この規格ページの目次
- 3. 定義
- 4. 原理
- 5. 試薬
- 5.1 酢酸
- 5.2 2-ブトキシエタノール(エチレングリコールモノブチルエーテル)
- 5.3 2-ブタノン(メチルエチルケトン)
- 5.4 メタノール
- 5.5 水酸化ナトリウム
- 5.6 塩化ナトリウム
- 5.7 アセトン
- 5.8 硝酸銀溶液
- 5.9 塩化カリウム
- 6. 器具及び装置
- 6.1 電位差滴定装置
- 6.2 マグネチックスターラ
- 6.3 分析用はかり
- 6.4 ビーカ
- 6.5 三角フラスコ
- 6.6 還流冷却器
- 6.7 全量フラスコ
- 6.8 全量ピペット
- 6.9 ガラス製メスシリンダ
- 6.10 水浴
- 6.11 電気炉
- 7. 手順
- 7.1 エポキシ樹脂
- 7.2 グリシジルエステル
- 8. 計算
- 9. 結果の報告
- JIS K 7243-2:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS K 7243-2:2005の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS K 7243-2:2005の関連規格と引用規格一覧
2
K 7243-2 : 2005
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 定義
この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 易可けん化塩素(easily saponifiable chlorine) この規格でけん化される塩素。主に不完全な脱塩化水
素反応によって残存する1,2-クロルヒドリンとして存在する塩素が含まれる。易可けん化塩素量は,エポ
キシ樹脂の質量に対する易可けん化塩素の質量の比率で表す。
4. 原理
グリシジルエステルを除くエポキシ樹脂を,室温で2-ブトキシエタノール中において水酸化ナ
トリウム溶液と反応する。グリシジルエステルを,50 ℃でメタノール中で水酸化ナトリウム溶液と反応す
る。
反応混合液を,酸性とし,けん化によって生成した塩素イオンを,標準容量分析用硝酸銀溶液の電位差
滴定法によって測定する。試料の無機塩素量をJIS K 7243-1の方法に従って測定し,補正する。
5. 試薬
分析操作中,特に指定がない限り,分析用試薬特級及びJIS K 0557に規定する水を使用する。
5.1 酢酸
JIS K 8355に規定するもの。
5.2 2-ブトキシエタノール(エチレングリコールモノブチルエーテル)
褐色瓶中で暗所に保存する。
警告 2-ブトキシエタノールは有害である。蒸気の吸入を避け,皮ふ及び目に触れないようにする。
フードの下又はよく換気された場所で取り扱う。
5.3 2-ブタノン(メチルエチルケトン)
JIS K 8900に規定するもの。
5.4 メタノール
JIS K 8891に規定するもの。
警告 メタノールは有害である。蒸気の吸入を避け,皮ふ及び目に触れないようにする。フードの下
又はよく換気された場所で取り扱う。
5.5 水酸化ナトリウム
120 g/L溶液
水酸化ナトリウムの2-ブトキシエタノール溶液(エポキシ樹脂用)
水酸化ナトリウムのメタノール溶液(グリシジルエステル用)
JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム120 gを水75 mlに冷却しながら溶解する。2-ブトキシエタノー
ル(5.2)又はメタノール(5.4)で薄めて1 Lとする。
5.6 塩化ナトリウム
JIS K 8005に規定するもの。
5.7 アセトン
JIS K 8034に規定するもの。
5.8 硝酸銀溶液
0.01 mol/L
5.8.1 調製 JIS K 8550に規定する硝酸銀1.70 gを水に溶かした後,水で1 Lに薄める。
5.8.2 標定 あらかじめ500600 ℃で乾燥した塩化ナトリウム(5.6)約0.585 gを0.1 mgまで正確には
かりとり,1 Lの水に溶解する。この塩化ナトリウム水溶液5 mlをビーカ(6.4)に全量ピペット(6.8)で
はかりとる。アセトン(5.7)100 ml及び酢酸(5.1)2 mlを加える。次いで,0.01 mol/L硝酸銀溶液(5.8)
を用いて電位差滴定法で滴定する。溶媒(5.7)に対して同じ方法で空試験を行う。
電位差滴定法は,JIS K 0113による。
5.8.3 濃度の計算 濃度は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって有効数字3けたに丸める。
――――― [JIS K 7243-2 pdf 6] ―――――
3
K 7243-2 : 2005
5 m
c2
A (V−V0 )
ここに, c2 : 硝酸銀溶液(5.8)の濃度(mol/l)
m : はかりとった塩化ナトリウムの質量(g)
A : 58.5(塩化ナトリウムのグラム当量)(g/ mol)
V : 滴定に要した硝酸銀溶液(5.8)(ml)
V0 : 空試験に要した硝酸銀溶液(5.8)(ml)
5.8.4 保存 硝酸銀溶液は,褐色瓶中で暗所に保存する。
5.9 塩化カリウム
0.01 mol/L
5.9.1 調製 JIS K 8121に規定する塩化カリウム0.92 gを水に溶解し,水で薄めて1 Lとする。
6. 器具及び装置
