JIS E 5401-1:1998 鉄道車両用炭素鋼タイヤ―品質要求 | ページ 2

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表1-1 鋼の等級,化学成分,引渡し時の熱処理条件,機械的性質
鋼種記号 取べ分析による化学成分1)2) 納熱3) 機械的性質4)
(製品分析)% (m/m) 入処
C Si Mn P S その 時理 ReH又はRp0.26) Rm A KU HB7)
max max max max max 他5) の条 N/mm2 N/mm2 % J
件 min min min8)
C46GT−N 0.46 0.38 1.15 0.035 0.035 N 記録のために 600720 18 15
(0.48)(0.40)(1.20)(0.040)(0.040)
C55GT−N 0.55 0.38 0.86 0.035 0.035 N 700820 14 10
(0.58)(0.40)(0.90)(0.040)(0.040)
C57GT−N 0.57 0.38 1.05 0.035 0.035 N 750880 12 10
(0.60)(0.40)(1.10)(0.040)(0.040)
C57GT−E 0.57 0.38 0.76 0.035 0.035 E 800920 14 15
(0.60)(0.40)(0.80)(0.040)(0.040)
C67GT−N 0.67 0.38 0.86 0.035 0.035 N 800940 14 15
(0.70)(0.40)(0.90)(0.040)(0.040)
C67GT−E E 9401 090 11 10
C77GT−E 0.77 0.38 0.86 0.035 0.035 E 1 0501 200 10 8
(0.80)(0.40)(0.90)(0.040)(0.040)
注1) 表1-1から鋼種を選択する場合,重要な要因は踏面ブレーキ,又は車輪のスリップから生じる熱き(亀)裂のリ
スクであろう。
比較的高速でブレーキを繰り返す場合には,発注者は炭素含有率の高い鋼は,炭素含有率が低い鋼より熱き裂
が生じやすいということに留意すべきである。一方,炭素含有率の高い鋼は,強度と耐摩耗性が大きいという
ことも忘れてはならない。耐摩耗性を主眼に規格値の検討を行うならば,この規格とはかなり異なるであろう。
2) 受渡当事者間で合意のない限り,化学分析の条件は取べ(鍋)分析によって証明するものとする。しかし,論
議を生じた場合には,製品分析による成分値(括弧内の値)を判断の基準とする。
3) =焼ならし又は焼ならし焼戻し,E=全体焼入れ焼戻し
4) eH=上部降伏点,Rp0.2=0.2%耐力(非比例伸び率),Rm=引張強さ,A=破断後の伸び率 (L0=
5.65S0 ),KU
=23℃におけるISOUノッチ試験片に対する衝撃強度,1N/mm2=1MPa
5) r≦0.28% (≦0.30%) ; Cu≦0.28% (≦0.30%) ; Mo≦0.08% (≦0.08%) ; Ni≦0.28% (≦0.30%) ;
V≦0.05% (≦0.05%) ; Cr+Mo+Niは全等級に対して,最大0.60%
6) 0.5%耐力Rt0.5が600N/mm2以下の場合は,ReH,Rp0.2の代わりにRt0.5を用いてもよい。
7) 硬さ値は指定しない。ただし,ブリネル硬さのばらつきは,30HBを超えない。
8)
3個の平均値を示す。3個のうちの最低値が,規定値の70%以上である場合は,規定値を下回ってもよい。

