この規格ページの目次
3
K 2251 : 2003
の全横断面から採取した試料。
図 1 固定タンクにおける試料採取の位置の一例
3.3 二次試料
一次試料を等量混合,等比混合などで調製し,ロットの代表試料として試験などに用い
る試料の総称。二次試料には,次のものをいう。
参考 一次試料をそのままで,二次試料とすることもある。
a) 平均試料 タンクなどの各部から採取した試料を,各部の量の比に混合した試料。
b) 混合試料(composite sample) 同一タンクから採取した2か所以上の定点試料を,等量混合した試料。
この用語は,パイプラインから採取した試料にも適用する。
c) 単タンク混合試料 同一タンク内の,各部の試料を混合した試料。直立円筒形タンクのように均一横
断面をもつものの場合は,各部を等量混合した試料をいう。横置円筒形タンクの場合には,表2よっ
て採取し,混合した試料をいう。
d) 多タンク全層混合試料 同一製品の原油及び石油製品が入っているタンク,船などの各ハッチから全
層試料を採取し,これを各タンク又はハッチの油量の比に混合した試料。
e) 多タンク定点混合試料 多数のタンク,船などの各部から数種の定点試料を採取し,それぞれのタン
ク又はハッチの油量の比に混合した試料。
3.4 局部試料
タンク,ドラムなどの限定された部分(局部)から採取した試料の総称。局部試料には,
次のものをいう。
a) 表面試料(skim sample) 液の表面から採取した試料(図1参照)。
b) 頂部試料(top sample) タンクの油面下約150 mmの箇所から採取した試料(図1参照)。
c) 払出し口試料(suction-level sample) タンクの払出し口又はスイングラインのレベルから採取した試
料(図1参照)。
d) すきま試料 タンクの払出し口レベルの下約100 mmのところから採取した試料(図1参照)。
e) 底部試料(bottom sample) タンク,ドラム,缶又はパイプラインの底面の最下部から採取した試料
(図1参照)。
f) ドレン試料 タンクの水切り弁(図1参照)又はタンク車の排出弁から採取した試料。
――――― [JIS K 2251 pdf 6] ―――――
4
K 2251 : 2003
参考 タンク車の場合は,底部試料と同一のこともある。
3.5 残留物及びたい積物(residues and deposites)
内部に分散水を含んだ有機及び無機物質で,液体か
ら分離しており,液体の入ったタンク底に沈降したものか,又は液体をくみ出した後に残ったもの。
4. ロットの種類別の一次試料の採取方法
ロットの種類別一次試料の採取方法は,次による。
備考 4以降で,抜取検査について共通する一般事項は,JIS Z 9015-0による。
4.1 一次試料の採取方法及び二次試料名
原油及び石油製品から一次試料を採取し,この一次試料から
二次試料を調製する。これらの試料は,原油及び石油製品を試験するのに使用されるので,その品質の平
均的な特性をもつように採取しなければならない。一次試料の採取方法及び二次試料名の一例を表1に示
す。
表 1 一次試料の採取方法及び二次採取試料名の一例
ロットの種類 一次試料 二次試料名
試料名 採取個数の規 採取方法名
定箇条番号
静 固定タンク 上部試料 4.2.2(2) おもり付き採取器に 平均試料
止 中部試料
(直立円筒形タンク,横置円 よる採取方法 混合試料
ロ 筒形タンクなど) 下部試料 タップ採取方法 単タンク混合試
ッ 料
ト 多タンク混合試
料
全層試料 − おもり付き採取器に 全層試料
よる採取方法
循環ライン試料 − 循環ライン採取方法 循環ライン試料
移動タンク 上部試料 4.2.3 おもり付き採取器に 多タンク混合試
(タンク車,ローリ,船など) 中部試料 よる採取方法 料
下部試料
全層試料 多タンク全層試
料
連続試料 連続ライン採取方法 連続試料
荷造品 定点試料 4.2.4 サイホン式採取方法 定点試料
(ドラム,たる,缶など) 平均試料
全層試料 細管採取方法 全層試料
移 ライン 初期試料 − 連続ライン採取方法 混合試料
動 中期試料
(装置払出しライン,ブレン 連続試料
ロ 後期試料
ダーライン,パイプラインな
ッ ど) 連続試料 連続試料
ト (自動採取)
注(2) 直立円筒形タンクで油深が浅く,上部,中部及び下部の各部試料を採取できない場合には,4.2.1によって
定点試料を採取してもよい。
4.2 採取個数の選定
4.2.1 直立円筒形タンク,船などのハッチからの定点試料を採取する場合は,次による。
a) 3点法 油深が5 mを超えるタンク又は船槽では,上・中・下の各部から採取する。
b) 2点法 油深が35 mのタンク又は船槽では,上及び下の各部から採取する。
c) 1点法 油深が3 m未満のタンク又は船槽では,できるだけ油深の中央部付近から採取する。
――――― [JIS K 2251 pdf 7] ―――――
5
K 2251 : 2003
4.2.2 横置円筒形タンクからの一次試料採取位置及び試料混合比 油深に対して表2によって採取し混
合する。
表 2 横置円筒形タンクの試料採取位置及び試料混合比
油深 採取位置 試料混合比
