JIS C 7803:2011 蛍光ランプ封入水銀質量の測定方法 | ページ 5

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C 7803 : 2011
附属書JB
(規定)
CCFL管内の水銀の溶解方法
JB.1 開放系酸分解法
JB.1.1 試薬
試薬は,次による。
a) 硝酸 JIS K 8541に規定する硝酸又はそれ以上の品質のものを用いる。
b) 水
c) 硝酸(1+1) 硝酸と水とを等量混合する。
d) ふっ化水素酸 JIS K 8819に規定するふっ化水素酸又はそれ以上の品質のものを用いる。
JB.1.2 器具
器具は,次による。
a) ガラス器具(ビーカ,時計皿,全量フラスコ,駒込ピペット及び漏斗)
b) ろ紙
c) ニッパ及びやすり
d) ホットプレート
e) ふっ素樹脂チューブ
JB.1.3 サンプリング方法及び試料調製方法
サンプリング方法及び資料調整方法は,次による。
a) ランプのリード線をニッパを用いて切断する。
b) ランプ両端の電極近傍1) 及び両端から約50 mmごと2) に,やすりでランプにきずを入れる。
c) ランプより径の大きなふっ素樹脂チューブ3) をきずを入れた箇所にかぶせ,破片がビーカの外にこぼ
れないように注意しながら,200 mlのビーカ上でランプを折って破片を入れていく。最後に,ふっ素
樹脂チューブもビーカに入れる。
d) ランプの破片が入ったビーカに駒込ピペットを用いて,硝酸(1+1)を20 ml添加し,時計皿を載せ
て約60 ℃ホットプレート上で,1時間加熱する。
e) 放冷後,JIS P 3801に規定する5種Bのろ紙4) でろ過を行い,ろ液を全量フラスコに移した後,定容
する。
注1) 電極の溶解が必要な場合は,できるだけ管端に近い部分でランプを折り,電極だけ別のプラ
スチックビーカに取り分け,硝酸及び電極の溶解に必要な酸[例えば,ニオブ(Nb),モリ
ブデン(Mo)の場合は,ふっ化水素酸]の混酸(例えば,硝酸とふっ化水素酸とを1 : 1で
混合した酸)を0.3 ml程度添加し,常温で分解する。後の定容操作がガラス容器でできるよ
う,最小限の酸によって溶解する。電極を溶解した溶液は,最終的にJB.1.3 e)の溶液に加え
る。ただし,電極が硝酸に溶解する成分である場合は,この操作は必要ない。また,水銀の
揮散がないよう,混酸には必ず硝酸を含める。
2) 分解時に用いるビーカの底の内径よりも小さくすることによって,ランプの破片及びふっ素
樹脂チューブがビーカ底面と平行に納まるため,少量の酸によって試料全体を浸せきできる。
3) ランプを折る場合,破片が飛散すると水銀分析値に大きな誤差を生じるため,ふっ素樹脂チ

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ューブなどで飛散防止対策を行う。ふっ素樹脂チューブは,ビーカの底の内径よりも短いも
のを使用する。
注4) 5種Bのろ紙では,蛍光体等の不溶成分が一部ろ液に含まれる場合もあるが,溶液の上澄み
の使用で測定機器への影響を抑え,かつ,精度を落とすこともなく定量ができる。より目の
細かい5種Cのろ紙を使用してもよい。
JB.2 還流冷却/酸分解法
JB.2.1 試薬
試薬は,次による。
a) 硝酸(1+1)
b) 水
JB.2.2 器具
器具は,次による。
a) ガラス器具(分解フラスコ,還流冷却器,全量フラスコ,駒込ピペット及び漏斗)
b) ろ紙
c) ニッパ及びやすり
d) ホットプレート
e) ふっ素樹脂チューブ
JB.2.3 サンプリング方法及び試料調製方法
サンプリング方法及び試料調整方法は,次による。
a) 両端のリード線をニッパなどで取り除き,ランプの両端を30 mm以下,その他の部分は50 mm以下
になるようやすりなどを用いてきずを付ける。
b) ランプより径の大きな50 mm程度に切ったふっ素樹脂チューブを用いてランプを折る。
なお,この作業は分解フラスコの上でランプを垂直に立てた状態で行い,破片などが分解フラスコ
外に飛び散らないように十分注意する。最後にふっ素樹脂チューブも分解フラスコ内に入れる。
c) ランプの破片が入った分解フラスコに駒込ピペットを用いて,硝酸(1+1)20 mlを添加し,還流冷
却器をセットし,還流冷却器に冷却水を流しながら,ホットプレート上で1時間加熱する。
d) 冷却後,JIS P 3801に規定する5種Bのろ紙でろ過し,全量フラスコに移し水にて定容し,試料溶液
とする。
JB.3 密閉系酸分解法
JB.3.1 試薬
試薬は,次による。
a) 硝酸(1+1)
b) 水
JB.3.2 器具
器具は,次による。
a) ガラス器具(全量フラスコ,駒込ピペット及び漏斗)
b) ろ紙
c) ニッパ及びやすり