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表1-2 鋼の種類,化学成分,熱処理条件,機械的性質
鋼種記号 取べ分析による化学成分1) 熱処理 機械的性質
% (m/m)
種類 記号 略号 C Si Mn Cu P S 記号 摘要 引張強さ 伸び2) 絞り2) 衝撃値
max max max N/mm2 % % J
min3)
1種 STY−R14) 1 0.60 0.15 0.50 − 圧延のま 770min 8min − −
0.30 0.045 0.050 まのもの
STY−R24) 2 0.75 0.35 0.90 − 圧延のま 770min 8min − 10
(0.57)(0.13) (0.33)
(0.46) (0.055)(0.060) まのもの
2種 STY−N N N 焼ならしを 730min 14max 18max 15
(0.80)(0.38)(0.94) 施すもの 960max 9min 13min
3種 STY−Q Q Q 焼入焼戻し 860min 16max 32max 15
を施すもの1080max 12min 24min
注1) 受渡当事者間で合意のない限り,化学分析の条件は取べ分析によって証明するものとする。しかし,論議を生
じた場合には製品分析による成分値[(括弧内)の値]を判断の基準とする。
2) 鋼種記号STY−N及びSTY−Qのそれぞれについて,引張強さに対する伸び及び絞りの最小値は,比例計算に
よって求める。
3) 3個の平均値を示す。3個の内の最低値が,規定値の70%以上である場合は,規定値を下回ってもよい。
4) 1種のタイヤのR1及びR2は,試験方法によって区別する。R1は試験鋼塊による引張試験を行うもの。R2は
製品本体の引張試験を行うもの。
表2-1 試験の種類と数
1 2 3 4 5 6 7 8
試験検査 熱処理条件ごとの試験 注3)4) 試験 試験ロットごとに試験 1個のタイ
検査1)2) ロット5) 検査を受けるべき ヤでの試験
タイヤの数 個数
N E ≦100タイヤ >100タイヤ
化学分析 取べ分析6) m m − c 1 1 1
製品分析6) o o − c 1 2 1
機械試験 引張試験 m m h c, h 1 2 1
衝撃試験 m m h c, h 1 2 3
ミクロ組織 − o h c, h 1 2 1
マクロ組織観察−マクロ写真 o o − c 1 2 1
ブリネル硬さ(均一性) o m h c, h 10% (N) 1
100% (E) 1
超音波探傷検査 o o h t 100% 1
寸法検査 m m f t 100% 1
注1) N=焼ならし又は焼ならし焼戻し,E=全体焼入れ焼戻し
2) =必す,o=任意,すなわち,注文書又は添付書類に指定されている場合だけ行う必要のあるもの。
3) 受渡当事者間で合意のない限り(7.1参照),取べ分析を除く試験検査は,製造業者の認定部門の立会いのもと
に行う。
4) =試験は指定された熱処理前には実施しない。f=合否試験は最終納入状態(完成品)で行う。
5) =同一溶解からのタイヤ,c, h=同一溶解,同一熱処理ロットからのタイヤ,t=タイヤ1個ごとが試験単位で
ある。
6) 製品分析が指定されていない場合は,製造業者は,最初の立会い時に,取べ分析結果の証明書を提出する。

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表2-2 試験の種類と数
1 2 3 4 5 6
試験検査 試験検査は必す 注2) 試験 1個のタイヤで
試験ロットごとの
又は任意1) ロット3) 供試タイヤの数 の試験個数
化学分析 取べ分析 m − c − −
製品分析 o − c 1 1
機械的性質 引張試験4) m h c 1 1
衝撃試験5) m h c 1 3
形状及び寸法検査 m f t 100% 1
外観検査 m f t 100% 1
注1) =必す,o=任意
2) =試験は熱処理が指定されている場合,熱処理前には実施しない。
f=合否試験は最終納入状態(完成品)で行う。
3) =同一溶解からのタイヤ,t=タイヤ1個ごとが試験単位である。
4) 1種STY-R1のタイヤは,試験鋼塊を鍛伸したものについて試験を行う。
1種STY-R2, 2種STY-N及び3種STY-Qのタイヤは,タイヤ本体について試験を行う。
5) 1種STY-R2, 2種STY-N及び3種STY-Qのタイヤについて行う。

