JIS K 7142:2014 プラスチック―屈折率の求め方 | ページ 2

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K 7142 : 2014
4.1.2 光源 アッベ屈折計及び多波長アッベ屈折計について,次の光源を用いる。
a) アッベ屈折計 発光ダイオード,白色光源又はナトリウムランプ
b) 多波長アッベ屈折計 白色光源に干渉フィルタを組み合わせたもの,発光ダイオードに干渉フィルタ
を組み合わせたもの,白色光源に分光器を組み合わせたもの又はナトリウムランプなどの輝線
4.1.3 接触液 接触液は,試験片より高い屈折率のもので,材料を軟化,損傷又は溶解しないものを用い
る。表1にプラスチック材料用の接触液を例示する。
警告 接触液は,取扱い,保管及び廃棄時に環境を汚染するおそれがある。毒性を確認し,安全な取
扱い及び廃棄の関係法令に従わなければならない。
表1−接触液の例
プラスチック材料 接触液
セルロース誘導体 アニス油又は1-ブロモナフタレン
ふっ素含有ポリマー 1-ブロモナフタレン
ユリア−ホルムアルデヒド(UF) アニス油又は1-ブロモナフタレン
フェノール−ホルムアルデヒド(PF) 1-ブロモナフタレン
ポリエチレン(PE) 1-ブロモナフタレン
ポリアミド(PA) 1-ブロモナフタレン
不飽和ポリエステル(UP) 1-ブロモナフタレン
ポリイソブチレン(PIB) 弱酸性にした塩化亜鉛飽和水溶液
ポリメタクリル酸メチル(PMMA) 弱酸性にした塩化亜鉛飽和水溶液
1-ブロモナフタレン又はシリコーン油
ポリスチレン(PS) よう化水銀(II)カリウム飽和水溶液
スチレン−アクリロニトリル(SAN) 1-ブロモナフタレン
1-ブロモナフタレン
ビニル樹脂(塩化ビニル共重合体又は可塑化ポリ塩
化ビニル)(PVC)
ポリエチレンテレフタレート(PET) よう化メチレン
ポリ塩化ビニル(PVC) 1-ブロモナフタレン
ポリカーボネート(PC) よう化メチレン
ジエチレングリコール-ビス(アリルカーボネート) サリチル酸メチル,アニス油
(CR 39) 又は1-ブロモナフタレン
ポリアリレート(PAR) 弱酸性にした塩化亜鉛飽和水溶液,よう化メチレン
又は1-ブロモナフタレン
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK) よう化メチレン
ポリプロピレン(PP) 1-ブロモナフタレン
注記1 プラスチック材料の名称の後に,参考として材料の記号を括弧書きで示す。
注記2 CR39は,PPG社が提供する製品の商標名で,材料の記号ではない。この情報は,この規格の利用
者の便宜を図って記載するもので,この製品を推奨するものではない。
同じ結果が得られる場合は,これと同等の他のものを使用してもよい。
4.1.4 温度調節装置 主プリズム,副プリズム及び試験片の温度を(23±0.5) ℃に維持できる装置又は設
備。

4.2 B法

4.2.1  顕微鏡 倍率200倍以上,対物レンズの主倍率20倍程度で,光源の中央にある絞りで,非常に狭
い光束を得る集光装置を用いる。
4.2.2 光源 顕微鏡の光源は,単色光を用いる。通常は589 nmのナトリウムD線を用いる。
4.2.3 浸液 浸液として種々の屈折率の液体を用いる。

――――― [JIS K 7142 pdf 6] ―――――

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警告 浸液は取扱い,保管及び廃棄時に環境を汚染するおそれがある。毒性を確認し,安全な取扱い
及び廃棄の関係法令に従わなければならない。
表2に示す屈折率が既知の浸液を求める屈折率の精確さの程度によって単独又は混合し,必要な屈折率
の範囲をカバーする複数の浸液を用いる(±0.001の範囲の例では0.002ずつ異なる液を作製する。)。浸液
は,粒体表面を軟化,損傷,溶解又は膨潤させてはならない。
表2−浸液
浸液 23 ℃の屈折率
nD23
炭酸n-ブチル 1.410
クエン酸トリ-n-ブチル 1.444
フタル酸n-ブチル 1.491
1-ブロモナフタレン 1.657
よう化メチレン(ジヨードメタン) 1.747
よう化水銀(II)カリウム水溶液 1.4191.733 a)
シリコーン油 1.371.56 a)
注a) 試験に対応できる範囲

5 試験片及び試料

5.1 A法

  試験片は,屈折計の主プリズム表面の半分に装着できる寸法に切り出す。
板状試験片の寸法の推奨値 :
幅 : 8 mm
長さ : 20 mm(アッベ屈折計)又は20 mm40 mm(多波長アッベ屈折計)
厚さ : 3 mm5 mm
切り出したときに生じたばり(まくれ)又は試験片に付着した異物は取り除く。
接眼レンズの明視野と暗視野との間の境界線が明瞭で直線のときは,試験片とプリズムとの接触は十分
である。
試験片の形状は,測定精度に影響する。試験片の作製は,次による(図1参照)。
a) プリズムに接する面は光学的に平滑である。凹凸はλ/10(λ : 測定波長)程度が望ましい。平滑にする
ために,表面の研磨又は試験片を鏡面金型による成形を行ってもよい。
b) 試験片のエッジ(採光面)は,光学的に平滑とし,かつ,光沢又はつや消しとする。光沢又はつや消
しのいずれが適切であるかは試験片の性状による。実際に,接眼レンズからのぞ(覗)いて,明視野
と暗視野との間の境界線の明瞭さから判断する。二つの研磨表面が交差する辺[りょう(稜)線]は,
傾き又は丸みを帯びず,角が立っていなければならない。
c) 熱ひずみ又は成形ひずみ,水分の吸収(アクリルなど)の影響を除去することが測定には望ましく,
箇条6の状態調節の規定によって調節する。屈折率の測定では状態調節した方がよりよいが,測定し
たい試験片の本来の状態と異なってくることもあるので,用途に合わせて十分吟味して行う。
注記 試験片が透明の場合は,採光面がつや消しの方が望ましく,試験片が色付き又は不透明の場合
は,エッジ(採光面)は光学的に光沢の方が望ましい傾向がある。

