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D 1030 : 1998
ここに, KH : 湿度補正係数
Ra : 試験室内空気の相対湿度 (%)
Pd : 試験室内気温における飽和水蒸気圧 (kPa)
Pa : 試験室内大気圧の測定値 (kPa)
Ha : 絶対湿度 (g/kg)
4) O2の排出量 CO2の排出量は,次の式によって求める。
CO2 M CO2 drr10 4
CO2 mass Gf
CH f CO2dr COdr 10 4 THCdr 10 4
ここに, CO2 mass : CO2の排出量 (g/h)
CO2 M : 44.01(CO2の分子量)
CH 愀替 燃料による式量
CO2 dr : 乾き排気ガス中のCO2濃度 (vol%)
COdr : 乾き排気ガス中のCO濃度 (vol ppm)
THCdr : 乾き排気ガス中のTHC濃度 (vol ppmC)
8.2.3 希釈測定法による場合
希釈測定法による測定成分の排出量の計算は,次による。
a) 希釈率 希釈率は,次の式による。
C
DF
CO2 e THCe COe 10 4
ここに, DF : 希釈率
CO2 e : 希釈排気ガス中のCO2濃度 (vol%)
THCe : 希釈排気ガス中のTHC濃度 (vol ppmC)
COe : 希釈排気ガス中のCO濃度 (vol ppm)
戀 理論空燃比における排気ガス中の炭素原子モル%
使用した燃料の組成の実測比率をCxHyOzとすると
x
C 100
x y/ 2 .3774 x y/ 4 z/
ただし,通常,次の値を用いる。
13.4(ガソリン燃料,y/xを1.85,z/xを0とした場合)
13.3(軽油燃料,y/xを1.90,z/xを0とした場合)
11.6(LPG燃料,y/xを2.64,z/xを0とした場合)
b) 希釈排気ガス流量 標準状態 (293.15K, 101.325kPa) に換算した1時間当たりの希釈排気ガス流量は,
CVS装置の方式に応じて次に示す方法によって算出する。
1) 定容量ポンプ方式(PDP方式)CVS装置による場合 PDP方式CVS装置による場合には,希釈排
気ガス流量は,次の式によって求める。
Pp
Vmix k1 Ve N 60
Tp
293.15 K
k1 .2893 K / kPa
101.325kPa
ここに, Vmix : 標準状態における1時間当たりの希釈排気ガス流量 (L/h)
Ve : 定容量ポンプ1回転当たりに排出される希釈排気ガスの全量
(L/回転)
N : 定容量ポンプの1分当たりの回転数 (min−1)
Pp : 定容量ポンプ入口における希釈排気ガスの絶対圧 (kPa)
(大気圧から定容量ポンプに入る希釈排気ガスの圧力降下を
減じた圧力)
Tp : 定容量ポンプ入口における希釈排気ガスの平均絶対温度 (K)
――――― [JIS D 1030 pdf 21] ―――――
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D 1030 : 1998
2) 臨界流ベンチュリ方式(CFV方式)CVS装置による場合 CFV方式CVS装置による場合には,希
釈排気ガス流量は,次の式によって求める。
t2Pv t 3600
Vmix k2 dt
t1 Tv t t2 t1
ここに, Vmix : 標準状態における1時間当たりの希釈排気ガス流量 (L/h)
K2 : ベンチュリ校正係数
Pv (t) : ベンチュリ入口における希釈排気ガスの絶対圧 (kPa)
Tv (t) : ベンチュリ入口における希釈排気ガスの絶対温度 (K)
t1 : 測定開始時刻 (s)
t2 : 測定終了時刻 (s)
c) 測定成分の排出量 各測定成分の排出量の計算は,次による。
1) Oの排出量 COの排出量は,次の式によって求める。
COmass=Vmix×COdens×COconc×10−6
COconc=COe−COd (1−1/DF)
ここに, COmass : COの排出量 (g/h)
COdens : 1.16(標準状態におけるCO1L当たりの質量) (g/L)
COconc : COの正味濃度 (vol ppm)
COe : 希釈排気ガス中のCO濃度 (vol ppm)
COd : 希釈空気中のCO濃度 (vol ppm)
なお,水蒸気及びCO2などを除去する目的で吸着剤を使用してCO濃度を測定する場合には,COe
及びCOdは,次の式によって補正する。
愀
COe={1− (0.01+0.005 0.000 323Rd}COem
COd=(1−0.000 323Rd) Odm
ここに, 愀替 燃料中の水素炭素原子数比の実測値又は推定値。
