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つくのは危険であるので避けなければならない。
c) 多くの石油蒸気は,有害で引火性があるから,蒸気の吸入はできるだけ避けるとともに,裸火,静電
気の火花放電金属性用具による火花などは避けなければならない。鉄製のびょうを打った靴は,火花
を発生させるおそれがあるから,使用しない。
d) 試料採取器及び試料容器は,必要に応じて採取しようとする試料で,あらかじめ共洗いした後,用い
る。
e) 比較的揮発性の高い試料[蒸気圧(リード法)13.7 kPa以上のもの。]を採取器から試料容器に移す場
合は,できるだけ外気に触れないように注意して行う。
f) 試料採取作業は,ハッチなどから採取するときは,必ず風向と平行な位置で作業を行う。
備考1. 風向と平行な位置とは,試料採取者とハッチとの中心を結ぶ線に対し,風向は垂直に交わる
ことを意味する。
2. 消防法によって指定された危険物(第1第4石油類)の試料採取作業は,“危険物取扱者”
が直接作業に当たるか,又は立ち会う。
6.3 静電気災害防止にかかわる注意事項
石油製品の試料採取時の静電気災害は,静電気の帯電,爆発
混合気の形成,放電などの条件が重なったときに起こる。このため,一般に,石油製品は静電気を帯電し
やすいが,特に航空タービン燃料油,重質工業ガソリンなどは常温で爆発混合気を形成しやすいので,試
料の採取に当たっては,次の事項に注意しなければならない。
a) 試料採取作業は,雷の発生が予想される場合は行ってはならない。強風時にはハッチから風が吹き込
み,タンク内の蒸気濃度が爆発範囲の上限以上であっても局部的に爆発範囲内の蒸気濃度になること
があるので注意して行う。
b) タンクなど容器内の試料をハッチから採取する場合は,移送又は充てん完了後,30分間以上の静置時
間をおくことが望ましい。
備考 フローティングルーフタンクの場合,又はその他のタンクで石油製品に静電防止剤が添加され,
導電率50 pS/m以上の場合には,電荷はほとんど形成されないので,30分間の静置時間を短縮
することができる。
c) 試料採取作業直前にアースバーを素手で握るか,除電ゲートなどで人体除電を行う。
備考 作業床は導電性塗装をするか,導電マットなどを敷くとよい。
d) 作業者の服装は,作業衣,靴などに導電性のよいものを使用し,試量採取作業中は,衣服の着脱を行
わず,火花を発生する可能性のある靴類をはいてはいけない。また,手袋は通常,使用してはならな
い。ただし,保護手袋を使用する必要がある場合は(腕,バンドなどを人体除電のために接地するか)
導電性の手袋を使用する。
e) 試料採取器から金属製試料容器への移し替えを現場で行う場合は,試料容器も接地を行う。
f) 試料採取器及び試料容器を共洗いした場合は,共洗い油を別の容器に入れ,試料採取作業終了後,別
途,安全に処理を行う。
6.4 試料取扱いにかかわる注意事項
試料取扱いにかかわる注意事項は,次による。
6.4.1 揮発性試料 原油及び揮発性試料は,できるだけ蒸発損失を防ぐように注意しなければならない。
試料採取器をそのまま試料容器として使う場合を除き,試料採取器から試料を,直ちに試料容器に移し,
常に密閉して冷暗所に置く。また,試料の入った容器の栓をあける場合は,あらかじめその内容物を十分
に冷却しておかなければならない。
6.4.2 感光性試料 不飽和分を多く含む試料は,光又は熱によって変質しやすいので,色,添加剤含有量,
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スラッジ生成特性,酸化安定性,中和価,オクタン価などの試験に使用する場合は,採取後,直ちに褐色
瓶などに入れ光線から遮へいして暗所に保管しなければならない。
6.4.3 試料容器内の空間容積 内容物の膨張又は収縮に備え,試料容器には10 %以上の空間容積を残し
ておかなければならない。
6.4.4 試料の運搬 運搬中に液・蒸気などの損失,及び水分・ほこりの混入を防ぐため,ガラス瓶には,
栓の上にプラスチック製キャップをかぶせ,シール剤で密封するか,又は栓にプラスチックシートをかぶ
せ,首のところで固く縛っておかなければならない。また,金属製試料容器の場合には,内ふたを併用し,
ふたを固く締め,漏れないようにしなければならない。危険物の運搬に当たっては,関係法令 (4) に従う。
注(4) 消防法による。
7. 一次試料の採取方法
原油及び石油製品で液体状態の一次試料の採取方法,採取場所の一例及び適用
油種の一例を表5に示す。
表 5 一次試料の採取方法,採取場所及び適用油種
規定箇 採取方法名 採取場所の一例 適用油種の一例
条番号
7.1 おもり付き採取器に 原油,工業ガソリン,自動車ガソリン,航空ガ
タンク車,ローリ,固定タン
よる採取方法 ク,船 ソリン,航空タービン燃料油,灯油,軽油,重
7.2 タップ採取方法 固定タンク 油,潤滑油
7.3 タンク循環ライン採 固定タンク,循環パイプライ
取方法 ン
7.4 連続ライン採取方法 送油パイプライン
7.5 シーフ採取方法 タンク車,船,固定タンク
7.6 細管採取方法 ドラム,たる,缶
7.7 サイホン式採取方法 ドラム,たる,缶 灯油,軽油,重油,潤滑油
7.8 くみ取り採取方法 露出流,タンク車,ローリ 潤滑油
7.1 おもり付き採取器による採取方法
7.1.1 適用範囲 この方法は,蒸気圧(リード法)が180 kPa以下の液体試料をタンク車,ローリ,固定
タンク及び船から採取する場合に適用する。また,加熱して液状になる半流動体の採取に適用してもよい。
7.1.2 試料採取器 試料採取器は,次のa) d) の4種類とする。ただし,試料採取器の細部の形状・寸
法は,採取箇所の状況に応じて変更してもよい。
a) おもり付き金属製採取器 おもり付き金属採取器の一例を図2.1及び表6に示す。
b) おもり付きガラス製採取器 図2.2に示す形状で,瓶保持具及びガラス瓶から編成する。瓶保持具は
黄銅製,鉛製又はステンレス鋼製で,空の瓶を油中に沈めるのに十分な質量とする。
