JIS H 8690:1993 ドライプロセス窒化チタンコーティング

JIS H 8690:1993 規格概要

この規格 H8690は、金属及び非金属素地上に装飾用又は工業用の目的で行った,ドライプロセス窒化チタンコーティングの有効面について規定。

JISH8690 規格全文情報

規格番号
JIS H8690 
規格名称
ドライプロセス窒化チタンコーティング
規格名称英語訳
Titanium nitride coatings by dry processing
制定年月日
1993年11月1日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

25.220.40, 77.120.50
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属表面処理 2021
改訂:履歴
1993-11-01 制定日, 1998-10-20 確認日, 2004-01-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS H 8690:1993 PDF [8]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 8690-1993

ドライプロセス窒化チタンコーティング

Titanium nitride coatings by dry processing

1. 適用範囲 この規格は,金属及び非金属素地上に装飾用(1)又は工業用(2)の目的で行った,ドライプロ
セス窒化チタンコーティング(以下,コーティングという。)の有効面(3)について規定する。
注(1) 装飾用の目的とは,主に時計,装身具,身辺雑貨などに用いることを目的としたもので,外観,
耐磨耗性,耐食性などの特性が要求されるコーティングを行うことをいう。
(2) 工業用の目的とは,工具,各種機械部品,その他の機能的部品などに用いることを目的とした
もので,耐磨耗性,耐食性などの特性が要求されるコーティングを行うことをいう。
(3) 用途上重要な表面をいう。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS H 0211 ドライプロセス表面処理用語
JIS H 0400 電気めっき用語
JIS H 0404 電気めっきの記号による表示方法
JIS H 1612 チタン及びチタン合金中の窒素定量方法
JIS H 8501 めっきの厚さ試験方法
JIS H 8502 めっきの耐食性試験方法
JIS H 8503 めっきの耐磨耗性試験方法
JIS H 8504 めっきの密着性試験方法
JIS H 8622 装飾用金及び金合金めっき
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験方法
JIS Z 2251 ヌープ硬さ試験方法
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS H 0211及びJIS H 0400によるほか,次による。
(1) 窒化 化学反応,拡散,イオン注入などによって,窒素との化合物又は窒素を富化した物質を形成さ
せること。
(2) 窒化チタン チタンを窒化した物質。
(3) 窒化チタンコーティング 金属及び非金属素地上に形成した窒化チタン皮膜。
(4) 多層コーティング 窒素含有率の異なる窒化チタン皮膜又は全く異なる組成の皮膜を二層以上重ねた
コーティング。
(5) 傾斜コーティング 窒素含有率を連続的に変化させた窒化チタンコーティング。
3. 記号 記号は,JIS H 0404によるほか,次による。
(1) コーティングを表す記号 コーティングを表す記号は,Dpとする。

――――― [JIS H 8690 pdf 1] ―――――

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H 8690-1993
(2) コーティングの種類を表す記号 コーティングの種類を表す記号は,窒化チタンを表す記号TiNの前
に,装飾用にあっては記号Dを,工業用にあっては記号Eを付け,ハイフン“−”でつないで表す。
4. 品質
4.1 コーティングの外観 コーティングの外観は,7.2によって試験を行い,コーティングの有効面に,
つや,輝き,色合いなどの不良,ざらつき,割れ,ピット,素地の露出,はく離などの密着不良の徴候及
びその他使用上有害な欠陥があってはならない。
備考1. つや,輝き,色合いなどが指定される場合には,受渡当事者間の協定による。
2. 色合いの向上のため,金,金合金などの皮膜を上層に形成する場合には,受渡当事者間の協
定による。
4.2 コーティングの厚さ コーティングの厚さは,受渡当事者間の協定によって指定する。厚さの試験
は,7.3によって行い,有効面上のいかなる場所においても,指定されたコーティング厚さを満足しなくて
はならない。
参考 一般に用いられるコーティングの最小厚さの分類は,参考表1及び参考表2のとおりである。
参考表1 コーティングの最小厚さによる分類(装飾用)
コーティングの最小厚さ (
0.05 0.1 0.3 0.5 1.0 3.0 5.0 10.0
参考表2 コーティングの最小厚さによる分類(工業用)
コーティングの最小厚さ (
0.1 0.5 1.0 3.0 5.0 10.0 20.0
4.3 コーティングの窒素含有率 コーティングの窒素含有率(多層コーティングの場合は,各層ごとの
窒素含有率)が指定されている場合には,7.4によって試験を行い,窒素含有率は,指定された値を満足し
なければならない。
4.4 コーティングの密着性 コーティングの密着性は,7.5によって試験を行い,コーティングにはく離,
膨れなどの密着不良の徴候が現れてはならない。
4.5 コーティングの耐食性 コーティングの耐食性が指定されている場合には,7.6によって試験を行い,
耐食性は,指定された値を満足しなければならない。
4.6 コーティングの硬さ コーティングの硬さが指定されている場合には,7.7によって試験を行い,硬
さは,指定された値を満足しなければならない。
4.7 コーティングの耐磨耗性 コーティングの耐磨耗性が指定されている場合には,7.8によって試験を
行い,耐磨耗性は,指定された値を満足しなければならない。
4.8 コーティングの表面粗さ コーティングの表面粗さが指定されている場合には,7.9によって試験を
行い,表面粗さは,指定された値を満足しなければならない。
5. 素地 素地の状態は,コーティングの品質に重大な影響を及ぼすので,特に,素地材料が発注者から
供給される場合には,発注者は加工仕様書などに,素地材料に関する情報を示さなければならない。

