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H 1551 : 2016
5.2 分析値の表示
分析値は,%(質量分率)で表し,指定がある場合を除きJIS H 2201及びJIS H 5301に規定した数値の
有効最小位の次の桁まで算出した2回の値を平均し,その平均値をJIS Z 8401の規則Aによって丸めて分
析値とする。
6 アルミニウム定量方法
6.1 定量方法の区分
アルミニウムの定量方法は,次のいずれかによる。これらの方法は,アルミニウム含有率3.0 %(質量
分率)以上5.0 %(質量分率)以下の試料に適用する。
a) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム・亜鉛逆滴定法
b) 原子吸光分析法
c) CP発光分光分析法
6.2 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム・亜鉛逆滴定法
6.2.1 要旨
試料を塩酸と過酸化水素とで分解する。エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(以下,EDTA2Na
という。)の一定量を加え,pHを調節した後,加熱してエチレンジアミン四酢酸アルミニウム(以下,EDTA
アルミニウムという。)の錯体を生成させる。冷却した後,キシレノールオレンジを指示薬として過剰量の
EDTA2Naを亜鉛溶液で滴定し,更にふっ化ナトリウムを加え,加熱してEDTAアルミニウム錯体を分解
し,遊離するEDTAを亜鉛溶液で滴定する。
6.2.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸(1+1)
b) アンモニア水(1+1)
c) 過酸化水素
d) ふっ化ナトリウム飽和溶液 ふっ化ナトリウム60 gに水1 Lを加え,加熱して溶解し,室温まで冷却
した後,ポリエチレン瓶に保存する。使用の都度,上澄み液の一部を乾いたろ紙(5種A又は5種B)
を用いてろ過する。
e) 緩衝液 酢酸ナトリウム三水和物135 gを水約300 mLに溶解し,酢酸13 mLを加える。pH計を用い
てpHが5.05.5の範囲になるように必要に応じて酢酸を滴加し,水で液量を500 mLとする。
f) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(200 g/L)
g) DTA2Na溶液 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物65 gを約750 mLの温水に溶
解し,室温まで冷却した後,水で液量を1 000 mLとする。この溶液は,ポリエチレン瓶に入れて保存
する。
h) 0.05 mol/L亜鉛溶液(Zn : 3.269 g/L) JIS K 8005の附属書A[亜鉛(容量分析用標準物質)]に規定
する亜鉛(容量分析用標準物質)をJIS K 8005のA.4(試験方法)に従って洗浄し,乾燥した後,そ
の3.269 gをはかりとり,ビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)40 mLを加
えて溶解する。水約100 mL及びブロモチモールブルー溶液[i)]5滴を加えた後,アンモニア水(1
+1)を溶液の色が青を呈するまで滴加する。これに塩酸(1+1)を溶液の色が黄を呈するまで滴加す
る。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄し,洗液は,亜鉛を分解した溶液に加え,時計皿
を取り除き,溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この溶
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液1 mLは,アルミニウム1.349 mgに相当する。
i) ブロモチモールブルー溶液 調製及び保存方法は,JIS K 8001の表JA.6[指示薬(中和滴定用)の調
製]による。
j) メチルレッド溶液 調製及び保存方法は,JIS K 8001の表JA.6による。
k) キシレノールオレンジ溶液 キシレノールオレンジ1.0 gを水に溶解し,水で液量を100 mLとする。
褐色ガラス製瓶に入れて保存する。
6.2.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,5.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
6.2.4 操作
操作は,次の手順によって行う。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順による。
1) 試料をはかりとって,ビーカー(300 mL)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,塩酸(1+1)50 mLを加えて分解する。激しい反応が終わったら,穏やかに加熱し
て試料の大部分を分解した後,過酸化水素数滴を加えて振り混ぜ,銅などを完全に分解する。
3) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(200 g/L)5 mLを加え,23分間沸騰して過剰の過酸化水素
を分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄し,洗液は,試料を分解した溶液に加
え,時計皿を取り除く。この溶液を250 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで
うすめる。
b) DTAアルミニウム錯体の生成 EDTAアルミニウム錯体の生成は,次の手順による。
1) ) 3)で得た溶液から25 mLをビーカー(500 mL)に分取する。
2) 水100 mL,EDTA2Na溶液[6.2.2 g)]50 mL及び指示薬としてブロモチモールブルー溶液[6.2.2 i)]
5滴を加え,アンモニア水(1+1)を溶液の色が青を呈するまで滴加する。指示薬として,ブロモ
