JIS C 6710:2021 発振器の通則及び試験方法 | ページ 3

           8
C 6710 : 2021
図2−オフセット周波数の使用例
3.2.18
周波数調整範囲(frequency adjustment range)
可変素子を使用し周波数を変えることができる発振器の周波数可変範囲
注釈1 目的は,次による。
a) 周波数を特定の値に合わせる。
b) 周波数エージング又はその他の変動要因によって変動した発振周波数を,規定値に調整す
る。
注釈2 試験手順については,6.5.11参照。
(出典 : IEC 60050-561:2014の561-03-07の一部を修正している。)
3.2.19
動作温度範囲(発振器の)[operating temperature range(of an oscillator)]
発振器が規定許容偏差内の周波数及び出力信号特性を保持して機能する温度範囲
(出典 : IEC 60050-561:2014の561-03-18)
3.2.20
基準温度(reference temperature)

――――― [JIS C 6710 pdf 11] ―――――

                                                                                             9
C 6710 : 2021
発振器の性能を評価する際に,基準として用いる温度
注釈1 基準温度は,通常,25 ℃±2 ℃。
(出典 : IEC 60050-561:2014の561-03-25)
3.2.21
安定化時間(stabilization time)
電源投入開始から発振器の動作状態が規定範囲内に入って安定するまでに要する時間
注釈1 試験手順については,6.5.10参照。
(出典 : IEC 60050-561:2014の561-03-33の一部を修正している。)
3.2.22
周波数対温度特性(frequency/temperature characteristics)
温度以外の条件を変えない状態で,温度変化によって起こる周波数偏差
注釈1 試験手順については,6.5.5参照。
3.2.23
周波数対電源電圧変動特性(frequency/voltage coefficient)
電源電圧以外の条件を変えない状態で,電源電圧の単位当たりの変化によって起こる出力周波数の変化
注釈1 OCXOの場合,電源電圧の変化による恒温槽温度の変化が徐々に起こるため,電源電圧変動の
全ての影響を観測するには,相当の経過時間が必要である。
注釈2 発振器では,周波数対電源電圧変動特性を,単に電源電圧特性ということもある。
注釈3 試験手順については,6.5.7参照。
(出典 : IEC 60050-561:2014の561-03-33の一部を修正している。)
3.2.24
周波数対負荷変動特性(frequency/load coefficient)
負荷以外の条件を変えない状態で,電気的負荷インピーダンスの単位当たりの変化によって起こる出力
周波数の変化
注釈1 発振器では,周波数対負荷変動特性を,単に負荷変動特性ということもある。
注釈2 試験手順については,6.5.6参照。
(出典 : IEC 60050-561:2014の561-03-08の一部を修正している。)
3.2.25
サーマルトランジェントをもつ周波数安定度(thermal transient frequency stability)
周囲の温度が特定の速度である温度から他の温度へ変わったときの発振周波数変化と時間応答との関係
(出典 : IEC 60050-561:2014の561-03-37の一部を修正している。)
3.2.26
長期周波数安定度,周波数エージング(long-term frequency stability,frequency ageing)
出力周波数の長期にわたる経時変化
注釈1 この長期にわたる周波数変化は,水晶振動子及び発振器回路部品,又はそのいずれか一方の変
化によって起こるもので,規定の時間間隔当たりの平均周波数の変化として表すことが望まし
い。
(出典 : IEC 60050-561:2014の561-03-16)

――――― [JIS C 6710 pdf 12] ―――――

           10
C 6710 : 2021
3.2.27
短期周波数安定度(short-term frequency stability)
短い時間周期内での発振器周波数のランダムな揺らぎの尺度
(出典 : IEC 60050-561:2014の561-03-29)
注釈1 一般的に,発振器の出力電圧は次の式で表される。
vt U0 t cos t U0 t cos2 Ft
0 t
ここで, U0 : 公称出力電圧
ε(t) : 振幅雑音
F0 : 平均発振器周波数
φ(t) : 位相変動
短期周波数安定度の計測のために,振幅雑音ε(t)はリミッタによって制限され,したがって,
発振器の出力は次のように単純化される。
vt U0 cos t U0 cos2 Ft
0 t RUe
e 0
jt
ここで, Re(X) : 複素数Xの実部
これは,位相図(次の図3及び図4を参照)に示すことが可能である。
図3−振幅と位相との間に相関性がない雑音をもった搬送波の位相図
図4−雑音抑圧後の位相図
瞬時周波数F(t)は,位相
t 2 Ft
0 t
の時間微分の1/(2π)倍である。
すなわち
1 dt 1 dt
Ft F0 1 F0 1 yt
2 dt 2 F0 dt

