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D 1030 : 1998
h) 上記のb)と同一条件でゼロガス及びスパンガスを流して,測定中に生じたゼロ点及びスパン値の変化
を測定する。
ゼロ点又はスパン値のいずれかの変化がフルスケールの±2%を超えた場合には,測定を再度行う。
ゼロ点及びスパン値の測定値の変化が共にフルスケールの±2%以内の場合にはその変化は無視して
もよい。
7.5.3 分析計の測定レンジ
分析計の測定レンジは,排気ガス又は希釈排気ガスをフルスケールの10%
以上の範囲で測定できるように選ぶ。ただし,自動車又はエンジンの過渡運転条件を含む直接測定及び希
釈排気ガスの連続測定並びに希釈空気の測定の場合には,この条件に合わなくともよい。
8. 測定結果のまとめ方
8.1 記録
測定結果には,次の項目を付記する。なお,項目の一部を追加又は省略してもよい。
a) 試験番号
b) 自動車又はエンジンについて
1) エンジンの場合
− 型式番号
− 方式の簡単な記述(NA,TC,IDI,DIなど,2サイクル,4サイクルの別など)
− 主要諸元(排気量,ボアストロークなど)
2) 自動車の場合
− 型式番号
− 空車質量
− 変速機の種類(5MT,4ATなど)
c) 試験年月日
d) 試験者
e) 試験場所
f) 測定開始及び終了の時刻
g) 計器の形式について
− CVS装置の形式(PDP方式,CFV方式の別など)
− 分析計の形式(除湿器,吸着剤の有無など)
h) 試料採取方法(直接連続採取法,定容量採取法など)
i) 大気条件について
− 大気圧
− 大気温度
− 大気湿度
j) 試験条件について
− 測定モード(10・15モード,13モードなど)
− テスト車両質量,等価慣性質量,走行抵抗,変速機位置
− タイヤの空気圧
k) 各測定点でのエンジンの状態について
− 回転数
――――― [JIS D 1030 pdf 16] ―――――
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− 出力及びトルク
− 吸気管負圧
− 排気圧
− 冷却水及び潤滑油の温度(開始時及び終了時)
− 燃料温度
− 吸気温度,湿度
− 点火時期又は燃料噴射時期
l) 使用燃料の種類及び性状
m) 使用潤滑油の性状
n) 測定成分の濃度(測定値,測定レンジなど)
o) 測定成分の濃度補正値
p) 排気ガス流量又は希釈排気ガス流量
q) 空燃比(空気消費量/燃料消費量)
r) 測定成分の排出量
s) 記録紙の送り速度
8.2 排出量の計算
8.2.1 直接測定法による場合(1)
直接測定法による測定成分の濃度と排気ガス流量とから,測定成分の
排出量を求める場合には,次による。
a) 空燃比 空気と燃料との質量比(空燃比)は,次の式によって求める。
Qa a
AF
f f
ここに, AF : 空燃比
Qa : 吸入空気流量 (L/h)
Qf : 燃料流量 (L/h)
懿 空気密度(空気1L当たりの質量 (g/L)
替 燃料密度(燃料1L当たりの質量 (g/L)
燃料密度は,JIS K 2240又はJIS K 2249による。
b) 排気ガス流量 標準状態 (293.15K, 101.325kPa) に換算した1時間当たりの排気管から排出される排
気ガス流量は,次の式によって求める。
Qe=Qa+0.802×Qf× 替 ガソリン燃料の場合)
Qe=Qa+0.820×Qf× 替 軽油燃料の場合)
Qe=Qa+1.082×Qf× 替 LPG燃料の場合)
又は,次の式によって求める。
Qe=Qa× (1+0.965/AF) (ガソリン燃料の場合)
Qe=Qa× (1+0.989/AF) (軽油燃料の場合)
Qe=Qa× (1+1.302/AF) (LPG燃料の場合)
ここに, Qe : 排気ガス流量 (L/h)
c) 湿り排気ガス中の測定成分の濃度 排気管から直接測定した乾き排気ガス中の測定成分の濃度を,湿
り排気ガス中の測定成分の濃度に換算する場合には,次の式による。
− 燃料がガソリン,軽油の場合
Xw=Xdr×(1− 愀一
――――― [JIS D 1030 pdf 17] ―――――
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D 1030 : 1998
− LPGの場合
f
Xw Xdr 1 2
f 12.011 .1007 94 f
AF
4 28.964 419
ここに, Xw : 湿り排気ガス中の測定成分の濃度(vol ppm,vol ppmC又は
vol%)
