JIS C 7803:2011 蛍光ランプ封入水銀質量の測定方法 | ページ 6

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ーク波形の面積を積分することができず,測定経路内の水銀吸着が起こりやすいので注意を要
する。
注1) 試料溶液の分取量は,1.0 ml以下では分析誤差が大きくなるので,あらかじめフラスコを用
いて分取量が1.0 ml以上となるように薄める。
2) )の状態で放置した場合は,水銀質量が低くでるおそれがあるので注意する。
図JC.3−検量線の例
JC.2 ICP(Inductively Coupled Plasma : 誘導結合プラズマ)発光分光分析法
JC.2.1 一般
蛍光ランプ内から所定の操作に従って回収したランプ封入水銀を,硝酸又は硝酸と組み合わせた混酸を
用いて溶解後,ガラス片,蛍光体などの不溶成分をろ過する。ろ液をICP発光分光分析装置のアルゴンプ
ラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。
JC.2.2 装置及び器具
装置及び器具は,次による。
a) CP発光分光分析装置 測定の目的に対して十分な感度をもち,かつ,定量範囲内で安定性の得られ
るICP発光分光分析装置。ICP発光分光分析装置の構成例を,図JC.4に示す。
b) キャリア及びプラズマ点灯用ガス JIS K 1105の2級以上のアルゴンガス[必要に応じて,分光器き
ょう(筐)体内パージ用ガス,JIS K 1107の2級以上の窒素ガスなど]
c) 試料分取及び希釈用器具 清浄なビーカ,全量フラスコなど。
励起源部 発光部 分光測光部 制御システム・指示記録部
試料導入部
図JC.4−ICP発光分光分析装置の構成例

――――― [JIS C 7803 pdf 26] ―――――

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JC.2.3 試薬
試薬は,次による。
a) 試料希釈用及びアイドリング時にネブライザ吸引する水 イオン交換水
b) 水銀標準溶液(1 000 μgHg/ml) 水銀標準溶液を使用の都度,正確に希釈する。
JC.2.4 測定条件の設定
高周波出力,観測高さ,キャリアガス流量などを水銀分析に最適化する。水銀濃度が高い試料溶液を測
定した後,濃度の低い試料を測定する場合には,メモリ効果(装置内の試料通過箇所に水銀元素が微量で
あるが残留し,あたかも次の以降の試料に含まれているような測定結果をもたらす現象。)が生じるおそれ
がある。そのため,使用する分析装置のメモリ効果の有無又はメモリ効果を生じさせない試料溶液中の水
銀濃度範囲,リンス時間などを事前に確認しておく。
JC.2.5 分析操作
分析操作は,次による。
a) 水銀の発光強度の測定に用いる分析線は,194.2 nmを使用する。ただし,精確さを確認してあれば,
253.7 nmなど他の波長を選択してもよい。また,高次スペクトル線が使用可能な装置では,高次スペ
クトル線を用いてもよい。
b) 試料溶液に含まれるマトリックス成分によっては,分光干渉を引き起こす可能性があるため,定量分
析の前には必ず測定溶液をプラズマ中に噴霧し,水銀分析線近傍の波長領域をスキャンし,分光干渉
の有無を確認し,分光干渉のない発光線を選択する3)。
c) 定量分析は,多量に含まれる蛍光体マトリックスの定量値への影響を除くために,標準添加法を用い
る4)。
試料溶液から等量に4個以上の溶液を分取し,水銀元素を添加しないもの1種類と水銀元素をそれ
ぞれ異なる濃度で添加したものとを3種類以上調製する。必要な精確さが得られる測定濃度の範囲を
あらかじめ調べておき,水銀元素を添加した溶液が,その濃度領域内に入るよう適宜希釈率を調整す
る。
d) 調製した試料溶液をプラズマ内に噴霧し,発光強度を測定する。測定した発光強度から標準添加検量
線を作成し,外挿によって試料溶液の濃度を求める(図JC.5参照)。
試料溶液の濃度,希釈率及び定容量から次の式を用いて,蛍光ランプの水銀封入量を算出する。
A C V
W
1 000
ここに, W : ランプ内の水銀質量(mg)
A : 試料溶液の希釈率
C : 試料溶液中の水銀濃度(μgHg/ml)
V : 試料溶液の定容量(ml)
注3) 分光線には,プラズマ構成成分及び共存元素による線スペクトル,並びに連続スペクトルが
重なる場合があり,それらが分析線に分光干渉として影響を及ぼすことがあるため,分光干
渉のない発光線を用いる。例えば,分光干渉がある場合は,あらかじめ既知濃度の共存元素
溶液を用いて,分析線に及ぼす影響を水銀の濃度として算出し,この濃度が測定溶液の水銀
濃度の1/100以下であることを確認する。
4) この方法は分光干渉がなく,バックグラウンドが正しく補正されていて,かつ,発光強度と
濃度との関係が,低濃度域まで良好な直線性を保つ場合にだけ適用できる。

――――― [JIS C 7803 pdf 27] ―――――

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図JC.5−標準添加検量線
参考文献 JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0102 工場排水試験方法
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0212 分析化学用語(光学部門)
JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)

――――― [JIS C 7803 pdf 28] ―――――

                                                                  附属書JD
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 7803:2011 蛍光ランプ封入水銀質量の測定方法 IEC 62554:2011 Sample preparation for measurement of mercury level in fluorescent
lamps
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
1 適用範 0.1 mg以上の水銀 1 0.1 mg以上の水銀を含む 変更 分析手法も適用範囲に包含。 IEC 62554で参照している分析法
囲 を含む未使用蛍光 未使用蛍光ランプ[片口 の規格であるIEC 62321の対応
ランプ[片口金,両 金,両口金(直管含む), JISが未発行のため,分析手法も
口金(直管含む。), 電球形,バックライト用 包含した規格とした。
電球形,バックライ 冷陰極蛍光ランプを含
ト用冷陰極蛍光ラ む]の試料の前処理を規
ンプ]の試料の分析 定。
を規定。
2 引用規

5 蛍光ラ 5 JISとほぼ同じ 実質的な差異はない。
5.2,5.3.2.2及び5.5で分かりや
ンプ内水 すくするため文章を追加した。
銀回収手 5.3は附属書を引用させた。

6 測定及 6 JISとほぼ同じ 6.0Aを追加し,附属書との関 差異の理由は,附属書JCを参照。
び分析 係を明確にした。
附属書JA − 追加 改正前のJISに記載されてい 改定前のJISに記載されていた前
(規定) た前処理手法を追加した。 処理手法であり同等の分析精度
が得られるため,附属書として残
C7
した。
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4

――――― [JIS C 7803 pdf 29] ―――――

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4
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
803
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
: 2
番号
0
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
11
及び題名 の評価
附属書JB − 追加 日本電球工業会のJEL規格 CCFLランプは管径が細く一般蛍
(規定) (JEL305)に記載されたCCFL 光ランプとは異なった前処理を
ランプ中の水銀の溶解方法を 行うため附属書として追記した。
追加した。
附属書JC − 追加 改定前のJISに記載された分 IEC 62554で参照している分析法
(規定) 析手法を追加した。 の規格であるIEC 62321に対応す
るJISが未発行のため。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : IEC 62554:2011,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加·················· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更·················· 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD··············· 国際規格を修正している。

JIS C 7803:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62554:2011(MOD)

JIS C 7803:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 7803:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK1105:2017
アルゴン
JISK1107:2005
窒素
JISK8136:2017
塩化すず(II)二水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8247:2015
過マンガン酸カリウム(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8819:2017
ふっ化水素酸(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)