5. 要求事項

5.1   化学成分
5.1.1 タイヤの化学成分は,表1-1又は表1-2に示す要求に合致するものとする。
5.1.2 受渡当事者間で合意のない限り,取べ分析の結果が,表1-1又は表1-2の該当規定に合格している
ときは,製品分析の結果に対する要求は満足されたものとみなす。
5.2 物理的性質
5.2.1 外観 タイヤには,まくれ込みや,ばりがあってはならない。表面には,注文書又はその添付書類
で指定された位置以外に刻印がないこと。ただし,ブリネル硬さ圧こんはリム表面に残っていてもよい。
5.2.2 健全さ タイヤは全体が健全であり,使用に支障をきたす欠陥がないこと。
5.2.2.1 ミクロ組織検査 焼入れ焼戻しを施工したタイヤに対して,ミクロ組織検査(表2-1参照)が受
渡当事者間で合意されている場合は,組織に関する条件(合格基準)についても合意すること(7.7.3.4参
照)。
5.2.2.2 マクロ組織観察 マクロ組織観察が要求されている場合(表2-1参照)は,研削後表面の検査で
欠陥がないこと。
5.2.2.3 マクロ写真観察 マクロ写真観察が要求されている場合(表2-1参照)は,サルファープリント
によって,附属書Aの写真集に含まれる写真より重度の欠陥がないこと。
5.2.2.4 超音波探傷検査 超音波探傷検査を指定する場合(表2-1参照)は,ISO 5948 : 1994に規定され
た合格基準を適用する。
5.2.3 硬さの均一性 注文の際に指定されている場合には,同一バッチ,類似寸法,同一等級のタイヤか
ら得られた硬さの最大値と最小値の差は,表1-1の規定を満足する。
5.3 機械的性質 タイヤの機械的性質は,表1-1又は表1-2の規定を満足する。
5.4 寸法特性
5.4.1 タイヤの寸法は,発注時に発注者の図面によって規定する。
5.4.2 寸法と形状についての公差,及び許される加工取りしろは,JIS E 5401-2の規定による。
5.5 マーキング 指定された寸法の刻印を注文書又はその添付書類で指定された位置に行う。

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特に指定のない限り,各タイヤには次の刻印を行う。
a) 表1-1,表1-2を適用して製造する場合は,次の刻印を行う。
1) 製造業者名又はその略号
2) 溶解番号
3) 鋼の等級と熱処理条件(4.2参照)
4) 製造年月(製造年の下2けたとその製造月)
5) 検査員の刻印
b) 表1-2,表2-2を適用して製造する場合は,次の刻印を行う。
1) 製造業者名又はその略号
2) 製造年月又はその略号
3) 溶解番号
4) 鋼種記号の略号(表1-2参照)
発注者の指定のない限り,刻印は圧延直後に熱間刻印する。刻印は高さ810mm,深さは約4mmで,
タイヤの反フランジ側の側面に,繰り返し踏面を削正しても残るように打刻する。鋭角な文字の形をした
刻印は使わない(6.4参照)。
ただし,納入時に刻印打刻面が“仕上げ”又は“組立用”状態になっている場合は,冷間で刻印しても
構わない。
また,規定の位置に刻印できない場合には,フランジ側の側面に刻印しても差し支えない。

6. 製造

6.1   製鋼工程 タイヤは平炉,電気炉又は塩基性酸素炉(転炉)によって製造された鋼を用いて製造す
る。受渡当事者間の合意によって他の工程を用いてもよい。鋼は,炉又は取べで脱酸し,受渡当事者間で
特別な申し合わせがない限り,下注ぎ造塊又は連続鋳造で用いる。
6.2 製造工程 製造業者は,タイヤを次のいずれかによって製造する。
− 二つ以上のタイヤを製造可能なインゴット
− ブルーム
特殊な1個ごとのインゴットは,発注者との事前の申し合わせのある場合だけ使用してもよい。
切り捨てはインゴットの欠陥部分を除去するために十分に行う。表面の欠陥は製造前又は製造中に完全
に除去する。もし,これが可能でない場合は,欠陥をもつ部分は廃棄する(6.3参照)。インゴット又はブ
ルームの鋼片は,ハンマーかプレスで鍛造及びさく孔する。その後,ハンマー,プレス又は荒圧延機で荒
成形し,最終的に仕上圧延を行う。必要であればサイジング(整形)を行う。仕上げた圧延タイヤは5.4
を満足するものとする。
大きな偏析を除去するのに十分なさく孔を行う。これらの作業でまくれが生じた場合には,そのまくれ
がタイヤの以後の製造及び使用に悪影響を与えかねないため,圧延の前に除去すること。ただし,のちの
加工段階で除去できるだけの取りしろがある場合は,この限りでない。
熱間加工中は適切な注意を払い,高温での作業中断によって生じるオーバーヒートや,粗粒化による材
料の損傷を防止しなければならない。一般的に鍛造は1 260℃以上で行うべきではなく,また,850℃から
1 000℃の間で終了すべきである。鍛造や圧延,適用されている場合にはサイジング,そして識別マークの
打刻後,タイヤは静止した空気中で冷却する。もし,鋼の脱ガスが行われていない場合は,白点の発生を
避けるため適切な注意を払う(4.2参照)。

