JIS G 0702:1995 連続鋼材加熱炉の熱勘定方式

JIS G 0702:1995 規格概要

この規格 G0702は、連続鋼材加熱炉の熱勘定の方式について規定。

JISG0702 規格全文情報

規格番号
JIS G0702 
規格名称
連続鋼材加熱炉の熱勘定方式
規格名称英語訳
Method of heat balance for continuous reheating furnace for steel
制定年月日
1961年2月1日
最新改正日
2015年10月20日
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‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

17.200.10, 25.180.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1961-02-01 制定日, 1964-05-01 確認日, 1968-02-01 確認日, 1971-01-01 確認日, 1974-04-01 確認日, 1977-08-01 改正日, 1983-02-01 確認日, 1988-10-01 確認日, 1994-06-01 確認日, 1995-03-01 改正日, 2000-10-20 確認日, 2005-07-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS G 0702:1995 PDF [17]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
G 0702-1995

連続鋼材加熱炉の熱勘定方式

Method of heat balance for continuous reheating furnace for steel

1. 適用範囲 この規格は,連続鋼材加熱炉(以下,炉という。)の熱勘定の方式について規定する。
備考1. この規格は,対象とする炉に供給されるエネルギー量と,出ていくエネルギー量の関係を項
目ごとに求め,これを整理した熱勘定表及び熱効率の結果に基づいて,設備,操業方法など
の評価,見直しを図ることを目的としている。
2. この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. 熱勘定基準 熱勘定を行う場合の基準は,次による。
(1) 熱勘定を実施する時間は,熱勘定の目的によって定めるが,対象鋼材の所定在炉時間の少なくとも2
倍程度が望ましい。
(2) 熱勘定は,鋼材1tについて行う。
(3) 発熱量は,使用時の熱料の低発熱量をとる。
(4) 熱勘定の基準温度は,原則として外気温度とする。
(5) 熱勘定の範囲は,原則として1炉ごとに行い,予熱装置のある場合はこれを含める。
(6) 予熱装置の内部における熱の授受は,循環熱として別個に記録する。
3. 測定方法
3.1 燃料
3.1.1 燃料使用量の測定 気体燃料使用量は,加熱炉の近くで差圧式,面積式などの流量計で測定し,圧
力,温度などによって補正する。
また,液体燃料使用量は,タンク,容積式流量計などで測定し,燃料油の温度で補正された密度をもっ
て質量に換算する。
3.1.2 使用燃料の試料採取,試験,分析及び発熱量の測定 使用燃料の試料採取,試験,分析及び発熱量
の測定は,次による。
JIS K 2205, JIS K 2249, JIS K 2251, JIS K 2270, JIS K 2272, JIS K 2275, JIS K 2279,
JIS K 2283, JIS K 2301, JIS K 2541
3.1.3 燃料の圧力及び温度の測定 燃料の圧力は,流量計前及び燃焼装置前で測定する。
また,燃料の温度は流量計前,予熱装置の入口及び出口並びに燃焼装置前で測定する。
3.2 霧化剤

