JIS H 1161:1991 カドミウム地金分析方法

JIS H 1161:1991 規格概要

この規格 H1161は、JIS H 2113に規定するカドミウム地金中の鉛,亜鉛及び鉄の定量方法について規定。

JISH1161 規格全文情報

規格番号
JIS H1161 
規格名称
カドミウム地金分析方法
規格名称英語訳
Methods for chemical analysis of cadmium metal
制定年月日
1960年11月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.120.70
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属分析 II 2019
改訂:履歴
1960-11-01 制定日, 1963-11-01 確認日, 1966-11-01 確認日, 1970-03-01 確認日, 1972-10-01 改正日, 1975-09-01 確認日, 1976-01-01 改正日, 1979-02-01 確認日, 1984-06-01 確認日, 1988-12-01 確認日, 1991-12-01 改正日, 1997-04-20 確認日, 2001-12-20 確認日, 2006-09-20 確認日, 2012-03-21 改正日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS H 1161:1991 PDF [22]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 1161-1991

カドミウム地金分析方法

Methods for chemical analysis of cadmium metal

1. 適用範囲 この規格は,JIS H 2113に規定するカドミウム地金中の鉛,銅,亜鉛及び鉄の定量方法に
ついて規定する。
ただし,光電測光法による発光分光分析方法は,JIS H 1163による
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS H 0301 地金の試験並びに検査通則
JIS H 1163 カドミウム地金の光電測光法による発光分光分析方法
JIS H 2113 カドミウム地金
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析のための通則
JIS K 0116 発光分光分析方法通則
JIS K 0121 原子吸光分析のための通則
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0115,JIS K 0116及びJIS K 0121によ
る。
3. 試料の採り方及び取扱い方
3.1 試料の採り方 試料の採り方は,次による。
(1) 分析用試料の採り方は,原則としてJIS H 0301の2.2による。ただし,きりによって削り取った試料
は,清浄なはさみを用いて約5mm以下に切断する。
(2) 分析用試料の採り方が,(1)の規定によることができない場合には,受渡当事者間の協議によって定め
る。
3.2 試料の取扱い方 試料の取扱い方は,次による。
(1) 分析用試料は,異物などによる汚染を防止するため,適当なふた付きガラス容器などに入れ,密栓し
て保存する。
(2) 分析用試料は,その表面に油などが付着しているおそれがあるときは,あらかじめエタノール,アセ
トンなどで洗浄して乾燥する。
(3) 分析用試料を定量に用いる場合は,あらかじめ必要量をビーカーに取り,塩酸 (1+10) を試料片が沈
む程度に加え,加熱して約5分間煮沸するか,又は約80℃で約30分間加熱して,混入した亜鉛,鉄
などを溶解する。水で洗浄した後,エタノール,アセトンで順次洗浄して乾燥する。
3.3 試料のはかり方 試料のはかり方は,次による。

――――― [JIS H 1161 pdf 1] ―――――

2
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(1) 分析試料をはかり取る際には,平均組成を代表するように注意しなければならない。
(2) 分析試料のはかり取りには,原則として化学はかりを用い,1mgのけたまで読み取る。
4. 分析値のまとめ方
4.1 分析回数 原則として同一分析所において2回の繰返し分析を行う。
4.2 空試験 分析に当たっては,空試験を行い,測定値を補正する。
4.3 分析値の表示 分析値は,質量百分率で表し,数値のまとめ方は次による。
(1) 鉛,銅,亜鉛及び鉄の含有率は,JIS H 2113に規定された数値の最下位から2けた目の位まで算出し,
JIS Z 8401によってJIS H 2113に規定された数値の最下位の次の位に丸める。
(2) カドミウムの含有率は,(1)によって算出した各元素の含有率の総計を100から差し引き,JIS H 2113
に規定された最下位未満の数値を切り捨てた値とする。
5. 鉛定量方法
5.1 定量方法の区分 鉛の定量方法は,次のいずれかによる。
(1) 原子吸光法 この方法は,鉛含有率0.000 5wt%以上0.05wt%以下の試料に適用する。ただし,試料よ
り鉛含有率の低いカドミウム [5.2.2(2) ] が入手できない場合には,この方法は適用できない。
(2) 誘導結合プラズマ発光分光法 この方法は,鉛含有率0.000 2wt%以上0.05wt%以下の試料に適用する。
ただし,試料より鉛含有率の低いカドミウム [5.3.2(2) ] が入手できない場合には,この方法は適用で
きない。
(3) イオン交換分離原子吸光法 この方法は,鉛含有率0.000 1wt%以上0.01wt%以下の試料に適用する。
(4) イオン交換分離誘導結合プラズマ発光分光法 この方法は,鉛含有率0.000 1wt%以上0.01wt%以下の
試料に適用する。
5.2 原子吸光法
5.2.1 要旨 試料を硝酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,
その吸光度を測定する。
5.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸 (1+1,1+3)
(2) カドミウム(99.99wt%以上) 鉛含有率が既知で,かつ,試料中の鉛含有率より低いもの(1)。
(3) 標準鉛溶液A (50 最戀一 寿 99.9wt%以上)0.100gを硝酸 (1+3) 20mlで分解し,常温まで冷却
た後,1 000mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (100 最戀一 ‰
この原液を使用の都度,必要量だけ水で正しく2倍に薄めて標準鉛溶液Aとする。
(4) 標準鉛溶液B (10 最戀一 3)の原液 (100 最戀一 ‰罵 の都度,必要量だけ水で
めて標準鉛溶液Bとする。
注(1) 鉛含有率は,5.4のイオン交換分離原子吸光法又は5.5のイオン交換分離誘導結合プラズマ発光分
光法によって定量して求める。
5.2.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,5.0gとする。
5.2.4 操作
5.2.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調整は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取って,ビーカー (300ml) に移し入れる。
(2) 時計皿で覆い,硝酸 (1+3) 50mlを加え,激しい反応が終わった後,穏やかに加熱して完全に分解す