ただし,分析計に除湿器を使用していない場合には,測定値
が湿り排気ガス中の測定成分の濃度となる。
Xdr : 乾き排気ガス中の測定成分の濃度(vol ppm,vol ppmC又は
vol %)
通常,分析計には除湿器を使用しているため,測定値は乾き
排気ガス中の測定成分の濃度となる。
愀替 燃料の水素炭素原子数比の実測値又は推定値
通常,ガソリンには1.85,軽油には1.90,LPGには2.64を
用いる。
AF : 空燃比
d) 測定成分の排出量 各測定成分の排出量は,次の式によって求める。
1) Oの排出量 COの排出量は,次の式によって求める。
COmass=Qe×COdens×COw×10−6
ここに, COmass : COの排出量 (g/h)
COdens : 1.16(標準状態におけるCO1L当たりの質量) (g/L)
COw : 乾き排気ガス中のCO濃度を湿り排気ガス中のCO濃度に換
算した値 (vol ppm)。
2) HCの排出量 THCの排出量は,次の式によって求める。
THCmass=Qe×THCdens×THCw×10−6
ここに, THCmass : THCの排出量 (g/h)
THCdens : 標準状態におけるTHC1L当たりの質量 (g/L)
一般に,排気ガス中のTHCの水素炭素原子数比を 愀
した場合の標準状態におけるTHC1L当たりの質量は,次
の式によって求める。
THCdens= (12.011+1.007 94× 愀攀 一
ただし,通常,次の値を用いる。
0.577(ガソリン燃料,THCの 愀 地 )
0.579(軽油燃料,THCの 愀 地 )
0.610(LPG燃料,THCの 愀 地 )
THCw : 乾き排気ガス中のTHC濃度を湿り排気ガス中のTHC濃度
に換算した値,又は湿り排気ガス中のTHC濃度の測定値
(vol ppmC)
3) Oxの排出量 NOxの排出量は,次の式によって求める。ただし,NOxは吸入空気の温度及び湿度
によって排出量が異なるので,測定に際して同一環境条件となるように考慮する必要がある。
NOx mass=Qe×NOx dens×NOx w×10−6
ここに, NOx mass : NOxの排出量 (g/h)
NOx dens : 1.91(NOxの全量をNO2とみなしたときの,標準状態におけ
るNOx1L当たりの質量) (g/L)
NOx w : 乾き排気ガス中のNOx濃度を湿り排気ガス中のNOx濃度に
換算した値 (vol ppm)。
――――― [JIS D 1030 pdf 18] ―――――
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参考 NOx排出量の補正式の一例として米国環境保護庁 (EPA) で採用している例を示す。ただし,補
正式は特定の条件で統計的に求められたもので,工学的検討を基礎に決定されたものではない。
補正式によってNOx値を補正する場合でも,測定に際し同一環境条件となるよう考慮する必要
がある。
NOx mass=Qe×NOx dens×NOx w×KH×10−6
1
KH (ガソリン・LPG燃料の場合)
1 .00329 Ha 10.71
1
KH (軽油燃料の場合)
1 .00182 Ha 10.71
.622Ra Pd
Ha
Pa Pd Ra / 100
ここに, KH : 湿度補正係数
Ra : 試験室内空気の相対湿度 (%)
Pd : 試験室内気温における飽和水蒸気圧 (kPa)
Pa : 試験室内大気圧の測定値 (kPa)
Ha : 絶対湿度 (g/kg)
4) O2の排出量 CO2の排出量は,次の式によって求める。
CO2 mass=Qe×CO2 dens×CO2 w×10−2
ここに, CO2 mass : CO2の排出量 (g/h)
CO2 dens : 1.83(標準状態におけるCO21L当たりの質量) (g/L)
CO2 w : 乾き排気ガス中のCO2濃度を湿り排気ガス中のCO2濃度に
換算した値 (vol%)
8.2.2 直接測定法による場合(2)
直接測定法による測定成分の濃度と燃料流量とから,測定成分の排出
量を求める場合には,次による。
a) 燃料の質量流量 燃料の質量流量を体積流量の測定値から算出する場合には,次の式による。
Gf=Qf×
ここに, Gf : 燃料流量(質量) (g/h)
Qf : 燃料流量(体積) (L/h)
替 燃料密度(燃料1L当たりの質量) (g/L)
燃料密度は,JIS K 2240又はJIS K 2249による。
b) 燃料による式量 燃料の水素炭素原子数比を 愀 その組成式をCH 愀桎 定したときの燃料によ
る式量は,次の式による。
CH 愀替 愀