――――― [JIS G 0702 pdf 1] ―――――

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G 0702-1995
3.2.1 霧化剤の量の測定 霧化剤の量は,差圧式流量計などで測定し,温度及び圧力によって補正する。
ただし,測定できない場合は,概算値を用いてもよいが,この場合は,その旨を付記する。
3.2.2 霧化剤の圧力及び温度の測定 霧化剤の圧力及び温度は,流量計前及び燃焼装置前で測定する。
3.3 燃焼用空気
3.3.1 空気量の測定 空気量は,差圧式流量計,ピトー管などで測定し,圧力,温度などによって補正す
るか又は燃料及び燃焼ガスの成分から算出する。ただし,予熱装置からの熱風放散がある場合は,その放
散量を測定する。
また,酸素富化を行っている場合は,この量も合わせて測定し,温度,圧力などによって補正を行う。
3.3.2 空気の圧力及び温度の測定 空気の圧力は,流量計前及び燃焼装置前で測定する。
また,空気の温度は,流量計前,予熱装置の入口及び出口並びに燃焼装置前で測定する。
3.3.3 空気中の湿度の測定 通風式乾湿温度計によって室内の相対湿度を測定する。
3.4 冷却水
3.4.1 冷却水の温度の測定 冷却水の温度は,炉入口及び出口で測定する。
3.4.2 冷却水の量の測定 冷却水の量は,炉入口又は出口で測定する。
3.5 燃焼ガス
3.5.1 燃焼ガス温度の測定 燃焼ガス温度は,炉尻部,予熱装置入口及び出口で各通路断面の平均ガス温
度を測定する。
また,炉尻部でガス温度を測定する場合は,装入口からの侵入空気の影響のない場所で,原則として吸
引式温度計を用いる。この場合は,その旨を付記する。ただし,炉尻部に適当な測定箇所のない場合は煙
道入口にて測定してもよい。
3.5.2 燃焼ガスの試料採取及び分析 試料の採取は,JIS K 0095による。ただし,試料の採取箇所は,燃
焼ガス温度の測定箇所と同位置で行う。
また,燃焼ガス成分の分析は,次による。
JIS K 0098, JIS K 0301, JIS K 2301
3.6 鋼材
3.6.1 鋼材の質量 各鋼材の質量は,原則としてはかりを用いて測定する。
熱勘定実施時間内においては,装入鋼材質量と抽出鋼材質量が等しいことが望ましいが,これらの質量
が異なる場合は,次式によって算出した鋼材質量を用いて,鋼材1t当たりの計算を行う。
(熱勘定実施時間内の装入鋼材質量と抽出鋼材質量の総和)
鋼材質量=
2
3.6.2 装入鋼材の温度 外気温度を超える鋼材の場合は,表面温度などからその平均温度を推定する。
3.6.3 抽出鋼材の温度 抽出鋼材の温度は,炉内で抽出直前に表面温度を測定して,その平均温度を推定
する。ただし,測定できない場合は,圧延ラインの鋼材温度からの推定値や計算機制御による鋼材の抽出
温度計算値を用いてもよい。この場合は,その旨を付記する。
3.6.4 焼き減り量 測定用鋼材の装入前の質量及び抽出後スケールの除去された質量を実測し,その減量
から焼き減り量を求めるか,又はスケールの厚みと表面積及びスケールの分析値から算定する。
3.7 炉内圧力 炉内圧力計のある場合は,その読みを取る。この場合,圧力計の位置を付記する。ただ
し,圧力計のない場合は圧力の測定を行い,測定位置を付記する。
3.8 炉体各部表面温度 炉体表面温度は,天井,側壁,炉床を表面温度計で測定する。
3.9 測定間隔 各測定値の測定間隔は,記録計によるもの以外は一定時間間隔ごとに行う。