器具及び装置は,通常使用される実験室用器具のほか,次のとおりとする。
6.1 電位差滴定装置
JIS K 0113に規定するガラス−銀電極,滴定用スタンド,及び10 mlミクロビュレ
ットをもつ適切な電位差滴定装置。
6.2 マグネチックスターラ
ポリテトラフルオロエチレン被覆のかくはん子をもつもの。
6.3 分析用はかり
0.1 mgの精度をもつもの。
6.4 ビーカ
容量200 ml。JIS R 3503に規定するもの。
6.5 三角フラスコ
容量200 ml。すり合わせガラス栓付き。JIS R 3503に規定するもの。
6.6 還流冷却器
6.7 全量フラスコ
容量1 000 ml。JIS R 3505に規定するもの。
6.8 全量ピペット
容量2 ml,5 ml,及び25 ml。JIS R 3505に規定するもの。
6.9 ガラス製メスシリンダ
容量100 ml。JIS R 3505に規定するもの。
6.10 水浴
50 ℃に保持できるもの。
6.11 電気炉
500600 ℃に加熱できるもの。
7. 手順
7.1 エポキシ樹脂
エポキシ樹脂の手順は次による。
a) 易可けん化塩素含有量が1.78 mg以下になるように,ビーカ(6.4)に試料を0.1 mgまで正確にはかり
とる。ビーカに2-ブトキシエタノール(5.2)25 mlを加え,マグネチックスターラ(6.2)を用い,必
要ならば加熱し試料を溶解する。室温まで冷却し,水酸化ナトリウムの2-ブトキシエタノール溶液
(5.5)25 mlをビーカに全量ピペット(6.8)で加える。よく混合し,ビーカにふたをして,反応混合
液を室温で2時間保持する。
b) 同様の値が得られることが示される場合には,このけん化時間を30分に短縮できる。この場合には,
“結果の報告”に記載する。
c) 2-ブタノン(5.3)100 ml及び酢酸(5.1)25 mlをかくはんしながら混合液に加える。酢酸を加えた際
に生成した沈殿物がすべて溶解するまで更に数分間かくはんする。
d) 銀電極(6.1)を試料液に浸す。硝酸銀溶液(5.8)で電位差滴定する。
酢酸を加えた後,できるだけ素早く滴定を行うことが必要である。そうしないと,低めの値が得ら
れることがある。
――――― [JIS K 7243-2 pdf 7] ―――――
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K 7243-2 : 2005
e) 同じ手順に従って,試料を除く以外は同じ試薬を用いて,同時に空試験を行う。
滴定に必要な硝酸銀溶液が1 ml以下である場合は(空試験も同じ。),滴定に先だって正しくはかっ
た0.01 mol/L塩化カリウム溶液(5.9)1 mlを試験溶液に加えて(空試験溶液も同じ。)測定をやり直
す。塩化カリウム溶液を加えた後,直ちに滴定を行う。
f) 試料の無機塩素量をJIS K 7243-1の方法に従って測定する。
7.2 グリシジルエステル
グリシジルエステルの手順は次による。
a) 易可けん化塩素含有量が1.78 mg以下になるように,三角フラスコ(6.5)に試料を0.1 mgまで正確に
はかりとる。三角フラスコに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(5.5)25 mlを加え,マグネチック
スターラ(6.2)を用いて試料を溶解する。還流冷却器(6.6)を取り付け,反応混合液を50 ℃の水浴
(6.10)中で2時間保持する。
同様の値が得られることが示される場合には,このけん化時間を30分に短縮できる。この場合には,
“結果の報告”に記載する。
b) 試料液を三角フラスコからビーカに移す。三角フラスコ内部を2-ブタノン(5.3)100 mlを用いて,3
回に分けて洗浄し,洗液はビーカに移す。
c) 酢酸(5.1)25 mlをかくはんしながら混合液に加える。酢酸を加えた際に生成した沈殿物がすべて溶
解するまで更に数分間かくはんする。
d) 7.1 d)7.1 f)と同様の操作を行う。
8. 計算
試料中の易可けん化塩素含有量は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって有効数字3け
たに丸める。
B c2 (V−V0 )1 000
w2 ( Cl) w1 Cl
m0
ここに, w2(Cl) : 易可けん化塩素含有量(mg/kg)
B : 35.5(塩素のグラム当量)(g/mol)
c2 : 硝酸銀溶液(5.8)の濃度(mol/L)
m0 : 試料の質量(g)
V : 滴定に要した硝酸銀溶液(5.8)(ml)
V0 : 空試験に要した硝酸銀溶液(5.8)(ml)
w1(Cl-) : 無機塩素量(mg/kg)[7.1 f) 参照]
9. 結果の報告
結果の報告には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号
b) 試料の特定に必要なすべての情報
c) IS K 7243-1に従って求めた無機塩素量
d) けん化時間(短縮した場合)
e) 試験結果
f) 試験年月日及び試験場所
g) 試験結果に影響すると考えられる規定された手順からの変更点(当事者間の同意の有無にかかわらず)
――――― [JIS K 7243-2 pdf 8] ―――――
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K 7243-2 : 2005