――――― [JIS H 8690 pdf 2] ―――――

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6. 下地コーティング コーティングの外観,耐食性,密着性などの向上の目的で下地コーティングを行
う場合には,その種類及び厚さは,受渡当事者間の協定による。
7. 試験
7.1 試験片 試験片は,原則として製品から採取する。ただし,製品から採取することができない場合
には,代替試験片によってもよい。代替試験片の作製は,可能な限り製品と同じ材質の素地を用い,製品
と同じ条件でコーティングを行わなくてはならない。
7.2 外観試験 外観試験は,JIS H 8622の附属書1(外観試験方法)による。
7.3 厚さ試験 厚さ試験は,JIS H 8501に規定する顕微鏡断面試験方法,蛍光X線式試験方法, 式試
験方法,測微器による試験方法,又は附属書1の方法のいずれかによる。
7.4 窒素含有率試験 窒素含有率試験は,JIS H 1612に規定する試験方法,又は受渡当事者間の協定に
よって有効性が認められた方法による。
7.5 密着性試験 密着性試験は,JIS H 8504に規定する試験方法,又は附属書2の方法による。
なお,試験条件は,受渡当事者間の協定による。
7.6 耐食性試験 耐食性試験は,JIS H 8502に規定する中性塩水噴霧試験方法,酢酸酸性塩水噴霧試験
方法,キャス試験方法,又は受渡当事者間の協定によって有効性が認められた方法のいずれかによる。
なお,試験条件は,受渡当事者間の協定による。
7.7 硬さ試験 硬さ試験は,JIS Z 2244又はJIS Z 2251に規定する試験方法を用いて,コーティングの
断面又はコーティングの表面において行う。
なお,試験条件は,受渡当事者間の協定による。
7.8 耐磨耗性試験 耐磨耗性試験は,JIS H 8503に規定する試験方法,又は受渡当事者間の協定によっ
て有効性が認められた方法による。
7.9 表面粗さ試験 表面粗さ試験は,JIS H 8501に規定する触針走査法,又は受渡当事者間の協定によ
って有効性が認められた方法による。
8. 検査 検査は,次によって行う。
(1) 検査のための試験片の数,その試験片の抜取方法,検査順序及び検査対象箇所並びに試験片の代替使
用は,受渡当事者間の協定による。
(2) 検査項目及び試験方法の選択に関しては,受渡当事者間の協定による。
(3) コーティングは,7.によって試験を行い,4.の規定に適合しなければならない。
9. コーティングの呼び方 コーティングの呼び方は,3.の記号及びJIS H 0404による。ただし,窒素含
有率は,原子パーセント (at%) で表示する。
なお,多層コーティング,傾斜コーティングなどの場合は,受渡当事者間の協定によって,呼び方を簡
略化することができる。

――――― [JIS H 8690 pdf 3] ―――――

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例1.
例2.
例3.
例4.
注*2 黄銅素地

――――― [JIS H 8690 pdf 4] ―――――

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10. 表示 送り状などに,次の事項を表示する。
(1) コーティングの記号
(2) 加工年月日又はその略号
(3) 加工業者名又はその略号

――――― [JIS H 8690 pdf 5] ―――――

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JIS H 8690:1993の国際規格 ICS 分類一覧

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