JIS K 6264-2:2005 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―耐摩耗性の求め方―第2部:試験方法 | ページ 5

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7) その他標準とは異なる試験条件
e) 試験結果
1) 1 000回転当たりの摩耗体積及び/又は摩耗抵抗指数
2) 標準配合及び試験片の密度
f) 試験年月日
g) その他必要事項

9. 改良ランボーン摩耗試験

9.1 目的

 この試験は,加硫ゴムの摩耗試験のうち,改良ランボーン摩耗試験機を用いて耐摩耗性を求
めるために行う。

9.2 改良ランボーン摩耗試験機

 改良ランボーン摩耗試験機は,試験片取付部,試験片を摩耗させる研
磨輪,試験片及び研磨輪をそれぞれ異なる回転速度で回転させる駆動装置,試験片を研磨輪に規定の荷重
(付加力)で押し付けるための圧着装置,摩耗粉が研磨輪表面に粘着するのを防ぐための打粉剤供給装置,
打粉剤の飛散防止と試験の安全のための主要部分を囲む試験槽などで構成し,試験片回転軸には,試験中
試験の安定性を監視するためのトルクメータを備えているのが望ましい。
改良ランボーン摩耗試験機は,平行な軸を中心に独立に回転する研磨輪と試験片とを円周上で規定の付
加力で押し付け,両者の表面速度の差から試験片を摩耗させる。改良ランボーン摩耗試験機の一例を,図
7に示す。

――――― [JIS K 6264-2 pdf 21] ―――――

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図 7 改良ランボーン摩耗試験機の一例
9.2.1 試験片取付部
a) 試験片が,試験中にトルクを受けても試験片回転軸上でスリップしない構造をもち,試験片回転軸の
回転速度を正確に伝える構造とする。
b) 試験片の両面に,試験片を挟む円盤状の試験片ガイドをもち,試験片ガイドの寸法は,直径58.5 mm
又は直径43 mmで,厚さ4 mmの一対の円盤状とする。
9.2.2 研磨輪 研磨輪は,JIS R 6210に規定する,と粒の材質 : C,粒度 : F80,結合度 : K,組織 : 7の
ビトリファイド研削といし(C80−K7−V)を用い,その寸法は,直径175305 mm,及び厚さ2050 mm
の円盤状とする。
9.2.3 駆動装置 駆動装置は,試験片及び研磨輪をそれぞれ異なる速度で回転させるため,二つの電動機
及びそれに連結した可変速機構をもち,速度は次の範囲で独立して調節できなければならない。
a) 試験片表面の速度の調節範囲は,毎分10200 mとする。
b) 研磨輪表面の速度の調節範囲は,毎分10200 mとする。

――――― [JIS K 6264-2 pdf 22] ―――――

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備考 試験片回転軸上にトルクメータをもつ場合,トルクメータは,最大5 N・mまでのトルクが測定
できるものとする。
9.2.4 圧着装置 圧着装置は,試験片の寸法に関係なく,試験中常に一定の付加力で,試験片が研磨輪に
圧着できる装置で,付加力を580 Nの範囲で調節できるものとする。
9.2.5 打粉剤供給装置 打粉剤供給装置は,試験中,摩耗粉が研磨輪表面に粘着するのを防ぐため,試験
片及び研磨輪の間に一定量の打粉剤を落下させる装置をもち,落下量は試験条件によって調節可能なもの
とする。打粉剤は,通常,JIS R 6111に規定する,炭化けい素質研削材C又はGC,粒度F80100のもの
を用いる。打粉剤の落下量は,毎分1030 gとする。
9.2.6 試験槽 高速で回転する研磨輪と試験片の危険防止及び打粉剤飛散防止の点から試験槽をもち,摩
耗試験は試験槽内で行う。

9.3 試験片

9.3.1  試験片の形状及び寸法 試験片の形状及び寸法は,直径63.5 mm又は直径49 mm,及び厚さ5 mm
の円盤状とする。
備考 試験片寸法,試験片ガイド寸法及び研磨輪寸法の望ましい組合せを,表3に示す。
表 3 試験片寸法,試験片ガイド寸法及び研磨輪寸法の組合せ
単位 mm
組合せ 試験片寸法 試験片ガイド寸法 研磨輪寸法
直径 厚さ 直径 厚さ 直径 厚さ
a 49.0 5.0 43.0 4.0 175.0 2050
b 63.5 5.0 58.5 4.0 205.0 2050
c 49.0 5.0 43.0 4.0 305.0 2050
9.3.2 試験片の採取・作製 試験片の採取・作製は,型加硫,加硫シート又は製品から採取する。加硫シ
ート及び製品から採取した場合,試験前に試験片の摩耗面が滑らかになるように研磨しなければならない。
9.3.3 基準試験片 基準試験片は,附属書1表1に規定された配合Aを用いて作製する。
9.3.4 試験片の数 試験片の数は,2個とする。

