JIS G 5505:2020 CV黒鉛鋳鉄品 | ページ 5

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G 5505 : 2020
図B.2−三次元形状のCV黒鉛粒子について,二次元形状となる切断面を示す例
(アルゴンヌ国立研究所提供)
B.8 黒鉛球状化率
B.8.1 黒鉛球状化率の式
黒鉛球状化率は,式(B.2)によって黒鉛粒子の面積を基準にして計算する。
Ano 5.0 Ain
黒鉛球状化率(%) 100 (B.2)
Aall
ここに, Ano : 球状黒鉛粒子の面積
Ain : 中間黒鉛粒子の面積
Aall : 最大軸長が10 μm以上の全黒鉛粒子の面積
B.8.2 代表的な鋳鉄品のミクロ組織の一例
鋳鉄品のミクロ組織(黒鉛球状化率が5.7 %,10.9 %,14.2 %及び21.5 %)の一例を,図B.3に示す。
a) 黒鉛球状化率 5.7 % b) 黒鉛球状化率 10.9 %
図B.3−鋳鉄品のミクロ組織の例

――――― [JIS G 5505 pdf 21] ―――――

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c) 黒鉛球状化率 14.2 % d) 黒鉛球状化率 21.5 %
図B.3−鋳鉄品のミクロ組織の例(続き)
B.8.3 異なる丸み係数をもつ黒鉛粒子の一例
異なる丸み係数をもつ黒鉛粒子の一例を,図B.4に示す。
丸み係数(η)の範囲 異なる丸み係数をもつ黒鉛粒子 黒鉛形態
0.8<η≦1.0
球状黒鉛粒子
0.625<η≦0.8
0.525<η≦0.625 中間黒鉛粒子
0.4<η≦0.525
0.1<η≦0.4
CV黒鉛粒子
η≦0.1
図B.4−黒鉛粒子の丸み係数と黒鉛形態との関係の例

――――― [JIS G 5505 pdf 22] ―――――

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附属書C
(参考)
鋳鉄品の性質及び用途例
鋳鉄品の性質及び用途例を,表C.1に示す。
表C.1−鋳鉄品の性質及び用途例
種類の記号 性質 用途例
エキゾーストマニホールド
高い熱伝導率,低い弾性係数及び熱応力の蓄
積が最も小さい性質をもつ。 船舶及び定置式エンジン用シリンダヘッド
FCV 300 フェライトが支配的であるミクロ組織の場
合,高温環境下での黒鉛粒子の成長が最も小
さい性質をもつ。
エキゾーストマニホールド
優れた延性のため,合金ねずみ鋳鉄品より高
い引張強さをもつ。 船舶及び定置式ディーゼルエンジン用シリンダ
ブロック及びヘッド
球状黒鉛鋳鉄品より優れた鋳造性,方案歩留
FCV 350
まり及び切削性をもつ。 台板
ブラケット及び連結器
インゴット用鋳型
自動車用シリンダブロック及びヘッド
引張強さ,曲げ剛性及び高い熱伝導率並びに
優れた摩耗抵抗をもつ。 台板,ブラケット及び連結器
FCV 400 トラック用ブレーキドラム
ポンプ,ハウジング及び油圧部品
インゴット用鋳型
機械加工性は劣るものの,FCV 400より高い自動車用シリンダブロック及びヘッド
引張強さ,曲げ剛性及び摩耗抵抗をもつ。 シリンダライナ
FCV 450
列車用ブレーキディスク
ポンプ,ハウジング及び油圧部品
自動車用高強度シリンダブロック
最も高い引張強さ,最も低い延性,最も高い
FCV 500
摩耗抵抗及び最も低い切削性をもつ。 シリンダライナ

――――― [JIS G 5505 pdf 23] ―――――

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附属書D
(参考)
JIS,ISO規格及び外国規格における種類の記号の対比表
JIS,ISO規格及び外国規格における種類の記号の対比表を,表D.1に示す。
表D.1−JIS,国際規格及び外国規格における種類の記号の対比表
JIS G 5505:2020 ISO 16112 ASTM A842-11 EN 16079 GB/T 26655-2011 SAE J1887
FCV 300 ISO 16112/JV/300 300 EN-GJV-300 RuT300A C300
FCV 350 ISO 16112/JV/350 350 EN-GJV-350 RuT350A C350
FCV 400 ISO 16112/JV/400 400 EN-GJV-400 RuT400A C400
FCV 450 ISO 16112/JV/450 450 EN-GJV-450 RuT450A C450
FCV 500 ISO 16112/JV/500 − EN-GJV-500 RuT500A −

――――― [JIS G 5505 pdf 24] ―――――

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附属書JA
(規定)
黒鉛粒子数を用いた鋳鉄品の黒鉛球状化率の評価
JA.1 丸み係数
丸み係数(η)は,B.5による。
JA.2 黒鉛球状化率の測定方法
JA.2.1 一般
黒鉛粒子の分類は,通常,切断面を研磨した試料を光学顕微鏡に附属する画像解析装置(以下,画像解
析装置という。)による測定によって決定する。正確な測定を行うためには,試料の試験面は,黒鉛粒子の
真の大きさ及び形状を安定して評価できるまで研磨する。
JA.2.2 画像解析装置による測定
画像解析装置による黒鉛球状化率の算出方法は,次による。
a) 黒鉛粒子は,表JA.1に示す画像解析による丸み係数の範囲によって分けられる丸み係数の区分に基づ
いて,IVに分類する。
b) 黒鉛球状化率は,一般に,切断した試料の研磨面を約100倍の倍率の顕微鏡視野画像で測定する。
なお,この黒鉛球状化率は,他の倍率の視野画像で測定してもよい。
c) 測定は,均一照度の照明の下で行う。
d) 視野面積は,4 mm2以上の領域が望ましい。そのため,画像の解像度,測定倍率,黒鉛粒子の粒径,
炭素当量などの条件を考慮して,測定視野数は5視野以上とする。
e) 画像データの1ピクセルサイズは,1 μm未満とする。
f) 測定する黒鉛粒子の最大軸長は,10 μm以上とする。
g) 5視野以上の顕微鏡視野で,a) によって分類した丸み係数の区分に属する黒鉛粒子の個数を合算し,
式(JA.1)によって黒鉛球状化率を算出する。
0.0 nI 0.3nII 0.7 nIII0.9 nIV 1.0nV
Nsg 100 (JA.1)
n
ここに, Nsg : 黒鉛球状化率(%)
ni : 丸み係数の区分iに属する黒鉛粒子数(i=IV)
n : 最大軸長が10 μm以上の全黒鉛粒子数
h) 受渡当事者間の協定によって,5視野以上の顕微鏡視野の黒鉛球状化率を式(JA.1)によってそれぞれ算
出し,その平均値を黒鉛球状化率としてもよい。
表JA.1−丸み係数による黒鉛粒子の分類
丸み係数の区分 画像解析による 係数
(i) 丸み係数(η)の範囲
I 0.00<η≦0.20 0.0
II 0.20<η≦0.40 0.3
III 0.40<η≦0.70 0.7
IV 0.70<η≦0.80 0.9
V 0.80<η≦1.00 1.0

――――― [JIS G 5505 pdf 25] ―――――

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JIS G 5505:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 16112:2017(MOD)

JIS G 5505:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 5505:2020の関連規格と引用規格一覧