧変動特性(frequency/voltage coefficient) 電源電圧以外の条件を変えない状態で,
電源電圧の単位当たりの変化によって起こる出力周波数の変化[IEV 561-04-14]。
備考1. OCXOの場合,電源電圧の変化による恒温槽温度の変化が徐々に起こるため,電源電圧変動
のすべての影響を観測するには,相当の経過時間が必要である。
2. 水晶発振器では,周波数対電源電圧変動特性を,単に電源電圧特性ということもある。
2.2.20 周波数対負荷変動特性(frequency/load coefficient) 負荷以外の条件を変えない状態で,電気的負
荷インピーダンスの単位当たりの変化によって起こる出力周波数の変化[IEV 561-04-15]。
備考 水晶発振器では,周波数対負荷変動特性を,単に負荷変動特性ということもある。
2.2.21 長期周波数安定度(周波数エージング)[long-term frequency stability(frequency ageing)] 発振周
波数と時間との関係。この長期にわたる周波数変化は,水晶振動子及び発振器回路部品又は,そのどちら
か一方の変化によって起こるもので,規定の時間間隔当たりの平均周波数の変化として表すことが望まし
い。
2.2.22 短期周波数安定度(short-term frequency stability) 短い時間周期内での水晶発振器周波数のランダ
ムな揺らぎ[IEV 561-04-16]。
2.2.23 周波数揺らぎのアラン分散(allan variance fractional frequency fluctuation) 水晶発振器出力周波数
の短期安定度特性に関する時間領域で定義された客観的評価。
M 1 2
2 1 (Yk 1Yk )
y ( )
M 1k1 2
ここに, Yk : 測定間に空き時間なく,継続的に得られた周波数揺らぎの平均値
τ : 測定を平均化するためのサンプリング時間
M : 測定回数
評価の確度は,Mの増加によって向上する。
2.2.24 実効的な周波数揺らぎ(rms fractional frequency fluctuation) 水晶発振器の短期周波数安定度に関
する時間領域の尺度。実効的な周波数揺らぎは,規定のサンプリング間隔τ間の周波数の平均を表し,周
波数測定回数に関する統計的な性質に基づいている。周波数揺らぎの尺度は,次の式による。
1
M 1 2
ΔF ( ) ms 1 (Yk 1Yk )2 2
( )
1
y
F0 (2M )1 k 1
2.2.25 位相雑音(phase noise) 水晶発振器の短期周波数安定度に関する周波数領域の尺度。位相揺らぎ
として表す。ここに,位相揺らぎ関数は, である。位相
の電力スペクトル密度 S (f ) (t) 2 Ft 2 F0t
揺らぎのスペクトル密度は,周波数揺らぎのスペクトル密度と次の式のように直接的に関連付けられる。
2
F0
S ( f) rad2/Hz
Sy ( f )
f
――――― [JIS C 6710 pdf 11] ―――――
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C 6710 : 2007 (IEC 60679-1 : 1997, Amd.1 : 2002, Amd.2 : 2003)
ここに, F : 発振周波数
F0 : 発振周波数の平均
f : フーリエ周波数
2.2.26 スペクトル純度(spectral purity) 1 Hz帯域当たりの全信号電力に対する,相対的なデシベル表現
の信号外雑音電力スペクトルとして,通常表す周波数領域での周波数安定度の尺度。それは,不確定性雑
音電力,高調波ひずみ成分及びスプリアス的な単一周波数の干渉を含む。
2.2.27 寄生周波数変調(incidental frequency modulation) 周波数領域における周波数安定度の付加的な尺
度。寄生周波数変調は,水晶発振器の出力信号を,規定の特性をもつ理想復調回路に加えることによって
得られる,べースバンド信号のスペクトルによって最もよく表現できる。検出の帯域が適切に規定される
ならば,寄生周波数変調は,出力周波数の比として表現できる(例えば,10 kHz帯域で2×10−8 rms)。
備考 水晶発振器では,寄生周波数変調の代わりに残留FMの用語を用いることがある。
2.2.28 振幅変調ひずみ(amplitude modulation distortion) 変調信号波形のスペクトル成分の相対振幅が影
響する非線形ひずみ。周波数ひずみ,振幅ひずみ及び振幅/周波数ひずみとしてもよく知られている。
2.2.29 周波数変調偏移の直線性(linearity of frequency modulation deviation) 理想(直線)関数と比較し
て表される変調システムの伝達特性の尺度。通常,規定の全偏移量に対する許容非線形量のパーセントで
表す。変調偏移の直線性は,変調素子によって発生するベースバンド信号の許容ひずみによって表すこと
もできる(例えば,全変調信号電力に対する相対値が−40 dBを超えないような相互変調及び高調波ひず
み)。
例 図2は,3 Vで133.3 Hz/Vの変調特性をもつ非線形許容値±5 %の代表的な水晶発振器の出力周
