JIS K 1105:2017 アルゴン | ページ 3

                                                                                              9
K 1105 : 2017
は,JIS K 0225の11.1(静電容量式水分計を用いる方法)に規定する方法若しくはこれと同等の性能をも
つ方法による。
なお,水分計の校正は,可能な限りトレーサビリティ確保のために計量法に基づく登録事業者に校正を
依頼するのが望ましい。
6.7.4 測定
測定は,次による。
a) 設定条件 水分計は,取扱説明書に指定されている運転条件内で運転する。
b) 妥当性 試料測定の前後又は定期的に校正用ガスなど既知の露点のガスを用いて測定結果の有効性の
確認を行うことが望ましい。その際の既知の露点とのずれは±5 ℃とする。
c) 試料ガス 試料及び校正用ガスと水分計とを配管によって接続する。通常,配管材料はちり,ほこり
などの不純物,油分のないステンレス配管及び継手を用いる。配管は,可能な限り短く,ガスの滞留
箇所が可能な限り少ないものを使用する。また,これらの配管類は必要に応じ各水分計の取扱説明書
に記載の温度で保温する。
d) 測定 測定前は,各水分計に定められた流量及び定められた時間以上高圧ガス容器詰めの窒素又は水
分除去装置に通した空気の精製ガスを流し,準備をする。指定の流量の試料ガスを水分計に導入し,
水分計の指示値が10分間に±1 ℃に安定していることを確認の上,指示値を読み取る。試料ガス導入
から30分経過後も指示値が一定方向に変化している場合は,ガス置換が不十分であるので,指示値が
10分間で±1 ℃に安定するまで,更にガス置換を行い,その後試験を行う。
e) 結果の表示 露点計は,指示した露点温度を読み取り,水分計の出力が水分濃度の場合は得られた水
分の濃度(体積分率ppm又は質量濃度mg/l)をJIS K 0512の表2(露点と水分量)を用いて露点を求
める。

7 容器

  アルゴンの容器は,高圧ガス保安法の規定による。
注記 アルゴンの容器については,高圧ガス保安法(昭和26年6月7日法律第204号)第41条第
56条の2の2に規定されている。

8 表示

  アルゴンの表示は,高圧ガス保安法に規定する容器の表示とは別に,容器の見やすいところにラベルを
付けて,次の事項を表示しなければならない。ただし,大型容器(タンクローリー,コンテナなど)の場
合には,送り状に表示してもよい。
a) 名称 アルゴン
b) 等級 1級又は2級
c) 製造業者名又はその略号
d) 充年月又はその略号
e) 充量(圧縮アルゴンの場合は,35 ℃における充圧力)
注記 容器の表示については,高圧ガス保安法(昭和26年6月7日法律第204号)第46条及び第47
条に規定されている。

――――― [JIS K 1105 pdf 11] ―――――

10
K 1105 : 2017
附属書A
(規定)
プラズマ分光分析式窒素分析計
A.1 一般
この附属書は,高圧ガス容器に充したアルゴン(JIS K 1105)において,窒素の測定方法のうち,プ
ラズマ分光分析式窒素分析計(以下,窒素分析計という。)について規定する。
A.2 窒素分析計の概要
微量の窒素を含んだアルゴンを検出セルに一定の流速で流し,高電圧を印加してアルゴンを励起させる。
この励起したアルゴンによって試料中の窒素を励起させる。このようにして励起された窒素は,基底状態
に戻るときに幾本かの発光スペクトルを伴う。
この発光スペクトルから,光学フィルターを用いて窒素の検出に最適な波長の光だけを選び出し,光セ
ンサモジュールによって検出し電気信号に変換する。この電気信号を増幅器で増幅し,測定レンジに対応
する濃度信号として出力する。
A.3 窒素分析計の構成
窒素分析計は,水分除去器,絞り弁,検出セル,流量計,放電用高圧電源,光学フィルター,光センサ
モジュール,増幅器,DC電源,表示器などで構成する。窒素分析計の構成例を,図A.1に示す。
なお,水分除去器など干渉成分除去に関しては,用いる装置の特性,及び試料ガス中の水分,二酸化炭
素,酸素などの不純物の濃度を考慮したものであることが望ましい。
特にアルゴン中の酸素濃度が高い場合は,干渉がないことを確認する。干渉がある場合は,酸素除去器
などの使用が望ましい。
1 校正ガス入口又は 4 流量計 8 光センサモジュール 12 増幅器
試料ガス入口 5 検出部 9 放電用高圧電源 13 排出
2 水分除去器 6 検出セル 10 DC電源 14 出力
3 絞り弁 7 光学フィルター 11 表示器
図A.1−窒素分析計の構成(一例)
A.4 検出部
検出部は,三つのモジュール(検出セル,光学フィルター,光センサモジュール)で構成される。