――――― [JIS G 0702 pdf 2] ―――――

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G 0702-1995
その間隔は,操業又は各測定値の変動によって定める。ただし,一般的には変動の少ない場合には30
分,変動の多い場合は1015分とする。
なお,抽出鋼材温度は変動の少ない場合は15分,変動の多い場合は10分とする。
4. 測定前の準備
4.1 時期の計画 炉の能力の測定は,圧延作業が熱勘定実施の目的と合致する時期に行う。ただし,炉
の新設,修理,改造直後を避け,その熱流れが定常状態になってから測定を行う。
4.2 炉体の状態検査 炉体各部を検査し,その測定が行われた炉体状態を記録する。
5. 計算 計算は,測定によって得た数値を用いて熱勘定実施時間内の各項目の平均値を求め,鋼材1t当
たりについて計算する(必要数値は付表24を参照のこと。)。
なお,計算に使用する気体の体積は,温度273k及び圧力101.3kPaの状態における体積とする。
5.1 入熱
5.1.1 燃料の燃焼熱 燃料の燃焼熱(kJ/t鋼材)は,次による。
鋼材1t当たり燃料使用量(kg/t又はm3/t)×単位量当たり燃料低発熱量(kJ/kg又はkJ/m3)
(1) 気体燃料の場合の発熱量 JIS K 2301によって高発熱量Hhを測定し,燃料の各成分ガスの体積分率か
ら低発熱量H1を次式で求める。
また,次式のようにして燃料の各成分ガスの体積分率から低発熱量H1を計算することもできる。
H1(kJ/m3燃料) = [Hh−r× (H2+一 1 000
= (10.79H2+12.63CO+35.80CH4+56.02C2H2+59.04C2H4
+63.72C2H6+85.94C3H6+91.21C3H8+113.4C4H8
+118.6C4H10+141.4C6H6) ×1 000
ここに, H2, CO, CxHy : 燃料1m3に含まれる水素,一酸化炭素,炭化水素
の体積分率(m3/m3燃料)
r : 水蒸気の蒸発の潜熱(25℃において1.96MJ/m3)
(2) 液体燃料の場合の発熱量 JIS K 2279によって高発熱量Hhを測定し,燃料の成分組成から低発熱量
H1を次式で求める。
また,次式のようにして燃料の成分から低発熱量H1の概算値を計算することもできる。
H1(kJ/kg燃料) = [Hh−r× (8.94h+w) ] ×1 000
= (33.8c+122.5h−18.2o+9.42s−2.44w) ×1 000
ここに, c, h, o, s, w : 燃料1kgに含まれる炭素,水素,酸素,硫黄,
水分の質量分率(kg/kg燃料)
r : 水蒸気の蒸発の潜熱(25℃において2.44MJ/kg)
備考 燃料の元素分析を行わない場合,hは次の値とすることができる。
灯油,軽油及び原油の場合は,0.13, 重油の場合は,平均0.12(A重油0.13, B重油0.12, C重
油0.11)とする。
なお,w=0として上式でH1を概算することができる。
5.1.2 燃料の顕熱(他の熱源によって予熱される場合) 燃料の顕熱(kJ/t鋼材)は,次による。
乾き燃料の顕熱(kJ/t鋼材)+燃料中の水分の顕熱(kJ/t鋼材)
(1) 乾き燃料の顕熱 乾き燃料の顕熱(kJ/t鋼材)は,次による。
鋼材1t当たり燃料使用量(kg/t又はm3/t)×[燃料の平均比熱(kJ/kgK又はkJ/m3K)×予熱後
の燃料の温度 (K) −基準温度の燃料の平均比熱(kJ/kgK又はkJ/m3K)×基準温度 (K)]

――――― [JIS G 0702 pdf 3] ―――――

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G 0702-1995
ただし,重油の比熱は1.88kJ/kgKとし,気体燃料の平均比熱は各成分の体積分率から計算する。
(2) 燃料中の水分の顕熱
(a) 気体燃料の場合 気体燃料中の水蒸気の顕熱(kJ/t鋼材)は,次による。
鋼材1t当たり燃料中の水蒸気量 (m3/t) ×[水蒸気の平均比熱 (kJ/m3K) ×予熱後の燃料の温
度 (K) −基準温度の水蒸気の平均比熱 (kJ/m3K) ×基準温度 (K)]
燃料中の水蒸気量 (m3/t) は,次による。
燃料使用量 (m3/t) ×燃料中の水分量(m3/m3燃料)
燃料中の水分量(m3/m3燃料)は,次による。
・Psf
燃料1 m3× f
pt 100 ・
f Psf
ここに, 替 燃料の相対湿度 (%)
なお,副生ガス燃料の場合は100%とする。
Psf : 予熱前燃料温度における飽和蒸気圧 (Pa)
Pf : 予熱前燃料圧力 (Pa)
なお,燃料中の水分量を実測する場合は,実測した水分量から,燃料中の水蒸気量 (m3/t) を計算
する。
備考1. 気体燃料中の水分量の実測は,JIS K 2301に準じる。
2. 副生ガス燃料とは,高炉ガス,転炉ガス,コークス炉ガスなどを示す。
(b) 液体燃料の場合 液体燃料中の水分の顕熱(kJ/t鋼材)は,次による。
鋼材1t当たり燃料中の水分量 (kg/t) ×水の比熱 (kJ/kgK) ×[予熱後の燃料の温度 (K) −基
準温度 (K)]
燃料中の水分量 (kg/t) =燃料使用量 (kg/t) ×w
ここに, w : 燃料中の水分の質量分率(kg/kg燃料)
備考 液体燃料中の水分量の実測は,JIS K 2275に準じる。
5.1.3 燃焼用空気の顕熱(他の熱源によって予熱される場合) 燃焼用空気の顕熱(kJ/t鋼材)は,次に
よる。
燃焼用乾き空気の顕熱(kJ/t鋼材)+酸素の顕熱(kJ/t鋼材)+燃焼用空気中の水分の顕熱(kJ/t鋼材)
なお,酸素の顕熱の項は燃焼用空気へ酸素富化する場合に適用する。
(1) 燃焼用乾き空気の顕熱 燃焼用乾き空気の顕熱(kJ/t鋼材)は,次による。
鋼材1t当たり燃焼用乾き空気量 (m3/t) ×[予熱後の燃焼用空気の平均比熱 (kJ/m3K) ×予熱後
の燃焼用空気温度 (K) −基準温度の燃焼用空気の平均比熱 (kJ/m3K) ×基準温度 (K)]
(1.1) 酸素富化しない場合 燃焼用乾き空気量は,次による。
(a) 気体燃料の場合
燃焼用乾き空気量A(m3/t鋼材)=mA0×燃料使用量(m3/t鋼材)
理論空気量A0(m3/m3燃料)= [1/2 (H2+CO) + x+y/4) xHy−O2] /0.21
1
m=
[O2 ][O2 ]
1 .376
[N2 ] N2・D
によって求める。
ここに, m : 空気比