12.011+1.007 94×
ただし,通常,次の値を用いる。
13.88(ガソリン燃料,水素炭素原子数比 愀 地 )
13.93(軽油燃料,水素炭素原子数比 愀 地 )
14.67(LPG燃料,水素炭素原子数比 愀 地 )
c) 測定成分の排出量 各測定成分の排出量の計算は,次による。
1) Oの排出量 COの排出量は,次の式によって求める。
4
COM COdr 10
COmass 4 4
Gf
CH f CO2 dr COdr 10 THCdr 10
ここに, COmass : COの排出量 (g/h)
COM : 28.01(COの分子量)
――――― [JIS D 1030 pdf 19] ―――――
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CH 愀替 燃料による式量
CO2 dr : 乾き排気ガス中のCO2濃度 (vol%)
COdr : 乾き排気ガス中のCO濃度 (vol ppm)
THCdr : 乾き排気ガス中のTHC濃度 (vol ppmC)
2) HCの排出量 THCの排出量は,次の式によって求める。
4
THCM THCdr 10
THCmass 4 4
Gf
CH f CO2 dr COdr 10 THCdr 10
ここに, THCmass : THCの排出量 (g/h)
THCM : THCの分子量
排気ガス中のTHCの水素炭素原子数比を 愀 その
分子式をCH 愀 桎 定したときのTHCの分子量は,次の
式によって求める。
THCM=12.011+1.007 94× 愀攀
ただし,通常,次の値を用いる。
13.88(ガソリン燃料,THCの 愀 地 )
13.93(軽油燃料,THCの 愀 地 )
14.67(LPG燃料,THCの 愀 地 )
CH 愀替 燃料による式量
CO2 dr : 乾き排気ガス中のCO2濃度 (vol%)
COdr : 乾き排気ガス中のCO濃度 (vol ppm)
THCdr : 乾き排気ガス中のTHC濃度 (vol ppmC)
3) Oxの排出量 NOxの排出量は,次の式によって求める。ただし,NOxは吸入空気の温度及び湿度
によって排出量が異なるので,測定に際して同一環境条件となるように考慮する必要がある。
NOx M NOxdrr 10 4
NOxmass Gf
CH f CO2 dr COdr 10 4 THCdr 10 4
ここに, NOx mass : NOxの排出量 (g/h)
NOx M : 46.01(NOxの全量をNO2とみなしたときのNOxの分子量)
NOx dr : 乾き排気ガス中のNOx濃度 (vol ppm)
CH 愀替 燃料による式量
CO2 dr : 乾き排気ガス中のCO2濃度 (vol%)
COdr : 乾き排気ガス中のCO濃度 (vol ppm)
THCdr : 乾き排気ガス中のTHC濃度 (vol ppmC)
参考 NOx排出量の補正式の一例として米国環境保護庁 (EPA) で採用している例を示す。ただし,補
正式は特定の条件で統計的に求められたもので,工学的検討を基礎に決定されたものではない。
補正式によってNOx値を補正する場合でも,測定に際し同一環境条件となるよう考慮する必要
がある。
4
NOx M NOx dr 10 KH
NOx mass 4 4
Gf
CH f
CO2 dr COdr 10 THCdr 10
1
KH (ガソリン・LPG燃料の場合)
1 .00329 Ha 10.71
1
KH (軽油燃料の場合)
1 .00182 Ha 10.71
.622Ra Pd
Ha
Pa Pd Ra / 100
――――― [JIS D 1030 pdf 20] ―――――
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JIS D 1030:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.50 : 交通機関からの排気ガス
JIS D 1030:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISD0101:1993
- 自動車の種類に関する用語
- JISD0108:1985
- 自動車排出物質の公害防止関連用語
- JISK0055:2002
- ガス分析装置校正方法通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK2240:2013
- 液化石油ガス(LPガス)
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表