JIS G 5505:2020 CV黒鉛鋳鉄品 | ページ 4

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再試験を行う場合は,次による。
a) 再試験は,11.1によって,2回行う。
b) 2回の再試験結果が,7.2に適合する場合は,鋳鉄品は,この規定に適合するとみなす。
c) 2回の再試験結果のうち一つでも7.2に適合しない場合は,鋳鉄品は,この規定に適合しないとみなす。

13 適合しない鋳鉄品の熱処理

13.1 一般

  適合しない鋳鉄品は,廃却の指定がない限り,8.1.1に示す予備の供試材を用いて,13.2又は13.3の熱処
理を行い,13.4の再試験を行うことができる。熱処理及び再試験を行うことができる鋳鉄品は,次による。
a) 11.1の結果が7.2に適合しない,又は11.2の結果が7.3に適合しない鋳放し鋳鉄品。
b) 11.1の結果が7.2に適合しない,又は11.2の結果が7.3に適合しない原因が熱処理によるものと認め
た熱処理した鋳鉄品。

13.2 鋳放し鋳鉄品の熱処理

a) 製造業者は,鋳鉄品及び8.1.1に示す予備の供試材に,箇条9の熱処理を行うことができる。
b) 熱処理の回数は,2回までとする。

13.3 熱処理した鋳鉄品の再熱処理

a) 製造業者は,鋳鉄品及び8.1.1に示す予備の供試材に,箇条9の熱処理を行うことができる。
b) 再熱処理の回数は,2回までとする。

13.4 熱処理した鋳鉄品の再試験

  13.2又は13.3の熱処理した鋳鉄品の11.1の結果が7.2に適合する場合,又は11.2の結果が7.3に適合す
る場合,この規格に適合しているとする。

14 検査

  鋳鉄品の検査は,次による。
a) 引張特性は,7.2に適合しなければならない。
b) 硬さは,7.3に適合しなければならない。
c) 黒鉛形状は,7.4.1に適合しなければならない。
d) 基地組織は,7.4.2に適合しなければならない。
e) 顕微鏡組織は,7.4.3に適合しなければならない。
f) 特定の機械的性質は,7.5に適合しなければならない。
g) 物理的性質は,7.6に適合しなければならない。
h) 内部の健全性は,7.7に適合しなければならない。
i) 形状,寸法,寸法公差,削り代,抜け勾配及び質量は,7.8に適合しなければならない。
j) 外観は,7.9に適合しなければならない。

15 表示

  鋳鉄品の表示は,製品又は包装ごとに次の事項を表示する。ただし,注文者の承認を得た場合は,その
一部を省略することができる。
a) この規格の番号
b) 種類の記号

――――― [JIS G 5505 pdf 16] ―――――

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c) 製造番号又はその略号
d) 製造業者名又はその略号

16 報告

  製造業者は,注文者の要求がある場合,種類の記号,製造番号,製造業者名並びに試験結果及びその試
験方法を記載した試験成績書を提出する。

――――― [JIS G 5505 pdf 17] ―――――

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附属書A
(参考)
鋳鉄品の機械的性質及び物理的性質
表A.1−鋳鉄品の機械的性質及び物理的性質
項目 単位 温度 種類の記号
FCV 300 FCV 350 FCV 400 FCV 450 FCV 500
23 ℃ 300375 350425 400475 450525 500575
引張強さ,Rm a) MPa 100 ℃ 275350 325400 375450 425500 475550
400 ℃ 225300 275350 300375 350425 400475
23 ℃ 210260 245295 280330 315365 350400
0.2 %耐力,Rp0.2 a) MPa 100 ℃ 190240 220270 255305 290340 325375
400 ℃ 170220 195245 230280 265315 300350
23 ℃ 2.05.0 1.54.0 1.03.5 1.02.5 0.52.0
破断伸び,A a) % 100 ℃ 1.54.5 1.53.5 1.03.0 1.02.0 0.51.5
400 ℃ 1.04.0 1.03.0 1.02.5 0.51.5 0.51.5
23 ℃ 130145 135150 140150 145155 145160
縦弾性係数a), b) GPa 100 ℃ 125140 130145 135145 140150 140155
400 ℃ 120135 125140 130140 135145 135150
ブリネル硬さ 23 ℃ 140210 160220 180240 200250 220260
回転曲げ疲労試験 23 ℃ 0.500.55 0.470.52 0.450.50 0.450.50 0.430.48
疲労限度比c) 引張圧縮疲労試験 23 ℃ 0.300.40 0.270.37 0.250.35 0.250.35 0.200.30
3点曲げ疲労試験 23 ℃ 0.650.75 0.620.72 0.600.70 0.600.70 0.550.65
ポアソン比 0.250.30 0.250.30 0.250.30 0.250.30 0.250.30
密度 g/cm3 7.07.2 7.07.2 7.07.2 7.07.2 7.07.2
23 ℃ 47 43 39 38 36
熱伝導率 W/(mK) 100 ℃ 45 42 39 37 35
400 ℃ 42 40 38 36 34
100 ℃ 11 11 11 11 11
熱膨張係数 μm/(mK)
400 ℃ 12.5 12.5 12.5 12.5 12.5
G5
比熱 J/(gK) 100 ℃ 0.475 0.475 0.475 0.475 0.475
50
注a) 肉厚25 mm
5 : 2
b) セカント弾性係数(200 MPa及び300 MPaの2点間で測定した弾性係数)
0
c) 疲労限度比=疲労限度/引張強さ
20
2