c) 磁器製採取器 図3に示す形状・寸法のもの。ただし,ガラス製でもよい。
d) シリンダー採取器 図4にシリンダー採取器の形状・寸法の一例を示す。試料を入れたとき10分間に
10 %以上漏れがあってはならない。
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単位 mm
図 2.1 おもり付き金属製採取器の一例
図 2.2 おもり付きガラス製採取器の一例
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表 6 おもり付き金属製採取器の寸法及び適用油種の一例
単位 mm
品名 各部の寸法記号 適用油種
A B C D E F G H I
±1 ±1 ±2 ±3 ±2 ±3 ±3 ±3 ±10
260 mL 20 45 51 50 15 40 60 155 260 工業ガソリン,自動車ガ
(細口) ソリン,航空ガソリン,
500 mL 20 55 61 45 20 55 80 220 340 航空タービン燃料油,軽
(細口) 油
1L 20 76 82 45 25 70 100 255 395 軽質潤滑油
(細口) その他軽質油
500 mL 40 55 61 45 20 55 80 220 340 重油,重質潤滑油
(広口)
1L 40 76 82 45 25 70 100 255 395 重質原油
(広口)
単位 mm 単位 mm
図 3 磁器製採取器の一例 図 4 シリンダー採取器の一例
7.1.3 たぐり綱の仕様及び採取時の静電気災害防止のための使用方法 たぐり網の仕様及び採取時の静
電気災害防止に関する注意事項は,次による。
a) おもり付き金属製採取器,おもり付きガラス製採取器,シリンダ採取器(金属部分が露出している採
取器)などで静電気災害発生のおそれのある試料(例えば,航空タービン燃料油,工業ガソリン,自
動車ガソリン,航空ガソリン,灯油,原油など。)を採取する場合には,導電性たぐり綱を用いる。ア
ースを確実にするために,図5に示すように採取器のハンドルに結び付けた,たぐり綱の一端を採取
器本体のアース端子に固定し,他の一端に取り付けたアース用クランプでタンクのアース端子に確実
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に接続する。硬銅より線入り木綿たぐり綱を使用する場合には,採取器の本体,ハンドル及びアース
用クランプへの接触部は,被覆をはがし,電気的に確実に接続する。
図 5 採取器のアースのとり方の一例
備考1. 静電気災害発生のおそれの少ない試料(例えば,軽油,重油,潤滑油など)を採取する場合
は,純木綿たぐり綱を用いてもよい。
2. たぐり綱は,JIS C 3105に規定する1種硬銅より線入りの木綿ロープ,JIS L 2701に規定す
るマニラロープ,サイザルロープなどの導電性ロープを用いるとよい。
b) おもり付き金属製採取器,おもり付きガラス製採取器及びシリンダー採取器(金属部分が露出してい
る採取器)などで静電気災害発生のおそれの少ない試料(例えば,軽油,重油,潤滑油など)を採取
する場合には,a) 備考2.に規定するもののほかに白打綿ロープ(純木綿ロープ)を用いてもよい。
c) 磁器製採取器(金属を全く使用しないもの)で採取する場合は,白打綿ロープ(純木綿ロープ)を用
い,銅より線入り木綿たぐり綱などの導電性のものは用いてはならない。
備考 市販の木綿ロープには,化学繊維が混紡されているものもあるので注意を要する。
d) 試料採取前に,次の事項を確認する。
1) 採取器のたぐり綱に硬銅より線を使用する場合は,断線していないことを確認する。
2) 試料採取現場の周囲にスチームの漏れ及び噴射がないを確認する。
e) 試料採取器から金属製試料容器への移し替えを現場で行う場合は,試料容器も接地を行う。
f) 試料容器,採取器及びたぐり綱に付着した試料をふき取るのに用いる布は,植物繊維の布を使用し,
化学繊維の布は,できるだけ使用しない。
g) ハッチから試料を連続して採取する場合は,前回の採取器を引き上げた後,発生電荷の消滅をもって
(できるだけ時間間隔を置く)から次の採取を行う。
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JIS K 2251:2003の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3170:1988(MOD)
JIS K 2251:2003の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2251:2003の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2101:1950
- 絶縁油試験方法
- JISC2101:1999
- 電気絶縁油試験方法
- JISC3105:1994
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- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK2220:2013
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- JISK2240:2013
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- JISK2275:1996
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- 芳香族製品及びタール製品試料採取方法
- JISL2701:1992
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- JISM8100:1992
- 粉塊混合物―サンプリング方法通則
- JISZ9015-0:1999
- 計数値検査に対する抜取検査手順―第0部:JIS Z 9015抜取検査システム序論