――――― [JIS G 0702 pdf 4] ―――――

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G 0702-1995
H2, CO, CxHy, N2, O2 : 燃料1m3に含まれる水素,一酸化炭素,炭化水
素,窒素,酸素の体積分率(m3/m3燃料)
[H2], [CO], [CO2], [Cx Hy ], [O2], [N2] : 乾き排ガス1m3に含まれる水素,一酸化炭素,
二酸化炭素,炭化水素,酸素,窒素の体積分率
(m3/m3乾き排ガス)
[O0] : 乾き排ガス1m3に含まれる未燃分を完全燃焼さ
せるのに要する理論酸素量(m3/m3乾き排ガス)
[O0] =1/2 [H2] +1/2 [CO] + x +y /4)
[Cx Hy ]
D : 乾き排ガス1m3に相当する気体燃料量(m3/m3
乾き排ガス)
[CO] [CO2 ] x['Cx' Hy]
D=
CO CO2 xCxHy
(b) 液体燃料の場合
燃焼用乾き空気量A(m3/t鋼材)=mA0×燃料使用量(kg/t鋼材)
理論空気量A0(m3/kg燃料)= [c/12+ (h−o/8) /4+s/32] ×22.4/0.21
1
m=
[O2 ][O0 ]
1 .376
[N2 ] 8.0n・D
によって求める。
ここに, c, h, s, n, o : 燃料1kgに含まれる炭素,水素,硫黄,窒素,酸
素の質量分率(kg/kg燃料)
D : 乾き排ガス1m3に相当する液体燃料量(kg/m3乾
き排ガス)すなわち,
[CO] [CO2 ] x['Cx' Hy]'
D=
.1867 c
ただし,オルザット法で乾き排ガス分析を行う場合は,次による。
[CO] [CO2 ] x['Cx' Hy]'
D=
.1867 c 7.0s
備考 液体燃料の成分分析をしない場合には,その発熱量から次の式で理論空気量Aoを概算するこ
とができる。
1H
A=
0 .296 .136 (m3/kg燃料)
10 000
ここに, H1 : 燃料低発熱量(kJ/kg燃料)
(1.2) 酸素富化する場合 燃焼用乾き空気量は,次による。
(a) 気体燃料の場合
燃焼用乾き空気量A(m3/t鋼材)=mA0×燃料使用量 (m3/t) −酸素富化量 (m3/t)
理論空気量A0(m3/m3燃料)= [1/2 (H2+CO) + x+y/4) xHy−O2] /Oe
1
m=
1 Oe [O2 ][O2 ]
1
Oe [N2 ] N2・D
によって求める。
ここに, Oe : 燃焼用空気1m3に含まれる酸素の体積分率
なお,酸素富化量を実測していない場合は,次の式で算出することができる。

――――― [JIS G 0702 pdf 5] ―――――

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