波数をプロットしたものである。カーブDは,理想値(カーブA)及び規格値(カーブB及びC)
に対して,比較される実際の特性である。
400
D
200
周
波
数
変 中心周波数
0
化
量
Hz C A
−200
−400
B
−3 −2 −1 0 1 2 3
電圧 V
図 2 代表的な周波数変化特性
――――― [JIS C 6710 pdf 12] ―――――
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C 6710 : 2007 (IEC 60679-1 : 1997, Amd.1 : 2002, Amd.2 : 2003)
2.2.30 高調波ひずみ(harmonic distortion) 希望する信号の周波数の高調波不要スペクトル成分の発生に
よる非線形ひずみ。それぞれの高調波成分は,通常,希望する信号の出力電力に対する電力比(デシベル)
で表す。
2.2.31 スプリアス発振(spurious oscillations) 水晶発振器の出力端子から出力される希望周波数の高調
波とは異なる周波数スペクトル成分。この成分は,発生モードによってスペクトル成分又は対称な側波帯
として現れる。出力スペクトルのスプリアス成分は,通常,出力信号電力に対する電力比(デシベル)で
表す。
2.2.32 パルス持続時間(pulse duration) パルスの立上りから立下りまでの間の時間(図3参照)[IEC
60469-1]。
2.2.33 立上り時間(rise time) 波形の立上り区間を規定する二つの規定レベル間の時間間隔。規定レベ
ルは,ロジックレベルVOH及びVOL若しくは最大振幅(VHI−VLO)の10 %から90 %のレベルでもよいし,
又は個別規格で規定のレベルでもよい(図3参照)。
ここに, VOL : ローレベル出力電圧
VOH : ハイレベル出力電圧
VHI : パルス波形の上側平たん部電圧
VLO : パルス波形の下側平たん部電圧
2.2.34 立下り時間[decay(or fall)time] 波形の立下り区間を規定する二つの規定レベル間の時間間隔。
規定レベルは,ロジックレベルVOH及びVOL若しくは最大振幅(VHI−VLO)の90 %から10 %のレベルで
もよいし,又は個別規格に規定のレベルでもよい(図3参照)。
2.2.35 トライステート出力(tri-state output) 入力コントロール信号によって,信号を出力又は停止させ
ることを可能とするような出力機能。停止状態でのゲートの出力インピーダンスは,次段への試験信号の
使用を可能とする高抵抗の設定である。
パルス間隔 (t1) スペース間隔 (t2)
(マーク) (スペース)
VHI
VOH 上限値90 %
電 算術平均の値
圧
VOL 下限値10 %
VLO
立上り時間 立下り時間
時間
図 3 出力波形特性
――――― [JIS C 6710 pdf 13] ―――――
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C 6710 : 2007 (IEC 60679-1 : 1997, Amd.1 : 2002, Amd.2 : 2003)
2.2.36 波形シンメトリ(マーク/スペース比又はデューティサイクル)[symmetry(mark/space ratio or duty
cycle)] 出力電圧における規定レベルよりも高くなっている時間(t1)と低くなっている時間(t2)との比
で,全信号周期に対する百分率。規定のレベルの多くは,VOLとVOHの算術平均又は全振幅の50 %のレベ
ルである(図3参照)。
この比は,次のように表す。
100t1 100t2
:
t1+t2t1+t2
2.2.37 再現性(retrace characteristics) 初めの安定した発振周波数に対し,ある期間停止後,再び動作さ
せ,規定時間経過後に前の周波数を再現する水晶発振器の能力。
2.2.38 発振起動時間(start-up time) 水晶発振器へ電源電圧が加えられてから,水晶振動子によって制御
された希望する周波数の出力が,次の条件を満たすまでの時間差tSU。
a) 疑似正弦波 出力信号の振幅は,安定状態での全振幅の90 %とする。
b) パルス波形 出力パルスのローレベルVLOがVOLより小さい状態を維持し,ハイレベルVHIがVOHを
確実に超える安定した周波数に近い周期の波形とする。ここに,VOH及びVOLは,使用するロジック
ファミリで規定する。
備考 出力信号は,安定信号になる前にスプリアス発振の状態を示す可能性がある。
2.2.39 位相ジッタ(phase jitter) 位相ジッタは,発振器出力信号におけるゼロクロス点の理想的な周期
として定義
に対する短期的変動(図4参照)。位相ジッタは,10 Hz以上の周波数成分による位相変動 Δ
する。10 Hzより遅い変動は,“ワンダ”と呼ぶ。過度のジッタは,不正確なデータストリーム伝送によっ
て通信信号のビット誤り率(BER)を増やし,同期問題の原因となる。
周期長に対応する変動は,
ΔT Δ /(2 Cf
)
で表され,周期ジッタと呼ぶ(fCは,クロック周波数)。
Tref.
