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附属書JA
(規定)
ランプ内水銀のサンプリング方法
JA.1 試薬
試薬は,次による。
a) 硝酸 JIS K 8541に規定する硝酸又はこれと同等以上の品質のものを用いる。
b) 水 水は,特に指定のない限り,イオン交換水又は蒸留水を用いる。
c) 硝酸(1+1) 硝酸と水とを等量混合する。
JA.2 器具
器具は,次による。
a) 注射器
b) ガラスビーカ(例えば,40 Wランプで500 ml程度),全量フラスコ及び駒込ピペット
c) ろ紙及びロート
d) やすり,はさみ,ハンマ,ニッパ,ゴム管,ニクロム線,ガラス細工用バーナ及びガラス棒
e) ホットプレートなど
JA.3 ランプの中に硝酸を入れて,水銀を溶解するサンプリング方法
ランプの中に硝酸を入れて,水銀を溶解するサンプリング方法は,次による。
a) ランプの排気側の口金を除去し,排気細管を切断する。
b) 速やかに,排気細管から注射器を用いて硝酸(1+1)適量(FL40 Wの場合は,30 ml程度。)を注入
する1)(図JA.1参照)。
c) ランプ内全体に硝酸がゆきわたるように,ゆり動かしながらランプ内面を洗う。そのときは,ランプ
を排気する細管部近くまで十分に洗い,細管部付近の蛍光体がこれ以上がれなくなる程度まで洗う。
また,細管から硝酸がこぼれるとその水銀質量が低くなるので,硝酸が絶対にこぼれないようにする。
硝酸がこぼれた場合には,そのサンプルは破棄し,再度やり直す。その後,ランプを斜めに置き,内
部の硝酸の温度が80 ℃100 ℃に保つように40分間加熱し,液中に水銀を溶解する2)。この時点で
ランプ中の金属水銀は,硝酸に溶解している。
d) 排気管側の管端から約30 mmの位置で,バルブを切断し,ランプ内の溶液をビーカに移す(電極部分
は保存する。)。
e) さらに,ランプ内に硝酸(1+1)20 mlを入れ,ランプ内をよく洗い,先のビーカに移した後,約20 ml
の水でランプ内を洗浄して,先のビーカに移す。
f) 反対側の管端から約30 mmの位置でバルブを切断し,ガラスバルブを水で十分に洗い3),先のビーカ
に移す(電極部分は保存する。)。
g) )及びf)で保存した電極部分からフィラメント及び内部導入線を切断して,先のビーカに入れ,管端
部をそれぞれ硝酸(1+1)5 ml及び少量の水で順次洗い,洗液は全て先のビーカに入れる。
h) 冷却後,ろ紙でろ過をしながら全量フラスコに移し,標線を合わせ,これを試料溶液とする(ろ過終
了後,ろ紙を十分硝酸で洗い,試料溶液の中に入れる。)4)。
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注1) ランプ内と外気との圧力差を利用して,図JA.2に示すようにゴム管をかぶせ,ゴム管中に入れ
た針などで封止部を切断して,管内に硝酸を注入してもよい。
2) ホットプレート,サンドバス,ウォーターバス,リボンヒータなどで加熱するとよい。
3) ランプ内の洗浄が十分でない場合,負の誤差を生じる。
4) この溶液は,通常1週間以上保管できるが,できるだけ速やかに測定する。特に希釈後は,調
製したその日のうちに測定を行う。
図JA.1−注射器で注入 図JA.2−圧力差を利用して吸引
JA.4 ランプを破砕して,水銀を溶解するサンプリング方法
ランプを破砕して,水銀を溶解するサンプリング方法は,次による。
a) ランプに付いている口金を取り除き,カッタナイフなどで樹脂を除去する。
b) やすりなどを用いて,ランプの管端付近にきずを入れる。
c) きずを入れた箇所に赤熱したニクロム線又はガラス棒でクラックを入れて,スローリークさせ,ラン
プ内を大気圧にする。
d) ランプ内の水銀合金部を含む金属リングを取り除き,JA.5のサンプリング方法を用いて水銀をサンプ
リングする。
e) ランプの内側をイオン交換水で湿らせ,破砕時の飛散を防止する。滴下したイオン交換水をビーカで
受ける。
f) 厚手のサンプリングバック(ビニル袋)の中,又はビーカの中で,ハンマ,ニッパなどを用いて,ラ
――――― [JIS C 7803 pdf 17] ―――――
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ンプを破砕する(図JA.3参照)。このとき,内容物が外に飛ばないように注意する(一度破砕した部
分は何度もハンマでたたかず,ニッパなどを用いて更に細かく砕くと,サンプリングバッグの破れを
防ぐことができる。)。
g) サンプリングバッグを用いた場合は,内容物をビーカに移し,バッグ内に水銀が残らないよう水洗し,
洗液を前のビーカに移す。
h) ビーカに硝酸(1+1)を約30 ml加え,駒込ピペットなどを用いて,破砕したランプ全体に硝酸を注
ぐ。この操作は,それ以上蛍光体が落ちなくなる状態まで繰り返す。このとき,あらかじめ加熱して
おいた硝酸を使用すると,蛍光体ががれて落ちやすくなる。その後,液温を80 ℃以上に保ち,1
時間以上加熱する。
i) 冷却後,ろ過をしながら全量フラスコに移し入れ,ろ紙を十分洗浄した後,標線を合わせ,これを試