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d) マイクロ波加熱分解装置
e) ふっ素樹脂チューブ
f) ふっ素樹脂製分解容器セット
JB.3.3 サンプリング方法及び試料調製方法
サンプリング方法及び試料調整方法は,次による。
a) 両端のリード線をニッパなどで取り除き,ランプの両端を30 mm以下,その他の部分は50 mm以下
になるよう,やすりなどを用いてきずを付ける。
b) ランプより径の大きな50 mm程度に切ったふっ素樹脂チューブを用いてランプを折る。ただし,この
作業はふっ素樹脂製分解容器の上でランプを垂直に立てた状態で行い,破片等が分解容器外に飛び散
らないように,十分注意する。最後に,ふっ素樹脂チューブもふっ素樹脂製分解容器内に入れる。
c) ランプの破片の入ったふっ素樹脂製分解容器に,駒込ピペットを用いて硝酸(1+1)20 mlを添加し,
密栓してふっ素樹脂製分解容器セットを組み立て,マイクロ波加熱分解装置にセットする。
d) あらかじめ設定した分解プログラム5) で試料を加熱する。
e) 冷却後,JIS P 3801に規定する5種類Bのろ紙でろ過し,全量フラスコに移し水にて定容し,試験溶
液とする。
なお,長尺ランプ等分解容器の許容量を超える場合は,分割して複数の分解容器にて同様の操作を行い,
ろ過時に一つの全量フラスコに集めて,定容し,試料溶液とする。
注5) 使用するマイクロ波加熱分解装置に適した分解プログラムを用いる。分解プログラム例を,
表JB.1に示す。
表JB.1−マイクロ波過熱分解装置に適した分解プログラム例
最大電力 傾斜 温度 保持時間
段階
W 分 ℃ 分
1 1 200 15 150 2
2 1 200 4 180 10

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附属書JC
(規定)
試料溶液の水銀定量操作
JC.1 還元気化原子吸光光度法
この分析については,JIS K 0102の66.(水銀)の規定によった。
JC.1.1 要旨
この方法は,蛍光体とともに封入水銀を溶解した試料溶液の一部を分取して,塩化第一すずで金属水銀
に還元し,発生した水銀蒸気をダイヤフラムポンプで石英製吸収セルに送り込み,253.7 nmの紫外線の吸
収量を求める方法である。還元気化送気方式には,密閉循環方式と開放送気方式とがある。
JC.1.2 装置及び器具
装置及び器具は,次による。
なお,還元気化原子吸光分析装置(密閉循環方式)の一例を図JC.1に,開放送気方式の構成の一例を図
JC.2に示す。
a) 原子吸光分析装置 測定の目的に対して十分な感度をもち,かつ,定量範囲内で安定性の得られる原
子吸光分析装置又は水銀専用原子吸光分析装置
b) 全量フラスコ,メスピペット及びホールピペット
A : 還元容器
B : 乾燥管
C : 流量計
D : 吸収セル
E : 空気ポンプ
F : 記録計
G : 水銀中空陰極ランプ又は水銀ランプ
H : 原子吸光用検出器
I : 水銀除去装置
図JC.1−還元気化原子吸光分析装置の例

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AI : (記号は,図JC.1による。)
図JC.2−開放送気方式の構成の一例
JC.1.3 試薬
試薬は,次による。
a) 硫酸(1+1) 水銀含有量0.01 ppm以下の硫酸と水とを等量混合する。
b) 塩化第一すず溶液(10 w/v %) JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物10 gに硫酸(1+20)
60 mlを加え,かき混ぜながら加熱して溶かし,冷却後水を加えて100 mlとする。ただし,保存期間
は約1週間とする。
c) 過塩素酸マグネシウム(粒状) 乾燥用(電子冷却法によって除湿する場合は,不要である。)
d) 水銀標準溶液(1 000 μgHg/ml) 水銀標準溶液を使用するたびに,正確に希釈する。
e) 過マンガン酸カリウム溶液(5 %) JIS K 8247に規定する過マンガン酸カリウム5 gを硫酸(1+5)
100 mlに溶解する。
JC.1.4 分析操作
分析操作は,次による。
a) 試料溶液から適量1) を分取し,測定容器に入れる。
b) 硫酸(1+1)及び水を加えて適切な液量に調整する2)。
c) 塩化第一すず溶液を加え,直ちに装置に組み込む。
d) 空気量を最適状態に調整したダイヤフラムポンプを作動し,空気を循環させ,波長253.7 nmの吸光度
のピークを求める。
e) ) d)の操作で得られたピーク値によって,試料と同様操作で作成した検量線から水銀質量を求め,
これに希釈倍数を乗じて水銀質量を算出する。
f) 検量線の作成 濃度の異なる4種類以上の検量線用溶液を用い,濃度と表示値との関係線を作成し,
検量線とする。この検量線を用いて,試料溶液中の分析対象元素の濃度を求める(図JC.3参照)。
注記 密閉循環方式の場合,水銀ガスを循環することでピークが加算され大きな信号が得られるがピ

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JIS C 7803:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62554:2011(MOD)

JIS C 7803:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 7803:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK1105:2017
アルゴン
JISK1107:2005
窒素
JISK8136:2017
塩化すず(II)二水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8247:2015
過マンガン酸カリウム(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8819:2017
ふっ化水素酸(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)