――――― [JIS K 7142 pdf 7] ―――――

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フィルム状試験片の寸法の推奨値
幅 : 8 mm
長さ : 20 mm(アッベ屈折計)又は20 mm40 mm(多波長アッベ屈折計)
厚さ : フィルム実厚,ただし2 μm以上
異方性材料は,7.1.1.3参照。
1 エッジ(採光面,光沢又はつや消し)
2 プリズムに接する表面
3 二つの研磨表面が交差する辺
図1−試験片

5.2 B法

  測定する試料は,粒体の材料,例えば粉体,か粒のもの,ペレット又は板状若しくはフィルム状の小片
とする。粒子は十分小さく,視野内に分散され,試料とその周辺とがほぼ等面積で,これらを同時に観察
できる寸法のものでなければならない。
試験試料の厚さは,顕微鏡の対物レンズの作動距離より十分小さいことを確かめる。

5.3 試料及び測定の数

  板状又はフィルム状の試料を5個以上用意し,5回測定する。粉,ペレット及び粒状の場合は,5回以上
の測定に必要な試料量を用意し,5回測定を行う。その後,平均値を算出し,有効数字4桁まで求める。

6 状態調節

6.1   試験片又は試料は,JIS K 7100に規定する温度23 ℃相対湿度50 %,かつ,温度及び相対湿度の許
容差1級又は2級で,88時間以上状態調節する。ただし,材料の樹脂規格に規定されている場合は,それ
に従う。受渡当事者間で条件が指定された場合は,それに従う。
6.2 次のいずれかの試験雰囲気に,試験装置を設置する。
− 温度(23±1)℃,相対湿度(50±5)%
− 温度(23±2)℃,相対湿度(50±10)%
注記 ポリアミドのような吸湿性の高い材料では,長時間暴露すると,吸湿の不均一性によって表面
と内部とで屈折率が異なることがある。また,メタクリル樹脂(PMMA)のキャスト板では,
重合ひずみを取ると,小数点以下4桁目が12変化することがある。

7 手順

7.1 A法

  アッベ屈折計又は多波長アッベ屈折計を用いる場合(4.1.1参照)は,次の操作を行う。他の屈折計の場
合は,その装置の操作手順に従う。
測定は,(23±0.5)℃で行う。

――――― [JIS K 7142 pdf 8] ―――――

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7.1.1 アッベ屈折計
7.1.1.1 透明板
アッベ屈折計の場合は,透明試験片の表面(測定面)に微量の接触液(4.1.3参照)を滴下し,試験片の
エッジを光源の方に向けてプリズムの表面に密着させる(図2参照)。接眼レンズの視野の半分が暗くな
るまで測定つまみを調節する。
全ての色が視野からなくなるまで色消しつまみを調節する。その後,再び測定つまみを用いて屈折目盛
を調節し,明視野と暗視野との間の境界線を接眼レンズの十字線の交点に正確に一致させる(図3参照)。
屈折率目盛(図3参照)に示される試験片の屈折率を,有効数字4桁まで読み取る。
主分散及びアッベ数が必要な場合は,装置に添付された図表で,屈折率の値及び色消しつまみの読みか
ら求めることができる。ただし,ナトリウムランプの輝線の場合は,色消しつまみから主分散及びアッベ
数を求めることはできない。アッベ屈折計において,D線以外の波長で測定する場合は,読み取った値に
対して補正しなければならない。
1 色消しつまみ 4 試験片 7 乳白反射板
2 測定つまみ 5 接触液 8 副プリズム
3 接眼レンズ 6 光源 9 主プリズム
図2−アッベ屈折計における透明板の屈折率測定例

――――― [JIS K 7142 pdf 9] ―――――

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1 境界線 4 暗視野
2 十字線 5 屈折率目盛
3 明視野
図3−アッベ屈折計の視野例
7.1.1.2 フィルム
主プリズムの上に微量の接触液(4.1.3参照)を滴下し,フィルム試験片を置く。接触液をもう一滴フィ
ルム上に滴下し,その上にガラス板を置く(図4参照)。ガラス板の屈折率は,フィルム試験片より大き
くなければならない。ガラス板の採光面は,光沢面とつや消し面とがあり,いずれを選択するかは試験片
の性状による(図5参照)。
注記1 試験片の上にガラス板を置く目的は,フィルム試験片の屈折率測定では,フィルムが非常に
薄く,試験片のエッジを透過する安定した入射光を得ることが制限され,測定が困難なため
である。
注記2 異方性フィルム及び薄いフィルムの測定の場合は,安定した入射光を得ること及び分散の影
響を避けるために光源の照度を上げるとよい。
注記3 ガラス板の採光面は,試験片が透明な場合は光が散乱するつや消し面とすることが望ましく,
試験片が色付き又は光が散乱するような不純物がある場合は光沢面とすることが望ましい。

――――― [JIS K 7142 pdf 10] ―――――

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JIS K 7142:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 489:1999(MOD)

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