(直径に対する%) (直径に対する底部からの距離%) (容量)
上 中 下 上 中 下
100 80 50 20 3 4 3
90 75 50 20 3 4 3
80 70 50 20 2 5 3
70 50 20 6 4
60 50 20 5 5
50 40 20 4 6
40 20 10
30 15 10
20 10 10
10 5 10
4.2.3 多船槽からの一次試料採取個数 船の船槽から採取する場合は,次の基準で各船槽から全層試料,
ランニング試料又は中部試料を採取する。ただし,必要に応じて,これら以外の試料を採取してもよい。
一品種の船槽数 試料採取の最小船槽数
12船槽 各船槽
36船槽 2船槽
7船槽以上 3船槽
4.2.4 荷造品からの一次試料採取個数 荷造品(缶,ドラム,たる又は箱)個々の荷造容器から採取し,
そのロット又は積荷品を代表する二次試料1個を調製する。この場合,試料を採取する個々の荷造容器は
ランダムに採取する。
ロット番号が明示されている場合には表3,ロット番号が不明の場合には,表4によって採取個数を決
める。
備考 抜取検査によって荷造品から試料を採取する場合は,JIS Z 9015-0による。
表 3 荷造容器数に対する採取個数
(ロット番号が明示されている場合)
荷造容器数 採取個数 荷造容器数 採取個数
1 3 全数 1 3321 728 12
4 64 4 1 7292 197 13
65 125 5 2 1982 744 14
126 216 6 2 7453 375 15
217 343 7 3 3764 096 16
344 512 8 4 0974 913 17
513 729 9 4 9145 832 18
7301 000 10 5 8336 859 19
1 0011 331 11 6 860以上 20
参考 荷造容器数64以上の採取個数は,荷造容器数の立方根(切り上げた
整数)に基づいたものである。
――――― [JIS K 2251 pdf 8] ―――――
6
K 2251 : 2003
表 4 荷造容器数に対する採取個数
(ロット番号が不明の場合)
荷造容器数 採取個数 荷造容器数 採取個数 荷造容器数 採取個数
1 1 257 289 17 1 0251 089 33
2 4 2 290 324 18 1 0901 156 34
5 9 3 325 361 19 1 1571 225 35
10 16 4 362 400 20 1 2261 296 36
17 25 5 401 441 21 1 2971 369 37
26 36 6 442 484 22 1 3701 444 38
37 49 7 485 529 23 1 4451 521 39
50 64 8 530 576 24 1 5221 600 40
65 81 9 577 625 25 1 6011 681 41
82100 10 626 676 26 1 6821 764 42
101121 11 677 729 27 1 7651 849 43
122144 12 730 784 28 1 8501 936 44
145169 13 785 841 29 1 9372 025 45
170196 14 842 900 30 2 0262 116 46
197225 15 901 961 31 2 1172 209 47
226256 16 9621 024 32 2 2102 304 48
参考 この表の採取個数は,荷造容器数の平方根(切り上げた整数)に基づいたものである。
5. 二次試料の調製及び表示
5.1 二次試料の調製
二次試料は,通常,一次試料から採取し,混合は採取現場ではなく試験室で行う。
5.1.1 一次試料から二次試料を調製する場合 一次試料の量が十分であって,その性状が移し換え,かき
混ぜ,混合などによって変化するおそれがない場合は,1個の一次試料をかき混ぜ,混合して均一なもの
にした後,二次試料2個を採取し,1個を保存する。この際かき混ぜ混合などによって,試料中の気泡,
ほこり,その他の異物が混入してはならない。二次試料採取のため,一次試料を加熱して溶かす必要のあ
る場合は,試料を熱し過ぎて試料の変質を生じてはならない。
備考 試料に水分及びたい積物を含むか又は,その他の理由によって不均質となっている場合は,
附属書2によって試料を均一化するとよい。
5.1.2 多タンク定点試料から調製する場合 4.2.1に従って3点法,2点法又は1点法のいずれかによって
定点試料を採取し,それぞれのタンク内油量に応じて等比に混合したものを,多タンク定点試料とする。
5.1.3 一次試料をそのまま二次試料とする場合 試料採取器の容量が小さいため1回の試料採取量が少
なく,1個の一次試料から2個の二次試料を採取できない場合(おもり付き採取器による採取方法,細管
採取方法,シーフ採取方法など。)及び試料の移し換え,かき混ぜ,混合などによって試料の性状が変化す
るおそれがある場合(揮発性試料,グリース試料など。)は,同一ロットから一次試料2個を採取し,これ
をそのまま二次試料とする。
備考 使用者,購入業者などに二次試料を送付する場合は3個調製する。
5.2 試料名などの表示
二次試料調製後,次の事項を記入したラベルを付ける。詳細を記録簿に記録し,