――――― [JIS K 1105 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
K 1105 : 2017
a) 検出セル 試料ガスに高電圧印加などの方法によって窒素を励起し,それを光センサモジュールなど
で測定できる構造のもの。
b) 光学フィルター 窒素の測定に適した波長の光だけを選択的に透過させるフィルターであり,干渉成
分の発光を効率よく取り除くことができるもの。
注記 波長によっては分光器を使用することがある。
c) 光センサモジュール 受光量に応じてその強弱を電気信号に変えて出力するもの。
A.5 窒素分析計の性能
窒素分析計は,次の性能を満足していなければならない。
a) 測定レンジ 測定レンジは,窒素濃度によって選択する。例として体積分率010 ppm,体積分率0
100 ppmとする。
b) 繰返し性 A.6.3 a)で試験を行ったとき,その偏差はA.5 a)の測定レンジごとに各測定レンジのスパン
の最大目盛値の±3 %でなければならない。
c) ゼロドリフト A.6.3 b)で試験を行ったとき,その設定値との濃度のずれは,レンジごとに各測定レン
ジのスパンの最大目盛値の±2 %でなければならない。
d) スパンドリフト A.6.3 c)で試験を行ったとき,そのスパン値のずれは,レンジごとに各測定レンジの
スパンの最大目盛値の±2 %でなければならない。
e) 直線性 A.6.3 d)で試験を行ったとき,その指示誤差(直線性)は,レンジごとに各測定レンジのスパ
ンの最大目盛値の±5 %でなければならない。
f) 応答時間 A.6.3 e)で試験を行ったとき,その応答時間は60秒以下でなければならない。
g) 試料ガスの流量変化に対する安定性 A.6.3 f)で試験を行ったとき,その指示変化は,レンジごとに各
測定レンジのスパンの最大目盛値の±5 %でなければならない。
h) 電源変動に対する安定性 A.6.3 g)で試験を行ったとき,その指示変化は,レンジごとに各測定レンジ
のスパンの最大目盛値の±2 %でなければならない。
i) 絶縁抵抗 A.6.3 h)で試験を行ったとき,絶縁抵抗は2 MΩ以上でなければならない。
A.6 窒素分析計の性能試験方法
A.6.1 試験条件
試験条件は,取扱説明書で指定されている運転条件とする。
A.6.2 試験に用いるガス
6.3.2の窒素測定用校正ガスを使用する。ただし,使用する分析計において,干渉のおそれのある成分を
含まない。
A.6.3 試験方法
試験方法は,次による。
a) 繰返し性 ゼロガスを取扱説明書で指定された流量で導入し,指示を安定させる。次に,スパンガス
を同様に導入し,指示が安定したときの値を読み取る。これらの操作を3回繰り返し,スパンガスを
用いたときの3回の各指示値とその平均値との差を算出し各測定値の偏差を求める。
b) ゼロドリフト ゼロガスを取扱説明書で指定された流量で導入し,3時間の連続測定を行う。この間
におけるゼロ指示値の設定値からの最大濃度差のレンジごとにスパンの最大目盛値に対する比を求め
る。

