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G 5505 : 2020
注記 この用語は,“検査ロット”又は“試験ロット”とも呼ぶことがある。
4 種類及び種類の記号
鋳鉄品は5種類とし,種類の記号は表1による。
表1−種類の記号
種類の記号
FCV 300
FCV 350
FCV 400
FCV 450
FCV 500
別鋳込み試験片の場合には,種類の記号の末尾に“/S”を付記する。
共込め試験片又は本体付き試験片の場合には,種類の記号の末尾に“/U”を付記する。
切出し試験片の場合には,種類の記号の末尾に“/C”を付記する。
注記1 鋳鉄品の性質及び用途例を,附属書Cに示す。
注記2 JIS,ISO規格及び主要な外国規格における種類の記号の対比表を,附属書Dに示す。
5 注文情報
注文者は,次の情報を製造業者に開示する。
a) 表1に示す鋳鉄品の種類の記号
b) 受渡当事者間で協定した箇条7に規定する要求事項
注文は,a) 及びb) の注文情報に関する受渡当事者間の協定によって確定する。
6 製造業者の責務
鋳鉄品の製造方法及び熱処理方法は,注文者による指定がない限り,全て製造業者の判断による。
7 要求事項
7.1 一般
引張特性の値は,鋳鉄品と同一の鋳型又は同じ熱特性をもつ鋳型で鋳造した鋳鉄品に適用する。この値
は,受渡当事者間の協定によって,類似した熱特性をもつ鋳型によって鋳造した鋳鉄品にも適用できる。
種類の記号は,対象肉厚で鋳造した鋳造供試材で得られる引張特性の最小値に基づく。この指定には,
鋳造供試材の種類は,関係ない。
11.1の引張試験を行い,表2を満足する機械的性質を引張特性という。これらを除く性質を,特定の機
械的性質という。
対象肉厚が200 mmを超える場合,引張特性の最小値,鋳造供試材の種類,寸法及びミクロ組織に規定
する要求事項は,受渡当事者間の協定による。
統計的解析方法を用いて,引張特性の規定値を満足するための工程能力を確立することが望ましい。
7.2 引張特性
鋳造試験片の引張特性は,10.2による試験片を用いて,11.1によって試験を行い,表2を満足しなけれ
ばならない。
切出し試験片の引張特性は,10.3による試験片を用いて,11.1によって試験を行い,その結果の判定は,
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受渡当事者間の協定による(附属書A参照)。
注記1 鋳鉄品の引張特性は,鋳鉄品の形状の複雑さ,それらの断面の厚さ及び冷却速度の変動によ
って変化する。
注記2 切出し試験片は,別鋳込み試験片よりも冷却速度が遅いことが多いため,断面の厚さ及びミ
クロ組織が類似していても,引張強さは低くなる場合がある。
注記3 鋳鉄品の引張特性は,鋳鉄品の部分的な きず によっても,影響を受ける。
表2−鋳造試験片の引張特性の最小値
種類の記号 肉厚 引張強さ 0.2 %耐力 破断伸び
t Rm Rp0.2 A
mm MPa MPa %
t≦12.5 300 210 2.0
12.5FCV 300
3060 t≦12.5 350 245 1.5
12.5FCV 350
3060 t≦12.5 400 280 1.0
12.5FCV 400
3060 t≦12.5 450 315 1.0
12.5FCV 450
3060 t≦12.5 500 350 0.5
12.5FCV 500
3060 注記1 鋳造試験片の引張特性は,必ずしも鋳鉄品自体の特性を正確に反映していない。鋳鉄品の引
張特性の値を,指針値として表A.1に示す。
注記2 肉厚部の引張特性の減少割合は,鋳鉄品の形状及び冷却状態に依存する。
7.3 硬さ
鋳鉄品の硬さは,ブリネル硬さとし,11.2によって試験を行い,その結果は,受渡当事者間の協定によ
る(附属書A参照)。ただし,受渡当事者間の協定によって他の硬さを適用してもよい。
7.4 ミクロ組織
7.4.1 黒鉛形状
黒鉛形状の試験は,11.3.1によって試験を行い,次による。
a) 式(JA.1)によって求めた場合,黒鉛球状化率は,20 %以上,40 %未満とする。ただし,最大黒鉛球状