保存することを推奨する。
a) 試料の名称及び種類
b) ロット番号,試料番号又は参照番号
c) 試料採取年月日,時刻(連続試料の場合は採取に要した時間)及び場所
――――― [JIS K 2251 pdf 9] ―――――
7
K 2251 : 2003
d) 試料採取者名
e) 船,貨車及び製品容器の名称並びに番号及び製造業者名
f) 消防法で定める危険物の品名(第一石油類,第二石油類など。)ただし,同一敷地内試験室へ送る場合
は適用しない。
6. 試料容器及び試料採取上の注意事項
6.1 試料容器
試料容器は,次による。ただし,航空タービン燃料油の水分離指数,導電率など,試験
方法によって試料容器が規定されている場合は,各試験方法に従う。
6.1.1 試料容器の種類
a) 透明ガラス瓶及び暗褐色ガラス瓶 暗褐色ガラス瓶は,光線によって性状が変化するものに用い,透
明ガラス瓶は変化しないものに用いる。
ただし,ガラス瓶は,蒸気圧(リード法)が180 kPaを超えるものには用いてはならない。
備考 試料の蒸気圧(リード法)が100 kPaを超える場合には,安全のためガラス瓶は金属製容器に
納める。
b) プラスチック容器 密閉できる構造のもの。ただし,試料の貯蔵,蒸気圧の高い試料及び溶解力の強
い試料に用いてはならない。また,容器の材質によって,材料成分が溶出することがあるので,試料
に影響を与えない材質を選択しなければならない。
c) 缶 ガソリン,灯油など継目の接着剤が溶出する試料に用いる缶は,その継目をはんだ付け,ろう付
け又は電気溶接したものを用いる。ただし,残存フラックスによって電気特性,酸化安定度,スラッ
ジの生成量などに影響を与えないようにしなければならない。
備考1. 缶の継目に接着剤を使用したものでも,試験結果に影響を与えなければ用いてもよい。
2. 採取した試料を他の場所へ運搬するのに用いる容器は,消防法による。
6.1.2 試料容器のふた ガラス瓶には,コルク栓,ガラス栓又はプラスチック製のふたを用いなければな
らない。コルク栓は,清浄及びち密なものでなければならない。缶は,金属製のふた (3) を用いるが,気
密性を保つために,内ふたを併用しなければならない。
注(3) 金属製のふたは,その内側に,すずはく,アルミニウムはく又は試料と作用しない材質のも
のをパッキングとして入れたものを用いる。
6.1.3 試料容器の洗浄 試料容器は使用前に,溶剤,洗剤,水道水,最後に必要に応じてJIS K 0557に
規定するA2又はA3の水の順序で洗浄した後,試料容器中に清浄な温風を吹き付けるか,又は乾燥器内で
乾燥した後,ふたをする。乾燥した試料容器には,水分,ほこり,洗剤及びはんだ付けなどに用いたフラ
ックス,酸,さび,油などが残存していてはならない。
6.2 試料採取にかかわる注意事項
試料採取にかかわる注意事項は,次による。
a) 試料採取作業は,通常,素手で行い,常に手を清潔にしておかなければならない。寒冷時又は高温の
試料の場合,その他保安上やむを得ず手袋を必要とする場合は,清潔なものを用いる。飛まつなどの
危険がある場合には,防護眼鏡など適切な保護具を着用する。
試料容器の外部に付着した試料をふき取る布は,試料が汚染されないように,できるだけ毛羽立ち
の少ないものを用いる。
b) タップ,連続ライン,循環ラインなどのバルブから試料採取する場合は,徐々にバルブを開く。
備考 圧力の高いライン,タップなどからの試料採取は,試料が急激に噴出しないように注意してバ
ルブを開く。また,バルブが目詰まりして試料が出てこない場合でも,棒などで詰まり物をつ
――――― [JIS K 2251 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS K 2251:2003の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3170:1988(MOD)
JIS K 2251:2003の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2251:2003の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2101:1950
- 絶縁油試験方法
- JISC2101:1999
- 電気絶縁油試験方法
- JISC3105:1994
- 硬銅より線
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK2220:2013
- グリース
- JISK2240:2013
- 液化石油ガス(LPガス)
- JISK2258:1998
- 原油及び燃料油 ― 蒸気圧試験方法 ― リード法
- JISK2275:1996
- 原油及び石油製品―水分試験方法
- JISK2420:1993
- 芳香族製品及びタール製品試料採取方法
- JISL2701:1992
- 麻ロープ
- JISM8100:1992
- 粉塊混合物―サンプリング方法通則
- JISZ9015-0:1999
- 計数値検査に対する抜取検査手順―第0部:JIS Z 9015抜取検査システム序論