JIS K 1901:2003 カーバイド | ページ 3

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この検知剤は,りん化水素と反応して紫赤を呈する。
備考 りん化水素検知管は,5.4.1.2によって測定した試料ガスを用い,5.4.1.3 c) 又は5.4.3 c) に
よって測定し,5.4.1.2によって得た測定値との差が±5%の範囲内のものを用いなければな
らない。ただし,この検査は20±5 ℃の温度条件のもとで行い,試料ガスの濃度範囲は0.04
0.06 %とし,検査は1製造ロットから少なくとも1 % 以上抜き取って行う。この場合,
その本数が9本に満たないときは9本を抜き取るものとする。
2) 試料ガス採取ポンプ(付図11) 試料ガス採取ポンプは,内容積100 mlの金属製のポンプで,試料
ガスの吸引速度を一定にするために吸引速度調節板 (f) (ステンレス鋼製,厚さ0.26 mm,直径9.25
mm,中心孔径0.1 mm)を取り付け,ピストン柄 (c) を一気に引くだけで自動的に試料ガスが吸入
されるものである。
試料ガス採取ポンプは,c) の操作を行う前に通気検査及び気密検査を行う必要がある。通気検査
は,採取ポンプのピストン柄を一気に完全に引くと同時に秒時計を読み始め,ピストン柄を止め金
(d) で固定し,正確に50秒経過後,指などで検知管取付口を密栓してピストン柄を止め金から外す
とピストン柄は元の方向に戻り,途中で止まる。このとき,採取器内の空気の吸入量が6070 ml
であることを確認する。
気密検査は,両端を溶封したままの検知管を検知管取付口に取り付け,ピストン柄を完全に引い
て止め金に固定し,3分間そのまま放置した後,ピストン柄を止め金から外したとき,ピストン柄
が元の位置に戻ることを確認する。
3) 濃度表(付図16) 濃度表は,0−0線とL−L線との間隔が検知剤層の長さに相当し,その中間に
濃度を表す直線を引き,その両側に濃度を目盛ったものである。
直読式検知管は,ガラス管表面に濃度目盛が印刷してあるが,この濃度目盛は試料ガス採取ポン
プ(付図11)を用いて試料ガスを100 ml採取したときの濃度目盛である。
c) 操作 あらかじめ検知管と試料ガス採取ポンプとを付図12のように連結し,付図1に示したガス発生
量測定装置の試料ガス採取口に取り付け (20) 試料ガス採取ポンプ(付図11)のピストン柄を一気に引
いて固定して3分間放置し,カーバイドから発生した試料ガスを,りん化水素検知剤と反応させる。
検知管を取り外し,濃度表式目盛から試料ガス中のりん化水素濃度を求める。
注(20) ガス発生量測定装置に直接検知管を接続できないときには,試料ガスをガラス製注射筒(内容
積100 ml又は200 ml)に採取し,付図13のように接続して測定する。
また,測定範囲以上の高濃度ガスを測定するときも,いったん,注射筒に試料ガスを採り,
正確に希釈し,付図13のように接続して検知管に通し,測定値に希釈倍数を乗じて濃度を求め
る。
5.4.2 硫化水素の定量
5.4.2.1 定量方法の種類 硫化水素の定量方法の種類は,次のとおりとする。
a) 重量法
b) 検知管法
5.4.2.2 重量法 重量法は,次のとおりとする。
a) 要旨 カーバイドから発生したガスを次亜塩素酸ナトリウム溶液に通じ,その中に含まれる硫化水素
を酸化して硫酸イオンとし,これに塩化バリウム溶液を加えて硫酸バリウムとして分離し,これを強
熱した後質量をはかり,硫化水素を算出する。
b) 装置 硫化水素の吸収装置は,付図6のとおり洗浄瓶とガス吸収管とを連結したものを用いる。