化率は,50 %以下であれば,受渡当事者間の協定によって,その範囲を変更してもよい。
b) 式(B.2)によって求めた場合,黒鉛球状化率は,20 %以下とする。ただし,最大黒鉛球状化率は,30 %
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以下であれば,受渡当事者間の協定によって,その範囲を変更してもよい。
c) 鋳鉄品中の該当する対象肉厚の二次元研磨平面上で,観察する全黒鉛粒子において,丸み係数で,10 %
を超え,55 %以下のCV黒鉛粒子数の割合が80 %を超え,かつ,55 %を超える黒鉛粒子数の割合が
20 %未満であることが望ましい。
なお,丸み係数が10 %以下の片状黒鉛粒子は,鋳鉄品の表層部を除いて存在してはならない。
7.4.2 基地組織
注文者から指定がある場合,11.3.2によって試験を行い,受渡当事者間で協定した基地組織を満足しな
ければならない。
7.4.3 顕微鏡組織
注文者から指定がある場合,11.3.3によって試験を行い,受渡当事者間で協定したミクロ組織を満足し
なければならない。
7.5 特定の機械的性質
注文者から指定がある場合,11.4によって試験を行い,受渡当事者間で協定した性能項目の性能値を満
足しなければならない(附属書A参照)。
7.6 物理的性質
注文者から指定がある場合,11.5によって試験を行い,受渡当事者間で協定した性能項目の性能値を満
足しなければならない(附属書A参照)。
7.7 内部の健全性
鋳鉄品内部の健全性は,11.6によって試験を行い,使用上不合格となる きず(以下,欠陥という。)が
あってはならない。鋳鉄品内部の健全性の合否判定基準については,受渡当事者間の協定による。
注記 きず及び欠陥の定義は,JIS Z 2300参照。
7.8 形状,寸法,寸法公差,削り代,抜け勾配及び質量
注文者又は製造業者は,図面によって鋳鉄品の形状及び寸法を指定する。寸法公差,削り代及び抜け勾
配は,特に指定がない場合,JIS B 0403による。鋳鉄品の質量は,受渡当事者間の協定による。
7.9 外観
鋳鉄品の外観は,11.7によって試験を行い,欠陥があってはならない。鋳鉄品の外観の合否判定基準は,
受渡当事者間の協定による。
8 供試材の採取
8.1 供試材
8.1.1 一般
製造業者は,製造している鋳鉄品を代表する供試材を,その鋳鉄品の試験単位ごとに鋳造しなければな
らない。供試材は,引張試験,硬さ試験,ミクロ組織試験,特定の機械的性質試験及び物理的性質試験に
用いることができる。
a) 引張試験に用いる供試材は,鋳鉄品の対象肉厚に応じて,別鋳込み供試材,共込め供試材,本体付き
供試材又は切出し供試材のいずれかとする。ただし,供試材の種類は,受渡当事者間の協定によって
決定する。受渡当事者間の協定がない場合,製造業者が供試材の種類を選択してもよい。
b) 鋳鉄品の質量が2 000 kgを超え,かつ,対象肉厚が60 mmを超える場合,受渡当事者間の協定によっ
て,本体付き供試材又は切出し供試材を使用することが望ましい。受渡当事者間の協定がない場合,
製造業者が供試材の種類を選択する。
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c) 供試材の採取時期は,共込め供試材及び本体付き供試材の場合は,試験単位の最後に注湯した鋳型か
ら採取することが望ましい。別鋳込み供試材の場合は,試験単位の最後の鋳型に注湯した後,別の鋳
型で採取することが望ましい。
d) 供試材の寸法公差は,JIS B 0403の表A.1(長期間製造する鋳放し鋳造品に対する公差等級)による。
e) インモールド法で行う場合,別鋳込み供試材は避けることが望ましい。
f) 供試材の熱処理は,箇条9による。
g) 予備の供試材は,再試験を考慮して少なくとも1個以上準備することが望ましい。
h) 全ての供試材には,その代表となる鋳鉄品とのトレーサビリティを保証するために,適切なマーキン
グを施さなければならない。
8.1.2 供試材の採取頻度
供試材の採取は,製造業者が工程内品質保証手順に従った頻度で実施しなければならない。工程内品質
