JIS G 0803:2015 溶接鋼管溶接部のフィルム式放射線透過検査方法 | ページ 2

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G 0803 : 2015
る。
5.4 蛍光増感紙
通常,蛍光増感紙(salt intensifying screen)は,用いない。
5.5 後方散乱及び内部散乱
後方散乱X線及び内部散乱X線の量は,最小限になるようにしなければならない。
後方散乱X線の防御が不完全と思われる場合,特殊記号(通常,高さ10 mm,厚さ1.5 mmの“B”の鉛
文字)をカセット又はフィルムホルダの裏に付け,放射線透過写真を通常の方法で撮影する。この記号の
像が,バックグラウンドよりも白く放射線透過写真上に現れる場合は,後方散乱X線の防御が不完全であ
り,追加の予防策が必須である。
5.6 放射線照射の方向
放射線照射の方向は,試験する溶接シーム部の中心を向き,かつ,管表面に垂直な方向でなければなら
ない。
5.7 試験部の有効長さ
試験部の有効長さは,有効長さの両端において,透過する厚さの増加が,5.11及び箇条8で規定された
条件が悪化しないように,像質クラスAでは,20 %(1.2倍),像質クラスBでは,10 %(1.1倍)を超え
ない範囲としなければならない。
5.8 撮影方法
撮影は,単壁法3)(single wall penetration)を用いる。単壁法を適用できない鋼管の寸法の場合では,受
渡当事者間の協定によって,二重壁法(double wall penetration)を用いてもよい。
注3) 単壁法とは,JIS Z 2300の内部線源撮影方法又は内部フィルム撮影方法が該当する。
5.9 フィルムと溶接部との間隔
フィルムと溶接部との間隔は,できる限り小さくしなければならない。
5.10 線源と溶接部表面との距離
線源と溶接部表面との距離fの最小値は,実効焦点寸法dとの比f/dによって求める。f/dは,次の式(1)
及び式(2)による。
像質クラスA
f
≧ 5.7b3/2 (1)
d
像質クラスB
f 3/2
≧ 15b (2)
d
ここに, b : 線源側の溶接部表面とフィルム表面との距離(mm)
d : 実効焦点寸法(mm)
f : 線源と溶接部表面との距離(mm)
図1に,この関係を示す。
5.11 露出条件
露出条件は,試験を行う部位の健全な溶接金属の透過写真のフィルム濃度が,像質クラスBでは,2.3
以上,像質クラスAでは,2.0以上になるようにしなければならない。かぶり濃度4) は,0.3を超えてはな
らない。
注4) かぶり濃度は,未露光のフィルムを現像したときの全体の濃度[支持体(ベース)の着色濃度

――――― [JIS G 0803 pdf 6] ―――――

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及び感光乳剤の濃度を合わせたもの]である。
5.12 X線管電圧
十分な感度を維持するため,X線管電圧は,図2に示す最大値を超えてはならない。
注記 実効焦点寸法dの値と線源側溶接部表面とフィルム表面との距離bの値を直線で結び,像質クラスA又は像質
クラスBの線源と溶接部表面との最小距離fminの値を読み取る。
図1−線源側溶接部表面とフィルム表面との距離b及び実効焦点寸法dと,
線源と溶接部表面との最小距離fminとの関係

――――― [JIS G 0803 pdf 7] ―――――

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X 透過厚さ,mm
Y X線電圧,kV
図2−500 kVまでのX線装置に対する,透過厚さを因子とした最大X線電圧

6 像質

6.1   像質及び透過度計
像質(Image quality)は,受渡当事者間の合意によって,ISO 19232-1,ISO 19232-2又はJIS Z 2306に規
定されたタイプの軟鋼製の透過度計を用いて測定する。針金形透過度計は,溶接部に隣接する線源側母材
部に少なくとも10 mmの針金長さが示されるように配置しなければならない。また,有孔階段形透過度計
は,溶接部近傍の線源側母材部の表面に配置しなければならない(図3及び図4参照)。有孔階段形透過
度計に代えて,有孔形透過度計を用いてもよい。
線源側の表面に配置できない場合は,透過度計は,フィルム側に配置する。この場合,“F”の文字を透
過度計の近くに配置し,手順を変更したことを試験報告に記録する。
透過度計の最小識別線径及び穴径は,溶接部近傍の母材部で評価し,表1表4の規定を満足しなけれ
ばならない。
注記 詳細は,ISO 19232-1,ISO 19232-2及びISO 17636-1に規定されている。

――――― [JIS G 0803 pdf 8] ―――――

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a) 針金形
b) 有孔階段形
1 ビームの中心
2 針金形透過度計 : 最も細い線をビームの中心から離して配置(有効長の両端付近)
3 有孔階段形透過度計 : 最も薄い段をビームの中心から離して配置
4 外側の余盛
5 鋼管壁
6 内側の余盛
a 試験部の有効長さ
図3−透過度計の位置

――――― [JIS G 0803 pdf 9] ―――――

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a) 針金形
b) 有孔階段形
c) 有孔形
図4−透過度計のタイプ

――――― [JIS G 0803 pdf 10] ―――――

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JIS G 0803:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10893-6:2011(MOD)

JIS G 0803:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 0803:2015の関連規格と引用規格一覧