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c) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
1) 次亜塩素酸ナトリウム溶液 水酸化ナトリウム溶液 (100 g/L) を氷で冷却して,温度を0℃付近に
保ちながら,塩素ガスを徐々に通じて有効塩素を約3 % (21) にし,冷暗所に保存する。使用すると
きは,有効塩素が約1.5 %になるように水で薄め,過剰の炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)
を加えて飽和する。
この溶液の濃度を測定するときは,この溶液約5 mlをはかり瓶にはかりとり,水でビーカーに洗
い移し,約100 mlに薄めた後,よう化カリウム23 gを加え,塩酸 (1+1) で酸性にし,遊離した
よう素を0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液 (22) で滴定する。この場合,0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリ
ウム溶液1 mlは有効塩素0.003546 gに相当する。
注(21) 有効塩素が3 %を超えるときは,水酸化ナトリウム溶液 (100 g/L) で適宜薄める。
(22) 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液は,JIS K 8001の4.5 (21.2) による。
2) 塩化バリウム溶液 (100 g/L) IS K 8001の4.2による。
d) 準備 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素約1.5 %)150 mlを調製し,硫化水素吸収装置の洗浄瓶 (b)
に100 ml,吸収管 (c) に50 mlを入れる。ガス発生量測定終了後のガス槽内のガス8 Lを,試料採取
口からアセチレンを飽和した食塩水で気密にした容器に入れて,硫化水素吸収装置(付図6)の一端 (d)
に連結する。
e) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 硫化水素の吸収 三方コック (a) を回して (e) と (f) とを連絡し, (e) から窒素(23)を導入して,
全装置内の空気を置き換えた後,三方コックを回して (d) と (f) とを連絡し,試料ガスを毎時約2L
の速さで洗浄瓶 (b) と吸収管 (c) に送り,次亜塩素酸ナトリウム溶液に吸収させる。8Lの試料ガ
スの全量を送り終わったら,三方コックを回して窒素を通じ,装置内に残った試料ガスを完全に洗
浄瓶及び吸収管を通過させる。
注(23) この分析に使用する窒素は,分析結果に誤差を与えるような不純物を含んではならない。
2) 沈殿の生成 洗浄瓶と吸収管内の溶液とを合わせてビーカーに移し,洗浄瓶及び吸収管を水で洗浄
し,この洗液もビーカー内の溶液に合わせる。直ちに,塩酸で中和し,更に,過剰に塩酸約20 ml
を加え,塩素臭がなくなるまで加熱分解した後,蒸発乾固する。塩酸及び水を加えて,蒸発残分を
加熱溶解した後,JIS P 3801に規定する5種Cのろ紙を用い,ろ過して水で洗浄する。ろ液と洗液
とを合わせて約200mlとし,アンモニア水で中和し,塩酸 (1+1) 1 mlを加えて弱酸性とし煮沸す
る。これに温塩化バリウム溶液 (100 g/L) 10 mlを極めて徐々に加え,十分にかき混ぜ,引き続きし
ばらく加熱した後,約12時間静置する。
3) 定量 硫酸バリウムの沈殿を,JIS P 3801に規定する5種Cのろ紙を用いてろ過し,洗液に塩化物
イオンが検出されなくなるまで温水で洗う。沈殿をろ紙とともに乾燥し,白金るつぼ中で灰化した
後,500800 ℃に強熱し,硫酸バリウムとして定量する。
f) 空試験 本操作と同様な操作で空試験を行う。
g) 測定値の算出 次の式によって硫化水素を算出し,JIS Z 8401によって,小数点以下2けたに丸める。
c-c 0.1013
V2 100
s
ここに, V2 : 硫化水素[体積分率 (%) ]
c : 生成した硫酸バリウムの質量 (g)
c' : 空試験によって生成した硫酸バリウムの質量 (g)

