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4.2) 炭化水素応答は,プロパン (C3H8) を基準とする感度に近接していなければならない。
4.3) HFIDの検出器及び検出器までの試料採取流路は,160200℃の範囲に加熱する。
5) Ox用分析計の作動性能は,次による。
5.1) NOx用分析計は,NOxコンバータを取り付けたものでなければならない。
5.2) NOxコンバータの試料の保持時間は2秒以内とし,NO2からNOへの変換効率は,95%以上とする。
5.3) NOxコンバータを通過しないで分析計に試料を流せる機構を備えていなければならない。
5.4) ディーゼル自動車の排気ガスを直接測定する場合には,NOxコンバータまでの試料採取流路を,又
は検出器及び検出器までの試料採取流路を60℃以上に加熱する。
5.5) CL及びHCLを用いるNOx用分析計の二酸化炭素干渉は,できるだけ少なくなければならない。
5.6) NDIRを用いるNOx用分析計の干渉成分による影響の試験用ガス及び許容範囲を,表7に示す。
表7 干渉成分による影響の試験用ガス及び許容範囲
干渉成分 CO2 CO 炭化水素 水分
試験用ガス CO215vol% CO5vol% C3H81vol% 窒素を室温 (2030℃) の
窒素希釈 窒素希釈 窒素希釈 水に通してバブリング(5)
許容 500vol ppm未満 ±5vol ppm ±5vol ppm ±5vol ppm ±5vol ppm
範囲 500vol ppm以上フルスケール
フルスケールフルスケールフルスケールの±1%
の±1% の±1% の±1%
5.4 データ記録装置
データ記録装置は,次による。
a) 記録計
1) 応答時間は,有効記録幅の移動において1秒以内とする。
2) 有効記録幅は,100mm以上とする。
3) 紙送り速度は,10200mm/minを含まなければならない。
b) 自動記録器
1) 自動記録器の測定精度は,フルスケールの1%以内とする。
2) 過渡運転における自動記録器の測定周期は,0.2秒間以下とする。
6. ガス
6.1 一般
高圧容器に充てんされたガスの使用に際しては,ガスが直接接触する箇所が,使用ガスに対
して腐食性及び吸着性の少ない材質からなる,適正な減圧弁,絞り弁などを使用する。
6.2 校正用ガス
校正用ガスについては,JIS K 0055の規定に準拠し,次による。
a) ゼロガス ゼロガスは,高純度空気又は高純度窒素を用いる。共存成分として含まれる成分及び許容
濃度は,表8による。
表8 ゼロガス中の共存成分
及び許容濃度
共存成分 許容濃度
CO 1 vol ppm以下
CO2 1 vol ppm以下
THC 1 vol ppmC以下
NOx 0.1 vol ppm以下
また,測定成分と使用するゼロガスとの関係は,表9による。
――――― [JIS D 1030 pdf 11] ―――――
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表9 測定成分・ゼロガス
測定成分 ゼロガス
CO 高純度窒素
CO2 高純度窒素
THC 高純度空気
高純度窒素(窒素希釈のスパンガスを用いる場合)
NOx 高純度窒素
b) スパンガス スパンガスの濃度は,校正をする測定レンジのフルスケールの70100%に相当する濃
度とし,表10で示す成分ガスを,高純度空気又は高純度窒素で薄めたものを用いる。
表10 スパンガス成分及び希釈ガス
測定成分 成分ガス 希釈ガス
CO CO 高純度窒素
CO2 CO2 高純度窒素
THC C3H8 高純度空気又は高純度窒素(6)
NOx NO 高純度窒素
注(6) ガソリンを燃料とする直接測定法だけ
に適用する。
c) 中間点ガス 直線性点検用の中間点ガスの濃度は,点検をする測定レンジのフルスケールのおよそ
20%,40%,60%及び80%(又は15%,30%,60%,75%及び90%)の各濃度とする。
6.3 燃料ガス
FID及びHFIDの燃料ガスは,ヘリウムで薄められた40±2vol%の水素又は純水素のうち
分析計に指定されたガスを用いる。いずれも共存成分として含まれるTHCの濃度は,1vol ppmC以下とす
る。
6.4 助燃ガス
FID及びHFIDの助燃ガスは,高純度空気を用いる。共存成分として含まれるTHC濃度
は,0.5vol ppmC以下とする。
6.5 オゾン源ガス
CL及びHCLに必要なオゾンは,その原料として酸素 (O2) 又は高純度空気を用いる。
共存成分として含まれるNOx濃度は0.1vol ppm以下とし,THC濃度は10vol ppmC以下とする。
7. 操作
7.1 一般
測定装置の準備,点検及び測定操作は,7.27.5によるほか,製造業者が指定する方法による。
7.2 準備
測定装置の準備は,次による。
a) 設置条件 分析計及び高圧ガス容器は,次の条件を満たしている場所に設置することが望ましい。
1) 振動が少ない。
2) 腐食性ガス及びほこりが少ない。
3) 湿度が高くなく,温度変化が少ない。
4) 直射日光が当たらない。
5) 電源電圧及び周波数の変動が少ない。
6) 吸着損失を少なくするために,試料導管をなるべく短くすることが可能である。