――――― [JIS K 1105 pdf 13] ―――――

12
K 1105 : 2017
c) スパンドリフト スパンガスを取扱説明書で指定された流量で導入し,3時間の連続測定を行う。こ
の間におけるスパン指示値の設定値からの最大濃度差のレンジごとにスパンの最大目盛値に対する比
を求める。
d) 直線性(指示誤差) ゼロ調整及びスパン調整を行った後,中間目盛付近の濃度の校正用ガスを導入し,
得られた値と校正用ガス濃度表示値との差がレンジごとにスパンの最大目盛値に対する比を求める。
e) 応答時間 ゼロガスを取扱説明書で指定された流量で導入し,指示が安定した後,スパンガスを同様
に導入する。スパン導入時から最終指示値の90 %値に達するまでの時間をはかる。
f) 試料ガスの流量変化に対する安定性 スパンガスを取扱説明書で指定された流量で導入し,指示が安
定したときの値(A)を読み取る。次に流量を設定値から+10 %変化させ,指示が安定したときの値(B)
を読み取る。さらに,流量を設定値から−10 %変化させ,指示が安定したときの値(C)を読み取る。(B
−A)及び(C−A)のレンジごとにスパンの最大目盛値に対する比をそれぞれ求める。
g) 電源変動に対する安定性 スパンガスを取扱説明書で指定された流量で導入し,指示が安定したとき
の値(A)を読み取る。次に,電源電圧を定格電圧の+10 %に徐々に変化させ,指示が安定したときの値
(B)を読み取る。さらに,定格電圧の−10 %を徐々に変化させ,指示が安定したときの値(C)を読み取
る。(B−A)及び(C−A)のレンジごとにスパンの最大目盛値に対する比をそれぞれ求める。
h) 絶縁抵抗 窒素酸素計の電気回路を閉の状態で,電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗をJIS C 1302
に規定する直流500 V絶縁抵抗計で測定する。
A.7 窒素分析計による測定
A.7.1 窒素分析計の設定条件
取扱説明書に指定されている運転条件内でできるだけ一定の温度・湿度・気圧の条件下で運転する。
A.7.2 窒素分析計の校正及び妥当性
試料ガスの測定前には同一の条件・環境の下で校正用ガスによって窒素分析計を校正する。試料測定の
前後又は定期的に校正用ガスを用いて校正結果の有効性の確認を行うことが望ましい。その際の偏差は±
3 %とする。
A.7.3 ガスの採取方法
試料及び校正用ガスの漏れがないよう配管によって接続する。通常,配管材料は清浄なステンレス配管
及び継手を用いる。配管は,できるだけ短く,ガスの滞留箇所が可能な限り少ないものを使用する。使用
する減圧弁は,なるべく専用の減圧弁を用いる。試料ガス及び校正用ガスは,測定に必要な流量が確保で
きるガス圧力を安定して供給できるものとする。
測定前は,接続配管,減圧弁及び窒素分析計が試料ガスによって置換されるまで試料ガスを十分な時間
導入する。
A.7.4 窒素分析計の指示値の読み取り
測定対象ガスを窒素分析計に取扱説明書に指定された流量で導入し,窒素分析計の指示値が安定してい
ることを確認し,指示値を読み取る。試料導入からA.5 f)に規定する応答時間の3倍経過後も指示値が一
方向に変化している場合は,ガス置換が不十分であるので,指示値が安定するまで,更にガス置換を行う。
A.7.5 結果の表示
窒素分析計の出力がそのまま窒素濃度を表している場合は,その値を結果とする。また,窒素分析計の
出力は検量線を用いて濃度に換算する必要がある場合は,検量線の式又は換算表などを用いて窒素濃度を
得る。

JIS K 1105:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 1105:2017の関連規格と引用規格一覧