9.4 試験方法

9.4.1  試験条件 試験条件は,5.によるほか,次による。
a) 標準試験条件
1) 試験片表面の速度 毎分80 m
2) スリップ率 30 %
3) 付加力 40 N
4) 打粉剤落下量 毎分20 g
5) 本摩耗試験時間 摩耗体積が約100200 mm3になるまでの時間
備考1. スリップ率の定義は,次による。
vT vA
S 100
vT
ここに, S : スリップ率 (%)
vA : 研磨輪表面の速度 (m/min)
vT : 試験片表面の速度 (m/min)
2. 本摩耗試験時間は,あらかじめ試験片1個を用いて同じ条件で数10秒間の摩耗試験を行い,
その時間と摩耗質量とから,摩耗体積が約100200 mm3になる時間を算出する。

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また,予備摩耗試験の摩耗質量から,次の式によって算出してもよい。
tP
tT VT t
mP
ここに, tT : 本摩耗試験時間 (s)
VT : 本摩耗試験の摩耗体積 (mm3)(約100200 mm3)
ρt : 試験片の密度 (g/cm3)
tP : 予備摩耗試験時間 (s)
mP : 予備摩耗質量 (mg)
b) その他の試験条件 その他の試験条件を用いる場合,次の範囲から選択する。
1) 試験片表面の速度 毎分10200 m
2) スリップ率 580 %
3) 付加力 580 N
4) 打粉剤落下量 毎分1030 g
5) 本摩耗試験時間 摩耗体積が約100200 mm3になるまでの時間
9.4.2 操作方法 操作方法は,次による。
a) 試験片の密度を,JIS K 6268によって測定する。
b) 予備摩耗試験 試験片を試験片回転軸に固定し,標準試験条件に設定し,試験片を研磨輪に圧着させ
て,打粉剤を落下させながら予備摩耗を行う(15)。
注(15) 予備摩耗時間は,試験片の発熱を避けるよう必要最小限時間(通常1020秒)で行う。
c) 本摩耗試験
1) 予備摩耗試験終了後の試験片の質量を,1 mgの精度で測定する(16)。
2) 質量測定後の試験片を,試験片回転軸に固定する。
3) 規定の試験条件で,本摩耗試験を行う。
4) 本摩耗試験終了後の試験片の質量を,1 mgの精度で測定する(16)。
注(16) 試験片の質量を測定する場合は,付着した摩耗粉及び打粉剤を取り除かなければならない。

9.5 計算

 計算は,次による。
a) 摩耗体積 単位時間当たりの摩耗体積 (mm3/min) 又は体積摩耗率 (mm3/km) は,次の式(10)及び式
(11)によって算出する。
m
V (10)
t
ここに, V : 単位時間当たりの摩耗体積 (mm3/min)
m : 2個試験片の摩耗質量の平均値 (mg)
ρ : 試験片の密度 (g/cm3)
t : 本摩耗試験時間 (min)
m
V (11)
l
ここに, V′ : 体積摩耗率 (mm3/km)
m : 2個の試験片の摩耗質量の平均値 (mg)
ρ : 試験片の密度 (g/cm3)
l : 摩擦距離 (km) (17)
注(17) 摩擦距離は,初期の試験片表面の速度及び本摩耗
試験時間から,次の式によって算出する。

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vTt
l
1 000
ここに, l : 摩擦距離 (km)
vT : 試験片の表面速度 (m/min)
t : 本摩耗試験時間 (min)
b) 摩耗抵抗指数 摩耗抵抗指数は,摩耗体積から次の式(12)によって算出する。
Vr Vr
I 100 100 (12)
Vt Vt
ここに, I : 摩耗抵抗指数
Vr : 基準試験片の単位時間当たりの摩耗体積 (mm3/min)
Vt : 試験片の単位時間当たりの摩耗体積 (mm3/min)
Vr′ : 基準試験片の体積摩耗率 (mm3/km)
Vt′ : 試験片の体積摩耗率 (mm3/km)

9.6 記録

 試験結果には,次の事項を記録しなければならない。
a) 適用規格番号
b) 試料及び試験片の詳細
c) 試験片の採取・作製方法
d) 試験の詳細
1) 試験温度
2) 試験片表面速度
3) スリップ率
4) 試験片の付加力
5) 打粉剤落下量
6) 試験時間
7) 基準配合の種類
8) その他標準とは異なる試験条件
e) 試験結果
1) 単位時間当たりの摩耗体積又は体積摩耗率
2) 摩耗抵抗指数
f) 試験年月日
g) その他必要事項

10. ピコ摩耗試験

10.1 目的

 この試験は,加硫ゴムの摩耗試験のうち,ピコ摩耗試験機を用いて耐摩耗性を求めるために
行う。

10.2 ピコ摩耗試験機

 ピコ摩耗試験機は,試験片を固定するターンテーブル及びその駆動装置,試験片
を摩耗させる刃及び刃固定部,刃を試験片に規定の荷重(付加力)で押し付ける圧着装置,試験片摩耗く
ずの除去を助けるための打粉剤供給装置,真空吸じん装置などで構成する。
ピコ摩耗試験機は,試験片に2枚の刃を鉛直に規定の付加力で押し付け,試験片を正逆2方向に回転さ
せて摩耗させる。ピコ摩耗試験機の一例を図8に示す。

――――― [JIS K 6264-2 pdf 25] ―――――

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JIS K 6264-2:2005の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4649:2002(MOD)

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JIS K 6264-2:2005の関連規格と引用規格一覧