JIS K 7140-2:2007 プラスチック―比較可能なシングルポイントデータの取得及び提示―第2部:長繊維強化プラスチック | ページ 2

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K 7140-2 : 2007 (ISO 10350-2 : 2001)
ISO 2577 Plastics−Thermosetting moulding materials−Determination of shrinkage
ISO 11357-2 Plastics−Differential scanning calorimetry (DSC)−Part 2: Determination of glass transition
temperature
ISO 11357-3 Plastics−Differential scanning calorimetry (DSC)−Part 3: Determination of temperature and
enthalpy of melting and crystallization
ISO 11359-2 Plastics−Thermomechanical analysis (TMA)−Part 2: Determination of coefficient of linear
thermal expansion and glass transition temperature
ISO 14125 Fibre-reinforced plastic composites−Determination of flexural properties
ISO/DIS 14127 Composites−Determination of the resin fibre and void content of composites reinforced with
carbon fibre
IEC 60093 Methods of test for volume resistivity and surface resistivity of solid electrical insulating materials
IEC 60243-1 Electrical strength of insulating materials−Test methods−Part 1: Tests at power frequencies
IEC 60250 Recommended methods for the determination of the permittivity and dielectric dissipation factor
of electrical insulating materials at power,audio and radio frequencies including metre wavelengths

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
シングルポイントデータ (single-point data)
性能の重要な様相を単一の値で表現できる試験値で,プラスチック材料を特徴付けるデータ。
3.2
試験片座標軸 (specimen coordinate axes)
繊維が一方向に選択的に配向した材料の,配向に関連した座標軸。
注記1 繊維の配向軸が既知の場合,その方向を“1”−軸(又は“1”−方向)とする。板状の材料
の場合,面内の“1”−軸と直行する方向を“2”−軸とする。
注記2 繊維の配向が未知の場合,複合材料又は強化繊維の製造方向(例えば,織物の縦糸)の方向
を“1”−軸とする。

4 試験片の作製及び状態調節

  試験片は,ISO 1268の規格群の該当する部で規定する試験材料に適する成形方法によって作製した試験
板から切り出す。機械加工による試験片の作製は,JIS K 7144による。その試験片の寸法は,表2の該当
する試験片寸法による。
ISO 1268の規格群の各部又は他の国際規格に規定している成形条件は,その材料について採取したシン
グルポイントデータとともに記録する。一般的な成形条件を,表1に示す。

――――― [JIS K 7140-2 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
K 7140-2 : 2007 (ISO 10350-2 : 2001)
表1−一般的な成形条件
成形材料の種類 成形方法及び該当規格 成形パラメータ
試験板の成形は, 詳細は,ISO 1268の規格群の各部を参照
JIS K 7016-2並びに 温度(金型,樹脂,硬化,後硬化など)
長繊維強化
ISO 1268-1及び 圧力(成形,保持,樹脂トランスファ,真空度など)
プラスチック
ISO 1268-3 時間,速度(硬化時間,巻付け又は引抜き速度,ガラス繊維及
ISO 1268-11の各部による。び樹脂の単位時間当たりの噴霧量など)
吸水に敏感でない材料による試験片は,その材料のJIS又は国際規格によって状態調節を行う。該当す
る材料規格がない場合,JIS K7100に規定する温度23±2 ℃及び相対湿度(50±10)%で,最低88時間,
試験片の状態調節を行う。
吸水に対して著しく影響を受ける材料の場合,乾燥した材料並びに温度23 ℃及び相対湿度 50 %で平
衡になった材料による各試験片の両方のデータを提示する。ただし,次の場合を除く(表2参照)。
レオロジー的特性 表2の1.11.6 − 乾燥した材料だけ
熱的特性 表2の3.13.8 − 乾燥した材料だけ
表面抵抗率及び耐トラッキング性 表2の4.6及び4.9 − 温度23 ℃,相対湿度 50 %で平
衡になった材料だけ
材料を,乾燥するため又は相対湿度 50 %で平衡とするための試験片の状態調節手順については,当該
材料規格を参照する。これらの状態調節に続き,すべての試験片は,温度23±2 ℃で,最低16時間放置
後に試験する。放置時の湿度雰囲気は,試験片の試験条件によって,乾燥又は相対湿度 50 %のいずれか
を選択する。