保証手順の規定がない場合,受渡当事者間の協定による。
8.1.3 鋳造供試材
8.1.3.1 別鋳込み供試材
別鋳込み供試材は,同じ試験単位の鋳鉄品を同じ製造方法で,別の鋳型に鋳造する。これは,同時に鋳
造した全ての鋳鉄品を代表する。
別鋳込み供試材の採取方法は,次による。
a) 供試材は,鋳鉄品の鋳造用鋳型と同じ熱特性をもつ鋳型を使用して鋳造する。
b) 供試材は,鋳鉄品と同じ条件を再現する適切な鋳造方案によって鋳造する。
c) 供試材の形状は,表3表5のいずれかを選択し,その寸法は,それぞれの表の中のいずれか一つと
する。
d) 供試材の型ばらし温度は,鋳鉄品の型ばらし温度と同じとし,500 ℃を超えてはならない。
8.1.3.2 共込め供試材
共込め供試材は,鋳鉄品本体の湯道に接続して鋳造する。これは,同時に鋳造した全ての鋳鉄品を代表
する。
共込め供試材の採取方法は,次による。
a) インモールド法で行う場合,供試材は,鋳鉄品と同じ湯道に接続して鋳造する。
b) 供試材の形状は,表3表5のいずれかを選択し,その寸法は,それぞれの表の中のいずれか一つと
する。
8.1.3.3 本体付き供試材
本体付き供試材は,鋳鉄品本体に接続して鋳造する。これは,その供試材を取り付けている全ての鋳鉄
品及び同じ試験単位の対象肉厚をもつその他全ての鋳鉄品を代表する。
本体付き供試材の採取方法は,次による。
a) 供試材の採取箇所は,受渡当事者間の協定による。
b) 供試材の寸法は,表6に示すA号D号のいずれかとする。
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表3−別鋳込み供試材又は共込め供試材の寸法(Y形供試材)
単位 mm
寸法 各種類の大きさ
A号 B号 C号 D号
a 12.5 25 50 75
b a) 40 55 100 125
c 25 40 50 65
d a) 135 140 150 175
l b) 採用する試験片の長さによって決める。
供試材の鋳型厚さは,A号及びB号では40 mm以上,C号及びD号では80 mm以上が望ましい。
受渡当事者間の協定に基づき,薄肉鋳造品及び金型鋳造品において,引張特性は供試材の厚さa
が12.5 mm未満の鋳造試験片で評価してもよい。
注a) 寸法及びd寸法は,参考値である。
b) 試験片の寸法は,JIS Z 2241の14A号試験片又は4号試験片が採取できる寸法とする。
表4−別鋳込み供試材又は共込め供試材の寸法(U形供試材)
a) 号,B1号,C号及びD号 b) 2号
単位 mm
寸法 各種類の大きさ
A号 B1号 B2号 C号 D号
a 12.5 25 25 50 75
b a) 40 55 90 90 125
c 30 40 40又は50 60 65
d a) 80 100 100 150 165
R 5
l b) 採用する試験片の長さによって決める。
供試材の鋳型厚さは,40 mm以上が望ましい。
注a) 寸法及びd寸法は,参考値である。
b) 試験片の寸法は,JIS Z 2241の14A号試験片又は4号試験片が採取できる寸法とする。
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JIS G 5505:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16112:2017(MOD)
JIS G 5505:2020の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 5505:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0403:1995
- 鋳造品―寸法公差方式及び削り代方式
- JISG0201:2000
- 鉄鋼用語(熱処理)
- JISZ2241:2011
- 金属材料引張試験方法
- JISZ2243-1:2018
- ブリネル硬さ試験―第1部:試験方法
- JISZ2300:2009
- 非破壊試験用語
- JISZ2300:2020
- 非破壊試験用語