――――― [JIS H 1161 pdf 2] ―――――

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る。引き続き穏やかに煮沸して酸化窒素を追い出す。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄
して時計皿を取り除く。
(3) この溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める(2)。
注(2) この溶液中の鉛量が1 000 李 上の場合には,この溶液から10.0mlを50mlの全量フラスコに分
取し,硝酸 (1+1) 5mlを加えた後,水で標線まで薄める。
5.2.4.2 吸光度の測定 5.2.4.1(3)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空
気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長217.0nm又は283.3nmにおける吸光度を測定する。
5.2.5 空試験 空試験は,行わない。
5.2.6 検量線の作成 検量線の作成は,次のいずれかによる。
(1) 5.2.4.1(3)で分取しない場合
(a) カドミウム [5.2.2(2) ] を5.00gずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (300ml) に移し入れる。
(b) 5.2.4.1(2)の操作を行い,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れる。
(c) これらの溶液に,標準鉛溶液A [5.2.2(3) ] 及び標準鉛溶液B [5.2.2(4) ] の各種液量(鉛として01
000 柿 を段階的に加え,水で標線まで薄める。
(d) これらの溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム
中に噴霧し,波長217.0nm又は283.3nmにおける吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と鉛
量との関係線を作成して検量線とする。
(2) 5.2.4.1(3)で分取した場合
(a) カドミウム [5.2.2(2) ] を5.00gはかり取り,ビーカー (300ml) に移し入れる。
(b) 5.2.4.1(2)の操作を行い,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
(c) この溶液を10.0mlずつ数個の50mlの全量フラスコに分取し,硝酸 (1+1) 5mlを加えた後,標準鉛
溶液B [5.2.2(4) ] 025.0ml(鉛として0250 柿 を段階的に加え,水で標線まで薄める。
(d) これらの溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム
中に噴霧し,波長217.0nm又は283.3nmにおける吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と鉛
量との関係線を作成して検量線とする。
5.2.7 計算 計算は,次のいずれかによる。
(1) 5.2.4.1(3)で分取しない場合 5.2.4.2で得た吸光度と,5.2.6(1)で作成した検量線とから鉛量を求め,試
料中の鉛含有率を次の式によって算出する。
A1 A2
鉛wt %= 100
m
ここに, A1 : 試料溶液中の鉛検出量 (g)
A2 : 検量線作成に用いたカドミウム5.00g中に含まれる鉛量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
(2) 5.2.4.1(3)で分取した場合 5.2.4.2で得た吸光度と,5.2.6(2)で作成した検量線とから鉛量を求め,試料
中の鉛含有率を次の式によって算出する。
1
A3 A4
10
鉛wt %= 100
1
m
10
ここに, A3 : 分取した試料溶液中の鉛検出量 (g)
A4 : 検量線作成に用いたカドミウム5.00g中に含まれる鉛量 (g)