5 試験要求事項

  データを求めるときは,表2に規定する試験方法,試験条件及び単位を用いる。強化材の種類によって
試験方法が異なった手順となる場合,試験材料に適する手順を用いる。

6 結果の提示

  データは,表2に示すとおりとし,材料を特定する情報及び箇条4の該当する情報をデータの前に記載
する。データには,用いた樹脂,強化繊維の種類,強化繊維の含有率(質量分率%)及び形状並びに試験
片作製時の成形方法を含む。
平行及び直角の異なる方向での測定が必要な場合,“1”軸及び“2”軸方向に別々に測定する。測定値
は,“1”の値及び“2”の値の欄(表2参照)にそれぞれ記録する。単一の測定値だけ必要な場合は,欄
“1”の値に記録する。
試験をするときに,試験片を乾燥したか,温度23 ℃及び相対湿度 50 %の状態で平衡状態であったか,
又は特性が水分の存在に影響されなかったかについて表示する。
試験する試験片の最低数は,関連する特性の試験方法規格の規定による。“数値”の欄は,それぞれの
特性の平均値(又は,試験方法の規格の中で規定しているならば中央値)を記録する。
なお,それぞれの特性を記録した数値が,その試験材料を代表できるように,試験片は可能な限り長期
間生産中に採取した,少なくとも三つの材料サンプルから作製することが望ましい。

――――― [JIS K 7140-2 pdf 7] ―――――

                                                                                                                                              K7
5
表2−長繊維強化プラスチック複合材料 ―シングルポイントデータの提示のための試験条件及びフォーマットa)
14
特性 記号 試験方法 試験片のタイプ及び寸法“1”“2”単位 試験条件及び補足説明
0-
2
規格 mm の値 の値
: 2
1 レオロジー的特性(1.11.6の特性については,箇条4の水分含量に関する規定を参照)
00
1.1 メルトマスフローレイト MFR
7(I
1.2 メルトボリュームフローレイト MVR
SO1
1.3 熱硬化性プラスチックの成形収縮 SM1 ISO 2577 ISO 2577参照 %
03
1.4 率 SM2 圧縮成形 : 120×15×10
50
射出成形 : 60×60×2
-2 : 2
1.5 熱可塑性プラスチックの成形収縮
0
1.6 率
01)
2 機械的特性(2.8及び2.9の特性については,箇条4の水分含量に関する規定を参照)
2.1 引張弾性率 Et JIS K 7164 各規格で規定した試験片 MPa 注b) 及び 試験速度は,関連する規格を参照。
及び の中から,材料に適した 図1参照
JIS K 7165 ものを選択して用いる。
2.2 引張降伏応力
2.3 引張降伏ひずみ 攀
2.4 引張破壊呼びひずみ 攀
2.5 50 %ひずみ時引張応力
2.6 引張破壊応力 JIS K 7164 各規格で規定した試験片 MPa 注b) 及び 試験速度は,関連する規格を参照。
2.7 引張破壊ひずみ 攀 及び の中から,材料に適した % 図1参照
JIS K 7165 ものを選択して用いる。
2.8 引張クリープ弾性率 Etc1
2.9 Etc103
2.10 曲げ弾性率 Ef ISO 14125 該当材料規格に規定した MPa 3点曲げ試験を用いる。
試験片寸法とする。 試験片の種類ごとに規定する試験速度を用いる。
2.11 曲げ強さ
2.12 シャルピー衝撃強さ acU JIS K 7111-1 80×10×4 kJ/m2 フラットワイズ衝撃 c)
ノッチなし 又は
JIS K 7111-2
2.13 シャルピー衝撃強さ acA
ノッチ付き
2.14 引張衝撃強さ atN