7) 保守上障害とならない。
8) 高圧ガス容器の取扱い及び設置は,高圧ガス保安法に準拠する。
9) 換気がよい。
10) 大気中の各測定成分の濃度が,十分低く安定している。
――――― [JIS D 1030 pdf 12] ―――――
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b) 測定の準備 測定の準備は,次による。校正時の準備もこれに準じる。
1) 測定装置の各部を点検し,特にガス漏れのないことを確認する。
2) ID及びHFIDの燃料ガス及び助燃ガスの流量又は圧力が所定の値であることを確認する。
3) 所定の順序に従って電源を入れ,各部が安定するまで暖機する。
4) L又はHCLのオゾン源ガスの流量又は圧力,反応槽の圧力,及びNOxコンバータの温度が,所定
の値を示していることを確認する。
5) FID及びHCLの試料採取流路が所定の温度になっていることを確認する。
7.3 ゼロ及びスパン調整
ゼロ及びスパン調整の実施周期は,分析計の種類・用途に応じ,その性能が
維持できる期間を調べて,あらかじめ定めておかなければならない。通常,測定の開始時・終了時のほか,
必要に応じて8時間,24時間,1週間,1か月などを周期として行う。調整は,次による。
a) ゼロガスを流し,使用する最低の測定レンジで分析計及び記録計の指示値をゼロに合わせた後,使用
する測定レンジ各々のゼロ点を確認する。
b) 使用する測定レンジに戻し,スパンガスを流して分析計及び記録計の指示値をスパンガス濃度を示す
値に合わせる。
c) 再びゼロガスを流してゼロ点を確かめる。ゼロ点がフルスケールの±1%以上外れた場合には,再度,
a)及びb)を行う。
備考1. 自動校正機能付の分析計では,自動校正によってゼロ及びスパン調整を行ってもよい。
2. 自動記録器を用いる場合などには,分析計だけで調整してもよい。
7.4 定期点検及び校正
測定装置の定期点検及び校正の実施周期は,分析計の種類・用途に応じ,その
性能が維持できる期間を調べて,あらかじめ定めておかなければならない。通常,1か月,3か月,6か月
など1年を超えない期間を周期として行う。また,分析計の設置時,修理後などにも行わなければならな
い。定期点検及び校正は,次による。
a) レンジ切換精度の点検 レンジ切換精度の点検をする。その方法の例を次に示す。
1) ゼロガスを流し,使用する最低の測定レンジにして,分析計の指示値をゼロに合わせる。必要に応
じて各測定レンジのゼロ点の調整も行う。
2) 使用する測定レンジに戻し,分析計の指示値をスパンガス濃度を示す値に合わせる。記録計を用い
る場合には,記録計のゼロ及びスパンを同時に調整する。
3) スパンガスを流したまま測定レンジを上げて,順次隣接する測定レンジの減衰率を記録する。それ
ぞれの関係が,フルスケールの±1%を超えて外れた場合には,原因をよく調べ,処置する。
なお,使用する各測定レンジでのゼロ及びスパン校正が可能な分析計では,各測定レンジでのゼ
ロ及びスパン校正を行った後,レンジ切換精度の点検を行う。
b) 直線性の点検 直線性の点検をする。その方法の例を,次に示す。
1) ゼロガスを流し,使用する測定レンジにして,分析計の指示値をゼロに合わせる。
2) スパンガスを流して,分析計の指示値をスパンガス濃度を示す値に合わせる。記録計を用いる場合
には,記録計のゼロ及びスパンを同時に調整する。
3) 再びゼロガスを流して,ゼロ点を確かめた後,中間点ガスを流して分析計の指示値と中間点ガスの
濃度との差を記録する。それぞれの関係が,NDIRではフルスケールの±2%以上,それ以外の分析
計ではフルスケールの±1%以上外れた場合には,原因をよく調べ,処置する。
なお,中間点ガスの濃度は,使用する測定レンジのフルスケールの約50%の点を含むようにする。
――――― [JIS D 1030 pdf 13] ―――――
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c) DIRの校正曲線の点検及び校正 直線化機能がないNDIRの校正曲線の点検は,次による。
1) ゼロガスを流し,分析計及び記録計の指示値をゼロに合わせる。
2) スパンガスを流し,分析計及び記録計の指示値がスパンガス濃度を示す値に合わせる。
3) 測定レンジのフルスケールの約20%,40%,60%及び80%(又は15%,30%,45%,60%,75%及び
90%)の各校正点に相当する中間点ガスもゼロ及びスパン調整したときと同一条件で導入し,中間
濃度に対する分析計の指示値を読み取る。これを,それぞれ2回以上繰り返して行い,その指示値
の平均値をとる。
備考 直線化機能が付いた分析計の場合には,直線化された出力を分析計の指示値とする。
4) 分析計の指示値と校正曲線とから求めた濃度が,各校正用ガスの濃度よりフルスケールの±2%以上
外れた場合には,新たに,各校正用ガスの濃度と指示値との関係から校正曲線を作成する。
備考 直線化機能が付いた分析計の場合には,分析計の指示値が各校正用ガスの濃度に相当する値と
なるよう調整する。
d) DIRの干渉成分の影響の点検 干渉成分の影響の点検は,次による。