――――― [JIS C 6710 pdf 13] ―――――

                                                                                            11
C 6710 : 2021
1 dt
yt
2 F0 dt
ここで, y(t) : 平均発振器周波数で規格化された周波数揺らぎ
位相及び周波数変動は,図5に示すように,時間変化の挙動によって区別することが可能で
ある。
a) ホワイト周波数雑音(α=0)
b) フリッカ周波数雑音(α=−1)
c) ランダムウォーク周波数雑音(α=−2)
d) フリッカウォーク周波数雑音(ワンダ)(α=−3)
図5−様々な雑音メカニズム
αは周波数揺らぎの指数,すなわち,両対数位相雑音応答における傾斜を意味する。
Sf
y
f
通常,短期周波数安定度は0.001秒以上1 000秒までの時間間隔で考慮される。
1 tk
1 1
yk ytdt tk 瓰 tk xtk xtk
tk 2 F0
t tk
xk
2 F0ttk
2 F0

――――― [JIS C 6710 pdf 14] ―――――

           12
C 6710 : 2021
ここで, x(t) : 位相時間揺らぎ。すなわち,時間に変換され秒単位で
測定されるランダム位相揺らぎ
x(t)とy(t)との関係は,次のように表される。
dxt
yt
dt
サンプル数Mのyiの古典的分散σ2は,次の式で表す(σは標準偏差)。
M
2 1
yi y
M 1i1
ここで,
M
1
y yi
M i 1
古典的分散σ2は,周波数雑音の種類によっては収束せず採取するサンプルの個数に依存する
ため,周波数安定性の評価には適していない。
3.2.28
周波数揺らぎのアラン分散(Allan variance of fractional frequency fluctuation,AVAR of fractional frequency
fluctuation)
発振器出力周波数の短期安定度特性に関する時間領域で定義された客観的評価
注釈1 周波数揺らぎのアラン分散は,次の式による。
M 1
2 1 2
y Yk1 Yk
2 M 1 k 1
ここで, Yk : 測定間に空き時間なく,継続的に得られた周波数揺ら
ぎの平均値
τ : 測定を平均化するためのサンプリング時間
M : 測定回数
評価の確度は,Mの増加によって向上する
AVARは,代わりに,測定を平均化するためのサンプリング時間τで取得された位相測定サ
ンプルxiから導出することが可能である。
M 2
2 1 2
,M 2
xi2 2xi 1 xi
2 M 2 i 1
(出典 : IEC 60050-561:2014+AMD1:2016及びIEC 62884-4:2018の561-03-02の一部を修正している。)
3.2.29
周波数揺らぎのアラン偏差(Allan deviation of fractional frequency fluctuation,ADEV of fractional frequency
fluctuation)
発振器の短期周波数安定度に関する時間領域の尺度
注釈1 実効的な周波数揺らぎは,規定のサンプリング間隔τ間の周波数の平均を表し,周波数測定回
数に関する統計的な性質に基づいている。
注釈2 周波数揺らぎの尺度は,次の式による。
1
M 1 2
F 1 2
rms
Yk 1 Yk y
F0 2 M 1 k 1
注釈3 IEC 62884-4の箇条6に詳細の記載がある

――――― [JIS C 6710 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS C 6710:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60679-1:2017(MOD)
  • IEC 62884-1:2017(MOD)
  • IEC 62884-2:2017(MOD)
  • IEC 62884-3:2018(MOD)
  • IEC 62884-4:2019(MOD)

JIS C 6710:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6710:2021の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC0617-2:2011
電気用図記号―第2部:図記号要素,限定図記号及びその他の一般用途図記号
JISC0617-3:2011
電気用図記号―第3部:導体及び接続部品
JISC0617-4:2011
電気用図記号―第4部:基礎受動部品
JISC60068-2-1:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
JISC60068-2-13:1989
環境試験方法(電気・電子)減圧試験方法
JISC60068-2-14:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-14部:温度変化試験方法(試験記号:N)
JISC60068-2-17:2001
環境試験方法―電気・電子―封止(気密性)試験方法
JISC60068-2-2:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
JISC60068-2-20:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-20部:試験―試験T―端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法
JISC60068-2-21:2009
環境試験方法―電気・電子―第2-21部:試験―試験U:端子強度試験方法
JISC60068-2-27:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
JISC60068-2-30:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db)
JISC60068-2-31:2013
環境試験方法―電気・電子―第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:Ec)
JISC60068-2-45:1995
環境試験方法―電気・電子―耐溶剤性(洗浄溶剤浸せき)試験方法
JISC60068-2-52:2020
環境試験方法―電気・電子―第2-52部:塩水噴霧サイクル試験方法(塩化ナトリウム水溶液)(試験記号:Kb)
JISC60068-2-58:2016
環境試験方法―電気・電子―第2-58部:表面実装部品(SMD)のはんだ付け性,電極の耐はんだ食われ性及びはんだ耐熱性試験方法
JISC60068-2-6:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
JISC60068-2-64:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh)
JISC60068-2-7:1993
環境試験方法―電気・電子―加速度(定常)試験方法
JISC60068-2-78:2015
環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
JISZ8000-1:2014
量及び単位―第1部:一般