――――― [JIS K 7140-2 pdf 8] ―――――

                  表2−長繊維強化プラスチック複合材料 ―シングルポイントデータの提示のための試験条件及びフォーマット(続き)
特性 記号 試験方法 規格試験片のタイプ及び寸法 “2”
“1”
の値 単位 試験条件及び補足説明
mm の値
2 機械的特性(2.8及び2.9の特性については,箇条4の水分含量に関する規定を参照)
2.15 パンクチャー衝撃試験 FM JIS K 7211-2140×140×2 N 最大力 ストライカ速度4.4 m/s
2.16 EP J 最大値を示した ストライカ直径20 mm
後,力が50 %にストライカに潤滑剤を塗布する
d)
低下するまでの
パンクチャーエ 試験片が外側にずれないよう
ネルギー に,クランプで十分固定する。
2.17 面内せん断弾性率 G12 JIS K 7021 150×150×4 GPa 試験速度 1 mm/min
2.18 標準試験片を用いることができない場合,試験片
層間せん断強さ ILS JIS K 7057 20×20×2 MPa の各寸法は,標準試験片と同じ比率となるように
する。試験速度 1 mm/min
3 熱的特性(3.13.8の特性については,箇条4の水分含量に関する規定を参照)
3.1 溶融温度 Tm ISO 11357-3 成形材料 ℃ 溶融ピーク温度を記録。加熱(冷却)10 ℃/min e)
3.2 ガラス転移温度 Tg ISO 11357-2 中心温度を記録。加熱速度 10 ℃/min
3.3 荷重たわみ温度 Tf 1.8 80×10×4 ℃ 最大表面 1.8 1.8 MPa及び他の1条件を用い
3.4 Tf 0.45 応力 0.45 る。
JIS K7191-2 f)
3.5 Tf 8.0 (MPa) 8 フラットワイズ荷重を用いる
c)。
3.6 ビカット軟化温度 Tv 50/50
3.7 線膨張係数 愀 厚さ4 mmの角板 ℃−1 2355 ℃の範囲のセカント値を記録する。
ISO 11359-2
K7
3.8 愀
1
3.9 燃焼性 B50/3 JIS C 60695 125×13×3 クラスV-0,V-1,V-2,HB40又はHB75の一つを
40
記録する。
-
3.10 B50/h -11-10 3 mmを超える厚さh
2 : 2
3.11 B500/3 JIS C 60695 ≧150×≧150×3 クラス5VA,5VB又はNを記録するg)。
00
3.12 B500/h -11-20 3 mmを超える厚さh
7(
3.13 酸素指数 OI 23 JIS K 7201-2 80×10×4 % 手順A(上面着火)を用いる。
ISO1
4 電気的特性(4.6及び4.9の特性については,箇条4の水分含量に関する規定を参照)
0
4.1 比誘電率 攀 IEC 60093 ≧60×≧60×2 100 Hz 電極のエッジの影響を補正する。
350
4.2 攀 IEC 60250 1 MHz
-2 : 2
4.3 誘電正接 tan 100 Hz
0
4.4 tan 1 MHz
01
5
)

――――― [JIS K 7140-2 pdf 9] ―――――

                                                                                                                                              K7
5
表2−長繊維強化プラスチック複合材料 ―シングルポイントデータの提示のための試験条件及びフォーマット(続き)
14
特性 記号 試験方法 “1”
試験片のタイプ及び寸法 “2” 単位 試験条件及び補足説明
0-
2
規格 mm の値 の値
: 2
4 電気的特性(4.6及び4.9の特性については,箇条4の水分含量に関する規定を参照)
00
攀 攀電圧500 V 1 分間の値
7(
4.5 体積抵抗率 IEC 60093 ≧60×≧60×2
I
攀 圀
SO1
4.6 表面抵抗率 幅12 mm,長さ50 mm及び間げ
き5 mmの電極を用いる。
03
4.7 耐電圧 EB1 IEC 60243-1 ≧60×≧60×2 h) kV/mm 直径20 mmの球形電極を用いる。
50
JIS C 2101の変圧器油に浸せきする。
-
4.8 EB2 ≧60×≧60×4 h)及びi)
2 : 2
電圧速度2 kV/sを用いる。
0
4.9 耐トラッキング性 CTI JIS C 2134 ≧15×≧15×4 溶液Aを用いる。
01)
5 その他の特性
5.1 吸水率 Ww JIS K 7209 厚さ≧1 % 23 ℃の水中での飽和値
5.2 WH 23 ℃,相対湿度50 %での平衡値
5.3 密度 ISO 1183-1, 厚さ4 mmの角板 kg/m3 注j) 参照
ISO 1183-2
又は
ISO 1183-3
5.4 Mglass
ガラス及び無機物の含有率(焼成
JIS K 7052 − %
法) Mfiller
5.5 繊維含有率 Wf/Vf ISO/DIS 14127 硝酸分解法及び硫酸−過酸化水素混合液分解
− %