――――― [JIS H 1161 pdf 3] ―――――

4
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m : 試料はかり取り量 (g)
5.3 誘導結合プラズマ発光分光法
5.3.1 要旨 試料を硝酸で分解した後,溶液を誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴
霧し,その発光強度を測定する。
5.3.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸 (1+1,1+3)
(2) カドミウム 5.2.2(2)による。
(3) 標準鉛溶液A (100 最戀一 3)の原液 (100 最戀一 ‰ 準鉛溶液Aと
(4) 標準鉛溶液B (10 最戀一 4)による。
5.3.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,5.0gとする。
5.3.4 操作
5.3.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調整は,次の手順によって行う。
(1) 5.2.4.1(1)及び(2)に従って操作する。
(2) この溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
5.3.4.2 発光強度の測定 5.3.4.1で得た溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズ
マ中に噴霧し,波長220.353nmにおける発光強度を測定する(3)。
注(3) 精度及び正確さを確認してあれば,他の波長を用いて測定してもよい。
また,高次のスペクトル線が使用可能な装置では高次のスペクトル線を用いてもよい。バッ
クグラウンド補正機構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
5.3.5 空試験 空試験は,行わない。
5.3.6 検量線の作成 検量線の作成は,次の手順によって行う。
(1) カドミウム [5.3.2(2) ] を5.00gずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (300ml) に移し入れる。
(2) 5.2.4.1(2)の操作を行い,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れる。
(3) これらの溶液に,標準鉛溶液A [5.3.2(3) ] 及び標準鉛溶液B [5.3.2(4) ] の各種液量(鉛として02.5mg)
を段階的に加え,水で標線まで薄める。
(4) これらの溶液の一部を,誘導結合プラズマ発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長
220.353nmにおける発光強度を試料と並行して測定し(3),得た発光強度と鉛量との関係線を作成して
検量線とする。
5.3.7 計算 5.3.4.2で得た発光強度と,5.3.6で作成した検量線とから鉛量を求め,試料中の鉛含有率を
次の式によって算出する。
A1 A2
鉛wt %= 100
m
ここに, A1 : 試料溶液中の鉛検出量 (g)
A2 : 検量線作成に用いたカドミウム5.00g中に含まれる鉛量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
5.4 イオン交換分離原子吸光法
5.4.1 要旨 試料を塩酸及び硝酸で分解し,加熱してシロップ状とした後,塩酸を加えて乾固し,塩類を
少量の塩酸及び水に溶解する。溶液を陽イオン交換カラムに通して鉛を吸着させ,カドミウムを流出させ
る。塩酸を通して鉛を溶離し,溶出液を加熱して濃縮した後,原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー
ム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

――――― [JIS H 1161 pdf 4] ―――――

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5.4.2 器具 器具は,陽イオン交換カラムを用い,その例を図1に示す。調整は次による。
図1のガラス管の底部に水でほぐした脱脂綿又はガラスウールを約510mmの厚さに緩く詰め,水で
膨潤させた強酸性陽イオン交換樹脂(粒径74149 交換容量1.9ミリ当量/ml以上のもの)約18mlをス
ラリー状にして流し入れる。樹脂が沈降した後,その上に水でほぐした脱脂綿又はガラスウールを約5mm
の厚さに緩く詰める。脱脂綿又はガラスウールの詰め方を調節するなどして流出液の流量を毎分12ml
になるようにした後,水酸化ナトリウム溶液 (10g/l) 50ml,水50mlを順次通して樹脂をNaR形にして保管
する。
図1 陽イオン交換カラムの例
5.4.3 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+1,1+3,1+5,1+16)
(2) 混酸(塩酸10,硝酸2,水10)
(3) 標準鉛溶液A (25 最戀一 3)の原液 (100 最戀一 ‰罵 の都度,必
に薄めて標準鉛溶液Aとする。
(4) 標準鉛溶液B (10 最戀一 4)による。
5.4.4 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,5.0gとする。
5.4.5 操作
5.4.5.1 準備操作 陽イオン交換カラム (5.4.2) に塩酸 (1+5) 50ml,水50mlを順次通す。
5.4.5.2 試料溶液の調製 試料溶液の調整は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってビーカー (300ml) に移し入れる。
(2) 時計皿で覆い,混酸 [5.4.3(2) ] 40mlを加え,激しい反応が終わった後,穏やかに加熱して完全に分解
する。引き続き加熱してシロップ状とする。放冷した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り
除く。
(3) 塩酸 (1+1) 20mlを加え,約200℃で加熱して十分に乾固する。

――――― [JIS H 1161 pdf 5] ―――――

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