トリガ
ポイント
ピークピーク
ジッタ
備考 Tref. は,理想的な基準信号の周期である。
図 4 周期ジッタをもつクロック信号
ジッタ振幅は,通常,単一データビット幅のユニットインターバル(UI)を基準とするか(例えば,STM
−1/OC−3では,155.52 Mbit/s,UI=6.43 ns),又は絶対時間変動(ナノ秒,ピコ秒又はフェムト秒)とし
て定義され,ピークピーク値,又はrms(実効)値として定量化する(図5参照)。
――――― [JIS C 6710 pdf 14] ―――――
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C 6710 : 2007 (IEC 60679-1 : 1997, Amd.1 : 2002, Amd.2 : 2003)
NRZ信号 ジッタ振幅
ピーク ピークピーク ピークピーク
−+
+ピーク
時間
−ピーク
UI
観察時間
クロック
周期
図 5 位相ジッタの測定
ランダム形のジッタに対するrms値は,基本的なガウス分布の標準偏差σ(シグマ)として定義する。
したがって,ピークピークジッタは,信頼水準99.953 48 %(すなわち,465×10−6のすそ広がり)に応じ
た,7σ(すなわち,±3.5 σ)をカバーする範囲である(図6参照)。
0.4
0.3
0.2
0.1
−4 −3 −2 −1 1 2 3 4
μ−σμ μ+σ
図 6 ジッタのガウス分布
理想NRZ 信号
ジッタ周波数
の周期(ft)
ジッタ振幅
図 7 ジッタ振幅とジッタ周波数の周期
――――― [JIS C 6710 pdf 15] ―――――
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JIS C 6710:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60679-1:1997(IDT)
- IEC 60679-1:1997/AMENDMENT 1:2002(IDT)
- IEC 60679-1:1997/AMENDMENT 2:2003(IDT)
JIS C 6710:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 31 : エレクトロニクス > 31.140 : 圧電素子及び誘電素子
JIS C 6710:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0025:1988
- 環境試験方法(電気・電子)温度変化試験方法
- JISC0617-2:2011
- 電気用図記号―第2部:図記号要素,限定図記号及びその他の一般用途図記号
- JISC0617-3:2011
- 電気用図記号―第3部:導体及び接続部品
- JISC0617-4:2011
- 電気用図記号―第4部:基礎受動部品
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC60068-2-1:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
- JISC60068-2-13:1989
- 環境試験方法(電気・電子)減圧試験方法
- JISC60068-2-17:2001
- 環境試験方法―電気・電子―封止(気密性)試験方法
- JISC60068-2-2:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
- JISC60068-2-20:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-20部:試験―試験T―端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法
- JISC60068-2-21:2009
- 環境試験方法―電気・電子―第2-21部:試験―試験U:端子強度試験方法
- JISC60068-2-27:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
- JISC60068-2-29:1995
- 環境試験方法―電気・電子―バンプ試験方法
- JISC60068-2-3:1987
- 環境試験方法(電気・電子)高温高湿(定常)試験方法
- JISC60068-2-30:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db)
- JISC60068-2-32:1995
- 環境試験方法―電気・電子―自然落下試験方法
- JISC60068-2-45:1995
- 環境試験方法―電気・電子―耐溶剤性(洗浄溶剤浸せき)試験方法
- JISC60068-2-52:2020
- 環境試験方法―電気・電子―第2-52部:塩水噴霧サイクル試験方法(塩化ナトリウム水溶液)(試験記号:Kb)
- JISC60068-2-58:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第2-58部:表面実装部品(SMD)のはんだ付け性,電極の耐はんだ食われ性及びはんだ耐熱性試験方法
- JISC60068-2-6:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
- JISC60068-2-7:1993
- 環境試験方法―電気・電子―加速度(定常)試験方法
- JISZ8202-3:2000
- 量及び単位―第3部:力学
- JISZ8203:1964
- 単位記号
- JISZ8203:2000
- 国際単位系(SI)及びその使い方