注a) データ提示の書式が,この規格群の第1部と一致するように,各特性の番号は,第1部と同じにしてある。第1部の表2を複写し,新しい特性用に追加の行を
挿入している。影を付けた特性は,長繊維強化プラスチックには不適切なものである。一般に,これらの材料は,クリープ現象及び塑性変形を示すことがほと
んどなく,また,射出成形が困難なためである。射出成形が,可能な材料に対しては,影を付けた特性を第1部と同じ方法及び条件で測定し,任意の追加デー
タとして記録してもよい。
b) 2.1,2.6及び2.7で記録するデータは,破断に至るまでの応力−ひずみ曲線の特性を示すことを意図している(図1参照)。
c) 第1部ではエッジワイズ衝撃を用いているが,長繊維強化プラスチックではフラットワイズ衝撃の方が好ましく,これを規定している。
d) この試験で比較可能なデータを採取するため,ストライカと試験片との間の摩擦を最小限にするよう,打撃面への潤滑剤の塗布を規定している。最適な潤滑剤
及びその使用方法についての詳細な説明は,JIS K 7211-2 を参照する。潤滑剤を用いない場合は,その結果が,摩擦によって高めとなる可能性があり,破壊の
様式も,潤滑剤を用いた試験と異なる可能性がある。
e) この特性を測定するのは,熱可塑性プラスチックとの複合材料についてだけである。
f) データの比較のための一般的な方法として,JIS K 7191-2を選択している。この規格の作成時点では,JIS K 7191-3は,この規格への適用が困難な状態である。
この問題は,次の改正で解決されるであろう。

――――― [JIS K 7140-2 pdf 10] ―――――

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JIS K 7140-2:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10350-2:2001(IDT)

JIS K 7140-2:2007の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 7140-2:2007の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC2101:1950
絶縁油試験方法
JISC2101:1999
電気絶縁油試験方法
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC60695-11-20:2018
耐火性試験―電気・電子―第11-20部:試験炎―500W試験炎による燃焼試験方法
JISK7016-2:2005
繊維強化プラスチック―試験板の作り方―第2部:接触圧成形及びスプレーアップ成形
JISK7021:2007
繊維強化プラスチック―平板ねじり法による面内せん断弾性率の求め方
JISK7052:1999
ガラス長繊維強化プラスチック―プリプレグ,成形材料及び成形品―ガラス長繊維及び無機充てん材含有率の求め方―焼成法
JISK7057:2006
繊維強化プラスチック―ショートビーム法による見掛けの層間せん断強さの求め方
JISK7100:1999
プラスチック―状態調節及び試験のための標準雰囲気
JISK7111-1:2012
プラスチック―シャルピー衝撃特性の求め方―第1部:非計装化衝撃試験
JISK7111-2:2006
プラスチック―シャルピー衝撃特性の求め方―第2部:計装化衝撃試験
JISK7144:1999
プラスチック―機械加工による試験片の調製
JISK7164:2005
プラスチック―引張特性の試験方法―第4部:等方性及び直交異方性繊維強化プラスチックの試験条件
JISK7165:2008
プラスチック―引張特性の求め方―第5部:一方向繊維強化プラスチック複合材料の試験条件
JISK7191-2:2015
プラスチック―荷重たわみ温度の求め方―第2部:プラスチック及びエボナイト
JISK7201-2:2007
プラスチック―酸素指数による燃焼性の試験方法―第2部:室温における試験
JISK7209:2000
プラスチック―吸水率の求め方
JISK7211-2:2006
プラスチック―硬質プラスチックのパンクチャー衝撃試験方法―第2部:計装化衝撃試験