――――― [JIS G 5505 pdf 18] ―――――

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附属書B
(規定)
黒鉛粒子の面積を用いた鋳鉄品の黒鉛球状化率の評価
B.1 鋳鉄品の黒鉛粒子の黒鉛球状化率
鋳鉄品の黒鉛球状化率は,主に球状(ISO 945-1の形状VI)又は球状に近い黒鉛粒子(ISO 945-1の形状
V及び形状IV)の面積百分率として表す。
B.2 黒鉛球状化率に影響を及ぼす要因
黒鉛球状化率は,鋳鉄品の製造方法(鋳鉄の性質,残留マグネシウム含有量,接種量など)だけでなく,
測定する断面の冷却速度にも依存する。さらに,通常,鋳型と接触して一部の黒鉛形状が片状になること
が知られており,鋳鉄品の表層部においても,ある程度の片状黒鉛粒子が認められる。
B.3 黒鉛球状化率の測定
黒鉛球状化率は,一般に,切断した試料の研磨面を約100倍の倍率の顕微鏡視野画像で測定する。正確
な測定を行うためには,試験片の研磨面が黒鉛粒子の真の寸法及び形状を評価するのに十分な品質である
ことを必要とする。球状化は,目視計測,チャート比較,半自動画像解析又は全自動画像解析によって測
定する。
B.4 画像解析装置による測定
画像解析装置による黒鉛球状化率の算出方法は,次による。
a) 黒鉛球状化率は,一般に,切断した試料の研磨面を約100倍の倍率の顕微鏡視野画像で測定する。
なお,この黒鉛球状化率は,他の倍率の視野画像で測定してもよい。
b) 測定は,均一照度の照明の下で行う。
c) グレースケールしきい(閾)値は,全ての黒鉛粒子が明確に判別できるように設定する。
d) 視野面積は,4 mm2以上の領域が望ましい。そのため,画像の解像度,測定倍率,黒鉛粒子の粒径,
炭素当量などの条件を考慮して,測定視野数は5視野以上とする。
e) 画像データの1ピクセルサイズは,1 μm未満が望ましい。
f) 測定する黒鉛粒子の最大軸長は,10 μm以上とする。
B.5 丸み係数
丸み係数(η)は,式(B.1)で定義し,画像解析による黒鉛球状化率測定の基礎とする。
A 4 A
2
(B.1)
Am lm
ここに, Am : 直径lmの円の面積
A : 対象となる黒鉛粒子の面積
lm : 対象となる黒鉛粒子の最大軸長(黒鉛粒子の外周上の2
点間の最大距離)
図B.1に式(B.1)に用いた各因子を示す。

――――― [JIS G 5505 pdf 19] ―――――

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G 5505 : 2020
図B.1−丸み係数の各因子
B.6 異なる丸み係数をもつ黒鉛粒子
最大軸長が10 μm以上の黒鉛粒子は,B.5で丸めた丸み係数によって,表B.1に示すように,球状黒鉛
粒子,中間黒鉛粒子又はCV黒鉛粒子として分類する。
最大軸長が10 μm未満の黒鉛粒子及び顕微鏡視野の境界に接する黒鉛粒子は,分類に含まない。
片状黒鉛粒子は,表層部を除いて,鋳鉄品の組織には存在しないので,片状黒鉛粒子又はそれに近い形
状の黒鉛粒子も,分類においては考慮しない。顕微鏡で片状黒鉛粒子が認められる場合,その供試材によ
って代表する鋳鉄品は測定に使用しないことが望ましい。したがって,鋳鉄品の組織でない片状黒鉛粒子
及び丸み係数の範囲が0.525未満であるCV黒鉛粒子は,式(B.2)の黒鉛球状化率の計算には採用しない。
表B.1−丸み係数による黒鉛粒子の分類
丸み係数(η)の範囲 黒鉛形態
0.625< η≦1.0 球状黒鉛粒子
0.525≦ η≦0.625 中間黒鉛粒子
η<0.525 CV黒鉛粒子
最大軸長が10 μm未満の黒鉛粒子は,解析に含まない。
B.7 鋳鉄品中の中間黒鉛粒子
鋳鉄品中の二次元平面上の黒鉛粒子は,CV黒鉛粒子の三次元形状を切断したために不規則な形状を呈
し,その結果として,ある確率で中間黒鉛粒子が現れる。
研磨面に現れる黒鉛粒子の形状は,黒鉛粒子の三次元形状だけでなく,それがどのように切断されるか
にも依存する(図B.2参照)。
切断面が異なると,CV黒鉛粒子の三次元形状が,ISO 945-1の形状IV,形状V又は形状VIの黒鉛粒子
に似た不規則に球状化した形状として,研磨面上に容易に現れる。本来は,CV黒鉛粒子の三次元形状で
あるものが,研磨面上では,断面AAでは四つの,断面BBでは三つの黒鉛粒子として分離して現れ,そ
れぞれ形状IV,形状V又は形状VIの形状として誤って分類される。断面CCは,研磨面上にCV黒鉛粒
子の三次元形状として正確に切断されて現れた例である。このような出現確率を考慮して,B.8に示す黒
鉛球状化率の式の中間黒鉛粒子の係数として,0.5を採用した。

――――― [JIS G 5505 pdf 20] ―――――

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JIS G 5505:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 16112:2017(MOD)

JIS G 5505:2020の国際規格 ICS 分類一覧

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