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s : 試料ガス(24)の体積 (L)
M3 Vn 34.082 23.65
0.101 3 : 定数
M4 M3 233.44 34.082
M3 : 硫化水素の分子量
M4 : 硫酸バリウムの分子量
Vn : 15 ℃,101.3 kPaにおける気体1モルの体積 (L)
注(24) 試料ガスは,採取量8 Lを15 ℃,101.3 kPaにおける体積 (ml) に換算した数値を用いる。
5.4.2.3 検知管法 検知管法は,次のとおりとする。検知管には,濃度表式と直読式とがあり,定量範囲
は硫化水素0.010.20体積分率 (%) であるので,ガス濃度が定量範囲を超える場合には希釈して測定する。
a) 要旨 硫化水素検知管を用いて発生ガス中の硫化水素を定量する。
b) 器具 器具は,次のものを用いる。
1) 硫化水素検知管(付図9及び付図10) 硫化水素検知管は,透明な細いガラス管内に定量の検知剤 (a)
を充てんし,両端を綿栓 (b) で固定し,ガラス管の両端 (c, c') を溶封して調製したものである。直
読式検知管は,表面に濃度目盛が印刷してある。
検知剤は,一定粒度のシリカゲル粒に酢酸鉛溶液を吸収させて乾燥したものである。この検知剤
は,硫化水素と反応して黒を呈する。
備考 硫化水素検知管は,5.4.2.2によって測定した試料ガスを用い,5.4.2.3 c) 又は5.4.3 c) によ
って測定し,5.4.2.2によって得た測定値との差が±10 %の範囲内のものを用いなければな
らない。ただし,この検査は,20±5 ℃の温度条件のもとで行い,試料ガスの濃度範囲は
0.040.06 %とし,検査は,1製造ロットから少なくとも1 %以上抜き取って行う。この場
合,その本数が9本に満たないときは,9本を抜き取るものとする。
2) 試料ガス採取ポンプ 試料ガス採取ポンプは,5.4.1.3 b) 3) による。
3) 濃度表(付図17) 濃度表は,5.4.1.3 b) 3)による。
c) 操作 あらかじめ検知管と試料ガス採取ポンプとを付図12のように連結し,付図1に示したガス発生
量測定装置の試料ガス採取口に取り付け (20) 試料ガス採取ポンプ(付図11)のピストン柄を一気に引
いて固定して3分間放置し,カーバイドから発生した試料ガスを硫化水素検知剤と反応させる。検知
管を取り外し,濃度表式目盛から試料ガス中の硫化水素濃度を求める。
5.4.3 りん化水素及び硫化水素の同時定量 りん化水素及び硫化水素の同時定量は,検知管法による。
検知管には,濃度表式と直読式とがあり,定量範囲は,りん化水素0.0020.08体積分率 (%) ,硫化水
素0.010.20体積分率 (%) であるのでガス濃度が定量範囲を超える場合には希釈して測定する。
a) 要旨 りん化水素検知管と硫化水素検知管とを用いて発生ガス中のりん化水素と硫化水素とを定量す
る。
b) 器具 器具は,次のものを用いる。
1) りん化水素検知管 りん化水素検知管は,5.4.1.3 b) 1) による。
2) 硫化水素検知管 硫化水素検知管は,5.4.2.3 b) 1) による。
3) 試料ガス採取ポンプ 試料ガス採取ポンプは,5.4.1.3 b) 2) による。
4) 濃度表(付図16及び付図17) 濃度表は,5.4.1.3 b) 3) 及び5.4.2.3 b) 3) による。
c) 操作 あらかじめ検知管と試料ガス採取ポンプとを付図14のように連結し (25),付図1に示したガス
発生量測定装置の試料ガス採取口に取り付け (26),試料ガス採取ポンプ(付図11)のピストン柄を一

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気に引いて固定して3分間放置し,カーバイドから発生した試料ガスを,硫化水素検知剤と反応させ,
次いでりん化水素検知剤と反応させる。検知管を取り外し,それぞれの濃度表式目盛から試料ガス中
のりん化水素濃度及び硫化水素濃度を求める。
注(25) りん化水素検知管は,硫化水素によっても着色するため,硫化水素が存在するときは,まず,
硫化水素検知管に通して硫化水素を除去した後,りん化水素検知管で測定する。
(26) ガス発生量測定装置に直接検知管を接続できないときには,試料ガスをガラス製注射筒(内容
積100 ml又は200 ml)に採取し,付図15のように接続して測定する。また,測定範囲以上の
高濃度ガスを測定するときも,いったん,ガラス製注射筒に試料ガスをとり,正確に希釈し,
付図15のように接続して検知管に通し,測定値に希釈倍数を乗じて濃度を求める。

6. 容器

 カーバイドの容器は,金属製容器とする。
なお,大口の場合は,タンク車,コンテナ,タンクローリーなどを用いてもよい。

7. 表示

 カーバイドは,容器の適切な箇所に次の事項を表示しなければならない。ただし,大形容器の
場合には送り状に表示してもよい。
a) 名称
b) 種類
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造年月又はその略号
e) 正味質量

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付図 1 ガス発生量測定装置組立図

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