附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表
ISO 21627-2 : 2002 Plastics−Epoxy resins−Determination of chlorine content−Part 2 : Easily saponifiable
JIS K 7243-2 : 2005 エポキシ樹脂の塩素含有量の求め方
―第2部 : 易可けん化塩素 chlorine(プラスチックス−エポキシ樹脂−塩素含有量の求め方−第2部 : 易可けん化塩素)
(I)JISの規定 (II)国際規(III)国際規格の規定 (V)JISと国際規格と
(IV)JISと国際規格との技術的差異の項目
格番号 ごとの評価及びその内容 の技術的差異の理由及
表示箇所 : 本体 び今後の対策
表示方法 : 点線の下線
項目番号 内容 項目 内容 項目ごと 技術的差異の内容
番号 の評価
1.適用範囲 ISO 21627-2 1 IDT
2.引用規格 2 MOD/変更 ISO 3696-2を削除。JISとしてその他は5年見直しで
必要な規格14件を追加。 ISOに変更を提案する。
3.定義 3 IDT
4.原理 4 IDT
5.試薬 1) ISで規定する試薬を 5 MOD/変更
1) 分析用試薬使用。水は 5年見直しでISOに変更
1) 試薬の品質は,試薬JISを引
使用 純度3級以上(ISO 369 用して規定した。 を提案する。
2) 濃度の計算 : JIS Z 8401 6)。 2) 濃度の計算はJIS Z 8401に
により有効数字を3けた よった。
に丸める。
6.器具及び装 JISで規定する器具及び装 6 規格の規定はない。 MOD/変更 JIS規格品とした。 5年見直しでISOに変更
置 置を使用 を提案する。
6.2 マグネチ テトラフルオロエチレン − 6.1の電位差滴定装置の マグネチックスターラは項目
ックスター 被覆品使用を規定し,耐腐 中にあるが,仕様の規定 を追加し,被覆仕様を規定し
ラ 食性仕様を明示した。 はない。 た。
6.6還流冷却 溶媒のメタノール蒸気が − 換気性の良い場所で作 還流冷却器付きとしメタノー
器 引火性であること及び作 業という規定のみ ル蒸気の飛散を防止
業者の健康のため,還流冷
却器付きとした。
K7
7.手順 7 MOD/変更 7.2のグリシジルエステルの操安全上の理由で変更し
24
7.2 グリシジ 試料を還流冷却器をつけ 7.2 試料をビーカーで溶解 作手順を変更した。 た。
3-
2
ルエステル た三角フラスコで溶解 5年見直しでISOに提案
: 2
する。
005
5
――――― [JIS K 7243-2 pdf 9] ―――――
6
K 7243-2 : 2005
K7
6
2
(I)JISの規定 (II)国際規(III)国際規格の規定 (V)JISと国際規格と
(IV)JISと国際規格との技術的差異の項目
43
格番号 ごとの評価及びその内容 の技術的差異の理由及
-
2 : 2
表示箇所 : 本体 び今後の対策
0
表示方法 : 点線の下線
05
項目番号 内容 項目 内容 項目ごと 技術的差異の内容
番号 の評価
8.計算 JIS Z 8401によって,有効 8 JIS Z 8401に対応する規MOD/変更 5年見直しでISOに提案
JIS Z 8401によって,有効数字
数字3けたに丸めるとし 定はない。 3けたに丸めるとした。 する。
た。
― ― 9 精度 MOD/削除 ISOの“精度”を削除した。 精度を求めておらず,
JISでは規定しない。
5年見直しでISOに提案
する。
9.結果の報告 10 IDT
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−IDT··················技術的差異がない。
−MOD/削除·········国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
−MOD/変更·········国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−MOD·········・······国際規格を修正している。
JIS K 7243-2:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 21627-2:2002(MOD)
JIS K 7243-2:2005の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.080 : プラスチック > 83.080.10 : 熱硬化性材料
JIS K 7243-2:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK7243-1:2005
- エポキシ樹脂の塩素含有量の求め方―第1部:無機塩素
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8121:2007
- 塩化カリウム(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISK8900:2012
- 2-ブタノン(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方