通常は,ガソリンには1.85,軽油には1.90,LPGには2.64
を用いる。
CO2 e : 希釈排気ガス中のCO2濃度 (vol%)
Rd : 希釈空気の相対湿度 (%)
COem : 吸着剤を使用した場合の希釈排気ガス中のCO濃度 (vol
ppm)
COdm : 吸着剤を使用した場合の希釈空気中のCO濃度 (vol ppm)
2) HCの排出量 THCの排出量は,次の式によって求める。
THCmass=Vmix×THCdens×THCconc×10−6
THCconc=THCe−THCd (1−1/DF)
ここに, THCmass : THCの排出量 (g/h)
THCdens : 標準状態におけるTHC1L当たりの質量 (g/L)
一般に,排気ガス中のTHCの水素炭素原子数比を 愀
し,分子式をCH 愀 桎 定した場合の標準状態における
THC1L当たりの質量は,次の式によって求める。
THCdens= (12.011+1.007 94× 愀攀 一
ただし,通常,次の値を用いる。
0.577(ガソリン燃料,THCの水素炭素原子数比 愀
とした場合)
0.579(軽油燃料,THCの水素炭素原子数比 愀
た場合)
0.610(LPG燃料,THCの水素炭素原子数比 愀
た場合)
――――― [JIS D 1030 pdf 22] ―――――
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THCconc : THCの正味濃度 (vol ppmC)
THCe : 希釈排気ガス中のTHC濃度 (vol ppmC)
THCd : 希釈空気中のTHC濃度 (vol ppmC)
HFIDで希釈排気ガスを連続測定する場合には,THCの測定値から次の式によって求めた希釈排
気ガス中の平均THC濃度を使用する。
1 t t2
THCe THCdt
t2 t1 1
ここに, t1 : 測定開始時刻 (s)
t2 : 測定終了時刻 (S)
THC : THCの瞬時測定値 (vol ppmC)
3) Oxの排出量 NOxの排出量は,次の式によって求める。ただし,NOxは吸入空気の温度,湿度に
よって排出量が異なるので測定に際し同一条件となるよう考慮する必要がある。
NOx mass=Vmix×NOx dens×NOx conc×10−6
NOx conc=NOx e−NOx d (1−1/DF)
ここに, NOx mass : NOxの排出量 (g/h)
NOx dens : 1.91(NOxの全量をNO2とみなしたときの標準状態におけ
るNOx1L当たりの質量) (g/L)
NOx conc : NOxの正味濃度 (vol ppm)
NOx e : 希釈排気ガス中のNOx濃度 (vol ppm)
NOx d : 希釈空気中のNOx濃度 (vol ppm)
参考 NOx排出量の補正式の一例として米国環境保護庁 (EPA) で採用している例を示す。ただし,補
正式は特定の条件で統計的に求められたもので、工学的検討を基礎に決定されたものではない。
補正式によってNOx値を補正する場合でも,測定に際し同一環境条件となるよう考慮する必要
がある。
NOx mass=Vmix×NOx dens×NOx conc×KH×10−6
1
KH (ガソリン・LPG燃料の場合)
1 .00329 Ha 10.71
1
KH (軽油燃料の場合)
1 .00182 Ha 10.71
.622Ra Pd
Ha
Pa Pd Ra / 100
ここに, KH : 湿度補正係数
Ra : 試験室内空気の相対湿度 (%)
Pd : 試験室内気温における飽和水蒸気圧 (kPa)
Pa : 試験室内大気圧の測定値 (kPa)
Ha : 絶対湿度 (g/kg)
4) O2の排出量 CO2の排出量は,次の式によって求める。
CO2 mass=Vmix×CO2 dens×CO2 conc×10−2
CO2 conc=CO2 e−CO2 d (1−1/DF)
ここに, CO2 mass : CO2の排出量 (g/h)
CO2 dens : 1.83(標準状態におけるCO2 1L当たりの質量) (g/L)
CO2 conc : CO2の正味濃度 (vol%)
CO2 e : 希釈排気ガス中のCO2濃度 (vol%)
CO2 d : 希釈空気中のCO2濃度 (vol%)
――――― [JIS D 1030 pdf 23] ―――――
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D 1030 : 1998
附属書1(参考) 分析計の測定原理と一般特性
この附属書は,分析計の測定原理と一般特性について記述するものであり,規格の一部ではない。