チモールブルー溶液[6.2.2 i)]の代わりにメチルレッド溶液[6.2.2 j)]を用いてもよい。ただし,
この場合には,アンモニア水(1+1)を溶液の色が黄を呈するまで滴加する。
3) 緩衝液[6.2.2 e)]25 mLを加え,加熱して23分間沸騰した後,室温まで冷却する。
c) 滴定 滴定は,次の手順による。
1) ) 3)で得た溶液にキシレノールオレンジ溶液[6.2.2 k)]2,3滴を指示薬として加え,0.05 mol/L亜
鉛溶液[6.2.2 h)]で,溶液の色が黄から赤紫になるまで滴定する。
2) ふっ化ナトリウム飽和溶液[6.2.2 d)]25 mLを加え,加熱して23分間沸騰した後,室温まで冷却
する。
3) 0.05 mol/L亜鉛溶液で滴定し,溶液の色が黄から赤紫になった点を終点とし,このときの亜鉛溶液
の使用量を求める。
6.2.5 空試験
空試験は行わない。
6.2.6 計算
試料中のアルミニウム含有率を,次の式によって算出する。
V1 .0001 349
Al 100
25
m1
250
ここに, Al : 試料中のアルミニウム含有率[%(質量分率)]
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V1 : 6.2.4 c) 3)で得た亜鉛溶液使用量(mL)
m1 : 試料はかりとり量(g)
6.3 原子吸光分析法
6.3.1 要旨
試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計のアセチレン・一酸化二窒素フレーム
中に噴霧し,その吸光度を測定し,検量線からアルミニウム量を求める。
6.3.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸(1+1)
b) 硝酸
c) 混酸A(塩酸45,硝酸1)
d) 亜鉛溶液 亜鉛[99.995 %(質量分率)以上で,アルミニウム含有率が0.000 1 %(質量分率)以下の
もの]24 gを塩酸100 mLで分解し,加熱してシロップ状となるまで濃縮する。常温まで冷却した後,
水約200 mLを加えて溶解し,1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめ
る。この溶液1 mLは,亜鉛約24 mgを含む。
e) アルミニウム標準液(Al : 1 mg/mL) アルミニウム標準液は,次のいずれかを用いる。
1) 市販のアルミニウム標準液 酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合にアルミニウム
標準液を用いる。ただし,ファクター値が記載されている場合には,そのファクター値を乗じて,
濃度を算出する。
注記 計量標準供給制度(JCSS : Japan Calibration Service System。以下,JCSSという。)に基づく
アルミニウム標準液がある。
2) 金属を用いて調製したアルミニウム標準液 アルミニウム[99.9 %(質量分率)以上]0.100 gを塩
酸(1+1)20 mL及び硝酸2 mLで分解し,常温まで冷却した後,100 mLの全量フラスコに水を用
いて移し入れ,水で標線までうすめてアルミニウム標準液とする。
6.3.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,5.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
6.3.4 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順による。
1) 試料をはかりとって,ビーカー(300 mL)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,混酸A[6.3.2 c)]30 mLを加えて分解する。ただし,切粉の形状が小さいなどの場
合は,あらかじめ少量の水を加えてから混酸A[6.3.2 c)]30 mLを加えて分解する。
3) 激しい反応が終わったら,穏やかに加熱して完全に分解する。ただし,不溶解物が認められた場合
は,硝酸数滴を滴加して分解する。引き続き加熱し,液量が約25 mLとなるまで濃縮した後,常温
まで冷却し,時計皿の下面を水で洗浄し,洗液は,試料を分解した溶液に加え,時計皿を取り除く。
4) 水約20 mL及び塩酸(1+1)20 mLを加えた後,100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水
で標線までうすめる。
5) この溶液から250 mLの全量フラスコに5.0 mLを分取し,塩酸(1+1)50 mLを加え,水で標線ま
でうすめる。
b) 吸光度の測定 a) 5) で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計のアセチレ
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ン・一酸化二窒素フレーム中に噴霧し,波長309.3 nmにおける吸光度を測定する。
6.3.5 空試験
試料溶液の調製と同じ操作で,試料を用いないで併行して調製した空試験液について,6.3.4 b)に従って,
吸光度を測定する。
6.3.6 検量線の作成
検量線の作成は,次のいずれかによる。
a) 試料用検量線の作成 試料用検量線の作成は,次の手順による。
1) 亜鉛溶液[6.3.2 d)]10 mLを数個の250 mLの全量フラスコにとり,塩酸(1+1)50 mLを加える。
2) 分取したフラスコに,アルミニウム標準液[6.3.2 e)]015.0 mL(アルミニウムとして015 mg)
の間の段階的に定めた数量を加え,それぞれを水で標線までうすめる。
3) 以上で準備したそれぞれのフラスコ中の溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度
計のアセチレン・一酸化二窒素フレーム中に噴霧し,波長309.3 nmにおける吸光度を試料溶液と併