料溶液とする5)。
注5) この溶液は,通常1週間以上保管できるが,できるだけ速やかに測定する。特に希釈液は,
調製したその日うちに測定を行う。定容量はランプの形状によって異なるが,アマルガムを
取り除いたランプの管内水銀は,少量であることが多いため,できるだけ少ない容量で定容
することが望ましい。ろ過時間を短縮するために,JIS P 3801に規定する5種Bのろ紙を用
いた場合は,上澄み液を測定してもよい。
図JA.3−蛍光ランプの破砕例
JA.5 ランプ内水銀合金などの中の水銀サンプリング方法
JA.5.1 チタン水銀合金の場合
ランプ内にチタン水銀合金を装着した例を,図JA.4に示す。
――――― [JIS C 7803 pdf 18] ―――――
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金属リング
水銀合金
b) 金属リング及びチタン水銀合金の例
金属リング+水銀合金
c) チタン水銀合金を装着した実際のランプの例
a) チタン水銀合金装着ランプのイメージ図
(通常は蛍光体膜によって中身は見えない)
図JA.4−ランプ内にチタン水銀合金を装着した例
a) 器具 器具は,次による。
1) 丸形フラスコ(すり合わせ口付き)及びビーカ
2) 還流冷却器
b) 試薬 試薬は,次による。
1) 硫酸 JIS K 8951に規定する硫酸又はこれと同等以上の品質のものを用いる。
2) 硫酸(1+1) 硫酸と水とを等量で混合する。
3) 硝酸(1+1) 硝酸と水とを等量で混合する。
c) サンプリング方法 JA.4 d)で取り除いた水銀合金を丸形フラスコに入れ,還流冷却器を付けて水を流
しながら硫酸(1+1)10 mlを加え,弱火で約30分間加熱した後,硝酸(1+1)5 mlを加えて,更に
約30分間加熱する。水銀合金の溶解を確認後,加熱を止め,放冷した後,不溶分として残ったゲッタ
材のジルコニウム−アルミニウム合金をろ別し,そのろ液を全量フラスコに移し入れて標線を合わせ
る。
なお,ビーカに水銀合金を入れ,硫酸(1+1)10 ml及び硝酸(1+1)10 mlを加え,硫酸白煙の発
生まで加熱を続けて完全に溶解させた後,硝酸(1+1)を5 ml加えてもよい。
JA.5.2 粒状などの水銀合金の場合
ランプ内に粒状の水銀合金を装着した例を,図JA.5に示す。
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図JA.5−電球形蛍光ランプの水銀合金封入箇所の例
a) 器具 器具は,次による。
1) ガラス製ビーカ
2) ガラス製時計皿
b) 試薬 試薬は,次による。
1) 塩酸 JIS K 8180に規定する塩酸又はこれと同等以上の品質のものを用いる。
2) 王水 硝酸と塩酸とを1 : 3の容量比で混合する。
c) サンプリング方法 サンプリング方法は,次による。
1) ランプから発光管部分を取り出す。このとき超音波カッタなどを用いて樹脂ケース部分から破壊す
るか,又は口金部分からニッパによって切込みを入れて樹脂ケースを破壊するとよい。樹脂ケース
を勢いよく破壊すると発光管が割れることがあるため,慎重に作業を行う必要がある。
2) A.4のa) c)の操作によって,ランプをリークさせた後,発光管内から粒状の水銀合金及びメッシ
ュ状の水銀合金を取り出す(細管内で溶融している場合は,細管ごと折り取る。)。
3) ガラスビーカに試料を移し,王水を約10 ml加える。
4) 時計皿で蓋をして,液温80 ℃以上で約90分間加熱する。
5) 完全に溶解したら冷却し,全量フラスコに移し入れ,標線を合わせる。
注記 ビスマス(Bi)が含まれている場合には,酸濃度が薄くなるとBiが析出するときがあるので,
定容又は希釈時の王水濃度が10 %以上になるように王水を加えながら,定容又は希釈を行う。
――――― [JIS C 7803 pdf 20] ―――――
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JIS C 7803:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62554:2011(MOD)
JIS C 7803:2011の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 7803:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK1105:2017
- アルゴン
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK8136:2017
- 塩化すず(II)二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8247:2015
- 過マンガン酸カリウム(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8819:2017
- ふっ化水素酸(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)