1) ゼロガスを流し,分析計及び記録計の指示値をゼロに合わせる。
2) スパンガスを流し,分析計及び記録計の指示値がスパンガス濃度を示す値に合わせる。
3) 表5,表6及び表7のガスを分析計に流し,指示値が表5,表6及び表7の許容範囲以内であること
を確認する。許容範囲以上外れた場合には原因を調べ処置する。
e) Oxコンバータの効率の点検 NOx用分析計のNOxコンバータの効率の点検は,1週間ごとに実施す
ることが望ましい。NOxコンバータの効率の点検は,NOxコンバータチェッカを用いて行う。その構
成例を,図4に示す。
図4 NOxコンバータチエッカの構成例
NOxコンバータの効率の点検は,次に示す手順で行う。
1) 7.2b)によって準備する。
2) 7.3によって分析計を校正する。
3) Oxコンバータチェッカを分析計に接続する。分析計の測定ラインはNO側にしておく。
4) Oxコンバータチェッカに,効率測定を行う測定レンジのスパンガスを流し,流量調整弁で分析計
の所定の流量に調整する。使用するスパンガスのNOの濃度は,使用する測定レンジのフルスケー
ルの約80%とし,NO2含有量は,NOの5%以下とする。このときの分析計の指示値を記録する。
5) Oxコンバータチェッカにオゾン源ガスを接続し,開閉弁を開き,分析計の指示値が約10%減少す
るように流量調整弁で流量を調整する。このときの分析計の指示値 (A) を記録する。
6) オゾン発生器を作動させる。分析計の指示値が4)の指示値の約20%になるようにオゾン発生濃度を
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調整する。ただし,10%を下回ってはならない。このときの分析計の指示値 (B) を記録する。
7) 分析計の測定ラインをNOx側に切り換える。このときの分析計の指示値 (C) を記録する。
8) オゾン発生器の動作を停止させる。このときの分析計の指示値 (D) を記録する。
9) 上記測定値を,次の式に代入して効率を算出する。
C D
1 100
A B
ここに, NOxコンバータ効率 (%)
A : 5)で得られた指示値
B : 6)で得られた指示値
C : 7)で得られた指示値
D : 8)で得られた指示値
10) 点検の結果NOxコンバータ効率が95%を下回ったときには,その原因を調べ処置する。
7.5 測定
7.5.1 直接測定法による排気ガスの測定
直接測定法による排気ガスの測定は,次による。
a) 7.2b)によって準備する。
b) 7.3によってゼロ及びスパン調整を行う。
c) 排気管から試料を採取する場合には,試料を排気管の中に600mm以上挿入する。600mm以上挿入で
きない場合には排気管の延長管を用いるが,その際には空気の吸引を生じないように考慮する。
d) 自動車又はエンジンを運転して,試料の採取を開始し,測定を行う。分析計及び試料採取装置の圧力
計,流量計などが所定の値を示していることを確認する。
e) 運転終了後,清浄な空気を試料採取流路に流して,試料採取装置及び分析計の試料採取流路をパージ
する。
f) 上記のb)と同一条件でゼロガス及びスパンガスを流して,測定中に生じたゼロ点及びスパン値の変化
を測定する。
ゼロ点,スパン値のいずれかの変化がフルスケールの±2%を超えた場合には,測定を再度行う。ゼ
ロ点及びスパン値の変化が共にフルスケールの±2%以内の場合には,その変化は無視してもよい。
7.5.2 希釈測定法による排気ガスの測定
希釈測定法による排気ガスの測定は,次による。
a) 7.2b)によって準備する。
b) 自動車又はエンジン及び定容量試料採取装置を運転して,希釈排気ガス及び希釈空気を試料採取バッ
グに採取する。分析計及び試料採取装置の圧力計,流量計などが所定の値を示していることを確認す
る。
c) 運転終了後,試料採取バッグへの試料の採取を停止する。
d) 7.3によってゼロ及びスパン調整を行う。
e) 採取した試料採取バッグ中の希釈排気ガス及び希釈空気の濃度を測定する。
f) HFIDでTHCの濃度を測定する場合には,希釈排気ガス中のTHC濃度を連続測定する。過渡運転時
の排気ガス測定などで,測定期間の平均濃度が要求される場合には,運転開始と同時に自動記録器な
どによって濃度積算を開始する。運転終了後,THC濃度の連続測定,希釈空気の試料採取バッグへの
採取,及び濃度積算を直ちに停止する。また,希釈空気中のTHC濃度を測定する。
なお,運転開始前に7.3によってゼロ及びスパン調整を行う。
g) 清浄な空気を試料採取流路に流して,試料採取装置及び分析計の試料採取流路をパージする。
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JIS D 1030:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.50 : 交通機関からの排気ガス
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- JISD0108:1985
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