行して測定し,得た吸光度とアルミニウム量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように
平行移動して試料用検量線とする。
b) 空試験用検量線の作成 空試験用検量線の作成は,次の手順による。
1) アルミニウム標準液[6.3.2 e)] 02.0 mL(アルミニウムとして02 mg)を段階的に数個の250 mL
の全量フラスコにとり,塩酸(1+1)50 mLを加え,水で標線までうすめる。
2) 以上で準備したそれぞれのフラスコ中の溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度
計のアセチレン・一酸化二窒素フレーム中に噴霧し,波長309.3 nmにおける吸光度を試料溶液と併
行して測定し,得た吸光度とアルミニウム量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように
平行移動して空試験用検量線とする。ただし,試料溶液の吸光度と比較して空試験の吸光度が著し
く低い場合には,a) で作成した試料用検量線を用いてもよい。
6.3.7 計算
6.3.4 b) 及び6.3.5で得た吸光度と,6.3.6で作成した検量線とからアルミニウム量を求め,試料中のアル
ミニウム含有率を,次の式によって算出する。
A1 A2
Al 100
5
m2
100
ここに, Al : 試料中のアルミニウム含有率[%(質量分率)]
A1 : 分取した試料溶液中のアルミニウム検出量(g)
A2 : 分取した空試験液中のアルミニウム検出量(g)
m2 : 試料はかりとり量(g)
6.4 ICP発光分光分析法
6.4.1 要旨
試料を塩酸と硝酸との混酸,又は硝酸とL(+)-酒石酸との混酸で分解した後,溶液をICP発光分光分析装
置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定し,検量線からアルミニウム量を求める。
6.4.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸
b) 塩酸(1+1)
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c) 硝酸
d) 硝酸(1+1)
e) 混酸A(塩酸45,硝酸1)
f) 混酸B L(+)-酒石酸1 gを水500 mLに溶解し,硝酸200 mLを加えた後,水で1 000 mLにうすめ,混
合する。
g) (+)-酒石酸溶液(25 g/L)
h) 亜鉛溶液A 6.3.2 d)による。
i) 亜鉛溶液B 亜鉛[99.995 %(質量分率)以上で,アルミニウム含有率が0.000 1 %(質量分率)以下
のもの]24 gに硝酸(1+1)100 mLを少量ずつ加えて分解する。常温まで冷却した後,1 000 mLの
全量フラスコに水を用いて移し入れ,L(+)-酒石酸溶液(25 g/L)20 mLを加えた後,水を用いて標線
までうすめる。この溶液1 mLは,亜鉛約24 mgを含む。
j) アルミニウム標準液(Al : 1 mg/mL) 6.3.2 e)による。
6.4.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,5.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
6.4.4 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかによる。
1) 塩酸と硝酸との混酸による調製 塩酸と硝酸との混酸による調製は,次の手順による。
1.1) 6.3.4 a)の1)4)の手順に従って操作する。
1.2) この溶液から100 mLの全量フラスコに10 mLを分取し,塩酸(1+1)20 mLを加え,水で標線ま
でうすめる。
2) 硝酸とL(+)-酒石酸との混酸による調製 硝酸とL(+)-酒石酸との混酸による調製は,次の手順によ
る。
2.1) 試料をはかりとって,ビーカー(300 mL)に移し入れる。
2.2) 時計皿で覆い,L(+)-酒石酸溶液[6.4.2 g)]4 mLを加えた後,硝酸20 mLを少量ずつ加えて分解す
る。
2.3) 常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄し,洗液は,試料を分解した溶液に加え,時計皿
を取り除き,100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
2.4) この溶液から100 mLの全量フラスコに10 mLを分取し,硝酸(1+1)20 mLを加え,水で標線ま
でうすめる。
b) 発光強度の測定 a) 1.2)又はa) 2.4)で得た溶液の一部を,ICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中
に噴霧し,波長308.215 nmにおける発光強度を測定する。
なお,精度及び真度を確認してあれば,他の波長を用いてもよい。高次のスペクトル線が使用可能
な装置では,高次のスペクトル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機構が付いている装
置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
6.4.5 空試験
試料溶液の調製と同じ操作で,試料を用いないで併行して調製した空試験液について,6.4.4 b)に従って,
発光強度を測定する。
6.4.6 検量線の作成
検量線の作成は,次のいずれかによる。
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JIS H 1551:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 1169:2006(MOD)
- ISO 3750:2006(MOD)
- ISO 3815-2:2005(MOD)
JIS H 1551:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.60 : 鉛,亜鉛,すず及びそれらの合金