1. NDIR
1.1 測定原理
非分散形赤外線分析計 (NDIR) は赤外線の領域に吸収帯をもつ気体又は液体の濃度をそ
の吸収波長での赤外線の吸収強度から測定する装置である。異なった原子からなる分子に赤外線を照射す
ると,分子振動のうち,双極子モーメントの変化を伴う振動による分子固有の赤外線吸収が生じる。そこ
で,試料に赤外線を照射すると,ランバート・ベアの法則によって,その濃度に対応したエネルギーの吸
収が行われる。
I=I0exp (− 攀 攀
ここに, I : 吸収エネルギー
I0 : 照射エネルギー
赤外線吸収係数
c : 試料の濃度
l : 試料層の厚さ
CO,CO2,NOなどの分子は,赤外線領域の特定の波長 (CO4.7 CO24.3 NO5.3 ‰歎 帯
をもっており,この吸収帯の赤外線エネルギーの吸収量を測ることで濃度を測定することができる。また,
NOxコンバータを通した試料のNOを測定することによって,NOx濃度を測定することができる。
NDIRの構成例を附属書1図1に示す。
附属書1図1 NDIRの構成例
分析部はニクロム線などの黒体放射に近い光源,回転セクタ,波長選択用フィルタ(通常,光学的な固
体フィルタ又は吸収ガスを封入したフィルタを使用する。),基準セル,試料セル,検出器などから構成さ
れる。
検出器は,通常コンデンサ・マイクロホン式である。このコンデンサ膜を境として二つの受光室がある。
この中には測定すべき成分,すなわちCO,CO2又はNOなどが一定条件の分圧で封入されており,それぞ
れの吸収スペクトルに対応する赤外線エネルギーだけを吸収し,受光室内のガス温度を上昇させる。
今,光源から放射される相等しい二つの赤外線光束は,それぞれ,試料セル又は基準セルを通過し,回
――――― [JIS D 1030 pdf 24] ―――――
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転セクタによって断続光となり,検出器に入る。試料セルを通過する赤外線が,試料中の測定成分ガスに
よって吸収されると,検出器の左右の室で吸収される測定成分の吸収帯域でのエネルギーに差が生じ,左
右の室に圧力差が生じる。その結果,圧力差に対応してコンデンサ・マイクロホンの静電容量が変化する
ので,これを電気的に検出し,測定成分の濃度の測定を行うことができる。
1.2 干渉成分による影響
赤外線の吸収波長に重なりがある成分が共存するときは,干渉成分による影
響として誤差を生じるので,これを低減するために,波長選択用フィルタを光路の途中に設ける。特に,
影響の大きい水分は,これを完全に除去するか,一定の水分濃度になるように校正用ガス及び試料を調湿
して干渉を補償する手段がとられている。また,光学的に直列に配置された補償検出器をもつ分析計もよ
く用いられる。補償形NDIRの構成例を,附属書1図2に示す。
附属書1図2 補償形NDIRの構成例
主検出器の受光室は光透過形である。補償検出器は通常の検出器と同じ形状をしている。主検出器には
測定成分の低分圧のガスが封入されており,一方補償検出器には,主検出器より高い分圧の測定成分が封
入されている。このため附属書1図3(a)に示すように主検出器は赤外線の吸収帯域が狭く,補償検出器は
吸収帯域が広い。したがって,附属書1図3(b),(c)に示すように主検出器は測定成分とH2Oによるエネル
ギーの変化を受け,補償検出器は,主に主検出器の吸収帯域より外域の吸収帯域で,主にH2Oによるエネ
ルギーの変化を受けることになる。この両出力を電気的に,演算させることによって,干渉成分による影
響の少ない出力を得ることができる。
――――― [JIS D 1030 pdf 25] ―――――
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JIS D 1030:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.50 : 交通機関からの排気ガス
JIS D 1030:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISD0101:1993
- 自動車の種類に関する用語
- JISD0108:1985
- 自動車排出物質の公害防止関連用語
- JISK0055:2002
- ガス分析装置校正方法通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK2240:2013
- 液化石油ガス(LPガス)
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表