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6.3 欠陥部分の除去 5.2.1及び5.2.2に指定されている健全さの特性に合格しない欠陥部分は,製造前又
は製造中に除去する。
6.4 製造中のタイヤの識別 インゴット,鋼片及びタイヤは,納入前に各タイヤが5.5の規定どおり識別
できるように,各製造段階で適切な刻印で表示する。もし,打刻する識別マークが5.5に規定の最終識別
マークと異なる場合は,仕上タイヤには残らないように,浅く打刻する。
6.5 熱処理 成形と打刻ののち,注文書又はその添付書類に指定されている場合,その指定に従って,
タイヤに熱処理を施す。一般的には,複数の異なった熱処理作業を行い,同じタイヤの相当箇所及び同一
ロットからのタイヤの組織の均一性を保証する。
6.6 表面欠陥の除去
6.6.1 許容される補修 熱き裂が発生せず,かつ,寸法公差が維持されるという条件で,チッピング(は
つり),機械加工,又は軽度のグラインダ手入れによって表面の欠陥を除去してよい。
タイヤの成形及び熱処理ののち,6mmを超えないだ(楕)円は,再熱処理せずに冷間でひずみ取りをし
てもよい。
6.6.2 許容されない補修 溶接,ガス流し,加熱,ガウジング,や(冶)金的,電気的又は化学的方法に
よる盛り金など欠陥を隠すための補修は行ってはならない。これらを行った場合は,熱処理ロット全数を
不合格とする。

7. 検査

7.1   責任及び検査の体制
7.1.1 発注者は,製造方法(6.参照)と品質要求事項(5.参照)の遵守を確認するための検査に関し,発
注時に下記のいずれかを選択する。
a) 製造業者の認定部門(1)に委任する。
b) 発注者又は発注者が委任した代理人又は機関の立会いで行う。
発注時に指定されない限り7.1.1a)が適用される。品質要求事項の検査は,表2-1の第2列,第3列又
は表2-2の第2列によるものとする。
注(1) 認定部門とは,製造部門から独立した製造業者の試験及び検査証明部門で,ISO 10474 : 1991に
規定した3.1B形式の検査証明書を発行する権限をもつ部門をいう。
7.1.2 発注者が製造業者の認定部門へ検査を委託した場合でも,発注者の製造管理,試験及び検査方法の
有効性を監視する権利は保有する。
この点において,発注者は製造業者の責任のもとに行ういかなる試験にも立会うことができ,また,検
査記録を検証することができる。
7.2 製造監査
7.2.1 製造監査が製造業者の認定部門の責任であっても,発注者の責任であっても,次の事項を適用する。
7.2.1.1 JIS Z 9901又はJIS Z 9902に関する品質システムの認証を取得していない製造業者は,注文の製
品を完成させるために用いる,主なプロセスについて発注者に通知する。その後,基本的なプロセス変更
を採用する際,それがタイヤの品質に影響を及ぼす可能性のある場合は,その旨発注者に通知し,事前の
承認を得なければならない。
監査が発注者の責任である場合,発注者の代表者は,製造プロセスがこの規格及び事前の合意事項に合
致しているか確認するために,自由に監査できなければならない。

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JIS E 5401-1:1998の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 1005-1:1994(MOD)

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